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38 Side 唯 02話
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とりあえずのところ、リィが誰かを選ぶのはまだ当分先のことだろう、と俺たちの見解は落ち着いた。
ジャージャン、ジャージャン、ジャージャンジャージャンジャージャンジャージャン――
「唯、その着信音は誰?」
「秋斗さん」
オーナーはダースベーダー、秋斗さんはジョーズ。
だって、ふたりともそれがぴったりだと思うから。
オーナーは見るからにどす黒いしさ、秋斗さんなんてかぶりついたら放さないよ?
共通点といえば、どっちも俺に仕事させすぎなところ。
今までのリィの脈拍を見ていれば何かあったとは思うけど、それでリィの体調に著しい変化があれば俺たちだって気づく。
精神的な負荷がかかればリィは過呼吸を起こす。でも、まだ血圧や脈拍にそれらしき変化は出ていない。
まぁ、数値に異常が出てからじゃまずいんだけど……。
あんちゃんと顔を見合わせつつその電話に出る。
「何かありましたか?」
『いや、ただいま頭冷やすべく入浴中』
はぁ……?
「あんちゃん、この人またわけのわかんないこと言ってんだけど」
「は? だって今、そこに翠葉いるだろうに……」
「頭冷やすべく入浴中とかほざいてる」
俺もあんちゃんもどんな状況なのかは把握できず、携帯から聞こえてくる音に耳を澄ませていた。
次に発せられた声は、
『で、若槻と蒼樹は何してた?』
なんつーか、この人がこんな無意味な電話かけてくること自体が珍しく、ちょっとからかいたい衝動に駆られた。
「え? そりゃ、夜に男ふたり揃えばそれなりの話しかしないですよ。ほら、昔秋斗さんとしてたような……」
俺があんちゃんに笑みを向けると、あんちゃんは「くっ……」と笑いを堪えるように口元を押さえた。
『何、蒼樹ってそういう話するタイプ!?』
秋斗さんの声は少し大きくなり、隣で耳を澄ませているあんちゃんにも十分聞こえる声だった。
なんていうか、獲物がかかった、って感じだよね?
あんちゃん、一緒に大物釣り上げようよ。
「これ、スピーカーにしてもいいですか?」
そんなことしなくってもほぼ筒抜けなんだけど……。
なんたって、俺とあんちゃんはまだ隣に並んで座っているのだから。
まず男同士ではめったにないポジショニングだろう。
『ぜひともそう願いたい』
その言葉のとおり、俺は携帯をスピーカーの状態にしてふたりの間に持つ。
「あんちゃんがそういう話すんのかって訊いてたけど?」
訊いたのはあくまでもポーズ。あんちゃんもそれをわかっていて、
「あぁ……なんていうか、先輩とはしたくないですね」
しれっと答えた。
この顔写真撮りてぇ……。
『ほぉ……妙にきっぱりと言うじゃん』
そりゃ言うだろぉ……。あなた今からかわれてるんですってば……。
俺、上司に対してなんだかすごいことしてるな。
そんなことにも思わず笑いがこみ上げる。
「そりゃそうですよ。女専用の携帯を持っている時点で自分の主観とは違いすぎて話す気すら起きませんって」
あんちゃんもそれを続行するかのような返答をするから余計に腹が痛い。
『それを言うなら若槻だって変わらないだろ?』
秋斗さんの声がむすっとしているのがわかる。
この人どうしちゃったかな? こんな感情表現豊かになっちゃってさ……。
いつもなら余裕の切り替えしが返ってきそうなところなのに。
「でも、唯は遊びは遊びで派手だったみたいですけど、俺、こいつの本命知ってますから」
あぁ、そうだよね。そのことを知っているのはあんちゃんとリィだけだ。
携帯から応答がなくなった時点で、「嘘ですよ」とカミングアウトするあんちゃんは人がいいと思う。
これが蔵元さんだったらもう少し先まで引っ張った気がしなくもない。
「先輩が想像してるようなえぐい話はしてません。部屋の照明について話してました」
笑って種明かしをする。
仕返しとか全然考えてない人。この人、よく秋斗さんと付き合ってこれたよなぁ……。
いんや、待て……。あんちゃんもやっぱり鈍感の星の人っ!?
……ま、いっか。気になるのはそこじゃなくてこっち。
「で? 秋斗さんは何がどうして頭冷やし中なのか知りたいですね」
あんちゃんも身を乗り出し、
「それは俺も知りたいです。さっき少しだけ心拍が上がったんですよねぇ……。先輩、何やらかしました?」
あんちゃんが訊くと、
『抱きしめてキスしました』
「キスだあああああっ!?」
「先輩、キスって……」
俺たちの声音も瞬時に変わる。
あぁ、声だけじゃなくて態度も変わったかもしれない。
『頭のてっぺんにね』
と、小さく付け足された言葉にほっとする。
でも――
「それごときで頭冷やし中?」
確かに心拍は上がったけど、それでリィがパニくっている数値は出ていない。
何? ただ、自分がしたことに対して反省してんの?
