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April(翠葉:高校2年生)
メール友達 Side 司 03話
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あの一件以来、俺は翠にメールが送れなくなっていたし、話しかけることすら躊躇する状態だった。
そんな中、試合前日に翠から電話がかかってきた。
応援の言葉のほかに、試合のあとに家に寄っていかないかと訊かれ、試合後の待ち合わせ場所を決めるとすぐに通話は切られた。正味五分とかからない電話。
今までと何も変わらない。俺たちにとっての「普通」なのに、海斗に言われた言葉が引っかかったまま。
これ以上何を話せというのか……。
翠は全試合が終わったあとに鎌田と藤棚で会う約束をしていると言っていた。少し話すだけと言っていたが、そう思っているのは翠だけな気がする。
そして、同じ場所を俺との待ち合わせ場所にするあたり、やっぱり翠は鈍感だと思うわけで……。
翠を好きな鎌田が何も考えずに呼び出すわけがない。そのくらいは俺にでもわかる。
「無神経……」
呟きながら制服に着替え、俺は足早に藤棚へ向かった。
数メートル先の角を曲がれば藤棚、という場所にさしかかったとき、
「御園生」
鎌田のものと思われる声が聞こえてきた。俺は足を止め、建物の陰に身を潜める。
「俺、中学のときからずっと御園生のことが好きなんだ。……御園生は今好きな人とか付き合ってる人、いる?」
それに対する翠の返事は聞こえてこなかった。しかし、
「それって藤宮くん?」
鎌田の言葉で翠がなんと返事をしたのかは想像ができた。
サワサワと葉が擦れ合う音がする中、
「あのさ」
「あのっ」
思い切って声を発しました。そんな声がふたつ見事に重なる。
「俺から言ってもいい? ――俺、振られちゃったけど、これからもメールとか送ってもいいかな? 今までどおり、友達として……」
……友達としてメール――何度考えても俺にはその概念が理解できなかった。
「友達」とは言っているが、そこに下心はないのか。メールのやり取りを重ねることで気を引こうとしているのではないか。そんなことを勘繰ってしまう。
さらには、単なる近況報告でどうしたら翠が嬉しそうに笑うメールが書けるのかもわからないし、自分がそんなメールを書けるとも思えない。
翠たちはいったいどんなメールのやり取りをしているのか――
知りたくても、「知りたい」などとは口が裂けても言えそうにない。
「あのね、私も同じことを言おうと思っていたの。これきりになっちゃうのは嫌で……。もし、鎌田くんが良ければ、今までと同じように友達でいたい」
「……良かった」
翠の言葉には裏も嘘も下心もない。今までと同じように友達でいたい、それだけ。
その素直な気持ちを利用されているのでは、と思うと、鎌田に対する警戒心が強まる。
初めて感じたときから厄介だとは思っていたが、「嫉妬」という感情は思った以上にことさら厄介だ。
「好きになってくれてありがとう。中学のときからずっと気にかけていてくれてありがとう。それと、これからも友達でいてくれるのもありがとう」
翠がこんな声で話すのだから、きっと表情も穏やかなのだろう。そう思えば少し苛立ちを感じる。
「なんか変な感じ。去年、デパートで会ったときはすごく緊張して告白したつもりだったんだ」
「……ごめんなさい」
ますますもって信じられない……。
翠はすでに一度告白されたことがあり、今のは二度目の告白だったらしい。
「謝らなくていいし……。今は振られるかもしれないって思って告白したけど、そんなに緊張はしてなかった。それよりも、振られたあと、友達を続けられるかそっちのほうが不安で……。こちらこそ、これからも友達でいてくれるのありがとう」
そろそろ出ていっても問題ないか……。
足を踏み出すと、翠と鎌田が握手を交わしているところだった。こちらを向いていた鎌田が先に気づき、パッ、と翠の手を放す。
「藤宮くん、インターハイ進出決定おめでとう」
「……ありがとう」
「そんな怖い顔しないでよ。俺、御園生に振られたばかりなんだから」
「それはご愁傷様」
悪いが、こんな顔がデフォルトだ。別に機嫌が悪いからこの顔なわけじゃない。
「御園生の彼は手厳しいね」
「うん、基本的には私にも厳しいよ」
