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11~12 Side 司 03話
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笑みを浮かべた静さんが近づいてくる。
心当たりはない。けれどいい予感はしない。こういうのはたいてい当たる。
ふたりに気づかれないよう、ぐっと腹に力を入れた。
「翠葉ちゃん、こんばんは」
「こんばんは」
「あれ、それは?」
静さんは翠の胸元にあるとんぼ玉に目を留める。
「今、ツカサからもらったんです。お土産って」
「良かったね、よく似合ってるよ」
「はい」
翠は嬉しそうに返事をすると、もう一度俺に「ありがとう」と口にした。
「どういたしまして。……で、静さんの用事は?」
ベンチに座ったまま、真正面にいる静さんを見上げる。
「翠葉ちゃん、ちょっと司を借りるね」
静さんは俺にではなく翠に断わりを入れた。即ち、ここではできない話――
静さんはエレベーターホールの裏へと歩を進める。その背を追いかけガラス張りの一室の前へたどり着くと、
「秋斗がいなくなった」
「は……?」
「午後三時半過ぎから消息がつかめない」
ちょっと待て。午後三時半過ぎって――
咄嗟に自分の携帯を取り出し履歴を見る。と、俺が秋兄に連絡した直後だった。
電話で二位入賞を伝え礼を言うと、「殊勝なこと言うなよ、気味が悪い」と笑っていた。とくに、何か様子がおかしいわけではなかった。それがどうして――
「消息がつかめないって、具体的には?」
「GPSが拾えない。因みに、携帯の電源も入っていなければパソコンも所持していない。車はマンション駐車場に停まったまま」
「他者による故意か事故……? もしくは、秋兄の故意……?」
思いつくのはその三つくらい。
「他者の介在に関しては、それらしきものは何も出てきていない。事故の可能性は低いと思われる。もっとも、発見されている場合に限るが……。日本中の病院に照会したが、秋斗の名前はあがっていなかった。身元不明人の確認も済ませている」
「……静さん、この情報ってどこまで――」
「私と司。それから、私の所有するゼロ課と斎さん。そして、仕事の都合上、蔵元と若槻」
「ゼロカって?」
「覚悟して聞け。これは会長職を統べる人間にしか知らされない極秘情報だ」
極秘でもトップシークレットでも、なんでも来い――
「ゼロ課とは、会長職を統べる者だけが持てる特別部隊だ」
そんな組織があること事体を知らなかった。
「秋斗の行きそうな場所がわかる人間は司くらいかと思ってここまで来た」
「蔵元さんは?」
「蔵元と若槻の心当たりはすでに当たった」
何やってるんだか……。
「それから、涼さんにもこの事態は知れている」
「父さんがどうして……?」
「秋斗が飲んでいる薬の残量を知る必要があった」
「……あと何日?」
「あと二日だ。それまでに見つけ出してくれ。地下駐車場にゼロ課の支倉を待たせている。好きに使え」
「了解……」
話はそれで終わり、翠のもとへと急いだ。
「ツカサ……?」
「翠、悪いんだけど急用ができたから病室までは静さんに送ってもらって」
それだけ伝え、すぐにエレベーターホールへと走る。
静さんが乗ってきたままになっているエレベーターに乗り込み、地下のボタンを押した。
エレベーター独特の浮遊感に身体が掻っ攫われる。
「ふざけるな――ひとりだけ逃げるなんて、ふざけるなっっっ」
思い切り壁を殴った。
「……おや? 今、すごい音がしましたが君ですか?」
エレベーターのドアが開くと、グレーのスーツを着たひょろ長い男、メガネをかけた銀行員のような男が立っていた。
「支倉と申します」
「あぁ、そう……」
その名前も恐らくは偽名だろう。
「自己紹介をして、『あぁ、そう……』で終わらされたのは初めてですねぇ」
穏やかに、妙に明るい声で言う。まるで面白いものを見るような目で見られていた。
「手、赤くなっていますよ?」
