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December
それぞれのクリスマス Side 司 02話
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パーティーは海斗と立花の司会でテンポ良く進行する。
考えてみれば、生徒会が主催じゃないパーティーに参加するのは初めてのことだし、学校外でのイベントに参加すること自体が初めてだ。
それもこれも、隣に翠がいればこその話だけど。
パーティーが始まってすぐは、フロアのところどころで再会を喜ぶ姿が見られ、中には面識のない人間同士を紹介する光景も見られた。
翠はというと、俺から少し離れた場所で女子同士の歓談を楽しんでいる。
ドレスがかわいいだの髪形がかわいいだの、アクセサリーがどうのこうのとそれぞれの格好を褒め合うそれの何が楽しいのかはさっぱりわからないが、数人で話している翠はとても嬉しそうに、または楽しそうに笑っていた。
その様子を眺めていると、朝陽が飲み物を片手に寄ってくる。
「今日はどの子もドレスアップしていてかわいいよね」
「普段より飾り立ててるんだから、それなりに見えて当然なんじゃない?」
「相変わらず司は辛辣だなぁ……。でも、翠葉ちゃんには? 似合ってるなりなんなり言ってあげたんでしょ? あの子の喜ぶ様が――」
朝陽は俺の顔を見て、
「……まさか何も言ってないの?」
無言で顔を背けると、
「司、その辺は改めないと……。秋斗先生に掻っ攫われても知らないよ?」
余計なお世話だ。どうにかできるならとっくに改めてる。
そんな俺の気持ちを悟ったのか、朝陽は俺の肩を二回叩き、人ごみへと紛れた。
自分にあと少し余裕があれば、さりげなく褒めることができる……と思いたい。
今のところ、ドレスを着た翠を見て、赤面しないよう堪えるのに必死だし、そんな状況では言葉を発するとか、褒めるどころの話ではない。
そう思っているところに翠が戻ってきた。
笑顔で寄ってくる様が、ハナが尻尾を振って近づいてくるのと酷似している。
口元が緩みそうになるのを我慢しながら、
「友達と話してたんじゃないの?」
「うん。でも、そろそろビンゴ大会が始まるし」
ビンゴ大会が始まるからなんだというのか。
翠をじっと見下ろしていると、
「ビンゴ大会はツカサと一緒に参加したいから」
はにかみながら言う翠に言葉を失った。
あまりにもかわいいことを言うものだから、うっかり翠の頬に手を添えキスをしそうになる。
寸でのところで我に返り、両頬をつまみ引っ張るにとどまった。
すると、「どうしてっ!?」と言葉にはならない声で訴えられ、横に伸びたちょっとひどい顔の翠に思わず笑みが漏れた。
「ツカサと一緒に参加したいから」――たったこの一言で、俺の機嫌は直ってしまったようだ。
ビンゴ大会が終わると、
「さて、皆さんお待ちかねのダンスタイムです! カントリーダンスとワルツを順繰りに流しますので、連れてきたパートナーと踊るもよし! 会場で見つけた気になる人を誘うもよし! 締めにはチークタイムもありますので、皆さんそれぞれお楽しみください! さっ、栄えあるファーストワルツを踊るペアは~?」
海斗の進行に、会場の視線が自分たちに集まる。
事前に話があったわけではないが、俺たちが踊る流れなのだろうか。
そっと翠の右手を取ると、翠が俺を引き止めるように力をこめた。その直後、
「我らが女帝、簾条桃華嬢と御園生翠葉嬢の兄、御園生蒼樹さんですっ! はい、拍手ーーー!」
そのアナウンスに、自分たちに向けられていた視線が一斉に逸れる。
俺たちから三メートルほど離れた場所にいた簾条は、珍しく驚いた顔で口元を押さえていた。
そんな簾条に手を差し出した御園生さんは、
「一曲お相手願えますか?」
実に穏やかな眼差しで簾条を見つめている。
簾条は柄じゃないほどたどたどしく右手を預けた。