鎌田と翠は顔を見合わせてクスクスと笑い合う。その様がひどく仲のいい関係に見えてイラつく。
「振られちゃったけど、これからも御園生とは友達でいられるみたいだから、できれば藤宮くんもよろしく」
鎌田は握手を求めてきたが、
「よろしくされる道理はない」
「ツカサ、鎌田くんも藤宮の医学部受けるんだって。ツカサと同じだよ?」
「だから?」
答えた直後、翠が申し訳なさそうな視線を鎌田に向けた。
アイコンタクトをされることにも苛立ちを覚える。
「大学に合格したら同期になるね。そしたら、そのときこそはよろしく」
鎌田は翠を振り返り、
「じゃ、またメールする」
と走っていった。
翠の隣に座ると、
「試合、お疲れ様。今年もインターハイ出場だね、おめでとう」
「出場だけなら去年もしてる」
どこか刺々しい言葉を返してしまう。ここのところ、こんな会話ばかり繰り返していた。
こんなにも嫉妬するなら、「メールするのは嫌か」と翠が訊いてきたときに頷いていれば良かったのではないか。
そうは思うものの、自分のプライドがそれを許しはしないし、事態がどう収束すればこの感情が治まるのかも不明。
結果、こんな苛立ちを抱える羽目になるのだから、お手上げにも程がある。
「鎌田くんとのメール、見る?」
「人とのやり取りを見るほど悪趣味じゃない」
反射的に突っぱねるような言葉を返してしまう。でも、そんな趣味はなくとも気になっている自分がいるのは事実で……。
できれば、今日このタイミングでメールの話は持ち出さないでほしかった。このまま何もなければ何事もなかったようにやり過ごせる気がしていたし、翠が鎌田のメールを受信する場に度々居合わせるわけではないだろう。目にしなければ、意識も薄らいでいくものだと思っていたかった。
「手……つないでもいいかな」
翠からの要望に手を差し出すことで応える。と、翠はそっと手を重ね、同じくらい丁寧に言葉を連ね始めた。
「友達って……いつから友達で、どうしたら続いていくのかな。……あのね、私、友達という関係自体にブランクがあって、まだ『友達』がどういうものなのかよくわかっていないの。学校の友達には毎日会えるから何を考えることもないのだけど、毎日会わない人とはどうしたら友達でいられるのかな……。鎌田くんとは中学が一緒だったけれど、今の友達ほどたくさんの言葉を交わしてはきていないから、お互いのことをほとんど知らなくてね、こんなに何も知らない状態で友達といっていいのかがわからないの。だから、今は友達になるべくメール交換をしている感じ……。たぶん、お互いのことを知るためにメールの交換をしているんだと思う」
そこまで話すと、以前俺が押し付けたショルダーから携帯を取り出す。
「ツカサは見たくないかもしれないけれど、私が見てほしい。……だめかな?」
翠は、「鎌田くん」というフォルダを開いた状態で俺の手に携帯を乗せた。
ここまでされたら見てもいい気がした。断わるほうが意固地になっていると思われるだろう。
そんな言い訳がましい思いをめぐらせながら、俺は一番最初のメールから表示させていった。
「初めてのメールは私から送ったの。去年、テラスで鎌田くんに電話していたのは覚えているかな? あのあと、メールを送るねって話していたのだけど、私すっかり忘れていて、忘れたまま入院して年を越して、鎌田くんから年賀状が届くまで思い出さなかったの。だから、ごめんなさいのメール」
あまりにも翠らしくて、うっかり鎌田に同情してしまった。
翠のメールの返事には「都合のいい日に会いたい」という内容が書かれており、翠はその返事に入院している旨を記し、その先の予定を簡潔に伝えている。
「こんなに自然と入院していることや手術を受けたことを話せたのは、きっと藤宮で出逢った友達やツカサのおかげ。伝えることが怖くなかった」
そっと翠の表情を盗み見ると、とても穏やかな表情で数メートル先の日があたる芝生を見ていた。
ふたりは何度となくメールのやり取りをしているようだが、数件見る分には用件があり、それに対する返信であり、さらにそれに対する返信である、という内容ありきのやり取りだった。
数学の問題のやり取りがあったあと、初めて写真付きのメールが送られてきていた。そのメールの冒頭には、進級テストの結果が書かれており、春休みに部の人間と山に登ったことが書かれている。写真に写る場所が頂上であり、頂上に至るまでに見た高山植物などのことが書かれていた。
