97 / 271
October
紫苑祭準備編 Side 翠葉 10話
しおりを挟む
紫苑祭を一週間後に控え、ようやくツカサの衣装が仕上がった。
夜、ツカサがゲストルームへ来たときに交換することになっていたのだけど……。
「ううう……やっぱり渡したくないなぁ」
「は?」
「だって、絶対ツカサのほうがきれいな仕上がりなんだもの」
「そんなの見てみないとわからない」
いえ、出来上がりを見なくてもわかります。だって、毎晩私の前で刺繍をするところを見ていたのだから。
ツカサはひとつため息をつくと、
「そうだったところで、俺は翠が作ってくれた長ランを着るしかないんだけど……。ほら、さっさと出して」
私は折りたたんだ長ランをおずおずと差し出した。
ツカサは手早く縫製を見たあと、刺繍をチェックする。
そのチェックの仕方やめてぇぇぇ……。
まるで家庭科の課題を提出した気分になるし、何よりも色んな意味で悲しくなってくる。
ツカサは開いた長ランをパタパタと折りたたみ、
「そんなひどくないし」
その言葉のもと、私は自分に差し出された長ランにそっと触れる。
きっちりとたたまれたそれはまるで既製品のように見えた。
縫製も丁寧ならば、内布に施された刺繍は手芸部の女の子が刺したと思えるような出来栄えだ。さらにはきちんとアイロンまでかけられている。
「ツカサ、それ一度戻して」
「は? 今さら作り直すとか言わないよな?」
「そんな無謀なことは言わない。でも、アイロンくらいはかけたい」
「あぁ、そんなこと」
「そんなことじゃないものっ。アイロンをかけたら少しくらいは見栄えが良くなるかもしれないでしょうっ!?」
ツカサはくつくつと笑いながら、「わかった」と長ランを返してくれた。
長ランの話が落ち着けば、次は後夜祭のドレスについて尋ねられる。
後夜祭は、紅葉祭だろうが紫苑祭だろうが同じ趣旨のもとに催される。つまりはハロウィンに託けたお祭り。
去年はアリスの格好をさせてもらったけれど、今年はなんの仮装をするかなど決めてはいなかったし、自分で作るなどもってのほか。そんな余裕は私にも生徒会メンバーにもありはしなかった。
訊けば、紫苑祭の年は手作りの衣装を着る人は少なく、ほとんどの人が既製品のドレスだという。だから、私もそれでいいかな、と思っていた。
「まだ決めていないの。実は、今年の誕生日にも静さんからたくさんドレスをいただいていて、でもなかなか着る機会がないからこの機会に着ようかな、って。明日、園田さんがドレスを数着持ってゲストルームへ来てくれることになっているから、そのときに選ぶ予定なの」
「それ、俺も見たいんだけど」
「え? ツカサも……?」
「……後夜祭のダンス、誰と踊るつもり?」
「あ……わ、その……」
ツカサはにこりと笑ってテーブルに身を乗り出す。
「俺以外に誰か相手がいるとでも言おうものならどの程度のお仕置きをさせてもらえるのかが楽しみだ」
その言葉に、先日の「ご褒美」を思い出す。さらには夏休みにされた「消毒」までを思い出して頬がカッと熱を持った。
きれいに微笑むツカサを見ていられなくて視線を逸らすと、
「翠は誰と踊るつもり?」
「……ツカサ以外の人なんていないもの」
「なら、パートナーのドレスくらい把握しておきたいんだけど」
そんな言い方しなくてもいいのに、と思いつつ、
「明日、六時半に来てもらえることになっているのだけど……練習は大丈夫なの?」
「一日くらい俺がいなくてもなんとでもなる」
「そう?」
「そう」
「……なら、一緒に選んでほしいな」
「そのつもり。はい、休憩終わり。予習に戻って」
相変わらず、ツカサに教えてもらうと予習復習も早くに終わる。
今日はいつもより早くに勉強を終えたから、最後にお茶をご馳走することにした。
トレイを持って自室へ戻ると、
「ダンスの練習、どうだった?」
「あのね、先日初めて佐野くんと踊ったの。今までツカサと踊っていたから身長差とか最初は慣れなかったのだけど、身長が近い分、少し踊りやすかったかも?」
「ふーん……さすがに身長に文句を言われても変えようがないんだけど」
「えっ!? そんなつもりで言ったわけじゃないよっ?」
ツカサはクスリと笑ってお茶を飲んだ。
「もぅ……意地悪」
こんなふうにからかわれるのは日常茶飯事。
いつも自分が焦ってばかりで悔しいわけだけど、一度として仕返しをできたためしがないのがもっと悔しい。
