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March
お花見デート Side 司 01話
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今日が終業式だった翠の勉強を昼から夕方まで見ると、六時前には藤山の自宅へ帰宅した。
玄関を入るなり、キッチンから顔を出した母さんに捕まる。
「司、お願いがあるの」
「何?」
「ハナのお散歩、お願いしてもいい?」
いつもなら朝は俺が、午後は母さんが散歩に行くことになっているが、今日は違ったのだろうか。
確か午前は手作りアクセサリーをデパートへ納品しに行くと、八時過ぎには家を出た。午後には帰るから、と言うので、俺は母さんの帰宅を待たずにマンションへ向かったわけだけど――
「帰宅するの、遅かったの?」
「そうじゃないの。一時過ぎには帰宅したのだけど、涼さんから連絡が入って、必要な資料を病院へ届けに行くことになって……。家に帰ったら少し休んでハナの散歩、と思っていたのだけど、気づいたら夕飯を作らなくちゃいけない時間になってて――」
言いながら、母さんはリビングヘと視線を移した。
つられてリビングへ向かうと、部屋の片隅でハナがじっとこちらを見ていた。
俺の帰宅を歓迎するでもなく、伏せの状態を維持している。
「完全に拗ねてるの。おやつをあげようとしても見向きもしないのよ?」
「……わかった。ハナの機嫌とってくる」
リビングの時計を見るとちょうど六時を回ったところだった。
「ハナの気が済むまで遊ばせてくるからちょっと時間かかるかも」
「お願いね」
そう言うと、母さんはキッチンへと引っ込んだ。
俺はリビングのソファにかばんを置き、ハナのもとへ行く。
「ハナ、散歩に行こう。今日は好きなだけ付き合うから」
声をかけるだけでは身動きひとつ見せない。それどころか、疑り深い視線をこちらに向けたまま。
さて、どうしたものか……。
ひとまず玄関からリードとカラーを持ってきて、「散歩」を主張してみるか。
玄関へ引き返そうとしたら、母さんが散歩バッグを持って背後にいた。
「はい」
「ありがと」
ハナに向き直り、カラーを首につけてリードをつなぐ。と、渋々といった感じで部屋の中央へ出てきた。
そんなハナを抱っこして玄関へ向かった。
外に出てハナを地面に下ろすと、それまでの不機嫌はどうしたことか、尻尾をピンと立てて歩き出す。
「げんきんだな」
思わず笑みが漏れる。
「ハナの好きなルートへ行っていいよ」
そう声をかけるとちらりとこちらを振り返り、尻尾を振って歩きだした。
まずは家から十分ほどの庵へ向かい、ハナは散策ルートへと足を進めた。そして藤棚までくると、Y字路を迷わず右に進む。
春ルート……。
「へぇ、見所わかってるんだな」
この先は今、ソメイヨシノが満開を迎えているころだ。
途中までテンポよく歩いていたかと思うと、桜が見え始めた場所から突然駆け出した。
「ちょ、ハナっ!?」
ハナは早く早く、と言わんがごとくこちらを振り返り、煽るように尻尾を振る。
仕方なしにそのペースに付き合うと、まるでピョンピョン跳ぶように走り出した。
開けた場所に出て、ハナのリードをはずしてやる。と、ハナは原っぱの感触が気持ちいいのか、延々楽しそうに走り回った。
その様子をベンチから見ていると、時折近くにきては前傾姿勢で「遊ぼう、遊ぼう」のポーズをとる。
何度か追いかけっこをしてあげると満足したようで、おやつをねだってきた。
「帰ったらご飯だから一個だけ」
そう言ってクッキーをあげると、「もう一個!」とねだられる。
「NO」
その言葉に、ハナは早々に諦めた。そして、今度は抱っこを所望してくる。
その願いは聞いてやることにした。
「ハナ、桜が満開だ」
一本の木に近づき桜の花に鼻先を近づけてやる。と、ハナは何度かくんくんと匂いを嗅ぎ、食べ物でないことを察すると興味なさそうに顔を背けた。
「本当にげんきんなやつだな」
ハナはこんな調子だが、翠を連れてきたら、翠は喜んでくれるのではないだろうか。
「ま、翠のことだからこの季節は桜並木や桜香苑で桜を堪能してるとは思うけど……」
それでも、明日からは春休み。始業式までは学校へ行くこともないだろう。
帰宅したら明日の天気を確認して翠に電話しよう。
そうだ、近々翠に贈る絵の下書きに来ようとは思っていたけど、それ明日でよくないか?