男の覗き込むような仕草を無視し、その前の感想に返事をする。
「ゼロ課の人間なら偽名をいくつか使い分けていてもおかしくない。明日には違う名前を名乗ってるんじゃないの?」
「なるほど、さすがにボスが一目置くだけのことはあるわけですね」
「それ、嬉しくないから」
「おやおや、それはあんまりな言いようです。うちのボスは過大評価はしない方なんですよ?」
車へと案内され、
「前へ座りますか? 後ろになさいますか?」
「前でいい」
「かしこまりました」
丁寧な対応というよりも、どこかふざけているように思えなくもない口調にイライラしていた。
「助手席には本日調べたデータが無造作に置いてありますがお気になさらず」
支倉と名乗る男はいそいそと運転席におさまった。
ドアを開ければ本当に造作なく紙が散らばっていた。
俺が助手席の乗り込みシートベルトをすると、車は緩やかに発進する。
「ところで、司様は夕飯はお済みでしょうか?」
「済んでる」
俺は無造作に置かれていた資料を適当にまとめ、流し読みをしていた。
そこにはかろうじて第三者が読める程度の走り書きが記されているのみ。まるで読む相手のことを考えられていない文字の羅列。
「そうでしたか。実はワタクシまだでして、ちょこっとコンビニに寄っておにぎりなど調達してきてもよろしいでしょうか」
「どうぞご自由に」
少し走ったところにあるコンビニで車を停め、
「では行ってまいります」
手元に残った資料は通話履歴や行きそうな場所、それから病院へ搬送された人間の履歴。
静さんが調べて他者が介在している可能性が低いというのなら、自ら行方をくらました線が濃厚。そう考えるだけでも腹が立つ。
「はい、イチゴミルクをお持ちいたしました」
「は……?」
車に戻ってきた支倉の手には、「贅沢イチゴミルク」と書かれたピンクのパックがあった。
「……甘いもの苦手なんですが」
「ほかにもオレンジジュース、リンゴジュース、コーヒー、日本茶、麦茶、スポーツ飲料などがございます」
俺は迷わずコーヒーを手に取った。
「ワタクシは炭水化物の補給をさせていただきます」
支倉と名乗る男はおにぎりを包むラップを神経質なまでにきっちりと開け始め、ガブリ、とそれにかぶりつく。
どうも緊張感に欠ける男だ。
そんなことを考えていると、
「ワタクシがこれをあとふたつ食べ終わるまでがリミットです。それまでに第一候補くらいは挙げてくださいね」
……秋兄と俺の接点で、秋兄がこういうときに逃げ込みそうな場所。
基本は自宅だろうけれど、こうなっている以上、マンションというのはあり得ないのだろう。
秋兄が好きな場所――
翠との思い出の場所はブライトネスパレス。しかし、あそこに逃げ込んだのならすでに見つかっているはずだ。
仮に木田さんがかくまったとしても、見つかるのは時間の問題。
ほかにどこが――
幼少期の長期休暇に過ごした場所は……?
小さいころはよく海や山へ出かけてはサバイバルゲームや自然ならでのは遊びを楽しんだものだ。
あのころは姉さんもこっちサイドにいたな……。
その中でも濃厚な場所――
森林の中にひっそりと佇む別荘――夏のむせ返るような緑の匂いが立ちこめる森、緑山。
パレスに行きたくても行けないのなら、一番雰囲気が近い場所だと思う。管理人の稲荷夫婦は別荘のすぐ近くに住んでいるし……。
「ひとつくらいはあてがありそうですね?」
おにぎりを食べ終わった男の口元が緩む。
男は後部座席へ放ったビニール袋の中から湿布薬を取り出すと、
「しかし、これの放置は認められません。ほら、手を出してください」
さきほどエレベーターの壁を殴った右手が時間と共に腫れてきていた。痛みが我慢できても腫れているのだから冷やしたほうがいいに決まっている。
男は手際よく処置を行った。ご丁寧に包帯まで巻かれる。
「うちの課は危険と隣り合わせでしてね。基本的な応急処置はできるように教育されているんです。車には救急セットが常備されているほどですよ」
言いながら、そこらの医大生よりも上手に固定までを済ませた。