少し気を取り直してお茶を飲み、
「桃華さんや海斗くん、静音先輩にもとても褒めてもらえたの。ツカサに教えてもらって良かった。ありがとう」
「……ま、見られる程度には仕上げたつもりだけど、厳しく指導しようと何しようと、それを習得したのは翠だから、俺だけの力じゃない」
澄ました顔でカップを口へ運んだツカサは、一気にくい、とお茶を飲み干した。
音を立てずにカップをテーブルへ置くと、
「帰る。翠も早く休める日は早く休むように」
「うん。いつも遅くまでありがとう」
立ち上がったツカサはそのまま部屋を出て行ってしまいそうな感じがした。
テスト期間が終わってからはツカサにキスをされていない。それは毎日会っているのがゲストルームだから。
でも、このままいったら紫苑祭が終わるまで――否、紫苑祭が終わっても、十階にあるツカサの家へ行かない限りはキスをしてはもらえないのだろう。
もとはいえば、私が嫌だと言ったことが発端となって現況があるわけだから、何を言えるわけでもない。けれど――
ツカサがドアノブに手を掛けた後姿に手を伸ばす。
手を伸ばしたところでシャツを引っ張ることしかできなかった。
自分から抱きつけたら良かったのに。そしたら、言葉も何も必要なかった気がする。
しかし現況は、ツカサに「何?」と訊かれている状況……。
「……ぎゅってして?」
ツカサのシャツをつまんだままの自分の手を見て口にすると、振り返ったツカサにふわり、と抱きしめられた。
「何、急に……」
ちょっと含み笑いの混じる声だった。
なんて答えようか困りに困って、私はお母さんの言葉を借りることにした。
「……スキンシップ」
「……へぇ、スキンシップなら、翠の身体のどこに触れてもいい気がするんだけど」
ツカサの手が静かに背をなぞりだし、両肩がきゅっと上がった。すると、
「……嘘。ゲストルームでは何もしない。翠がしてほしいなら別だけど」
身体を離すと、真顔で見つめられて困窮する。
本当は帰り際のキスをしてほしい。でも、ツカサほど関係性を進めることに前向きではない自分がキスだけを望むのはひどくわがままな気がして、どうしても口にできなかった。
「翠の望みは?」
「……ぎゅってしてほしかっただけっ」
「了解」
もう一度抱きしめてくれたツカサは、ぼそりと呟いた。「ずるいよな」と。
その言葉に顔を上げると、
「このツケはいつか全部払ってもらうつもりでいるから」
そう言ってからツカサの腕は解かれ、
「おやすみ」
ポン、と頭に手が乗り、ツカサは自室を出て行った。
キスをしてほしいのもぎゅっとしてほしいのも、自分の心にある願望だ。
それらの延長線に性行為があるというのなら、受け入れられる気がする。
何度となくそんな思いが交錯するけれど、いつだってそれを受け入れることができずに立ち止まってばかり。
ツカサは待つと言ってくれたけれど、いったいいつまで待ってもらえるのだろう。
そんな不安に悶々としては、前に進む心構えや努力とは、どうしたらできるものなのだろうか、と悩む。
「……ずっとキスをされなくて、抱きしめてももらえなかったら――」
そしたら、自分から「してほしい」と望むようになるのだろうか。自分から「してほしい」と言えるようになるのだろうか。
たかだか一週間くらいでこの様なのだ。少し先の未来など簡単に想像できそうなものなのに、とても難しく思える。でも、試すことはできるかもしれない。何しろ、当分ツカサの家へ行くことはないのだから。
「キスも抱きしめてもらうのもしばらくお預け……」
それで自分の気持ちがどう変化するのかを見てみよう。
でも、今日はぎゅってしてもらえた……。
決して柔らかいものに触れたわけではないのに、とても柔らかなものに包まれた錯覚を起こすのだから不思議だ。
今日もほのかにメンソールの香りがしたから、きっとお風呂に入ってから来たのだろう。
そんなことを思えば、次はいつツカサに触れられるだろう、と考える。
「……紫苑祭の後夜祭、かな?」
何曲か流れるうちのひとつは私が踊れるテンポのワルツだと聞いているし、締めはチークタイムだとも聞いている。
去年は色んな意味でいっぱいいっぱいだったけれど、今年は別の意味でいっぱいいっぱいになりそうだ。でも、楽しみ……。
意識しすぎている自分が少し恥ずかしくはある。それでも、ツカサに触れられることはやっぱり嬉しいことだと思うし、その日が待ち遠しくてたまらない。