絵を描くことを意識して桜の木から少し離れると、ハナを下ろし、絵の構図を考える。
「……このあたりを切り取るのが無難かな」
桜もきれいだけど、翠が望むのはおそらく新緑。
切り取った構図を脳内で再生し、新緑のシーズンを想像する。
光が差し込む感じまでイメージして、ふと思った。
その風景の中に翠を入れたら、ものすごくバランスがいい気がする。
新緑の中、森林浴を楽しみながらハープを弾く翠を連想していると、足元でハナが存在を主張するように足にとび蹴りをかましてきた。
どうやら機嫌は直り、気も済んだようだ。
「帰る?」
たずねると、ハナはベンチに置いていた散歩バッグに向かって走り出した。
帰宅して足を拭いてやると、ハナはご飯をせがみにキッチンへすっ飛んでいく。
「本当にげんきんだな……」
ま、動物はそういうところがかわいいわけだけど……。
手洗いうがいを済ませてリビングへ向かうと、ダイニングテーブルにはすでに料理が並んでいた。
「司、ありがとう! ハナの機嫌が戻ってほっとしたわ」
「最近は春ルートに散歩行ってるの?」
「えぇ、よくわかったわね?」
「ハナが迷わず春ルートに向かったから」
「桜がきれいだったでしょう?」
「夜桜なんて見たの久しぶり。ハナは全然興味ないみたいだったけど」
「そうなの。全然興味示してくれないのよ。ハナ、って名前なのにね」
母さんはクスクスと笑いながら、
「今週末は涼さんとお花見に行こうと思っているの」
「俺も、明日の天気が晴れなら翠を誘おうと思ってる」
「それなら、明日は晴れよ。少し前に天気予報を見たのだけど、気温も二十四度って言ってたから、お花見にはちょうどいいと思うわ」
そう言うと、母さんは夕飯の仕上げとも言える、お茶の準備を始めた。
夕飯の後、シャワーを浴びて自室へ戻ると、かばんの中に入れていたスマホを取り出す。
「八時か……微妙な時間だな」
翠の家の夕飯は六時から始まり、翠は一時間ほどかけて夕飯を食べる。そのあと食休みをしたとして、風呂に入るのは八時くらいか?
翠が一時間で風呂から上がるとは思いづらい……。
「九時半になったらかけてみるか」
俺は九時半にアラームをセットするとスマホを充電器に置き、医学書に手を伸ばした。
きりのいいところでコーヒーを淹れに行き、戻ってくるとアラームが鳴っていた。
スマホに手を伸ばし、リダイヤルから翠の携帯へ電話をかけると、三コール目で翠が出た。
「俺だけど」
『うん。どうしたの?』
「明日、マンションで会う約束してたけど、外出に変更しても平気?」
『え? 大丈夫だけど、どうして?』
「藤山の桜がきれいだから、花見に行こう」
『わぁっ! 嬉しい! 行くっ!』
想像していた反応が得られて心が満たされる。と、
『ツカサ、どうせなら午前中から行こう? 私、お弁当作る!』
「いいの?」
『え? 何が?』
「弁当……。今からって大変なんじゃ――」
『大丈夫! そうと決まったら準備しなくちゃ!』
今にも通話を切られそうで、俺は慌てて要求を口にした。
「翠、できれば明日は白い服で着て欲しいんだけど」
『白い服……? どうして?』
「明日になったらわかる。それから小型ハープとカメラも持ってきて」
『うん……?』
首を傾げている翠が安易に想像できたけど、今は追及を免れたくて、
「明日、十時半に迎えに行く」
『わかった』
「じゃ、おやすみ」
『おやすみなさい』
スマホをデスクに置き、にやける顔を両手で押さえる。
「やばい……弁当が楽しみすぎる」
付き合い始めてから何度かデートもしたけれど、翠のレッスンが日曜日に入っていたことから遠出することはできなかったし、いつだって午後数時間のデートだった。したがって、まだ翠お手製の弁当を食べるには至ってないわけで……。
それが明日、近場デートにも関わらず食べられるとか――
「無理……」
表情筋をコントロールしようにもまったく言うことをきいてくれない。
自分以外に誰もいない部屋であってもこの顔をさらしているのは耐え難く、ベッドに転がり布団に顔を埋め、昂ぶる気持ちを必死で抑えているうちに、俺は眠りに落ちていた。
