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November
芸大祭 Side 翠葉 01話
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ツカサが運転席に乗り込むと、静かなエンジン音を発する車がゆっくりと発進した。
蒼兄の車よりも車内は広い。でも、ふたりきりになる空間としては断然狭い屋内なわけで、やっぱりちょっと緊張してしまう。
けれど、少し好きなところもある。
いつもはじっと見つめることがかなわないツカサも、運転に集中しているときはしばし見つめることができるのだ。
昨日はチェック模様のシャツの上にグレーのパーカという服装だったけれど、今日は黒いハイネックの上にグレーのデニム地ジャケットといった服装。
落ち着いた色味にジャケットという格好が、普段よりも大人びた印象に感じられ、玄関が開いた瞬間に見惚れてしまった。
すぐに自分のことへ話が振られたため何を言うこともできなかったけれど、何か言える間があったとして、何かを言えたかは定かじゃない。そこからすると、私もツカサのことは言えない気がした。
「何?」
私の視線に気づいたツカサはチラ、とこちらに視線を向けた。
「えぇと……今日はジャケットなんだな、って」
ほら、言えない……。
「似合ってる」とか「格好いい」の一言ってこんなに口にしづらい言葉だったっけ……?
言われる側じゃなくて言う側なのに、いざ口にしようと思うと恥ずかしくなって口を閉じてしまう。
一感想、一褒め言葉。されど感想、褒め言葉……。
どうしたら秋斗さんや唯兄みたいにさらりと人を褒められるようになるだろう。
そこまで考えて、ちょっと違うかな、と思う。
相手が唯兄や秋斗さん、蒼兄や友達なら何を思うことなく感想を言える気がする。相手がツカサだから恥ずかしくなってしまうのだ。
うーん、好きな人が相手って難しい……。
すると、隣のツカサは自分の服装に視線を落として無表情になっていた。
「あっ、あのっ、変とかじゃないよっ!? いつもより大人っぽく見えるなって――」
言ってしまって頬が熱を持つ。
わわわ、どうしようっ!?
わたわたしていると、ツカサに頬をツンとつつかれた。
「さっきの俺の気持ち、少しはわかった?」
呆れたような表情のツカサに、私はコクコクと頷くしかなかった。
少し窓を開けて強引に頬の熱を冷ますと、
「私が大学にいる間、ツカサはどこにいるの……?」
「支倉のマンション」
「支倉のマンションって……ツカサが大学二年生から住む予定の?」
「そう」
「お部屋、入れるの?」
「最上階はうちのセカンドハウス」
その言葉に納得するも、新たな疑問が浮上する。
芸大と支倉キャンパスの最寄り駅は同じだけれど、路線バスは違ったはず。そこからすると、方角が異なるのではないだろうか。
「私、土地勘が乏しいのだけど、支倉キャンパスと芸大って近いの?」
「道が空いていれば、車で十分くらいだと思う」
「そんなに近いの? でも、バスの路線は別よね……?」
訊くと同時、信号で停まったツカサはカーナビの縮尺を変えて見せてくれた。
「間に川があるけど直線距離的にはそんなに離れてない。ただ、大学へ行く学生と病院へ行く患者が同じバスに乗って、さらには芸大に通う学生まで同じバスだと、輸送力に限界があるから路線を分けたって話を聞いたことがある」
言われて妙に納得してしまった。
「持ってきた本が読み終われば書庫の本を読むから、こっちのことは気にせず楽しんでくればいい」
「ありがとう……」
ツカサの荷物が置いてある後部座席に目をやると、大きなトートバッグの中に本が見えた。
A4サイズの本が二冊とB5サイズのハードカバーの本が一冊、ソフトカバーの本が二冊、文庫本が三冊に辞書らしき本が一冊。
私が大学にいるのは長くても半日。それはツカサも知っているはずだけど、この冊数……。
読み終わったら書庫の本って、どれほど読むのが速いのか。
そんなことを考えながら視線を前へ戻すと、国道沿いの歩道を歩く人の姿が目についた。
たぶん、みんな芸大へ向かっているのだろう。
もう近いのかな、と思ったら、カーナビから「目的地に着きました」という音声が流れてきた。
正面の信号脇には「倉敷芸術大学・短期大学入り口」のプレート。
数台前を走っていたバスがロータリーに停まると、次から次へと人が降りてくる。
人が降りるたびに揺れる車体を見ながら、いったい何人の人が乗車していたのか、と思う。
「すごい人……。柊ちゃん大丈夫かな」
「どうして?」
「柊ちゃん、私よりも身長が低いの。たぶん一四五センチもないんじゃないかな? あんな人ごみの中に入ったら埋もれちゃう」
「ふーん……」
ツカサはさほど関心なさそうに相槌を打つと、バスの後方に車を停車させた。