意外な理由で紫苑祭がもっと楽しみなイベントに変わり始めた。
夜、ツカサがゲストルームへ来たときに交換することになっていたのだけど……。
「ううう……やっぱり渡したくないなぁ」
「は?」
「だって、絶対ツカサのほうがきれいな仕上がりなんだもの」
「そんなの見てみないとわからない」
いえ、出来上がりを見なくてもわかります。だって、毎晩私の前で刺繍をするところを見ていたのだから。
ツカサはひとつため息をつくと、
「そうだったところで、俺は翠が作ってくれた長ランを着るしかないんだけど……。ほら、さっさと出して」
私は折りたたんだ長ランをおずおずと差し出した。
ツカサは手早く縫製を見たあと、刺繍をチェックする。
そのチェックの仕方やめてぇぇぇ……。
まるで家庭科の課題を提出した気分になるし、何よりも色んな意味で悲しくなってくる。
ツカサは開いた長ランをパタパタと折りたたみ、
「そんなひどくないし」
その言葉のもと、私は自分に差し出された長ランにそっと触れる。
きっちりとたたまれたそれはまるで既製品のように見えた。
縫製も丁寧ならば、内布に施された刺繍は手芸部の女の子が刺したと思えるような出来栄えだ。さらにはきちんとアイロンまでかけられている。
「ツカサ、それ一度戻して」
「は? 今さら作り直すとか言わないよな?」
「そんな無謀なことは言わない。でも、アイロンくらいはかけたい」
「あぁ、そんなこと」
「そんなことじゃないものっ。アイロンをかけたら少しくらいは見栄えが良くなるかもしれないでしょうっ!?」
ツカサはくつくつと笑いながら、「わかった」と長ランを返してくれた。
長ランの話が落ち着けば、次は後夜祭のドレスについて尋ねられる。
後夜祭は、紅葉祭だろうが紫苑祭だろうが同じ趣旨のもとに催される。つまりはハロウィンに託けたお祭り。
去年はアリスの格好をさせてもらったけれど、今年はなんの仮装をするかなど決めてはいなかったし、自分で作るなどもってのほか。そんな余裕は私にも生徒会メンバーにもありはしなかった。
訊けば、紫苑祭の年は手作りの衣装を着る人は少なく、ほとんどの人が既製品のドレスだという。だから、私もそれでいいかな、と思っていた。
「まだ決めていないの。実は、今年の誕生日にも静さんからたくさんドレスをいただいていて、でもなかなか着る機会がないからこの機会に着ようかな、って。明日、園田さんがドレスを数着持ってゲストルームへ来てくれることになっているから、そのときに選ぶ予定なの」
「それ、俺も見たいんだけど」
「え? ツカサも……?」
「……後夜祭のダンス、誰と踊るつもり?」
「あ……わ、その……」
ツカサはにこりと笑ってテーブルに身を乗り出す。
「俺以外に誰か相手がいるとでも言おうものならどの程度のお仕置きをさせてもらえるのかが楽しみだ」
その言葉に、先日の「ご褒美」を思い出す。さらには夏休みにされた「消毒」までを思い出して頬がカッと熱を持った。
きれいに微笑むツカサを見ていられなくて視線を逸らすと、
「翠は誰と踊るつもり?」
「……ツカサ以外の人なんていないもの」
「なら、パートナーのドレスくらい把握しておきたいんだけど」
そんな言い方しなくてもいいのに、と思いつつ、
「明日、六時半に来てもらえることになっているのだけど……練習は大丈夫なの?」
「一日くらい俺がいなくてもなんとでもなる」
「そう?」
「そう」
「……なら、一緒に選んでほしいな」
「そのつもり。はい、休憩終わり。予習に戻って」
相変わらず、ツカサに教えてもらうと予習復習も早くに終わる。
今日はいつもより早くに勉強を終えたから、最後にお茶をご馳走することにした。
トレイを持って自室へ戻ると、
「ダンスの練習、どうだった?」
「あのね、先日初めて佐野くんと踊ったの。今までツカサと踊っていたから身長差とか最初は慣れなかったのだけど、身長が近い分、少し踊りやすかったかも?」
「ふーん……さすがに身長に文句を言われても変えようがないんだけど」
「えっ!? そんなつもりで言ったわけじゃないよっ?」
ツカサはクスリと笑ってお茶を飲んだ。
「もぅ……意地悪」
こんなふうにからかわれるのは日常茶飯事。
いつも自分が焦ってばかりで悔しいわけだけど、一度として仕返しをできたためしがないのがもっと悔しい。