玄関を入るなり、キッチンから顔を出した母さんに捕まる。
「司、お願いがあるの」
「何?」
「ハナのお散歩、お願いしてもいい?」
いつもなら朝は俺が、午後は母さんが散歩に行くことになっているが、今日は違ったのだろうか。
確か午前は手作りアクセサリーをデパートへ納品しに行くと、八時過ぎには家を出た。午後には帰るから、と言うので、俺は母さんの帰宅を待たずにマンションへ向かったわけだけど――
「帰宅するの、遅かったの?」
「そうじゃないの。一時過ぎには帰宅したのだけど、涼さんから連絡が入って、必要な資料を病院へ届けに行くことになって……。家に帰ったら少し休んでハナの散歩、と思っていたのだけど、気づいたら夕飯を作らなくちゃいけない時間になってて――」
言いながら、母さんはリビングヘと視線を移した。
つられてリビングへ向かうと、部屋の片隅でハナがじっとこちらを見ていた。
俺の帰宅を歓迎するでもなく、伏せの状態を維持している。
「完全に拗ねてるの。おやつをあげようとしても見向きもしないのよ?」
「……わかった。ハナの機嫌とってくる」
リビングの時計を見るとちょうど六時を回ったところだった。
「ハナの気が済むまで遊ばせてくるからちょっと時間かかるかも」
「お願いね」
そう言うと、母さんはキッチンへと引っ込んだ。
俺はリビングのソファにかばんを置き、ハナのもとへ行く。
「ハナ、散歩に行こう。今日は好きなだけ付き合うから」
声をかけるだけでは身動きひとつ見せない。それどころか、疑り深い視線をこちらに向けたまま。
さて、どうしたものか……。
ひとまず玄関からリードとカラーを持ってきて、「散歩」を主張してみるか。
玄関へ引き返そうとしたら、母さんが散歩バッグを持って背後にいた。
「はい」
「ありがと」
ハナに向き直り、カラーを首につけてリードをつなぐ。と、渋々といった感じで部屋の中央へ出てきた。
そんなハナを抱っこして玄関へ向かった。
外に出てハナを地面に下ろすと、それまでの不機嫌はどうしたことか、尻尾をピンと立てて歩き出す。
「げんきんだな」
思わず笑みが漏れる。
「ハナの好きなルートへ行っていいよ」
そう声をかけるとちらりとこちらを振り返り、尻尾を振って歩きだした。
まずは家から十分ほどの庵へ向かい、ハナは散策ルートへと足を進めた。そして藤棚までくると、Y字路を迷わず右に進む。
春ルート……。
「へぇ、見所わかってるんだな」
この先は今、ソメイヨシノが満開を迎えているころだ。
途中までテンポよく歩いていたかと思うと、桜が見え始めた場所から突然駆け出した。
「ちょ、ハナっ!?」
ハナは早く早く、と言わんがごとくこちらを振り返り、煽るように尻尾を振る。
仕方なしにそのペースに付き合うと、まるでピョンピョン跳ぶように走り出した。
開けた場所に出て、ハナのリードをはずしてやる。と、ハナは原っぱの感触が気持ちいいのか、延々楽しそうに走り回った。
その様子をベンチから見ていると、時折近くにきては前傾姿勢で「遊ぼう、遊ぼう」のポーズをとる。
何度か追いかけっこをしてあげると満足したようで、おやつをねだってきた。
「帰ったらご飯だから一個だけ」
そう言ってクッキーをあげると、「もう一個!」とねだられる。
「NO」
その言葉に、ハナは早々に諦めた。そして、今度は抱っこを所望してくる。
その願いは聞いてやることにした。
「ハナ、桜が満開だ」
一本の木に近づき桜の花に鼻先を近づけてやる。と、ハナは何度かくんくんと匂いを嗅ぎ、食べ物でないことを察すると興味なさそうに顔を背けた。
「本当にげんきんなやつだな」
ハナはこんな調子だが、翠を連れてきたら、翠は喜んでくれるのではないだろうか。
「ま、翠のことだからこの季節は桜並木や桜香苑で桜を堪能してるとは思うけど……」
それでも、明日からは春休み。始業式までは学校へ行くこともないだろう。
帰宅したら明日の天気を確認して翠に電話しよう。
そうだ、近々翠に贈る絵の下書きに来ようとは思っていたけど、それ明日でよくないか?