その様子から、
「簾条には話してなかったの?」
翠は満足そうに頷く。
「蒼兄たちが手伝ってくれることは話していたけれど、蒼兄がタキシードを着ることとかは秘密にしていたの。桃華さんにはいつも驚かされてばかりだから、今回は驚いてもらうことにしたんだ」
それはさぞかし驚いたことだろう。
「簾条のあの顔、いい気味だな」
翠は隣でクスクスと笑っていた。
二コーラス目に入ると、フロアを囲っていたペアがダンスに加わる。
「翠、行ける?」
翠は満面の笑みで、
「もちろん!」
その顔を見て、自分の表情筋が緩むのを感じる。
「今日までに足が治ってよかったな」
「本当。間に合わなかったらどうしようかと思っちゃった」
事実、松葉杖が取れたのは三日前のことで、それからというもの、翠は自由に動けることをひどく喜んでいた。
今もことさら嬉しそうにワルツを踊っている。
その笑顔を見られただけで、クリスマスパーティーに参加してよかったと思えた。
二度ほどワルツを踊ったあと、翠が各テーブルへ視線をめぐらす。
その様子は何かを探しているように見え、
「どうかした?」
「少し喉が渇いて……」
言われて納得する。
近くのテーブルに新しいグラスはなく、コンシェルジュも近くにはいなかった。
「取ってくるから待ってて」
「ありがとう」
そう言って翠から離れたのがすべての始まり。
飲み物を持って戻ると翠はいなかった。
あたりを見回すと、
「藤宮、あれあれ。秋斗先生が御園生さん連れてった」
風間が指差した方、フロア中央には秋兄にリードされて踊る翠がいた。
してやられた感満載……。
まさか生徒の集まりで、秋兄が何か仕掛けてくるとは思ってもみなかった。
現実を見たくないあまり、一瞬目を背けたけれど、すぐにふたりが気になり視線を戻す。
ふたりのダンスは実に華麗で、ギャラリーはおろか、周囲で踊っている人間たちの視線まで集めていた。
「秋斗先生が御園生さんに求婚してるって噂、あれ本当なのかな?」
「どうだろう? でも、あの藤の会にも御園生さん出席してるんでしょう?」
「秋斗先生、学校にいたときから御園生さんのこと特別扱いしてたよね?」
音楽がかかっているというのに、周りで話されている内容がやけに鮮明に耳に届く。
煩わしい噂と視線がまとわりつく中、翠と秋兄は時折笑顔を見せ、言葉を交わしながら踊っていた。
けれど、忙しなく動いているため唇を読むには至らない。
今すぐ電源コードを引き抜いて曲を止めてしまいたい……。
しかし、イベントをぶち壊すような傍若無人な振る舞いは憚られる。
じっと堪えている中、自然と手に力がこもっていた。
その手中に角ばったものを感じてはっとする。
どうやら、ポケットに入れていたプレゼントを握りつぶしてしまったようだ。
指輪はあとでふたりきりになったときに渡そうと思っていたけれど、ダンスが終わったらすぐにつけさせる――
イラついたままに箱の中から指輪を取り出し、秋兄たちに視線を戻す。と、「このまま口付けたいところだけど」――秋兄の唇が読めた瞬間に抑制していたものが振り切れた。
気づいたときにはホールへ大きく足を踏み出していた。
「手の甲でもだめかなぁ……」
翠が自身で身を引こうとしたところ、俺は腰から翠を自分へと引き寄せる。
「踊りたいなら唯さんでも女装させればいいだろ?」
「さすがにそれはちょっと唯がかわいそうだし、俺はほかの誰でもない翠葉ちゃんと踊りたいわけで……」
そんなの知るかっ。
「翠」
「はいっ」
翠は腕の中で表情を硬くし、俺を見上げていた。
「これ、はめておいて」
箱から取り出したばかりの指輪を左手の薬指にはめる。と、ギャラリーから耳をつんざくような声があがった。
翠はというと、はめられた指輪に全神経を持っていかれていて、リアクションゼロ。
「おまえ、この流れで渡すか?」
秋兄に言われ、思わず睨み返してしまう。
「誰のせいだよ」
「俺なの……?」
むしろ、秋兄以外に誰がいるのか教えてほしいんだけど……。
