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October
紫苑祭準備編 Side 翠葉 11話
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紫苑祭直前に行われたのは姫と王子の出し物にされてしまったスチル写真撮り。カメラマンは写真部の部長さん。
ツカサは私が作った長ランを着て、白手袋とロングハチマキを装着している。
ただ機嫌悪そうに俯いているだけなのに、格好よく見えるのだから困ったものだ。
それに対し、私は小柄なクラスメイトから借りたチアの衣装を着せられ、髪の毛はポニーテールにされていた。
スカートは去年の紅葉祭で着た衣装よりも短い。
恥ずかしさのあまり、腰にジャージの上着を巻いて第一小体育館へ向かうと、
「はーい、翠葉はそのジャージ取ってねー」
嵐子先輩に絡まれさらりとジャージを取り払われてしまう。
「せっ、先輩っ、写真撮る直前まではっっっ」
「翠葉、足細いんだからいいじゃない」
「ただ単にもやしなだけですっ」
「いやみな子ねぇ……。去年と比べると少し体重増えたっぽいし、十分きれいな足よ?」
そうは言われても恥ずかしくて、私はその場に座り込んでしまった。
「翠葉にきてるオーダーは、ポーズをとって笑顔全開」
にこりと笑った桃華さんが軽快に読み上げる。
そんなオーダーを聞いたら笑顔どころか真っ青だ。
ポーズって何っ!? 笑顔全開なんてできる気がまったくしない。
「翠葉、立って左足軽く上げて片足立ち。ボンボン持った手は腰にあてて。ほら、さっさとやるっ!」
嵐子先輩と桃華さんに急かされてポーズを作るも、恥ずかしさが勝って背筋をただすことができない。
見るに見かねたツカサが私の姿勢を直して脇に立ってくれた。その場で背中合わせの写真を一ショット撮られる。
「寄り添ってる感じがものすごくいいんだけど、翠葉ちゃんもっと笑えないかな? あ、司は無愛想でもかまわないよ」
朝陽先輩の言葉に思わず噛み付いてしまう。
「どうしてツカサだけっ!? 私も笑いたくないですっ」
「いやいやいや、お姫様にはかわいく笑っていただきませんと」
「サザナミくんの意地悪っ」
「えええええっ!? 俺? 俺だけっ!?」
むーむー唸っていると、肩越しにツカサに一言見舞われた。
「翠が笑わないと終わらないんだけど」
「自分は笑わなくていいからってひどいっ」
「……そこまで言うなら笑ってもいいけど?」
すぐさま絶対零度の笑みを向けられ地団駄を踏みたくなる。
「翠葉、ダンスのとき笑って踊ってたじゃん。それと一緒で大丈夫だって」
海斗くんに言われるも、すでにむくれ顔に表情筋が固定されており、どうやったら笑えるのかすらわからない。
極めつけは飛翔くんの一言だった。
「あんたが笑わないと、次にここを使う組が迷惑被るけど?」
小体育館での撮影だったため、撮影にかけられる時間は限られているのだ。
「……あの、すみません。顔の筋肉ほぐしてくるので少しだけ時間ください」
小体育館の裏に出ると、私はひたすら顔の筋肉をほぐしにかかった。
それでも、人前で何かをするのは苦手だし、カメラに向かって笑顔を作るのは、足を出していて恥ずかしいのとは別次元で苦手なこと。
途方に暮れていると、「翠」と背後から声をかけられた。
上半身だけで振り返ると、座っていた膝の上にジャージが降ってきた。
「次、ここを使うのはうちの組だから少しなら融通できるけど?」
さすがに私事でそれは申し訳なさすぎる。
「……あのね、人が撮るんじゃなければ笑えるかもしれない」
「は?」
「……人に見られているのが苦手なの。だから、セルフタイマーなら笑えると思う」
「じゃ、それ実践して」
ツカサに手を差し出されて立ち上がると背に手を添えられ、