絵を描くことを意識して桜の木から少し離れると、ハナを下ろし、絵の構図を考える。
「……このあたりを切り取るのが無難かな」
桜もきれいだけど、翠が望むのはおそらく新緑。
切り取った構図を脳内で再生し、新緑のシーズンを想像する。
光が差し込む感じまでイメージして、ふと思った。
その風景の中に翠を入れたら、ものすごくバランスがいい気がする。
新緑の中、森林浴を楽しみながらハープを弾く翠を連想していると、足元でハナが存在を主張するように足にとび蹴りをかましてきた。
どうやら機嫌は直り、気も済んだようだ。
「帰る?」
たずねると、ハナはベンチに置いていた散歩バッグに向かって走り出した。
帰宅して足を拭いてやると、ハナはご飯をせがみにキッチンへすっ飛んでいく。
「本当にげんきんだな……」
ま、動物はそういうところがかわいいわけだけど……。
手洗いうがいを済ませてリビングへ向かうと、ダイニングテーブルにはすでに料理が並んでいた。
「司、ありがとう! ハナの機嫌が戻ってほっとしたわ」
「最近は春ルートに散歩行ってるの?」
「えぇ、よくわかったわね?」
「ハナが迷わず春ルートに向かったから」
「桜がきれいだったでしょう?」
「夜桜なんて見たの久しぶり。ハナは全然興味ないみたいだったけど」
「そうなの。全然興味示してくれないのよ。ハナ、って名前なのにね」
母さんはクスクスと笑いながら、
「今週末は涼さんとお花見に行こうと思っているの」
「俺も、明日の天気が晴れなら翠を誘おうと思ってる」
「それなら、明日は晴れよ。少し前に天気予報を見たのだけど、気温も二十四度って言ってたから、お花見にはちょうどいいと思うわ」
そう言うと、母さんは夕飯の仕上げとも言える、お茶の準備を始めた。
夕飯の後、シャワーを浴びて自室へ戻ると、かばんの中に入れていたスマホを取り出す。
「八時か……微妙な時間だな」
翠の家の夕飯は六時から始まり、翠は一時間ほどかけて夕飯を食べる。そのあと食休みをしたとして、風呂に入るのは八時くらいか?
翠が一時間で風呂から上がるとは思いづらい……。
「九時半になったらかけてみるか」
俺は九時半にアラームをセットするとスマホを充電器に置き、医学書に手を伸ばした。
きりのいいところでコーヒーを淹れに行き、戻ってくるとアラームが鳴っていた。
スマホに手を伸ばし、リダイヤルから翠の携帯へ電話をかけると、三コール目で翠が出た。
「俺だけど」
『うん。どうしたの?』
「明日、マンションで会う約束してたけど、外出に変更しても平気?」
『え? 大丈夫だけど、どうして?』
「藤山の桜がきれいだから、花見に行こう」
『わぁっ! 嬉しい! 行くっ!』
想像していた反応が得られて心が満たされる。と、
『ツカサ、どうせなら午前中から行こう? 私、お弁当作る!』
「いいの?」
『え? 何が?』
「弁当……。今からって大変なんじゃ――」
『大丈夫! そうと決まったら準備しなくちゃ!』
今にも通話を切られそうで、俺は慌てて要求を口にした。
「翠、できれば明日は白い服で着て欲しいんだけど」
『白い服……? どうして?』
「明日になったらわかる。それから小型ハープとカメラも持ってきて」
『うん……?』
首を傾げている翠が安易に想像できたけど、今は追及を免れたくて、
「明日、十時半に迎えに行く」
『わかった』
「じゃ、おやすみ」
『おやすみなさい』
スマホをデスクに置き、にやける顔を両手で押さえる。
「やばい……弁当が楽しみすぎる」
付き合い始めてから何度かデートもしたけれど、翠のレッスンが日曜日に入っていたことから遠出することはできなかったし、いつだって午後数時間のデートだった。したがって、まだ翠お手製の弁当を食べるには至ってないわけで……。
それが明日、近場デートにも関わらず食べられるとか――
「無理……」
表情筋をコントロールしようにもまったく言うことをきいてくれない。
自分以外に誰もいない部屋であってもこの顔をさらしているのは耐え難く、ベッドに転がり布団に顔を埋め、昂ぶる気持ちを必死で抑えているうちに、俺は眠りに落ちていた。
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