それらを読んで、「近況報告のメール」というものに納得する。
自分が翠に送りつけたアレは近況報告とは言えないし、手紙の役割を一切果たさないものだと改めて突きつけられた気分だった。
そんな中、試合前日に翠から電話がかかってきた。
応援の言葉のほかに、試合のあとに家に寄っていかないかと訊かれ、試合後の待ち合わせ場所を決めるとすぐに通話は切られた。正味五分とかからない電話。
今までと何も変わらない。俺たちにとっての「普通」なのに、海斗に言われた言葉が引っかかったまま。
これ以上何を話せというのか……。
翠は全試合が終わったあとに鎌田と藤棚で会う約束をしていると言っていた。少し話すだけと言っていたが、そう思っているのは翠だけな気がする。
そして、同じ場所を俺との待ち合わせ場所にするあたり、やっぱり翠は鈍感だと思うわけで……。
翠を好きな鎌田が何も考えずに呼び出すわけがない。そのくらいは俺にでもわかる。
「無神経……」
呟きながら制服に着替え、俺は足早に藤棚へ向かった。
数メートル先の角を曲がれば藤棚、という場所にさしかかったとき、
「御園生」
鎌田のものと思われる声が聞こえてきた。俺は足を止め、建物の陰に身を潜める。
「俺、中学のときからずっと御園生のことが好きなんだ。……御園生は今好きな人とか付き合ってる人、いる?」
それに対する翠の返事は聞こえてこなかった。しかし、
「それって藤宮くん?」
鎌田の言葉で翠がなんと返事をしたのかは想像ができた。
サワサワと葉が擦れ合う音がする中、
「あのさ」
「あのっ」
思い切って声を発しました。そんな声がふたつ見事に重なる。
「俺から言ってもいい? ――俺、振られちゃったけど、これからもメールとか送ってもいいかな? 今までどおり、友達として……」
……友達としてメール――何度考えても俺にはその概念が理解できなかった。
「友達」とは言っているが、そこに下心はないのか。メールのやり取りを重ねることで気を引こうとしているのではないか。そんなことを勘繰ってしまう。
さらには、単なる近況報告でどうしたら翠が嬉しそうに笑うメールが書けるのかもわからないし、自分がそんなメールを書けるとも思えない。
翠たちはいったいどんなメールのやり取りをしているのか――
知りたくても、「知りたい」などとは口が裂けても言えそうにない。
「あのね、私も同じことを言おうと思っていたの。これきりになっちゃうのは嫌で……。もし、鎌田くんが良ければ、今までと同じように友達でいたい」
「……良かった」
翠の言葉には裏も嘘も下心もない。今までと同じように友達でいたい、それだけ。
その素直な気持ちを利用されているのでは、と思うと、鎌田に対する警戒心が強まる。
初めて感じたときから厄介だとは思っていたが、「嫉妬」という感情は思った以上にことさら厄介だ。
「好きになってくれてありがとう。中学のときからずっと気にかけていてくれてありがとう。それと、これからも友達でいてくれるのもありがとう」
翠がこんな声で話すのだから、きっと表情も穏やかなのだろう。そう思えば少し苛立ちを感じる。
「なんか変な感じ。去年、デパートで会ったときはすごく緊張して告白したつもりだったんだ」
「……ごめんなさい」
ますますもって信じられない……。
翠はすでに一度告白されたことがあり、今のは二度目の告白だったらしい。
「謝らなくていいし……。今は振られるかもしれないって思って告白したけど、そんなに緊張はしてなかった。それよりも、振られたあと、友達を続けられるかそっちのほうが不安で……。こちらこそ、これからも友達でいてくれるのありがとう」
そろそろ出ていっても問題ないか……。
足を踏み出すと、翠と鎌田が握手を交わしているところだった。こちらを向いていた鎌田が先に気づき、パッ、と翠の手を放す。
「藤宮くん、インターハイ進出決定おめでとう」
「……ありがとう」
「そんな怖い顔しないでよ。俺、御園生に振られたばかりなんだから」
「それはご愁傷様」
悪いが、こんな顔がデフォルトだ。別に機嫌が悪いからこの顔なわけじゃない。
「御園生の彼は手厳しいね」
「うん、基本的には私にも厳しいよ」
鎌田と翠は顔を見合わせてクスクスと笑い合う。その様がひどく仲のいい関係に見えてイラつく。
「振られちゃったけど、これからも御園生とは友達でいられるみたいだから、できれば藤宮くんもよろしく」