「あいつらが望んでるのは全開の笑顔らしいけど、普通に笑みを浮かべられればそれでいいから」
ツカサらしいささやかなフォローが心にしみた。
現場に戻ってカメラマンを務める写真部部長に声をかける。
「あの、部長にはとっても申し訳ないのですが、セルフタイマーを使ってもいいですか?」
「えっ? 俺、撮らなくていいの?」
「すみません……。人に撮られているとどうしても構えちゃうので……」
「それなら、この機種スマイルシャッターが使えるからそれを使えばいい」
「ありがとうございます」
その会話を聞いていた生徒会メンバーは、「それで撮れるなら全然OKだよ」と請合ってくれた。
カメラのセッティングが済んでも周りから人がいなくなることはなく……。
「あの、すみません――体育館から出ていてもらえるとありがたいのですが……」
おずおずと申し出ると、
「面倒くせー女」
言いながらも飛翔くんが一番に動いてくれ、それにつられるようにして人という人は体育館を出て行った。
私のポーズはさっき嵐子先輩に言われたとおりのもの。ツカサは両腕を組むといったポージング。
ふたり背中を合わせて顔だけを正面に向けるのだ。
スマイルシャッターを稼動させると、ツカサのもとへ戻ってポーズ作り。
「ツカサ、あのカメラね、笑うと勝手にシャッターが落ちるの。だから、せーの、で正面向いて笑顔作ろう?」
「了解」
「せーのっ――」
顔を正面に向けた途端、シャッターが次々と落ちる。
十秒ほどその状態を保ちカメラの元へと走ると、七枚の写真が撮れていた。しかし、ツカサは笑っておらず、笑っているのは自分ひとり。
「ツカサ、ずるい……」
「俺には笑顔のオーダーきてないし」
くつくつと笑うツカサにカメラを取られ、一枚ずつプレビュー画面が表示されていく。一巡してから、
「五枚目。これなら朝陽たちも納得するんじゃない?」
「本当……?」
「とりあえずは見せて確認」
「はい」
体育館へ戻ってきたみんなに見せると、問題なくOKが出た。
自分もみんなもほっとしたけれど、ただひとり飛翔くんだけが、
「突破口があるならとっとと提示しろよ」
厳しい言葉を残してその場をあとにした。
「飛翔は相変わらずだなぁ……翠葉、気にしなくていいよ」
海斗くんはそう言ってくれたけれど、飛翔くんとのいざこざはいつだって自分に非があるわけで、それがわかっているだけに謝罪せずにはいられない。
「あのっ、撮影に時間かけてしまってすみませんでした。それから、会計職のあれこれも、自分のわがまま通してすみませんでした」
「翠葉ちゃん、俺は助かってるよ? 会計の仕事が分担されていたら、俺は今ほど組の練習に取り組めなかったからね」
優太先輩は本心からそう言ってくれているのかもしれない。でも、飛翔くんは間違いなく不満があるのだ。それならば、やっぱりきちんと話さなくてはいけない。
貧血で倒れたあの日以来、組のスケジュール調整等で顔を合わせることはあっても飛翔くんとは言葉を交わしていなかった。
「あのっ、私飛翔くんにお話があるのでお先に失礼しますっ」
小体育館を走り出て、春庭園の藤棚のところで追いついた。
「飛翔くんっ」
「何……」
気だるそうに振り向く様が、「不機嫌だ」と言われているよう。
でも、ここでめげるわけにはいかない。
「あの、撮影に時間がかかってごめんなさい」
「実質的には時間内に終わったから問題ないだろ?」
「うん、でも、迷惑はかけたと思うし、飛翔くんが言うことはもっともだと思ったから」
「なら、次からは考えて行動して」
「はい」
謝らなくちゃいけないことはもうひとつ。
私は息を深めに吸い込み、
「会計の仕事のことなんだけどっ――」
そこまで言うと飛翔くんに遮られた。
「最後までやりきれよ」
「……え?」
「……あのさ、何か勘違いしてるみたいだから言っておくけど、俺は会計職がやりたくて仕事を分担するよう勧めてたわけじゃない」
え? どういうこと……?