少し気を取り直してお茶を飲み、
「桃華さんや海斗くん、静音先輩にもとても褒めてもらえたの。ツカサに教えてもらって良かった。ありがとう」
「……ま、見られる程度には仕上げたつもりだけど、厳しく指導しようと何しようと、それを習得したのは翠だから、俺だけの力じゃない」
澄ました顔でカップを口へ運んだツカサは、一気にくい、とお茶を飲み干した。
音を立てずにカップをテーブルへ置くと、
「帰る。翠も早く休める日は早く休むように」
「うん。いつも遅くまでありがとう」
立ち上がったツカサはそのまま部屋を出て行ってしまいそうな感じがした。
テスト期間が終わってからはツカサにキスをされていない。それは毎日会っているのがゲストルームだから。
でも、このままいったら紫苑祭が終わるまで――否、紫苑祭が終わっても、十階にあるツカサの家へ行かない限りはキスをしてはもらえないのだろう。
もとはいえば、私が嫌だと言ったことが発端となって現況があるわけだから、何を言えるわけでもない。けれど――
ツカサがドアノブに手を掛けた後姿に手を伸ばす。
手を伸ばしたところでシャツを引っ張ることしかできなかった。
自分から抱きつけたら良かったのに。そしたら、言葉も何も必要なかった気がする。
しかし現況は、ツカサに「何?」と訊かれている状況……。
「……ぎゅってして?」
ツカサのシャツをつまんだままの自分の手を見て口にすると、振り返ったツカサにふわり、と抱きしめられた。
「何、急に……」
ちょっと含み笑いの混じる声だった。
なんて答えようか困りに困って、私はお母さんの言葉を借りることにした。
「……スキンシップ」
「……へぇ、スキンシップなら、翠の身体のどこに触れてもいい気がするんだけど」
ツカサの手が静かに背をなぞりだし、両肩がきゅっと上がった。すると、
「……嘘。ゲストルームでは何もしない。翠がしてほしいなら別だけど」
身体を離すと、真顔で見つめられて困窮する。
本当は帰り際のキスをしてほしい。でも、ツカサほど関係性を進めることに前向きではない自分がキスだけを望むのはひどくわがままな気がして、どうしても口にできなかった。
「翠の望みは?」
「……ぎゅってしてほしかっただけっ」
「了解」
もう一度抱きしめてくれたツカサは、ぼそりと呟いた。「ずるいよな」と。
その言葉に顔を上げると、
「このツケはいつか全部払ってもらうつもりでいるから」
そう言ってからツカサの腕は解かれ、
「おやすみ」
ポン、と頭に手が乗り、ツカサは自室を出て行った。
キスをしてほしいのもぎゅっとしてほしいのも、自分の心にある願望だ。
それらの延長線に性行為があるというのなら、受け入れられる気がする。
何度となくそんな思いが交錯するけれど、いつだってそれを受け入れることができずに立ち止まってばかり。
ツカサは待つと言ってくれたけれど、いったいいつまで待ってもらえるのだろう。
そんな不安に悶々としては、前に進む心構えや努力とは、どうしたらできるものなのだろうか、と悩む。
「……ずっとキスをされなくて、抱きしめてももらえなかったら――」
そしたら、自分から「してほしい」と望むようになるのだろうか。自分から「してほしい」と言えるようになるのだろうか。
たかだか一週間くらいでこの様なのだ。少し先の未来など簡単に想像できそうなものなのに、とても難しく思える。でも、試すことはできるかもしれない。何しろ、当分ツカサの家へ行くことはないのだから。
「キスも抱きしめてもらうのもしばらくお預け……」
それで自分の気持ちがどう変化するのかを見てみよう。
でも、今日はぎゅってしてもらえた……。
決して柔らかいものに触れたわけではないのに、とても柔らかなものに包まれた錯覚を起こすのだから不思議だ。
今日もほのかにメンソールの香りがしたから、きっとお風呂に入ってから来たのだろう。
そんなことを思えば、次はいつツカサに触れられるだろう、と考える。
「……紫苑祭の後夜祭、かな?」
何曲か流れるうちのひとつは私が踊れるテンポのワルツだと聞いているし、締めはチークタイムだとも聞いている。
去年は色んな意味でいっぱいいっぱいだったけれど、今年は別の意味でいっぱいいっぱいになりそうだ。でも、楽しみ……。
意識しすぎている自分が少し恥ずかしくはある。それでも、ツカサに触れられることはやっぱり嬉しいことだと思うし、その日が待ち遠しくてたまらない。