「で、どちらへまいりましょうか?」
「緑山荘まで」
「藤宮所有の別荘ですね。承知しました」
心当たりはない。けれどいい予感はしない。こういうのはたいてい当たる。
ふたりに気づかれないよう、ぐっと腹に力を入れた。
「翠葉ちゃん、こんばんは」
「こんばんは」
「あれ、それは?」
静さんは翠の胸元にあるとんぼ玉に目を留める。
「今、ツカサからもらったんです。お土産って」
「良かったね、よく似合ってるよ」
「はい」
翠は嬉しそうに返事をすると、もう一度俺に「ありがとう」と口にした。
「どういたしまして。……で、静さんの用事は?」
ベンチに座ったまま、真正面にいる静さんを見上げる。
「翠葉ちゃん、ちょっと司を借りるね」
静さんは俺にではなく翠に断わりを入れた。即ち、ここではできない話――
静さんはエレベーターホールの裏へと歩を進める。その背を追いかけガラス張りの一室の前へたどり着くと、
「秋斗がいなくなった」
「は……?」
「午後三時半過ぎから消息がつかめない」
ちょっと待て。午後三時半過ぎって――
咄嗟に自分の携帯を取り出し履歴を見る。と、俺が秋兄に連絡した直後だった。
電話で二位入賞を伝え礼を言うと、「殊勝なこと言うなよ、気味が悪い」と笑っていた。とくに、何か様子がおかしいわけではなかった。それがどうして――
「消息がつかめないって、具体的には?」
「GPSが拾えない。因みに、携帯の電源も入っていなければパソコンも所持していない。車はマンション駐車場に停まったまま」
「他者による故意か事故……? もしくは、秋兄の故意……?」
思いつくのはその三つくらい。
「他者の介在に関しては、それらしきものは何も出てきていない。事故の可能性は低いと思われる。もっとも、発見されている場合に限るが……。日本中の病院に照会したが、秋斗の名前はあがっていなかった。身元不明人の確認も済ませている」
「……静さん、この情報ってどこまで――」
「私と司。それから、私の所有するゼロ課と斎さん。そして、仕事の都合上、蔵元と若槻」
「ゼロカって?」
「覚悟して聞け。これは会長職を統べる人間にしか知らされない極秘情報だ」
極秘でもトップシークレットでも、なんでも来い――
「ゼロ課とは、会長職を統べる者だけが持てる特別部隊だ」
そんな組織があること事体を知らなかった。
「秋斗の行きそうな場所がわかる人間は司くらいかと思ってここまで来た」
「蔵元さんは?」
「蔵元と若槻の心当たりはすでに当たった」
何やってるんだか……。
「それから、涼さんにもこの事態は知れている」
「父さんがどうして……?」
「秋斗が飲んでいる薬の残量を知る必要があった」
「……あと何日?」
「あと二日だ。それまでに見つけ出してくれ。地下駐車場にゼロ課の支倉を待たせている。好きに使え」
「了解……」
話はそれで終わり、翠のもとへと急いだ。
「ツカサ……?」
「翠、悪いんだけど急用ができたから病室までは静さんに送ってもらって」
それだけ伝え、すぐにエレベーターホールへと走る。
静さんが乗ってきたままになっているエレベーターに乗り込み、地下のボタンを押した。
エレベーター独特の浮遊感に身体が掻っ攫われる。
「ふざけるな――ひとりだけ逃げるなんて、ふざけるなっっっ」
思い切り壁を殴った。
「……おや? 今、すごい音がしましたが君ですか?」
エレベーターのドアが開くと、グレーのスーツを着たひょろ長い男、メガネをかけた銀行員のような男が立っていた。
「支倉と申します」
「あぁ、そう……」
その名前も恐らくは偽名だろう。
「自己紹介をして、『あぁ、そう……』で終わらされたのは初めてですねぇ」
穏やかに、妙に明るい声で言う。まるで面白いものを見るような目で見られていた。
「手、赤くなっていますよ?」
男の覗き込むような仕草を無視し、その前の感想に返事をする。
「ゼロ課の人間なら偽名をいくつか使い分けていてもおかしくない。明日には違う名前を名乗ってるんじゃないの?」
「なるほど、さすがにボスが一目置くだけのことはあるわけですね」