「あんたわかってんの? あんたが運動できないってわかってる時点で、どうしたって紫苑祭当日にかかるウェイトはあんたが一番重いんだよ。それなら、それまでの負担は俺たちが負うべきだと思ってた。なのに、仕事独り占めしてバカなの? あんたバカなの? 絶対バカだろ?」
あ……えぇと……。これはいったいどうしたことか……。
まさかそんなふうに思ってくれていたとは、微塵にも思わなかった。
なんてわかりづらい人なんだろう……。
でも……私の周りにはもうひとりわかりづらい優しさを持っている人がいる。
ツカサのときと一緒。わかりづらいけれど、気づくことができると嬉しいと思う。
「何笑ってんの」
「ううん、ごめん、嬉しくて」
嬉しくて涙が出てきてしまった。
「泣かれるとか、マジやめてほしーんだけど」
「ごめんっ、すぐ泣きやむ」
私は手の甲で涙を拭い、
「あのね、私、あともう一度だけわがままを言うから」
飛翔くんは眉間にしわを寄せた。そんな仕草もツカサとそっくり。
「来年の紅葉祭、中間考査までの作業はみんなでやるけれど、それ以降のリトルバンクに関する作業全般は私に任せてください」
「……はぁっ!? あんた、やっぱバカだろ? 紫苑祭と紅葉祭じゃ扱う金額の規模が違う。それわかって――」
「うん、わかってる。でも、去年もそうだったの。それに、私はそういう形じゃないと生徒会に携われないから」
飛翔くんの眉間のしわがさらに深まる。けれども、そんな様には免疫だって抗体だって持っているのだ。
「先日ツカサが話したとおり、去年生徒会規約に準規約ができて、私が学校外で会計の仕事をすることが認められているの。だから、先に言っておくね。会計の総元締めやらせてもらいます」
飛翔くんが呆気に取られているのをいいことに、私は更衣室へと向かって歩き始めた。
ツカサは私が作った長ランを着て、白手袋とロングハチマキを装着している。
ただ機嫌悪そうに俯いているだけなのに、格好よく見えるのだから困ったものだ。
それに対し、私は小柄なクラスメイトから借りたチアの衣装を着せられ、髪の毛はポニーテールにされていた。
スカートは去年の紅葉祭で着た衣装よりも短い。
恥ずかしさのあまり、腰にジャージの上着を巻いて第一小体育館へ向かうと、
「はーい、翠葉はそのジャージ取ってねー」
嵐子先輩に絡まれさらりとジャージを取り払われてしまう。
「せっ、先輩っ、写真撮る直前まではっっっ」
「翠葉、足細いんだからいいじゃない」
「ただ単にもやしなだけですっ」
「いやみな子ねぇ……。去年と比べると少し体重増えたっぽいし、十分きれいな足よ?」
そうは言われても恥ずかしくて、私はその場に座り込んでしまった。
「翠葉にきてるオーダーは、ポーズをとって笑顔全開」
にこりと笑った桃華さんが軽快に読み上げる。
そんなオーダーを聞いたら笑顔どころか真っ青だ。
ポーズって何っ!? 笑顔全開なんてできる気がまったくしない。
「翠葉、立って左足軽く上げて片足立ち。ボンボン持った手は腰にあてて。ほら、さっさとやるっ!」
嵐子先輩と桃華さんに急かされてポーズを作るも、恥ずかしさが勝って背筋をただすことができない。
見るに見かねたツカサが私の姿勢を直して脇に立ってくれた。その場で背中合わせの写真を一ショット撮られる。
「寄り添ってる感じがものすごくいいんだけど、翠葉ちゃんもっと笑えないかな? あ、司は無愛想でもかまわないよ」
朝陽先輩の言葉に思わず噛み付いてしまう。
「どうしてツカサだけっ!? 私も笑いたくないですっ」
「いやいやいや、お姫様にはかわいく笑っていただきませんと」
「サザナミくんの意地悪っ」
「えええええっ!? 俺? 俺だけっ!?」