鎌田は握手を求めてきたが、
「よろしくされる道理はない」
「ツカサ、鎌田くんも藤宮の医学部受けるんだって。ツカサと同じだよ?」
「だから?」
答えた直後、翠が申し訳なさそうな視線を鎌田に向けた。
アイコンタクトをされることにも苛立ちを覚える。
「大学に合格したら同期になるね。そしたら、そのときこそはよろしく」
鎌田は翠を振り返り、
「じゃ、またメールする」
と走っていった。
翠の隣に座ると、
「試合、お疲れ様。今年もインターハイ出場だね、おめでとう」
「出場だけなら去年もしてる」
どこか刺々しい言葉を返してしまう。ここのところ、こんな会話ばかり繰り返していた。
こんなにも嫉妬するなら、「メールするのは嫌か」と翠が訊いてきたときに頷いていれば良かったのではないか。
そうは思うものの、自分のプライドがそれを許しはしないし、事態がどう収束すればこの感情が治まるのかも不明。
結果、こんな苛立ちを抱える羽目になるのだから、お手上げにも程がある。
「鎌田くんとのメール、見る?」
「人とのやり取りを見るほど悪趣味じゃない」
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できれば、今日このタイミングでメールの話は持ち出さないでほしかった。このまま何もなければ何事もなかったようにやり過ごせる気がしていたし、翠が鎌田のメールを受信する場に度々居合わせるわけではないだろう。目にしなければ、意識も薄らいでいくものだと思っていたかった。
「手……つないでもいいかな」
翠からの要望に手を差し出すことで応える。と、翠はそっと手を重ね、同じくらい丁寧に言葉を連ね始めた。
「友達って……いつから友達で、どうしたら続いていくのかな。……あのね、私、友達という関係自体にブランクがあって、まだ『友達』がどういうものなのかよくわかっていないの。学校の友達には毎日会えるから何を考えることもないのだけど、毎日会わない人とはどうしたら友達でいられるのかな……。鎌田くんとは中学が一緒だったけれど、今の友達ほどたくさんの言葉を交わしてはきていないから、お互いのことをほとんど知らなくてね、こんなに何も知らない状態で友達といっていいのかがわからないの。だから、今は友達になるべくメール交換をしている感じ……。たぶん、お互いのことを知るためにメールの交換をしているんだと思う」
そこまで話すと、以前俺が押し付けたショルダーから携帯を取り出す。
「ツカサは見たくないかもしれないけれど、私が見てほしい。……だめかな?」
翠は、「鎌田くん」というフォルダを開いた状態で俺の手に携帯を乗せた。
ここまでされたら見てもいい気がした。断わるほうが意固地になっていると思われるだろう。
そんな言い訳がましい思いをめぐらせながら、俺は一番最初のメールから表示させていった。
「初めてのメールは私から送ったの。去年、テラスで鎌田くんに電話していたのは覚えているかな? あのあと、メールを送るねって話していたのだけど、私すっかり忘れていて、忘れたまま入院して年を越して、鎌田くんから年賀状が届くまで思い出さなかったの。だから、ごめんなさいのメール」
あまりにも翠らしくて、うっかり鎌田に同情してしまった。
翠のメールの返事には「都合のいい日に会いたい」という内容が書かれており、翠はその返事に入院している旨を記し、その先の予定を簡潔に伝えている。
「こんなに自然と入院していることや手術を受けたことを話せたのは、きっと藤宮で出逢った友達やツカサのおかげ。伝えることが怖くなかった」
そっと翠の表情を盗み見ると、とても穏やかな表情で数メートル先の日があたる芝生を見ていた。
ふたりは何度となくメールのやり取りをしているようだが、数件見る分には用件があり、それに対する返信であり、さらにそれに対する返信である、という内容ありきのやり取りだった。
数学の問題のやり取りがあったあと、初めて写真付きのメールが送られてきていた。そのメールの冒頭には、進級テストの結果が書かれており、春休みに部の人間と山に登ったことが書かれている。写真に写る場所が頂上であり、頂上に至るまでに見た高山植物などのことが書かれていた。
それらを読んで、「近況報告のメール」というものに納得する。
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