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March
笑った顔が見たくて Side 司 05話
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「食堂の次は図書室?」
翠は嬉しそうに頷いた。
騒がしい食堂をあとに図書棟へ向かうと、それまでの喧騒が嘘のように静かになる。
翠が指紋認証を解除してドアが開くと、少し篭った空気がそこにはあった。
何をするより先に、俺と翠は窓を開けることにした。
カウンター内から操作をして窓際へ向かうと、シャッターを切る音が背後でした。
振り返ると、もう一枚写真を撮られる。
本当に、なんてことのない写真を撮りたいんだな……。ただ校内にいる俺を撮りたいだけ。
呆れ半分、微笑ましさ半分。どんなことをしていても、翠を愛おしく想う気持ちは変わらないようだ。
「次は? どんなシチュエーションが望みなの?」
たずねると、翠は意外そうな表情の末、はっとしたように口を開いた。
「ファイルっ!」
ファイル……?
「ファイル持ってお仕事してるみたいなところ撮りたいっ!」
「了解」
書架へ行き適当なファイルを手に、ページをめくったり読んでいるような素振りをすると、数秒してシャッター音が聞こえ始めた。数枚撮られてシャッター音が止まる。
「あとは?」
とことん付き合うつもりで声をかけると、翠は呆けた顔で背後を振り返った。
翠の視線の先にあるのは秋兄が使っていた仕事部屋。
秋兄が引き払ったあと、あの部屋は生徒会へと開放されていた。
「別に写真を撮りたいわけじゃないのだけど、隣の仕事部屋に行きたいな」
その言葉に、俺たちは部屋を移動した。
翠は部屋に入るなり、入り口脇のカウンターやソファの背に触れながら、
「高校に入学した日、ここで会ったんだよね」
ものすごく愛しそうに物に触れる。
「そんなに遠くない過去に思えるのに、もう二年も前のことなのね」
「あの日は――」
「お互い印象最悪だったよね?」
「互いに印象は最悪だったな」
声が重なり、顔を見合わせ笑みが漏れる。
可憐な容姿にも関わらず頑固で、臆病なくせに意地っ張りで、目に涙を溜めているのに睨み返してきたり――
「まさか、御園生さんが溺愛してる妹を好きになるとは思いもしなかった」
「私も。こんなに意地悪な人を好きになるだなんて思いもしなかった」
言い合っては互いに声を立てて笑う。
今思えば、初対面でここまで色んな感想を抱く人間に会ったのは初めてだったし、言葉を交わすたびに表情が険しくなり、睨みつけてくる女子というのも会ったことがなかった。
印象は最悪だったけど、そんなところに新鮮さを覚えていたのかもしれない。
それが「好意」に転じるとは思いもしなかったわけだけど――
「翠、外へ行こう」
「え? 外? 桜香苑?」
「いや、芝生広場」
「いいけど……」
そんなやり取りの末、靴を履き替えて表に出た。
多少風が吹いているが、寒さを感じるようなものではない。これなら翠が風邪をひくこともないだろう。
そう思って桜香苑手前のベンチへ向かう。と、
「ここ、私が好きな場所……」
まるで「どうして?」と訊かれた気分。
翠が仕事場へ行きたいと言った理由と同じだ。何か理由があるわけじゃない。
ただもう一度、ふたりで来たい場所のリストにあがっただけのこと。
「最初、ここの何が好きなのかまったく理解できなかった」
理解できなくて、理解したくて、何度か足を運んだことまでは教えない。けど、そのおかげで知ることができたことは利用しようと思う。
ここのスプリンクラーは一時半になると作動する。その時間まであと数秒。
「三、二、一――」
カウントダウンに合わせて、あたりのスプリンクラーが一斉に作動する。
それに驚いた翠は、あちらこちらに視線を配っていた。
「これじゃない?」
してやったりな気分でたずねると、翠は満面の笑みで「正解!」と口にした。
「スプリンクラーの水がキラキラ光っているのとか、水の放物線や水を浴びた芝生がきれいで、見てて飽きないの」
翠らしいものの見方に「やっぱり」と思う。
俺たちはスプリンクラーに視線を戻し、水が撒かれる様をしばらく眺めていた。
たぶん、翠と出逢わなければ、こんな景色をのんびりと眺めることは一生なかっただろう。
これからも、翠の目に映るものを自分の目にも映すことができたなら、より彩り豊かな景色を見ていける気がする。
それだけでいい……それだけで十分幸せだと思える。だから、子どもを産むことができなかったら、なんて不安に思う必要はない――
そんな想いをこめて、そっと翠の手を握った。
「あと思い入れのある場所と言ったら――梅香苑のベンチくらい?」
隣の翠にたずねると、ほんの少しの間があってから、「あ……」と口にする。
俺は口端を上げ、
「翠がやっと素直になった場所」
もっとも、こっちは俺にとって思い入れがある場所と言うべきだろうか。
翠の反応を待っていると、
「ば、梅香苑は高等部の敷地内ってわけじゃないし、これからも行けるから――いい……」
翠はひどく恥ずかしそうにしている。
あまりいじめすぎるのもよくないか……。
時計を見れば二時前と言っても過言ではない時間。
「じゃ、そろそろマンションへ帰ろう。さすがに胃が空腹を訴えてる」
翠は俺の胃の心配をしてくれたのか、はたまた「高校最後」を意識したのか、
