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葉野りるは

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April

キスのその先 Side 司 07話

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 翠の小さな頭にキスを落とし、うなじ、肩、腕へと手を滑らせては翠の手に自分の指を絡める。指先にキスをすると魔が差して、翠の左手薬指を口に含んだ。翠はびっくりして咄嗟に手を引く。
 至近距離で視線が交わると、
「……指、食べるの?」
 その質問がなんだかおかしくて、思わず笑みが漏れた。
「そう。翠の指を食べる」
「どうして……?」
「なんかおいしそうだから?」
「おいしくは、ないと思うよ……?」
「じゃ、確かめさせて」
 そう言って、もう一度翠の指を口に含む。
 舌先で指の側面をなぞったり、指全体に吸い付いたりしていると、気づいたときには翠が真っ赤に顔を染めていた。……というよりは、胸元から耳までピンクに染まっていた。
「どうかした?」
「……ツカサが、えっち……」
「今してる行為自体がそれに属するものだと思うんだけど」
「そうなんだけど――なんか、ものすごく――……色気があって、困る……」
 翠はシュウッ、と音を立てて頭から湯気を出しそうなほどに顔を赤く染めていた。
 けど、その感想は本望というものだろう。
 自分の色気など意識したこともないが、翠がそう感じてくれるならそれに越したことはない。
 そんなかわいいことを言う唇を塞ぎ、背中から腰、尻へと触れる範囲を広げていく。
 最初こそ身を硬くすることもあったが、翠の腕が俺の背中へ回される程度には気を許してもらえたと思う。
 そうだ……少しずつでいい。少しずつでも進めるのなら、翠のペースを守ろう。
 翠が時折漏らす吐息はひどく甘やかに聞こえ、脳に麻薬が浸潤していくようだ。
 俺は抱いていた身体を離し、翠の身体に覆いかぶさり翠の胸に口付ける。
 しかし口付けるだけでは飽き足らず、舌を這わせたが最後。我慢できずに淡く色づく頂を口に含んでいた。
「きゃっ――」
 その反応に一度口を離し、
「痛い?」
 翠はフルフルと首を横に振る。そして、視線を逸らしたまま、
「やっぱり、えっちだと思うの……」
 なんともかわいく文句を言われる。けど、
「男なんてみんなこんなものだと思うけど?」
「……そう、なの……?」
「……たぶん?」
 そんな会話を挟んで再度翠の胸のふくらみに舌を這わせる。
 右胸を優しく揉みながら、左胸の乳首を口に含み、舌先で転がす。と、頂は意思を持った生き物のように立ち上がった。
 かわいい声を漏らす唇も放置することはできなくて、愛撫するように口付ける。と、翠もそれに応じ、唇をすり合わせるようにキスを返してきた。
 いっぱいいっぱいだろうに応えようとしてくれているのが嬉しくて、俺は翠のあちらこちらにキスを落とす。
 翠がよく反応するのは脇腹や背中。その二箇所においては身体を捩ったりしならせるほどの反応を見せた。
 俺は夢中で身体中に口付け、翠の反応をひとつ残らず記憶していく。
 翠の体勢を仰向けに戻すと、関心の最たる部分へと意識が移る。
 脚を閉じようとする翠の膝を内側からやんわり押し広げると、
「やっ、ツカサっ――恥ずかしいっ」
「恥ずかしいだけなら我慢して」
「でもっ――」
 翠の抗議は聞き入れず、秘部に舌を這わせる。
「きゃっ――」
 そこはさっきとは比にならないほど潤っていた。
 豆粒ほどの大きさになった陰核を舌先でつつくと、翠は脚を震わせ腰が動くほどにびくついた。
 身体が逃げないよう腰を押さえ、膣口に吸い付き蜜を吸い上げる。と、室内にジュジュ、と淫らな音が響いた。
「ツカサっ、やだっ――本当に、やだっ……シャワーも浴びてないのに……」
 涙目の翠に訴えられ少し考える。
 確かにシャワーは浴びさせなかった。でも、俺的にはなんの問題もないんだけど……。
 それでも、羞恥に涙を流す翠を見たら、考えを改めざるを得ないわけで、それ以上口でするのはやめた。
 涙を零す翠の目じりにキスをすると、
「えっちって、こんなことまでするの……?」
 翠の目は不安に揺れていた。
「する……。言っただろ? 翠のすべてに触れたいって」
「でも――」
「……じゃ、慣れるまでは口でしない。それでいい?」
「……慣れたら、するの……?」
「したい」
「……でも、全然慣れる気はしないよ?」
「それ、させないって言ってるの?」
「そういうわけじゃないのだけど……」
「ならよかった。慣れるまでは我慢する」
「ごめん……」
「謝らなくていいし」
 ただ――
「シャワーを先に浴びてれば問題ないの?」
 それなら、毎回先にシャワーを浴びてもらうけど。
「っ……シャワーは必要最低限の条件っ! これは別っ」
 キッ、と睨まれ牽制された。
「わかった。慣れるまではしない。それでいいんだろ?」
 翠はコクリと頷く。そして、俺の顔に手を伸ばしてきた。
「何?」
「メガネ……」