むーむー唸っていると、肩越しにツカサに一言見舞われた。
「翠が笑わないと終わらないんだけど」
「自分は笑わなくていいからってひどいっ」
「……そこまで言うなら笑ってもいいけど?」
すぐさま絶対零度の笑みを向けられ地団駄を踏みたくなる。
「翠葉、ダンスのとき笑って踊ってたじゃん。それと一緒で大丈夫だって」
海斗くんに言われるも、すでにむくれ顔に表情筋が固定されており、どうやったら笑えるのかすらわからない。
極めつけは飛翔くんの一言だった。
「あんたが笑わないと、次にここを使う組が迷惑被るけど?」
小体育館での撮影だったため、撮影にかけられる時間は限られているのだ。
「……あの、すみません。顔の筋肉ほぐしてくるので少しだけ時間ください」
小体育館の裏に出ると、私はひたすら顔の筋肉をほぐしにかかった。
それでも、人前で何かをするのは苦手だし、カメラに向かって笑顔を作るのは、足を出していて恥ずかしいのとは別次元で苦手なこと。
途方に暮れていると、「翠」と背後から声をかけられた。
上半身だけで振り返ると、座っていた膝の上にジャージが降ってきた。
「次、ここを使うのはうちの組だから少しなら融通できるけど?」
さすがに私事でそれは申し訳なさすぎる。
「……あのね、人が撮るんじゃなければ笑えるかもしれない」
「は?」
「……人に見られているのが苦手なの。だから、セルフタイマーなら笑えると思う」
「じゃ、それ実践して」
ツカサに手を差し出されて立ち上がると背に手を添えられ、
「あいつらが望んでるのは全開の笑顔らしいけど、普通に笑みを浮かべられればそれでいいから」
ツカサらしいささやかなフォローが心にしみた。
現場に戻ってカメラマンを務める写真部部長に声をかける。
「あの、部長にはとっても申し訳ないのですが、セルフタイマーを使ってもいいですか?」
「えっ? 俺、撮らなくていいの?」
「すみません……。人に撮られているとどうしても構えちゃうので……」
「それなら、この機種スマイルシャッターが使えるからそれを使えばいい」
「ありがとうございます」
その会話を聞いていた生徒会メンバーは、「それで撮れるなら全然OKだよ」と請合ってくれた。
カメラのセッティングが済んでも周りから人がいなくなることはなく……。
「あの、すみません――体育館から出ていてもらえるとありがたいのですが……」
おずおずと申し出ると、
「面倒くせー女」
言いながらも飛翔くんが一番に動いてくれ、それにつられるようにして人という人は体育館を出て行った。
私のポーズはさっき嵐子先輩に言われたとおりのもの。ツカサは両腕を組むといったポージング。
ふたり背中を合わせて顔だけを正面に向けるのだ。
スマイルシャッターを稼動させると、ツカサのもとへ戻ってポーズ作り。
「ツカサ、あのカメラね、笑うと勝手にシャッターが落ちるの。だから、せーの、で正面向いて笑顔作ろう?」
「了解」
「せーのっ――」
顔を正面に向けた途端、シャッターが次々と落ちる。
十秒ほどその状態を保ちカメラの元へと走ると、七枚の写真が撮れていた。しかし、ツカサは笑っておらず、笑っているのは自分ひとり。
「ツカサ、ずるい……」
「俺には笑顔のオーダーきてないし」
くつくつと笑うツカサにカメラを取られ、一枚ずつプレビュー画面が表示されていく。一巡してから、
「五枚目。これなら朝陽たちも納得するんじゃない?」
「本当……?」
「とりあえずは見せて確認」
「はい」
体育館へ戻ってきたみんなに見せると、問題なくOKが出た。
自分もみんなもほっとしたけれど、ただひとり飛翔くんだけが、
「突破口があるならとっとと提示しろよ」
厳しい言葉を残してその場をあとにした。