素早く運転席から降りると、「なんで……」という声が外から聞こえてくる。
誰に向かって何を言っているのか、ツカサが見ている方向に視線をやると、そこにはにっこりと笑った秋斗さんが立っていた。
「え……どうして?」
秋斗さんは颯爽とやってきてはトランクから車椅子を取り出し組み立てる。そして、助手席のドアを開け私に向かって手を差し伸べた。
状況が読めずにフリーズしていると、
「ほら、早く降りないと。後続車にクラクション鳴らされちゃうよ」
そんなふうに急かされたら手を借りるしかない。
何がなんだかわからないままに車椅子に腰掛けると、
「ほら運転手さん、とっとと車出して」
「っ……」
ツカサは不本意そうに運転席に収まり、不愉快極まりない表情でロータリーをあとにした。
その場に残された私は、車椅子を押す秋斗さんを振り返りながら、
「秋斗さん、どうして……? どうしてここにいるんですか?」
「そうだなぁ……仕事っていうか趣味っていうか、つまりは市場調査?」
仕事? 趣味? 市場調査……?
答えらしきものをもらったにも関わらず、頭の中のクエスチョンマークは消えてはくれない。
「早い話、この大学の警備体制がどんなものかちょっと気になってね」
「唯兄と蔵元さんと合流するって、ここでです……?」
「そっ。唯はこういった実地調査に出たことがないからね。今ごろ蔵元にノウハウを叩き込まれてるんじゃないかな」
「でも、蔵元さんはもう警備会社は退社されたんじゃ……」
「うん、そうなんだけど、蔵元って基本、俺にいいように使われる宿命なんだよね」
言いながら秋斗さんは満足そうに笑った。
そこへ、
「翠葉ちゃん?」
声をかけられ前方に視線を戻す。と、そこには柊ちゃんが立っていた。
「柊ちゃん!」
「やっぱ翠葉ちゃんだった!」
駆け寄ってきた柊ちゃんと無事待ち合わせできたことを喜んでいると、
「じゃ、俺は行くね」
秋斗さんは近寄ってきたときと同じくらい颯爽と、人ごみに紛れていなくなった。
「今の誰? 稀に見るイケメンだったけど、もしかしてお兄さんっ?」
「違います」
「じゃ、彼氏?」
「それも違くて……」
誰……誰、誰……。
きっと、柊ちゃんは秋斗さんの名前を知りたいわけではなく、私との関係性を知りたいのだろう。その場合、なんと説明したらいいものか……。
唯兄の上司で蒼兄の先輩――
これだけだと私とはなんの関係もない人に思える。かといって、「友人の――」と紹介するのは私的に違和感が拭えない。
でも、「知り合い」という説明だとひどく希薄な関係に思えるし……。
「うーん……」
「ごめん、そんなに悩ませる質問だった?」
「えぇとね……唯兄の上司で蒼兄の高校の先輩なの。で、今お付き合いしている人の従兄で、海斗くんのお兄さんでもある」
「ふむ……つまりは顔見知りって感じ?」
そうなるよね……。
「もともとは兄つながりの知り合いだったのだけど、今は家族ぐるみで仲良くしてもらってる人……かな」
柊ちゃんはきょとんとした顔をしている。
「うーん……『友達』って言葉が使えたらいいのだけど、九歳も年が離れていると『友達』って気安さはなくて、でも『知り合い』よりは明らかに親交が深くて……」
「絶対年上だとは思ったけど九歳かっ! それは確かに『友達』って感覚はないかも。……でも、そんな人がどうして一緒だったの? 送ってきてくれるのは彼氏って言ってなかった?」
「うん。送ってきてくれたのはツカサなのだけど、着いたら秋斗さんがいて……」
「何それ」
私は首を傾げながら、
「市場調査?」
「え?」
「お仕事、なのかな……? よくわからないけれど、仕事のような趣味のような市場調査って言ってた」
自分自身きちんと理解していないだけに、柊ちゃんに十分な説明をすることはできなかった。
蒼兄の車よりも車内は広い。でも、ふたりきりになる空間としては断然狭い屋内なわけで、やっぱりちょっと緊張してしまう。
けれど、少し好きなところもある。
いつもはじっと見つめることがかなわないツカサも、運転に集中しているときはしばし見つめることができるのだ。
昨日はチェック模様のシャツの上にグレーのパーカという服装だったけれど、今日は黒いハイネックの上にグレーのデニム地ジャケットといった服装。
落ち着いた色味にジャケットという格好が、普段よりも大人びた印象に感じられ、玄関が開いた瞬間に見惚れてしまった。
すぐに自分のことへ話が振られたため何を言うこともできなかったけれど、何か言える間があったとして、何かを言えたかは定かじゃない。そこからすると、私もツカサのことは言えない気がした。
「何?」
私の視線に気づいたツカサはチラ、とこちらに視線を向けた。
「えぇと……今日はジャケットなんだな、って」
ほら、言えない……。
「似合ってる」とか「格好いい」の一言ってこんなに口にしづらい言葉だったっけ……?
