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September
約束 おまけ Side 涼 01話
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末の息子が夏休みに車の免許を取り、明日はお付き合いしている御園生さんを連れて出かけるという。
「……不安、ですね」
「何がですか……?」
新聞を読みながら零した言葉を愛しい妻に拾われた。
「明日でしょう? 司が御園生さんと出かけるのは」
「えぇ、そう言ってましたけれど……。司の運転が不安、ということでしょうか?」
「そうです。私はまだ司の運転を体験していませんし、何より、司自身が私の車に乗ったことがありません」
真白さんは「そう言われてみれば」という顔をしていた。
「明日は午後から出かけるそうですよ」
「……真白さん、出かける用意を」
「お出かけ、ですか?」
「司が帰宅したら予行演習をさせましょう」
その言葉に真白さんは嬉しそうに笑みを浮かべ、ソファから腰を上げた。
自分は司付きの警護班に連絡を入れる。
『高遠です』
「いつも息子がお世話になっています」
『いえ、こちらは仕事ですから』
「その仕事にひとつ追加していただきたいのですが」
『なんなりと仰ってください』
「司が免許を取ったのはご存知ですね」
『はい』
「その件なのですが、運転に慣れるまで、何度か運転にご同行願いたいのです」
『お安い御用です』
「それから、私と真白さん、司の三人で今からドライブへ出かけます。行き先がわかったら追って連絡しますが、真白さん付きの警護班にもご連絡いただけますでしょうか」
『かしこまりました』
真白さんが支度を済ませてリビングへ戻ってきたところに司が帰ってきた。
帰宅したことを知らせにリビングへ顔を出した司に、
「日曜日に御園生さんと車で出かけると聞いたが」
「それが何」
「行き先は?」
「白浜海浜公園」
「今から行くぞ」
「はっ!?」
「免許を取ってから運転していないだろう? うちの車にも乗ってない、走ったこともない道を通る。そんな不安要素ばかりでよそのお嬢さんを乗せられるか」
「ハナのお散歩もかねて、みんなで行きましょう?」
司は一瞬煙たそうな顔をしたが、すぐに了承した。
車に乗ってルートを訪ねると、
「支倉を経由する」
「支倉? 遠回りする理由は?」
「翠、明日はピアノのレッスンが支倉であるんだ。だから、そこまで迎えに行くことになってる」
「なるほど」
「支倉からは海岸線に伸びる国道六号線を走る。海岸線に出たらそのまま海沿いを走って海浜公園まで行く予定」
「無難なところだな。途中五差路がある。そこは気をつけるように」
「地図で確認済み」
「地図で見るのと実際に運転するのは違うものだ。さっき高遠さんに連絡を入れた。運転に慣れるまでは練習に付き合ってもらえ」
「あのさ、俺、免許取れたんだけど……」
「免許が取れるというのは必要最低限のことを学んだに過ぎない。決して運転レベルが高度であることを保証されたわけじゃない」
司は面白くないといった顔つきで運転をしていたが、別段運転が荒れることはなかった。どうやら、このくらいの不機嫌は運転に表れないらしい。
「近場ならかまわないが、遠出のときは運転の予習をすること。じゃないと車は貸さない。楓や湊にもそう伝えておく」
「……わかった」
「でも、なんだか不思議ね。一番小さかった司がもう運転できる年だなんて」
しんとした車内に真白さんの柔らかな声が響く。
司は機嫌が悪いのか返す言葉がとくにないのか、何を答えるでもない。
「そうですね。司が十八……私たちも年をとるはずです」
「本当に……。ねぇ司、海浜公園には何があるの?」
司は少し考えてから、
「一番大きな施設は水族館だと思う。でも、今は改修工事中だから入れない」
「……なのにそこへ行くの?」
「……水族館のほかに、散歩できるスペースがあるんだ。植物がたくさん植わってるみたいだから、翠は喜ぶかと思って……」
御園生さんが喜ぶから、か。
他者に関心を示さなかった司が御園生さんという恋人を作り、その人のために、と物事を取捨選択している。その姿が、妙に微笑ましく思えた。
もっとも、自分の血を色濃く継ぐ司に特定の相手ができるのはもっと先か、望めないと思っていただけに、人生とはわからないものだ。
司は危なげな運転をすることなく目的地までたどり着いた。
六時を回った園内はまだ明るく、日差しの名残を残している。日傘を差す真白さんの代わりにハナを抱っこしようとしたら、司に先を越された。
「ハナ、コンクリはまだ暑いから帰りに砂浜を歩こう。波打ち際ならハナでも歩ける」
司は真白さんを振り返り、
「……三十分後に東屋で合流。ふたりで散歩でもしてくれば?」
司はひとり園内を歩き始めた。
「……気を使ってくれたのでしょうか?」
「どうでしょう。十八にもなって両親と公園に来たのが気恥ずかしかっただけかもしれません。……せっかく時間をいただいたのだから、散歩を堪能しましょう」
「……はい」
真白さんは控えめに腕を絡めてきた。けれども、
「あの、腕を組むのは暑いですか……?」
上目遣いに見られてクスリと笑みを漏らす。
「それほど暑くないのでおかまいなく」
すると安心したような表情になり、腕にわずかな重力がかかった。
その重みに幸せを感じる。
司もこの重みを手に入れたのだろうか――
「涼さん……? どうかなさいましたか?」
小さくため息をついたのをしっかりと見られてしまったようだ。
「いえ、なんと言いましょうか……今までも年頃の子どもをふたりほど育ててきたわけですが、そのときには味わえなかった心配事を抱えたものですから」
「……心配事、ですか?」
「えぇ……。湊や楓は高校生の時分には特定の相手がいなかったでしょう?」
真白さんは、「そう言われてみれば」といったふうで宙を見上げた。
「ですが、それで何か心配になることがありますか……?」
俺は苦笑を漏らし、
「年頃ですからね」
とヒントを与えてみたが、真白さんには答えがわからないようだ。
「性に関心を持つ年頃でしょう。男はとくに……」
真白さんはカッと頬を染め、目を泳がせながら、
「涼さんもそうだったのですか……?」
「まったくなかったわけではありませんが、自分は他人に関心を持たない人間でしたので、それほどそういった衝動に悩まされることはありませんでした。ですが、司は違います。想いが通った相手がいます」
自分と真白さんは互いが成人していたし、結婚するまでそういった関係にはならなかった。しかし、それが司たちに通用するとは思えない。
もし結婚することになったとして、司が大学を出るのを待ったとしても、あと六年強の時間がある。むしろ、その間に何も進展がないほうがおかしいだろう。
「涼さんは藤宮の性教育をご存知ですか?」
「学校から送られてきた資料程度には……」
「藤宮ではきめ細やかな指導が行われます。ですから、避妊の知識は心得ているでしょう。……あとは本人たちの気持ちの問題、ということで、あまり踏み入ったことは……」
「……そうですね。本人たちも徐々に成長していくのでしょうし」
そうは思いつつも自分の子どもが男なだけに不安の種は大きいというもの。
通常、女の子の親御さんのほうが不安や心配を色濃くするものだと思うが、男の子どもを持つ親はそれなりに心配事が生じるのだと知った。
何にせよ、湊が使っていたマンションの一室を司に与えるのには時期尚早だったと認めざるを得ないようだ。
東屋で司と落ち合うと、浜辺へ続く道を通って砂浜へ出る。
司は一緒に歩くといったふうではなく、ハナを連れて波打ち際へ向かった。
「やはり親と一緒なのは気恥ずかしいみたいですね」
クスクスと笑う真白さんは上機嫌だった。
「私は嬉しいです。最近は司と一緒に出かけることはほとんどありませんでしたから」
「真白さんがお願いすれば一緒に出かけてくれるかもしれませんよ?」
「そうでしょうか?」
「えぇ。車の免許も取りましたし、ハナの散歩に遠出してみてはいかがですか?」
「それでしたら涼さんも一緒がいいです」
「おや、それは困りましたね……」
「え? どうしてですか?」
「私が一緒だと勝率が下がりますよ?」
「勝率だなんて……。あ、それでしたら翠葉ちゃんも誘いましょうか?」
「いいですね。それでしたら渋々了承してもらえるでしょう」
駐車場に着くと、エアコンの利いた車内で司が待っていた。
「帰りは国道二十六号から環状道路に入って国道一号で帰宅予定」
「日が落ちたから安全運転を心がけるように」
司は何かもの言いたげな視線を向けてきた。
「何か?」
「俺、荒い運転してるつもりもするつもりもないんだけど」
「ならそれを遂行してくれ」
そう言って、行きは助手席に座ったところを帰りは後部座席へと身を移した。
「……不安、ですね」
「何がですか……?」
新聞を読みながら零した言葉を愛しい妻に拾われた。
「明日でしょう? 司が御園生さんと出かけるのは」
「えぇ、そう言ってましたけれど……。司の運転が不安、ということでしょうか?」
「そうです。私はまだ司の運転を体験していませんし、何より、司自身が私の車に乗ったことがありません」
真白さんは「そう言われてみれば」という顔をしていた。
「明日は午後から出かけるそうですよ」
「……真白さん、出かける用意を」
「お出かけ、ですか?」
「司が帰宅したら予行演習をさせましょう」
その言葉に真白さんは嬉しそうに笑みを浮かべ、ソファから腰を上げた。
自分は司付きの警護班に連絡を入れる。
『高遠です』
「いつも息子がお世話になっています」
『いえ、こちらは仕事ですから』
「その仕事にひとつ追加していただきたいのですが」
『なんなりと仰ってください』
「司が免許を取ったのはご存知ですね」
『はい』
「その件なのですが、運転に慣れるまで、何度か運転にご同行願いたいのです」
『お安い御用です』
「それから、私と真白さん、司の三人で今からドライブへ出かけます。行き先がわかったら追って連絡しますが、真白さん付きの警護班にもご連絡いただけますでしょうか」
『かしこまりました』
真白さんが支度を済ませてリビングへ戻ってきたところに司が帰ってきた。
帰宅したことを知らせにリビングへ顔を出した司に、
「日曜日に御園生さんと車で出かけると聞いたが」
「それが何」
「行き先は?」
「白浜海浜公園」
「今から行くぞ」
「はっ!?」
「免許を取ってから運転していないだろう? うちの車にも乗ってない、走ったこともない道を通る。そんな不安要素ばかりでよそのお嬢さんを乗せられるか」
「ハナのお散歩もかねて、みんなで行きましょう?」
司は一瞬煙たそうな顔をしたが、すぐに了承した。
車に乗ってルートを訪ねると、
「支倉を経由する」
「支倉? 遠回りする理由は?」
「翠、明日はピアノのレッスンが支倉であるんだ。だから、そこまで迎えに行くことになってる」
「なるほど」
「支倉からは海岸線に伸びる国道六号線を走る。海岸線に出たらそのまま海沿いを走って海浜公園まで行く予定」
「無難なところだな。途中五差路がある。そこは気をつけるように」
「地図で確認済み」
「地図で見るのと実際に運転するのは違うものだ。さっき高遠さんに連絡を入れた。運転に慣れるまでは練習に付き合ってもらえ」
「あのさ、俺、免許取れたんだけど……」
「免許が取れるというのは必要最低限のことを学んだに過ぎない。決して運転レベルが高度であることを保証されたわけじゃない」
司は面白くないといった顔つきで運転をしていたが、別段運転が荒れることはなかった。どうやら、このくらいの不機嫌は運転に表れないらしい。
「近場ならかまわないが、遠出のときは運転の予習をすること。じゃないと車は貸さない。楓や湊にもそう伝えておく」
「……わかった」
「でも、なんだか不思議ね。一番小さかった司がもう運転できる年だなんて」
しんとした車内に真白さんの柔らかな声が響く。
司は機嫌が悪いのか返す言葉がとくにないのか、何を答えるでもない。
「そうですね。司が十八……私たちも年をとるはずです」
「本当に……。ねぇ司、海浜公園には何があるの?」
司は少し考えてから、
「一番大きな施設は水族館だと思う。でも、今は改修工事中だから入れない」
「……なのにそこへ行くの?」
「……水族館のほかに、散歩できるスペースがあるんだ。植物がたくさん植わってるみたいだから、翠は喜ぶかと思って……」
御園生さんが喜ぶから、か。
他者に関心を示さなかった司が御園生さんという恋人を作り、その人のために、と物事を取捨選択している。その姿が、妙に微笑ましく思えた。
もっとも、自分の血を色濃く継ぐ司に特定の相手ができるのはもっと先か、望めないと思っていただけに、人生とはわからないものだ。
司は危なげな運転をすることなく目的地までたどり着いた。