「飛翔は相変わらずだなぁ……翠葉、気にしなくていいよ」
海斗くんはそう言ってくれたけれど、飛翔くんとのいざこざはいつだって自分に非があるわけで、それがわかっているだけに謝罪せずにはいられない。
「あのっ、撮影に時間かけてしまってすみませんでした。それから、会計職のあれこれも、自分のわがまま通してすみませんでした」
「翠葉ちゃん、俺は助かってるよ? 会計の仕事が分担されていたら、俺は今ほど組の練習に取り組めなかったからね」
優太先輩は本心からそう言ってくれているのかもしれない。でも、飛翔くんは間違いなく不満があるのだ。それならば、やっぱりきちんと話さなくてはいけない。
貧血で倒れたあの日以来、組のスケジュール調整等で顔を合わせることはあっても飛翔くんとは言葉を交わしていなかった。
「あのっ、私飛翔くんにお話があるのでお先に失礼しますっ」
小体育館を走り出て、春庭園の藤棚のところで追いついた。
「飛翔くんっ」
「何……」
気だるそうに振り向く様が、「不機嫌だ」と言われているよう。
でも、ここでめげるわけにはいかない。
「あの、撮影に時間がかかってごめんなさい」
「実質的には時間内に終わったから問題ないだろ?」
「うん、でも、迷惑はかけたと思うし、飛翔くんが言うことはもっともだと思ったから」
「なら、次からは考えて行動して」
「はい」
謝らなくちゃいけないことはもうひとつ。
私は息を深めに吸い込み、
「会計の仕事のことなんだけどっ――」
そこまで言うと飛翔くんに遮られた。
「最後までやりきれよ」
「……え?」
「……あのさ、何か勘違いしてるみたいだから言っておくけど、俺は会計職がやりたくて仕事を分担するよう勧めてたわけじゃない」
え? どういうこと……?
「あんたわかってんの? あんたが運動できないってわかってる時点で、どうしたって紫苑祭当日にかかるウェイトはあんたが一番重いんだよ。それなら、それまでの負担は俺たちが負うべきだと思ってた。なのに、仕事独り占めしてバカなの? あんたバカなの? 絶対バカだろ?」
あ……えぇと……。これはいったいどうしたことか……。
まさかそんなふうに思ってくれていたとは、微塵にも思わなかった。
なんてわかりづらい人なんだろう……。
でも……私の周りにはもうひとりわかりづらい優しさを持っている人がいる。
ツカサのときと一緒。わかりづらいけれど、気づくことができると嬉しいと思う。
「何笑ってんの」
「ううん、ごめん、嬉しくて」
嬉しくて涙が出てきてしまった。
「泣かれるとか、マジやめてほしーんだけど」
「ごめんっ、すぐ泣きやむ」
私は手の甲で涙を拭い、
「あのね、私、あともう一度だけわがままを言うから」
飛翔くんは眉間にしわを寄せた。そんな仕草もツカサとそっくり。
「来年の紅葉祭、中間考査までの作業はみんなでやるけれど、それ以降のリトルバンクに関する作業全般は私に任せてください」
「……はぁっ!? あんた、やっぱバカだろ? 紫苑祭と紅葉祭じゃ扱う金額の規模が違う。それわかって――」
「うん、わかってる。でも、去年もそうだったの。それに、私はそういう形じゃないと生徒会に携われないから」
飛翔くんの眉間のしわがさらに深まる。けれども、そんな様には免疫だって抗体だって持っているのだ。
「先日ツカサが話したとおり、去年生徒会規約に準規約ができて、私が学校外で会計の仕事をすることが認められているの。だから、先に言っておくね。会計の総元締めやらせてもらいます」
飛翔くんが呆気に取られているのをいいことに、私は更衣室へと向かって歩き始めた。
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