言われる側じゃなくて言う側なのに、いざ口にしようと思うと恥ずかしくなって口を閉じてしまう。
一感想、一褒め言葉。されど感想、褒め言葉……。
どうしたら秋斗さんや唯兄みたいにさらりと人を褒められるようになるだろう。
そこまで考えて、ちょっと違うかな、と思う。
相手が唯兄や秋斗さん、蒼兄や友達なら何を思うことなく感想を言える気がする。相手がツカサだから恥ずかしくなってしまうのだ。
うーん、好きな人が相手って難しい……。
すると、隣のツカサは自分の服装に視線を落として無表情になっていた。
「あっ、あのっ、変とかじゃないよっ!? いつもより大人っぽく見えるなって――」
言ってしまって頬が熱を持つ。
わわわ、どうしようっ!?
わたわたしていると、ツカサに頬をツンとつつかれた。
「さっきの俺の気持ち、少しはわかった?」
呆れたような表情のツカサに、私はコクコクと頷くしかなかった。
少し窓を開けて強引に頬の熱を冷ますと、
「私が大学にいる間、ツカサはどこにいるの……?」
「支倉のマンション」
「支倉のマンションって……ツカサが大学二年生から住む予定の?」
「そう」
「お部屋、入れるの?」
「最上階はうちのセカンドハウス」
その言葉に納得するも、新たな疑問が浮上する。
芸大と支倉キャンパスの最寄り駅は同じだけれど、路線バスは違ったはず。そこからすると、方角が異なるのではないだろうか。
「私、土地勘が乏しいのだけど、支倉キャンパスと芸大って近いの?」
「道が空いていれば、車で十分くらいだと思う」
「そんなに近いの? でも、バスの路線は別よね……?」
訊くと同時、信号で停まったツカサはカーナビの縮尺を変えて見せてくれた。
「間に川があるけど直線距離的にはそんなに離れてない。ただ、大学へ行く学生と病院へ行く患者が同じバスに乗って、さらには芸大に通う学生まで同じバスだと、輸送力に限界があるから路線を分けたって話を聞いたことがある」
言われて妙に納得してしまった。
「持ってきた本が読み終われば書庫の本を読むから、こっちのことは気にせず楽しんでくればいい」
「ありがとう……」
ツカサの荷物が置いてある後部座席に目をやると、大きなトートバッグの中に本が見えた。
A4サイズの本が二冊とB5サイズのハードカバーの本が一冊、ソフトカバーの本が二冊、文庫本が三冊に辞書らしき本が一冊。
私が大学にいるのは長くても半日。それはツカサも知っているはずだけど、この冊数……。
読み終わったら書庫の本って、どれほど読むのが速いのか。
そんなことを考えながら視線を前へ戻すと、国道沿いの歩道を歩く人の姿が目についた。
たぶん、みんな芸大へ向かっているのだろう。
もう近いのかな、と思ったら、カーナビから「目的地に着きました」という音声が流れてきた。
正面の信号脇には「倉敷芸術大学・短期大学入り口」のプレート。
数台前を走っていたバスがロータリーに停まると、次から次へと人が降りてくる。
人が降りるたびに揺れる車体を見ながら、いったい何人の人が乗車していたのか、と思う。
「すごい人……。柊ちゃん大丈夫かな」
「どうして?」
「柊ちゃん、私よりも身長が低いの。たぶん一四五センチもないんじゃないかな? あんな人ごみの中に入ったら埋もれちゃう」
「ふーん……」
ツカサはさほど関心なさそうに相槌を打つと、バスの後方に車を停車させた。
素早く運転席から降りると、「なんで……」という声が外から聞こえてくる。
誰に向かって何を言っているのか、ツカサが見ている方向に視線をやると、そこにはにっこりと笑った秋斗さんが立っていた。
「え……どうして?」
秋斗さんは颯爽とやってきてはトランクから車椅子を取り出し組み立てる。そして、助手席のドアを開け私に向かって手を差し伸べた。
状況が読めずにフリーズしていると、
「ほら、早く降りないと。後続車にクラクション鳴らされちゃうよ」
そんなふうに急かされたら手を借りるしかない。
何がなんだかわからないままに車椅子に腰掛けると、
「ほら運転手さん、とっとと車出して」
「っ……」
ツカサは不本意そうに運転席に収まり、不愉快極まりない表情でロータリーをあとにした。
その場に残された私は、車椅子を押す秋斗さんを振り返りながら、
「秋斗さん、どうして……? どうしてここにいるんですか?」
「そうだなぁ……仕事っていうか趣味っていうか、つまりは市場調査?」
仕事? 趣味? 市場調査……?
答えらしきものをもらったにも関わらず、頭の中のクエスチョンマークは消えてはくれない。
「早い話、この大学の警備体制がどんなものかちょっと気になってね」
「唯兄と蔵元さんと合流するって、ここでです……?」
「そっ。唯はこういった実地調査に出たことがないからね。今ごろ蔵元にノウハウを叩き込まれてるんじゃないかな」
「でも、蔵元さんはもう警備会社は退社されたんじゃ……」
「うん、そうなんだけど、蔵元って基本、俺にいいように使われる宿命なんだよね」
言いながら秋斗さんは満足そうに笑った。
そこへ、
「翠葉ちゃん?」
声をかけられ前方に視線を戻す。と、そこには柊ちゃんが立っていた。
「柊ちゃん!」
「やっぱ翠葉ちゃんだった!」
駆け寄ってきた柊ちゃんと無事待ち合わせできたことを喜んでいると、
「じゃ、俺は行くね」
秋斗さんは近寄ってきたときと同じくらい颯爽と、人ごみに紛れていなくなった。
「今の誰? 稀に見るイケメンだったけど、もしかしてお兄さんっ?」
「違います」
「じゃ、彼氏?」
「それも違くて……」
誰……誰、誰……。
きっと、柊ちゃんは秋斗さんの名前を知りたいわけではなく、私との関係性を知りたいのだろう。その場合、なんと説明したらいいものか……。
唯兄の上司で蒼兄の先輩――
これだけだと私とはなんの関係もない人に思える。かといって、「友人の――」と紹介するのは私的に違和感が拭えない。
でも、「知り合い」という説明だとひどく希薄な関係に思えるし……。
「うーん……」
「ごめん、そんなに悩ませる質問だった?」
「えぇとね……唯兄の上司で蒼兄の高校の先輩なの。で、今お付き合いしている人の従兄で、海斗くんのお兄さんでもある」
「ふむ……つまりは顔見知りって感じ?」
そうなるよね……。
「もともとは兄つながりの知り合いだったのだけど、今は家族ぐるみで仲良くしてもらってる人……かな」
柊ちゃんはきょとんとした顔をしている。
「うーん……『友達』って言葉が使えたらいいのだけど、九歳も年が離れていると『友達』って気安さはなくて、でも『知り合い』よりは明らかに親交が深くて……」
「絶対年上だとは思ったけど九歳かっ! それは確かに『友達』って感覚はないかも。……でも、そんな人がどうして一緒だったの? 送ってきてくれるのは彼氏って言ってなかった?」
「うん。送ってきてくれたのはツカサなのだけど、着いたら秋斗さんがいて……」
「何それ」
私は首を傾げながら、
「市場調査?」
「え?」
「お仕事、なのかな……? よくわからないけれど、仕事のような趣味のような市場調査って言ってた」
自分自身きちんと理解していないだけに、柊ちゃんに十分な説明をすることはできなかった。
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