六時を回った園内はまだ明るく、日差しの名残を残している。日傘を差す真白さんの代わりにハナを抱っこしようとしたら、司に先を越された。
「ハナ、コンクリはまだ暑いから帰りに砂浜を歩こう。波打ち際ならハナでも歩ける」
司は真白さんを振り返り、
「……三十分後に東屋で合流。ふたりで散歩でもしてくれば?」
司はひとり園内を歩き始めた。
「……気を使ってくれたのでしょうか?」
「どうでしょう。十八にもなって両親と公園に来たのが気恥ずかしかっただけかもしれません。……せっかく時間をいただいたのだから、散歩を堪能しましょう」
「……はい」
真白さんは控えめに腕を絡めてきた。けれども、
「あの、腕を組むのは暑いですか……?」
上目遣いに見られてクスリと笑みを漏らす。
「それほど暑くないのでおかまいなく」
すると安心したような表情になり、腕にわずかな重力がかかった。
その重みに幸せを感じる。
司もこの重みを手に入れたのだろうか――
「涼さん……? どうかなさいましたか?」
小さくため息をついたのをしっかりと見られてしまったようだ。
「いえ、なんと言いましょうか……今までも年頃の子どもをふたりほど育ててきたわけですが、そのときには味わえなかった心配事を抱えたものですから」
「……心配事、ですか?」
「えぇ……。湊や楓は高校生の時分には特定の相手がいなかったでしょう?」
真白さんは、「そう言われてみれば」といったふうで宙を見上げた。
「ですが、それで何か心配になることがありますか……?」
俺は苦笑を漏らし、
「年頃ですからね」
とヒントを与えてみたが、真白さんには答えがわからないようだ。
「性に関心を持つ年頃でしょう。男はとくに……」
真白さんはカッと頬を染め、目を泳がせながら、
「涼さんもそうだったのですか……?」
「まったくなかったわけではありませんが、自分は他人に関心を持たない人間でしたので、それほどそういった衝動に悩まされることはありませんでした。ですが、司は違います。想いが通った相手がいます」
自分と真白さんは互いが成人していたし、結婚するまでそういった関係にはならなかった。しかし、それが司たちに通用するとは思えない。
もし結婚することになったとして、司が大学を出るのを待ったとしても、あと六年強の時間がある。むしろ、その間に何も進展がないほうがおかしいだろう。
「涼さんは藤宮の性教育をご存知ですか?」
「学校から送られてきた資料程度には……」
「藤宮ではきめ細やかな指導が行われます。ですから、避妊の知識は心得ているでしょう。……あとは本人たちの気持ちの問題、ということで、あまり踏み入ったことは……」
「……そうですね。本人たちも徐々に成長していくのでしょうし」
そうは思いつつも自分の子どもが男なだけに不安の種は大きいというもの。
通常、女の子の親御さんのほうが不安や心配を色濃くするものだと思うが、男の子どもを持つ親はそれなりに心配事が生じるのだと知った。
何にせよ、湊が使っていたマンションの一室を司に与えるのには時期尚早だったと認めざるを得ないようだ。
東屋で司と落ち合うと、浜辺へ続く道を通って砂浜へ出る。
司は一緒に歩くといったふうではなく、ハナを連れて波打ち際へ向かった。
「やはり親と一緒なのは気恥ずかしいみたいですね」
クスクスと笑う真白さんは上機嫌だった。
「私は嬉しいです。最近は司と一緒に出かけることはほとんどありませんでしたから」
「真白さんがお願いすれば一緒に出かけてくれるかもしれませんよ?」
「そうでしょうか?」
「えぇ。車の免許も取りましたし、ハナの散歩に遠出してみてはいかがですか?」
「それでしたら涼さんも一緒がいいです」
「おや、それは困りましたね……」
「え? どうしてですか?」
「私が一緒だと勝率が下がりますよ?」
「勝率だなんて……。あ、それでしたら翠葉ちゃんも誘いましょうか?」
「いいですね。それでしたら渋々了承してもらえるでしょう」
駐車場に着くと、エアコンの利いた車内で司が待っていた。
「帰りは国道二十六号から環状道路に入って国道一号で帰宅予定」
「日が落ちたから安全運転を心がけるように」
司は何かもの言いたげな視線を向けてきた。
「何か?」
「俺、荒い運転してるつもりもするつもりもないんだけど」
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