意外な理由で紫苑祭がもっと楽しみなイベントに変わり始めた。
1
お気に入りに追加
193
あなたにおすすめの小説
幼馴染と話し合って恋人になってみた→夫婦になってみた
久野真一
青春
最近の俺はちょっとした悩みを抱えている。クラスメート曰く、
幼馴染である百合(ゆり)と仲が良すぎるせいで付き合ってるか気になるらしい。
堀川百合(ほりかわゆり)。美人で成績優秀、運動完璧だけど朝が弱くてゲーム好きな天才肌の女の子。
猫みたいに気まぐれだけど優しい一面もあるそんな女の子。
百合とはゲームや面白いことが好きなところが馬が合って仲の良い関係を続けている。
そんな百合は今年は隣のクラス。俺と付き合ってるのかよく勘ぐられるらしい。
男女が仲良くしてるからすぐ付き合ってるだの何だの勘ぐってくるのは困る。
とはいえ。百合は異性としても魅力的なわけで付き合ってみたいという気持ちもある。
そんなことを悩んでいたある日の下校途中。百合から
「修二は私と恋人になりたい?」
なんて聞かれた。考えた末の言葉らしい。
百合としても満更じゃないのなら恋人になるのを躊躇する理由もない。
「なれたらいいと思ってる」
少し曖昧な返事とともに恋人になった俺たち。
食べさせあいをしたり、キスやその先もしてみたり。
恋人になった後は今までよりもっと楽しい毎日。
そんな俺達は大学に入る時に籍を入れて学生夫婦としての生活も開始。
夜一緒に寝たり、一緒に大学の講義を受けたり、新婚旅行に行ったりと
新婚生活も満喫中。
これは俺と百合が恋人としてイチャイチャしたり、
新婚生活を楽しんだりする、甘くてほのぼのとする日常のお話。
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
亡き少女のためのベルガマスク
二階堂シア
青春
春若 杏梨(はるわか あんり)は聖ヴェリーヌ高等学校音楽科ピアノ専攻の1年生。
彼女はある日を境に、人前でピアノが弾けなくなってしまった。
風紀の厳しい高校で、髪を金色に染めて校則を破る杏梨は、クラスでも浮いている存在だ。
何度注意しても全く聞き入れる様子のない杏梨に業を煮やした教師は、彼女に『一ヶ月礼拝堂で祈りを捧げる』よう反省を促す。
仕方なく訪れた礼拝堂の告解室には、謎の男がいて……?
互いに顔は見ずに会話を交わすだけの、一ヶ月限定の不思議な関係が始まる。
これは、彼女の『再生』と彼の『贖罪』の物語。
幼馴染が家出したので、僕と同居生活することになったのだが。
四乃森ゆいな
青春
とある事情で一人暮らしをしている僕──和泉湊はある日、幼馴染でクラスメイト、更には『女神様』と崇められている美少女、真城美桜を拾うことに……?
どうやら何か事情があるらしく、頑なに喋ろうとしない美桜。普段は無愛想で、人との距離感が異常に遠い彼女だが、何故か僕にだけは世話焼きになり……挙句には、
「私と同棲してください!」
「要求が増えてますよ!」
意味のわからない同棲宣言をされてしまう。
とりあえず同居するという形で、居候することになった美桜は、家事から僕の宿題を見たりと、高校生らしい生活をしていくこととなる。
中学生の頃から疎遠気味だったために、空いていた互いの時間が徐々に埋まっていき、お互いに知らない自分を曝け出していく中──女神様は何でもない『日常』を、僕の隣で歩んでいく。
無愛想だけど僕にだけ本性をみせる女神様 × ワケあり陰キャぼっちの幼馴染が送る、半同棲な同居生活ラブコメ。
魔法使いの少年と学園の女神様
龍 翠玉
青春
高校生の相沢優希(あいざわゆうき)は人には言えない秘密がある。
前世の記憶があり現代では唯一無二の魔法使い。
力のことは隠しつつ、高校三年間過ごす予定だったが、同級生の美少女、一ノ瀬穂香(いちのせほのか)を助けた事から少しずつ変わっていく生活。
恩に報いるためか部屋の掃除や料理など何かと世話を焼いてくれる穂香。
人を好きになった事がない優希は段々穂香に惹かれていく。
一方、穂香も優希に惹かれていくが、誰にも言えない秘密があり……
※魔法要素は少なめです。
※小説家になろう・カクヨムにも掲載しています
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる