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April(翠葉:高校2年生)
祖父母との対面 Side 唯 01話
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俺は今緊張している。最高潮に緊張している。ここ数年でこんなに緊張を強いられたのは――オルゴールを開けたとき以来、かな。
なんだ、意外と期間は開いていなかった。いや、違う。そんな簡単な話じゃなくて――
リィたちの祖父母に会う時間が刻々と迫っていて、迫り来るものに内臓すべてが潰されそうな何か。
御園生に養子に入ってから、いつかは来るだろうと思っていたその日を前に、
「あの、自分留守番してるんで、碧さんと零樹さんのご実家には四人だけで行ってきてください」
超絶本音を申し上げると、
「何言ってるのよ。唯を紹介しに行くんだから、唯がいなかったら話にならないでしょう?」
バシバシ、と碧さんに背中を叩かれた。
そうは言われても、気が引けるなんてもんじゃないわけで……。
「唯、あまり気にしなくていいわよ? 私の両親も零の両親も、子どもの突飛な行動には免疫があるはずだし。ほら、私たち、蒼樹ができて学生結婚しているでしょ? この際養子で子どもがひとり加わろうと何も問題ないわよ」
いや、血のつながった孫が増えるのと血のつながらない養子が増えるのじゃ雲泥の差でしょうよっ。
「自分、家族とか親戚とかあまり免疫がなくてですね……」
実際、実の両親の前でも素の自分ではいられなかった。そのうえ、祖父母という存在には会ったこともない。
関係上、祖父母にあたる人はいるのだろう。けれども、その人たちの名前も知らなければ健在なのか、どこに住んでいるのかすら知らない。
調べようと思えば調べられる。でも、調べたところでどうなるものでもない。
そんな人たちが存在することを知ったところで家族には程遠いし、親戚などとは思えない。
無益なことに脳の容量も時間も割かない主義――ということで、俺の肉親はもういないものとしていた。
「大丈夫大丈夫。うちでうまくやれてるんだ。ほかでうまくやれなくても問題ないよ」
碧さんも零樹さんも、そんな俺の内情を知っていてもこんな調子だ。
変に気を使われていない感じが心地いいと思う。でも、それとこれは別……。
御園生の人間に混ざって俺が一緒に顔を出すことには抵抗がある。
「唯兄、大丈夫だよ。おじいちゃんもおばあちゃんもお母さんやお父さんにはいい顔しないことがあっても、私や蒼兄にはとても優しいもの」
「ははは……翠葉さん、それは孫だからですよ。俺、赤の他人だからね?」
この家族の中にいる分には自分がよそ者という感じはしない。それはひとえにこの家族が俺を受け入れてくれているから。
でも、これから行くところは違う。間違いなく「異分子」という目を向けられるだろう。
初対面だし、どこからどう見ても「よそ者」なのだから仕方ない。
普段はこんなに人の目を気にする性質じゃないけど、今回ばかりは気にせずにはいられない。
「唯、大丈夫だよ。どっちのおじいちゃんもおばあちゃんも、俺が翠葉離れできないことを危惧してるところがあるから、唯が入ることで兄妹のバランスが良くなったことには気づくと思う」
四人の言葉の中で唯一、あんちゃんが口にしたものには一縷の望みがあった。
兄妹のバランス、という面においてはきっと一役買っている。「Give and take」から始まった関係だけど、今はこの兄妹に絆を感じることができるから。
当日――行きの車の中、俺は心臓を吐き出しそうなくらいに緊張していた。
初日に行くことになっていたのは碧さんの実家。