周りから注目される状況に耐え切れず、
「翠、クールダウンしに行くよ」
俺は翠の左手を掴んだまま会場をあとにした。
考えてみれば、生徒会が主催じゃないパーティーに参加するのは初めてのことだし、学校外でのイベントに参加すること自体が初めてだ。
それもこれも、隣に翠がいればこその話だけど。
パーティーが始まってすぐは、フロアのところどころで再会を喜ぶ姿が見られ、中には面識のない人間同士を紹介する光景も見られた。
翠はというと、俺から少し離れた場所で女子同士の歓談を楽しんでいる。
ドレスがかわいいだの髪形がかわいいだの、アクセサリーがどうのこうのとそれぞれの格好を褒め合うそれの何が楽しいのかはさっぱりわからないが、数人で話している翠はとても嬉しそうに、または楽しそうに笑っていた。
その様子を眺めていると、朝陽が飲み物を片手に寄ってくる。
「今日はどの子もドレスアップしていてかわいいよね」
「普段より飾り立ててるんだから、それなりに見えて当然なんじゃない?」
「相変わらず司は辛辣だなぁ……。でも、翠葉ちゃんには? 似合ってるなりなんなり言ってあげたんでしょ? あの子の喜ぶ様が――」
朝陽は俺の顔を見て、
「……まさか何も言ってないの?」
無言で顔を背けると、
「司、その辺は改めないと……。秋斗先生に掻っ攫われても知らないよ?」
余計なお世話だ。どうにかできるならとっくに改めてる。
そんな俺の気持ちを悟ったのか、朝陽は俺の肩を二回叩き、人ごみへと紛れた。
自分にあと少し余裕があれば、さりげなく褒めることができる……と思いたい。
今のところ、ドレスを着た翠を見て、赤面しないよう堪えるのに必死だし、そんな状況では言葉を発するとか、褒めるどころの話ではない。
そう思っているところに翠が戻ってきた。
笑顔で寄ってくる様が、ハナが尻尾を振って近づいてくるのと酷似している。
口元が緩みそうになるのを我慢しながら、
「友達と話してたんじゃないの?」
「うん。でも、そろそろビンゴ大会が始まるし」
ビンゴ大会が始まるからなんだというのか。
翠をじっと見下ろしていると、
「ビンゴ大会はツカサと一緒に参加したいから」
はにかみながら言う翠に言葉を失った。
あまりにもかわいいことを言うものだから、うっかり翠の頬に手を添えキスをしそうになる。
寸でのところで我に返り、両頬をつまみ引っ張るにとどまった。
すると、「どうしてっ!?」と言葉にはならない声で訴えられ、横に伸びたちょっとひどい顔の翠に思わず笑みが漏れた。
「ツカサと一緒に参加したいから」――たったこの一言で、俺の機嫌は直ってしまったようだ。
ビンゴ大会が終わると、
「さて、皆さんお待ちかねのダンスタイムです! カントリーダンスとワルツを順繰りに流しますので、連れてきたパートナーと踊るもよし! 会場で見つけた気になる人を誘うもよし! 締めにはチークタイムもありますので、皆さんそれぞれお楽しみください! さっ、栄えあるファーストワルツを踊るペアは~?」
海斗の進行に、会場の視線が自分たちに集まる。
事前に話があったわけではないが、俺たちが踊る流れなのだろうか。
そっと翠の右手を取ると、翠が俺を引き止めるように力をこめた。その直後、
「我らが女帝、簾条桃華嬢と御園生翠葉嬢の兄、御園生蒼樹さんですっ! はい、拍手ーーー!」
そのアナウンスに、自分たちに向けられていた視線が一斉に逸れる。
俺たちから三メートルほど離れた場所にいた簾条は、珍しく驚いた顔で口元を押さえていた。
そんな簾条に手を差し出した御園生さんは、
「一曲お相手願えますか?」
実に穏やかな眼差しで簾条を見つめている。
簾条は柄じゃないほどたどたどしく右手を預けた。
その様子から、
「簾条には話してなかったの?」
翠は満足そうに頷く。
「蒼兄たちが手伝ってくれることは話していたけれど、蒼兄がタキシードを着ることとかは秘密にしていたの。桃華さんにはいつも驚かされてばかりだから、今回は驚いてもらうことにしたんだ」
それはさぞかし驚いたことだろう。
「簾条のあの顔、いい気味だな」
翠は隣でクスクスと笑っていた。
二コーラス目に入ると、フロアを囲っていたペアがダンスに加わる。
「翠、行ける?」
翠は満面の笑みで、
「もちろん!」
その顔を見て、自分の表情筋が緩むのを感じる。
「今日までに足が治ってよかったな」
「本当。間に合わなかったらどうしようかと思っちゃった」
事実、松葉杖が取れたのは三日前のことで、それからというもの、翠は自由に動けることをひどく喜んでいた。
今もことさら嬉しそうにワルツを踊っている。
その笑顔を見られただけで、クリスマスパーティーに参加してよかったと思えた。
二度ほどワルツを踊ったあと、翠が各テーブルへ視線をめぐらす。
その様子は何かを探しているように見え、
「どうかした?」
「少し喉が渇いて……」
言われて納得する。
近くのテーブルに新しいグラスはなく、コンシェルジュも近くにはいなかった。
「取ってくるから待ってて」
「ありがとう」
そう言って翠から離れたのがすべての始まり。
飲み物を持って戻ると翠はいなかった。
あたりを見回すと、
「藤宮、あれあれ。秋斗先生が御園生さん連れてった」
風間が指差した方、フロア中央には秋兄にリードされて踊る翠がいた。
してやられた感満載……。
まさか生徒の集まりで、秋兄が何か仕掛けてくるとは思ってもみなかった。
現実を見たくないあまり、一瞬目を背けたけれど、すぐにふたりが気になり視線を戻す。
ふたりのダンスは実に華麗で、ギャラリーはおろか、周囲で踊っている人間たちの視線まで集めていた。
「秋斗先生が御園生さんに求婚してるって噂、あれ本当なのかな?」
「どうだろう? でも、あの藤の会にも御園生さん出席してるんでしょう?」
「秋斗先生、学校にいたときから御園生さんのこと特別扱いしてたよね?」
音楽がかかっているというのに、周りで話されている内容がやけに鮮明に耳に届く。
煩わしい噂と視線がまとわりつく中、翠と秋兄は時折笑顔を見せ、言葉を交わしながら踊っていた。
けれど、忙しなく動いているため唇を読むには至らない。
今すぐ電源コードを引き抜いて曲を止めてしまいたい……。
しかし、イベントをぶち壊すような傍若無人な振る舞いは憚られる。
じっと堪えている中、自然と手に力がこもっていた。
その手中に角ばったものを感じてはっとする。
どうやら、ポケットに入れていたプレゼントを握りつぶしてしまったようだ。
指輪はあとでふたりきりになったときに渡そうと思っていたけれど、ダンスが終わったらすぐにつけさせる――
イラついたままに箱の中から指輪を取り出し、秋兄たちに視線を戻す。と、「このまま口付けたいところだけど」――秋兄の唇が読めた瞬間に抑制していたものが振り切れた。
気づいたときにはホールへ大きく足を踏み出していた。
「手の甲でもだめかなぁ……」
翠が自身で身を引こうとしたところ、俺は腰から翠を自分へと引き寄せる。
「踊りたいなら唯さんでも女装させればいいだろ?」
「さすがにそれはちょっと唯がかわいそうだし、俺はほかの誰でもない翠葉ちゃんと踊りたいわけで……」
そんなの知るかっ。
「翠」
「はいっ」
翠は腕の中で表情を硬くし、俺を見上げていた。
「これ、はめておいて」
箱から取り出したばかりの指輪を左手の薬指にはめる。と、ギャラリーから耳をつんざくような声があがった。
翠はというと、はめられた指輪に全神経を持っていかれていて、リアクションゼロ。
「おまえ、この流れで渡すか?」
秋兄に言われ、思わず睨み返してしまう。
「誰のせいだよ」
「俺なの……?」
むしろ、秋兄以外に誰がいるのか教えてほしいんだけど……。
周りから注目される状況に耐え切れず、
「翠、クールダウンしに行くよ」
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