『彼女がかわいすぎて勃っちゃいました。それを気づかれたくなくて、風呂に入ってくると言い訳中』
「ぶっ……あははははははっっっ!」
あはははははっ、この人なにやってんのっ! おかしすぎてはらわた捩れる。
俺がひーひー言って笑っていると、隣のあんちゃんは神妙な顔をして、
「はぁ、よくぞそれを翠葉に見せないでくれました」
などと言うのだから困る。
やばい、今なら俺、箸が転がっても笑える自信がある。
『でもさ、うちの学校の性教育をうけるのに、こんな予備知識もなくて大丈夫? 俺はそっちの方が心配だよ』
「確かに……人体模型にゴムをつける実習がありますからね」
何なに、藤宮の性教育ってそんなことまで教えんのっ!?
もうだめ、俺の腹筋は間違いなく筋肉痛への道を進んでいる。
『そうそう。模型として勃ってないやつもあるけど、ゴムかぶせるテストの方は大きくなってるやつを使うからね』
おいおい、どんな学校なんだよっ! 突っ込みどころ満載じゃねーかっ!
蔵元さーんっ、助けてーーー!
『ちょ、いったん切るわ』
通話は一方的に切られた。
ツーツーツー、ともの悲しい音が聞こえてくる。
「なんで通話を切ったのかが想像できなくないだけに少々困惑……」
あんちゃんが口元を歪める理由もわからなくもない。
あの人、たぶん口にしたことをまんまリィで想像したんだろうな。
「何、あの人急に十代に返っちゃった感じ?」
くくく、と笑っている俺にあんちゃんが倒れこんできた。
「ね、先輩、バスルームから出る前に落ち着くと思う?」
「微妙?」
「俺たちもあっち行くかぁ……。本当はさ、少しくらいふたりの時間があってもいいと思ってたんだけど、少々不安が募ってまいりました」
「でもさ、ヘルプ電話っていうか、カミングアウトしてくるくらいだから、理性保ってると思うよ。今までの秋斗さんだったら間違いなく手ぇ出してるでしょ」
「それもそうなんだけどさ……」
あんちゃんはそわそわしつつ自分の携帯ディスプレイを見て、
「もうちょっと様子見るか……。俺もシャワー浴びてくる」
と、バスルームへ消えた。
ジャージャン、ジャージャン、ジャージャンジャージャンジャージャンジャージャン――
「唯、その着信音は誰?」
「秋斗さん」
オーナーはダースベーダー、秋斗さんはジョーズ。
だって、ふたりともそれがぴったりだと思うから。
オーナーは見るからにどす黒いしさ、秋斗さんなんてかぶりついたら放さないよ?
共通点といえば、どっちも俺に仕事させすぎなところ。
今までのリィの脈拍を見ていれば何かあったとは思うけど、それでリィの体調に著しい変化があれば俺たちだって気づく。
精神的な負荷がかかればリィは過呼吸を起こす。でも、まだ血圧や脈拍にそれらしき変化は出ていない。
まぁ、数値に異常が出てからじゃまずいんだけど……。
あんちゃんと顔を見合わせつつその電話に出る。
「何かありましたか?」
『いや、ただいま頭冷やすべく入浴中』
はぁ……?
「あんちゃん、この人またわけのわかんないこと言ってんだけど」
「は? だって今、そこに翠葉いるだろうに……」
「頭冷やすべく入浴中とかほざいてる」
俺もあんちゃんもどんな状況なのかは把握できず、携帯から聞こえてくる音に耳を澄ませていた。
次に発せられた声は、
『で、若槻と蒼樹は何してた?』
なんつーか、この人がこんな無意味な電話かけてくること自体が珍しく、ちょっとからかいたい衝動に駆られた。
「え? そりゃ、夜に男ふたり揃えばそれなりの話しかしないですよ。ほら、昔秋斗さんとしてたような……」
俺があんちゃんに笑みを向けると、あんちゃんは「くっ……」と笑いを堪えるように口元を押さえた。
『何、蒼樹ってそういう話するタイプ!?』
秋斗さんの声は少し大きくなり、隣で耳を澄ませているあんちゃんにも十分聞こえる声だった。
なんていうか、獲物がかかった、って感じだよね?
あんちゃん、一緒に大物釣り上げようよ。
「これ、スピーカーにしてもいいですか?」
そんなことしなくってもほぼ筒抜けなんだけど……。
なんたって、俺とあんちゃんはまだ隣に並んで座っているのだから。
まず男同士ではめったにないポジショニングだろう。
『ぜひともそう願いたい』
その言葉のとおり、俺は携帯をスピーカーの状態にしてふたりの間に持つ。
「あんちゃんがそういう話すんのかって訊いてたけど?」
訊いたのはあくまでもポーズ。あんちゃんもそれをわかっていて、
「あぁ……なんていうか、先輩とはしたくないですね」
しれっと答えた。
この顔写真撮りてぇ……。
『ほぉ……妙にきっぱりと言うじゃん』
そりゃ言うだろぉ……。あなた今からかわれてるんですってば……。
俺、上司に対してなんだかすごいことしてるな。
そんなことにも思わず笑いがこみ上げる。
「そりゃそうですよ。女専用の携帯を持っている時点で自分の主観とは違いすぎて話す気すら起きませんって」
あんちゃんもそれを続行するかのような返答をするから余計に腹が痛い。
『それを言うなら若槻だって変わらないだろ?』
秋斗さんの声がむすっとしているのがわかる。
この人どうしちゃったかな? こんな感情表現豊かになっちゃってさ……。
いつもなら余裕の切り替えしが返ってきそうなところなのに。
「でも、唯は遊びは遊びで派手だったみたいですけど、俺、こいつの本命知ってますから」
あぁ、そうだよね。そのことを知っているのはあんちゃんとリィだけだ。
携帯から応答がなくなった時点で、「嘘ですよ」とカミングアウトするあんちゃんは人がいいと思う。
これが蔵元さんだったらもう少し先まで引っ張った気がしなくもない。
「先輩が想像してるようなえぐい話はしてません。部屋の照明について話してました」
笑って種明かしをする。
仕返しとか全然考えてない人。この人、よく秋斗さんと付き合ってこれたよなぁ……。
いんや、待て……。あんちゃんもやっぱり鈍感の星の人っ!?
……ま、いっか。気になるのはそこじゃなくてこっち。
「で? 秋斗さんは何がどうして頭冷やし中なのか知りたいですね」
あんちゃんも身を乗り出し、
「それは俺も知りたいです。さっき少しだけ心拍が上がったんですよねぇ……。先輩、何やらかしました?」
あんちゃんが訊くと、
『抱きしめてキスしました』
「キスだあああああっ!?」
「先輩、キスって……」
俺たちの声音も瞬時に変わる。
あぁ、声だけじゃなくて態度も変わったかもしれない。
『頭のてっぺんにね』
と、小さく付け足された言葉にほっとする。
でも――
「それごときで頭冷やし中?」
確かに心拍は上がったけど、それでリィがパニくっている数値は出ていない。
何? ただ、自分がしたことに対して反省してんの?
『彼女がかわいすぎて勃っちゃいました。それを気づかれたくなくて、風呂に入ってくると言い訳中』
「ぶっ……あははははははっっっ!」
あはははははっ、この人なにやってんのっ! おかしすぎてはらわた捩れる。
俺がひーひー言って笑っていると、隣のあんちゃんは神妙な顔をして、
「はぁ、よくぞそれを翠葉に見せないでくれました」
などと言うのだから困る。
やばい、今なら俺、箸が転がっても笑える自信がある。
『でもさ、うちの学校の性教育をうけるのに、こんな予備知識もなくて大丈夫? 俺はそっちの方が心配だよ』
「確かに……人体模型にゴムをつける実習がありますからね」
何なに、藤宮の性教育ってそんなことまで教えんのっ!?
もうだめ、俺の腹筋は間違いなく筋肉痛への道を進んでいる。
『そうそう。模型として勃ってないやつもあるけど、ゴムかぶせるテストの方は大きくなってるやつを使うからね』
おいおい、どんな学校なんだよっ! 突っ込みどころ満載じゃねーかっ!
蔵元さーんっ、助けてーーー!
『ちょ、いったん切るわ』
通話は一方的に切られた。
ツーツーツー、ともの悲しい音が聞こえてくる。
「なんで通話を切ったのかが想像できなくないだけに少々困惑……」
あんちゃんが口元を歪める理由もわからなくもない。
あの人、たぶん口にしたことをまんまリィで想像したんだろうな。
「何、あの人急に十代に返っちゃった感じ?」
くくく、と笑っている俺にあんちゃんが倒れこんできた。
「ね、先輩、バスルームから出る前に落ち着くと思う?」
「微妙?」
「俺たちもあっち行くかぁ……。本当はさ、少しくらいふたりの時間があってもいいと思ってたんだけど、少々不安が募ってまいりました」
「でもさ、ヘルプ電話っていうか、カミングアウトしてくるくらいだから、理性保ってると思うよ。今までの秋斗さんだったら間違いなく手ぇ出してるでしょ」
「それもそうなんだけどさ……」
あんちゃんはそわそわしつつ自分の携帯ディスプレイを見て、
「もうちょっと様子見るか……。俺もシャワー浴びてくる」
と、バスルームへ消えた。
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