碧さんの旧姓が「城井」であることは知っていたけれど、アンティーク家具で有名な「城井アンティーク」だと誰が思おうか。
誰でもいいから俺に入れ知恵してくれる人間がいてもよかったと思う。
城井アンティークは海外のアンティーク家具を幅広く取り扱い、自社でもアンティーク調の家具を生産販売している。
家具に興味がない俺が知っている程度には名の知れた老舗家具屋だし、高級ホテルに属するウィステリアホテルでもその家具を目にすることがあるほどだ。
全然お嬢様っぽくないけど、碧さんは歴としたお嬢様だった。
そんな事実を知ったのは年末のこと――
リィに付きっ切りになっている碧さんたちを見て、あんちゃんがぼそりと呟いたのだ。
「おじいちゃんたちに連絡しないと」
「え?」
「正月は毎年父さんと母さんの実家へ行くことになってるけど、どう考えても今回は無理だ。父さんも母さんも、たぶん実家には連絡すら入れてないと思う。代わりに連絡だけは入れないと……」
あんちゃんが零樹さんの実家と碧さんの実家に連絡を入れているのを横目に見ながら、ぼんやりと考えた。家族での正月の過ごし方を。
小さいころから正月だろうが夏休みだろうが両親の実家へ行くことはなかったし、旅行へ行くこともなかった。でも、学校の友達は、長期休暇に入れば必ずどこかへ旅行に行っていたし、正月にはおじいちゃんおばあちゃんの家にお年玉をもらいに行く、と言っていた。それは御園生の家も変わらないのかもしれない。
電話を切ると、
「お年賀くらいは用意して送るべきだろうな……」
あんちゃんはノートパソコンを起動させ、ネットショッピングを漁り始める。それを見て、
「……あんちゃん、それ、俺が手配してもいいかな?」
「え? 別にかまわないけど……」
俺って人間は自分の動かし方をよぉく心得ていると思う。どう動いたら人に良く思われるか――そんなことは考えずとも行動できる。
身体も頭も勝手に動く。でも、そこに俺の心が付随していたかは謎……。
こういうの、心が伴ってないと意味はないと思う。でも、心が伴わなくても手配はできるんだよね。
俺は碧さんと零樹さんにご両親が何を好むのかを聞き、リサーチを開始した。
どうやら両家ともにお酒を嗜むと聞いたので、ふたりに傾向を尋ねたうえで対策を練ってみた。
対策を練った、といってもたいそうなことはしていない。酒のことならホテルのバーラウンジ、「クルーズ」へ行けば顔馴染みのスタッフがアドバイスしてくれる。
俺は、リィの手術が無事に終わったことを聞いてからホテルへ出向き、アドバイスを受けるべくクルーズへと向かったのだ。
クルーズはバーラウンジということもあり、昼間はそこまで客が多くない。そんな時間を見計らって行くと、
「あれ? 若槻くんがここへ顔を出すなんて珍しいな。私服っていうことはプライベート?」
クルーズの古株、佐久間さんに声をかけられた。
「かくかくしかじか、ちょっと知恵を拝借したくてですね……」
「なんだろう? ここに来たってことはアルコール関連かな?」
にこやかに迎えられ、俺はカウンター席へ案内された。
「御園生夫妻のご実家へお酒を贈ることになったんですけど、自分、酒のことは全然詳しくないので……」
「なるほど。いいよ、相談に乗ろう」
快諾してくれた佐久間さんにそれぞれの嗜好を伝えると、贈り物に相応しい品を勧められた。そのとき、
「クルーズのテーブルとソファは全部城井アンティークのものなんだよね。やっぱあそこの家具はいいよ。品がある」
俺は話の飛躍に付いていかれず、ずいぶんと間抜けな顔をしていたと思う。
「城井アンティークは知ってますが……え? どうしていきなりその話?」
「あれ? 若槻くんは知らない? 御園生さんの奥さんは旧姓が城井で、城井アンティークのお嬢さんなんだよ」
「……は?」
何がなんで、誰がなんですって……?
「だからさ、今回プラネットパレスのインテリア部門を任されていた城井碧さんは、城井アンティークのお嬢さんっていう話。結構有名だけど知らなかった?」
「あの、もう一度お願いしてもいいですか?」
「だからさ――」
こんなやり取りを数回繰り返してしまうくらいには寝耳に水だったわけで……。
俺は帰宅してからあんちゃんに向かってブーブー文句を言うことになった――
「唯、そんなに緊張してたら今日一日持たないぞ?」
そうは言われても……。
「あんちゃんやリィと違って、俺、ハイソな方々との交流って秋斗さんとオーナー以外いないんだよっ!」
リィもあんちゃんも、普通家庭に育っている割には育ちがいい気はしていた。それに裏づけがあると知ったのは佐久間さんに教えられたときだったのだ。
「ハイソって……。唯兄、そんな大したものじゃないよ? 確かに城井のおうちは大きいけれど……。おじいちゃんもおばあちゃんも黄叔父さんも普通の人よ?」
「黄叔父さん、今日本にいるのかな? いれば来てると思うけど……」
「どうだろうね? 四月には海外にいるってメールが届いていたけれど……」
ふたりは俺の緊張をよそに平和そうな会話を続ける。そして、バクバクと鳴る心臓が静まることなく城井家へ到着してしまった。
なんだ、意外と期間は開いていなかった。いや、違う。そんな簡単な話じゃなくて――
リィたちの祖父母に会う時間が刻々と迫っていて、迫り来るものに内臓すべてが潰されそうな何か。
御園生に養子に入ってから、いつかは来るだろうと思っていたその日を前に、
「あの、自分留守番してるんで、碧さんと零樹さんのご実家には四人だけで行ってきてください」
超絶本音を申し上げると、
「何言ってるのよ。唯を紹介しに行くんだから、唯がいなかったら話にならないでしょう?」
バシバシ、と碧さんに背中を叩かれた。
そうは言われても、気が引けるなんてもんじゃないわけで……。
「唯、あまり気にしなくていいわよ? 私の両親も零の両親も、子どもの突飛な行動には免疫があるはずだし。ほら、私たち、蒼樹ができて学生結婚しているでしょ? この際養子で子どもがひとり加わろうと何も問題ないわよ」
いや、血のつながった孫が増えるのと血のつながらない養子が増えるのじゃ雲泥の差でしょうよっ。
「自分、家族とか親戚とかあまり免疫がなくてですね……」
実際、実の両親の前でも素の自分ではいられなかった。そのうえ、祖父母という存在には会ったこともない。
関係上、祖父母にあたる人はいるのだろう。けれども、その人たちの名前も知らなければ健在なのか、どこに住んでいるのかすら知らない。
調べようと思えば調べられる。でも、調べたところでどうなるものでもない。
そんな人たちが存在することを知ったところで家族には程遠いし、親戚などとは思えない。
無益なことに脳の容量も時間も割かない主義――ということで、俺の肉親はもういないものとしていた。
「大丈夫大丈夫。うちでうまくやれてるんだ。ほかでうまくやれなくても問題ないよ」
碧さんも零樹さんも、そんな俺の内情を知っていてもこんな調子だ。
変に気を使われていない感じが心地いいと思う。でも、それとこれは別……。
御園生の人間に混ざって俺が一緒に顔を出すことには抵抗がある。
「唯兄、大丈夫だよ。おじいちゃんもおばあちゃんもお母さんやお父さんにはいい顔しないことがあっても、私や蒼兄にはとても優しいもの」
「ははは……翠葉さん、それは孫だからですよ。俺、赤の他人だからね?」
この家族の中にいる分には自分がよそ者という感じはしない。それはひとえにこの家族が俺を受け入れてくれているから。
でも、これから行くところは違う。間違いなく「異分子」という目を向けられるだろう。
初対面だし、どこからどう見ても「よそ者」なのだから仕方ない。
普段はこんなに人の目を気にする性質じゃないけど、今回ばかりは気にせずにはいられない。
「唯、大丈夫だよ。どっちのおじいちゃんもおばあちゃんも、俺が翠葉離れできないことを危惧してるところがあるから、唯が入ることで兄妹のバランスが良くなったことには気づくと思う」
四人の言葉の中で唯一、あんちゃんが口にしたものには一縷の望みがあった。
兄妹のバランス、という面においてはきっと一役買っている。「Give and take」から始まった関係だけど、今はこの兄妹に絆を感じることができるから。
当日――行きの車の中、俺は心臓を吐き出しそうなくらいに緊張していた。
初日に行くことになっていたのは碧さんの実家。
碧さんの旧姓が「城井」であることは知っていたけれど、アンティーク家具で有名な「城井アンティーク」だと誰が思おうか。
誰でもいいから俺に入れ知恵してくれる人間がいてもよかったと思う。
城井アンティークは海外のアンティーク家具を幅広く取り扱い、自社でもアンティーク調の家具を生産販売している。
家具に興味がない俺が知っている程度には名の知れた老舗家具屋だし、高級ホテルに属するウィステリアホテルでもその家具を目にすることがあるほどだ。
全然お嬢様っぽくないけど、碧さんは歴としたお嬢様だった。
そんな事実を知ったのは年末のこと――
リィに付きっ切りになっている碧さんたちを見て、あんちゃんがぼそりと呟いたのだ。
「おじいちゃんたちに連絡しないと」
「え?」
「正月は毎年父さんと母さんの実家へ行くことになってるけど、どう考えても今回は無理だ。父さんも母さんも、たぶん実家には連絡すら入れてないと思う。代わりに連絡だけは入れないと……」
あんちゃんが零樹さんの実家と碧さんの実家に連絡を入れているのを横目に見ながら、ぼんやりと考えた。家族での正月の過ごし方を。
小さいころから正月だろうが夏休みだろうが両親の実家へ行くことはなかったし、旅行へ行くこともなかった。でも、学校の友達は、長期休暇に入れば必ずどこかへ旅行に行っていたし、正月にはおじいちゃんおばあちゃんの家にお年玉をもらいに行く、と言っていた。それは御園生の家も変わらないのかもしれない。
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あんちゃんはノートパソコンを起動させ、ネットショッピングを漁り始める。それを見て、
「……あんちゃん、それ、俺が手配してもいいかな?」
「え? 別にかまわないけど……」
俺って人間は自分の動かし方をよぉく心得ていると思う。どう動いたら人に良く思われるか――そんなことは考えずとも行動できる。
身体も頭も勝手に動く。でも、そこに俺の心が付随していたかは謎……。
こういうの、心が伴ってないと意味はないと思う。でも、心が伴わなくても手配はできるんだよね。
俺は碧さんと零樹さんにご両親が何を好むのかを聞き、リサーチを開始した。
どうやら両家ともにお酒を嗜むと聞いたので、ふたりに傾向を尋ねたうえで対策を練ってみた。
対策を練った、といってもたいそうなことはしていない。酒のことならホテルのバーラウンジ、「クルーズ」へ行けば顔馴染みのスタッフがアドバイスしてくれる。
俺は、リィの手術が無事に終わったことを聞いてからホテルへ出向き、アドバイスを受けるべくクルーズへと向かったのだ。
クルーズはバーラウンジということもあり、昼間はそこまで客が多くない。そんな時間を見計らって行くと、
「あれ? 若槻くんがここへ顔を出すなんて珍しいな。私服っていうことはプライベート?」
クルーズの古株、佐久間さんに声をかけられた。
「かくかくしかじか、ちょっと知恵を拝借したくてですね……」
「なんだろう? ここに来たってことはアルコール関連かな?」
にこやかに迎えられ、俺はカウンター席へ案内された。
「御園生夫妻のご実家へお酒を贈ることになったんですけど、自分、酒のことは全然詳しくないので……」
「なるほど。いいよ、相談に乗ろう」
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「クルーズのテーブルとソファは全部城井アンティークのものなんだよね。やっぱあそこの家具はいいよ。品がある」
俺は話の飛躍に付いていかれず、ずいぶんと間抜けな顔をしていたと思う。
「城井アンティークは知ってますが……え? どうしていきなりその話?」
「あれ? 若槻くんは知らない? 御園生さんの奥さんは旧姓が城井で、城井アンティークのお嬢さんなんだよ」
「……は?」
何がなんで、誰がなんですって……?
「だからさ、今回プラネットパレスのインテリア部門を任されていた城井碧さんは、城井アンティークのお嬢さんっていう話。結構有名だけど知らなかった?」
「あの、もう一度お願いしてもいいですか?」
「だからさ――」
こんなやり取りを数回繰り返してしまうくらいには寝耳に水だったわけで……。
俺は帰宅してからあんちゃんに向かってブーブー文句を言うことになった――
「唯、そんなに緊張してたら今日一日持たないぞ?」
そうは言われても……。
「あんちゃんやリィと違って、俺、ハイソな方々との交流って秋斗さんとオーナー以外いないんだよっ!」
リィもあんちゃんも、普通家庭に育っている割には育ちがいい気はしていた。それに裏づけがあると知ったのは佐久間さんに教えられたときだったのだ。
「ハイソって……。唯兄、そんな大したものじゃないよ? 確かに城井のおうちは大きいけれど……。おじいちゃんもおばあちゃんも黄叔父さんも普通の人よ?」
「黄叔父さん、今日本にいるのかな? いれば来てると思うけど……」
「どうだろうね? 四月には海外にいるってメールが届いていたけれど……」
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