 メガネが何……?
「メガネ、外して?」
「別にいいけど……なんで?」
「だって、じっと見られてるのは恥ずかしいんだもの……」
 そう言ってメガネを外されたけど……。
「俺、言ってなかったっけ?」
「何を……?」
「それ、伊達だけど?」
「えっ……?」
 翠は言われた意味がわからないようで、メガネと俺を交互に見る。
「かけてみればいい。度が入ってるわけじゃないから」
 やっと意味を解したのか、翠はものすごく驚いた顔をしていた。
 俺はしたり顔で、
「両目とも二・〇。メガネがなくてもまったく生活に支障はない」
 翠はムンクの叫びのような顔をしたあと、胸の前で腕を交差させ、顔を胸へと懸命に引き寄せる。
「翠……今さらだから。本当、もう諦めて」
 翠は真っ赤な顔を少し上げると、唇を戦慄かせていた。
 そんな唇に軽くキスをして、先に進むべく声をかける。
「また指入れるけど、痛かったらすぐに言って」
 翠はコクリと頷いた。
 それからは、兄さんのアドバイスに忠実に事を進めた。
 最初に指を入れたときは、これが本当に三本入るようになるのか、と疑いもしたが、時間をかけることでなんとか三本入るようになる。
 指がひどく圧迫されているのだから、翠自身も同程度の圧迫感を覚えていることだろう。
 途中何度か休むかたずねたが、翠はフルフルと首を振り、行為に耐えていた。
 そう――それはもう、何か拷問か何かに耐えるかのように。
 羞恥に耐えているのか、それとも痛み……?
「痛かったら我慢しなくていいんだけど……」
 翠は少し考えてから、
「ゆっくり、してくれてるから、かな……? 痛くは、ないの……。ただ、何かが入ってる感じが慣れなくて……」
 あぁ、それには慣れてもらうしかないわけで……。
 それでも、最初に比べたら膣壁もだいぶほぐれた感覚がある。潤いも維持できてるし、これなら――
「翠」
「ん……?」
「翠の中に入りたい……」
「……ん。でも、その前に――」
 翠は気だるげに上体を起こし、
「キス、して……?」 
 上目遣いで懇願された。
 そんなの、頼まれなくてもするし――
 翠の身体をベッドに倒し、覆いかぶさるようにキスをする。
 翠が好きな口蓋を舌先でなぞりながら膝を割り入ると、翠は咄嗟に脚を閉じようとした。
「閉じたら入れないだろ」
 その言葉に、翠は渋々観念する。
 脚を優しく押し広げ、昂ぶる自身をあてがう。先を少し入れただけで、思わず声が出てしまいそうだった。
 なんていうか――指を入れて中の感覚はわかっていたつもりだったけど、自身のそれを入れたときとではまるで感覚が別――
 刺激に敏感なそれが中へ入ると、何ものにもたとえがたい感覚に包まれた。
 柔くあたたかな膣壁に四方を囲まれ、きつすぎる圧迫感に何も言えなくなる。
「くっ――」
 十分に指でほぐしたとはいえ、この圧迫感――
 まるで生き物――意思を持つ生き物が、侵入者を阻むがごとく締め付けてくる。
 これ――翠は大丈夫なのか?
 心配になって翠の表情を見ると、目に涙を滲ませ思い切り耐えているふうだった。
 俺の手と絡めていた両手はしがみつく勢いで力がこめられている。
「翠、平気?」
「んっ……」
「つらい?」
「…………」
 まぁ、訊いている俺自身も結構つらいわけだけど……。
「翠、呼吸……。呼吸が止まると身体も硬くなる。ほら、吸って……」
 真一文字に引き結ばれていた唇は、震えながら小さく口を開いた。
「あと、どのくらい……?」
 どのくらい、とは、あとどのくらいで全部入るのか、ということだろうか。
 目視確認を済ませ、
「あと半分くらい」
「……あの、ね」
「うん」
「切れたり、しない……?」
 言いながら、翠は涙を零した。
「切れる……?」
「ツカサが入ってるところ、切れる、というか、裂ける、みたいに痛くて……切れちゃったら、病院、行かなくちゃ、だめ?」
 あぁ、そういうことか……。
 切れそうな痛みがつらいのと、もしも切れてしまったとき、病院へ行って診せなくてはいけないのか、とそこを不安に思っているらしい。
 翠の不安を取り除くためには――
「粘膜は意外と柔軟性があるものだけど、もし切れたとしても、俺が薬を塗るから問題ない。病院へ行く必要はない。安心していい」
「ん……」
「翠、身体から力抜ける?」
「……ど、したら、力、抜けるのか、わかんない……」
 それもそうか……。こんな体勢自体初めてだろうし。
 中に分け入りたい気持ちをひたすら抑え、翠の手を離す。と、パッ、と翠の目が開きこちらを向いた。
「心配しなくていい。まだ動いたりしないから」
 言いながら、翠の額際の髪を優しく梳いてやる。何度か繰り返していると、翠は俺の手に自分の手を添え、気持ち良さそうに目を閉じた。
 あぁ、違うところに意識を持っていってやればいいのか?
 わからないなりに手探りで、翠の身体に口付ける。
 首筋や脇腹、翠が感じる場所に触れたりキスをしていくと、時折中がキュウと締め付けられた。
 そのたびに正気を保つのが、ひどく困難だった。
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