「それ、嬉しくないから」
「おやおや、それはあんまりな言いようです。うちのボスは過大評価はしない方なんですよ?」
車へと案内され、
「前へ座りますか? 後ろになさいますか?」
「前でいい」
「かしこまりました」
丁寧な対応というよりも、どこかふざけているように思えなくもない口調にイライラしていた。
「助手席には本日調べたデータが無造作に置いてありますがお気になさらず」
支倉と名乗る男はいそいそと運転席におさまった。
ドアを開ければ本当に造作なく紙が散らばっていた。
俺が助手席の乗り込みシートベルトをすると、車は緩やかに発進する。
「ところで、司様は夕飯はお済みでしょうか?」
「済んでる」
俺は無造作に置かれていた資料を適当にまとめ、流し読みをしていた。
そこにはかろうじて第三者が読める程度の走り書きが記されているのみ。まるで読む相手のことを考えられていない文字の羅列。
「そうでしたか。実はワタクシまだでして、ちょこっとコンビニに寄っておにぎりなど調達してきてもよろしいでしょうか」
「どうぞご自由に」
少し走ったところにあるコンビニで車を停め、
「では行ってまいります」
手元に残った資料は通話履歴や行きそうな場所、それから病院へ搬送された人間の履歴。
静さんが調べて他者が介在している可能性が低いというのなら、自ら行方をくらました線が濃厚。そう考えるだけでも腹が立つ。
「はい、イチゴミルクをお持ちいたしました」
「は……?」
車に戻ってきた支倉の手には、「贅沢イチゴミルク」と書かれたピンクのパックがあった。
「……甘いもの苦手なんですが」
「ほかにもオレンジジュース、リンゴジュース、コーヒー、日本茶、麦茶、スポーツ飲料などがございます」
俺は迷わずコーヒーを手に取った。
「ワタクシは炭水化物の補給をさせていただきます」
支倉と名乗る男はおにぎりを包むラップを神経質なまでにきっちりと開け始め、ガブリ、とそれにかぶりつく。
どうも緊張感に欠ける男だ。
そんなことを考えていると、
「ワタクシがこれをあとふたつ食べ終わるまでがリミットです。それまでに第一候補くらいは挙げてくださいね」
……秋兄と俺の接点で、秋兄がこういうときに逃げ込みそうな場所。
基本は自宅だろうけれど、こうなっている以上、マンションというのはあり得ないのだろう。
秋兄が好きな場所――
翠との思い出の場所はブライトネスパレス。しかし、あそこに逃げ込んだのならすでに見つかっているはずだ。
仮に木田さんがかくまったとしても、見つかるのは時間の問題。
ほかにどこが――
幼少期の長期休暇に過ごした場所は……?
小さいころはよく海や山へ出かけてはサバイバルゲームや自然ならでのは遊びを楽しんだものだ。
あのころは姉さんもこっちサイドにいたな……。
その中でも濃厚な場所――
森林の中にひっそりと佇む別荘――夏のむせ返るような緑の匂いが立ちこめる森、緑山。
パレスに行きたくても行けないのなら、一番雰囲気が近い場所だと思う。管理人の稲荷夫婦は別荘のすぐ近くに住んでいるし……。
「ひとつくらいはあてがありそうですね?」
おにぎりを食べ終わった男の口元が緩む。
男は後部座席へ放ったビニール袋の中から湿布薬を取り出すと、
「しかし、これの放置は認められません。ほら、手を出してください」
さきほどエレベーターの壁を殴った右手が時間と共に腫れてきていた。痛みが我慢できても腫れているのだから冷やしたほうがいいに決まっている。
男は手際よく処置を行った。ご丁寧に包帯まで巻かれる。
「うちの課は危険と隣り合わせでしてね。基本的な応急処置はできるように教育されているんです。車には救急セットが常備されているほどですよ」
言いながら、そこらの医大生よりも上手に固定までを済ませた。
「で、どちらへまいりましょうか?」
「緑山荘まで」
「藤宮所有の別荘ですね。承知しました」
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