「学食で食べていく?」
と顔を覗き込むようにして訊いてくる。
「いや、マンションに戻ってコンシェルジュにオーダーする。じゃないと、翠が食べられないだろ」
「……ありがとう」
翠は柔らかな表情で謝意を述べた。
こんな穏やかな日がずっと続けばいい。
そう思いながら、翠の手を取り家路についた。
桜並木を歩いていると、泣き止んでいたはずの翠の目に涙が滲んでいた。
本当に涙もろいな……。
「制服はもう着られないけど、だからと言ってこの道をふたりで歩けないわけじゃない。なんでもかんでも悲観するな」
「うん……」
言いながらも鼻をすする。
「今日の翠は幼稚園児みたいだな」
「え……?」
「幼稚舎でよく見かけた。母親と離れたくないって泣く園児」
むきになって食いつくかと思ってちょっとした皮肉を言ったつもりだった。
けれど、食いつくまではしなかった。ほんのりむっとした顔で、つないでいる手にぎゅっと力をこめられる程度。
でも残念ながら、その程度の力じゃ痛みすら感じない。代わりに同じくらいの力で握り返すと、翠は少し面食らったような顔をしたあと、ふにゃりと表情を緩めた。
今の、どんな心情変化があったんだろう……。
そんなことを考えつつ、
「そもそも、寂しがる必要なんてないだろ。十五日には正式に婚約するし、これから一年は藤倉に
――マンションにいるわけだから」
翠は歩みを止め、身体を完全に俺の方へ向ける。
「えっ? 藤山のおうちじゃないの?」
俺は歩くことを促しながら、
「藤山の方が大学には近いけど、マンションからなら翠と一緒に通学することだって可能だ。むしろ、毎朝会えて、今まで以上に頻繁に会えるんじゃない?」
とても翠好みの提案をしたつもりだった。なのに、翠はいつだって奇奇怪怪な思考回路を駆使して返答してくる。
「でもそれじゃ、真白さんが寂しがらない?」
「子どもはいつか巣立つものだし、それが一年早いか遅いかの話で大した問題じゃない。それに、大学の帰りに実家へ寄れば、夕飯は一緒に食べられる」
そもそも、母親と翠を秤にかけたらどっちを優先するかなんてわかりきったことなのに。
けれど翠にはわからないのだろう。今はひたすら嬉しそうに俺の腕に自分の腕を絡め喜んでいる。
「単純」
それがかわいいと思う自分も十分単純ではあるけれど。
翠はようやくいつもの調子を取り戻し、
「単純じゃないものっ」
「単純だろ? こんなことで喜ぶなんて」
「こんなことじゃないものっ」
翠にとって、日常生活が「普通」ではないことはよく理解しているし、俺と一緒にいることも「奇跡」のように捉えていることもわかっている。だからこそ、これが「普通」であると思ってもらえるようになるまでにどのくらい時間がかかるのか、とか。どうしたら「普通」に思ってもらえるのか、とか考えるわけで――
「今夜、じーさんちで卒業祝いするんだけど、そのとき、翠との婚約の話をしてくる」
翠は少し不安そうに、
「元おじい様、反対なさるかしら?」
「しないだろ? 翠のことはえらく気に入っているし、正式に報告していないだけで、すでに耳には入ってると思う。それでも何も言ってこない」
「でも、海斗くんが飛鳥ちゃんと婚約したいって言ったときには、高校を卒業するまでは待つように言われたみたいよ?」
それは初耳。でも、
「それ、俺はクリアしてるし」
「……私が高校生でも問題ないの?」
「年齢的には俺と同じ十八だろ?」
翠はあっさりと納得した。
「翠が春休みに入ったら、じーさんに婚約の報告をしに行こう」
「っ……うん!」
その際には翠のほうの祖父母にも報告するべきだろうか……。
御園生の実家に関しては詳しく知らないが、碧さんの実家――城井のほうはそれなりの家柄だ。もしかしたら、孫娘の婚姻に口を出してくるタイプかもしれない。
そんなことを考えていると、
「この坂道は、これからもツカサと一緒に歩けるのね」
翠はひどく嬉しそうに口にした。
翠は嬉しそうに頷いた。
騒がしい食堂をあとに図書棟へ向かうと、それまでの喧騒が嘘のように静かになる。
翠が指紋認証を解除してドアが開くと、少し篭った空気がそこにはあった。
何をするより先に、俺と翠は窓を開けることにした。
カウンター内から操作をして窓際へ向かうと、シャッターを切る音が背後でした。
振り返ると、もう一枚写真を撮られる。
本当に、なんてことのない写真を撮りたいんだな……。ただ校内にいる俺を撮りたいだけ。
呆れ半分、微笑ましさ半分。どんなことをしていても、翠を愛おしく想う気持ちは変わらないようだ。
「次は? どんなシチュエーションが望みなの?」
たずねると、翠は意外そうな表情の末、はっとしたように口を開いた。
「ファイルっ!」
ファイル……?
「ファイル持ってお仕事してるみたいなところ撮りたいっ!」
「了解」
書架へ行き適当なファイルを手に、ページをめくったり読んでいるような素振りをすると、数秒してシャッター音が聞こえ始めた。数枚撮られてシャッター音が止まる。
「あとは?」
とことん付き合うつもりで声をかけると、翠は呆けた顔で背後を振り返った。
翠の視線の先にあるのは秋兄が使っていた仕事部屋。
秋兄が引き払ったあと、あの部屋は生徒会へと開放されていた。
「別に写真を撮りたいわけじゃないのだけど、隣の仕事部屋に行きたいな」
その言葉に、俺たちは部屋を移動した。
翠は部屋に入るなり、入り口脇のカウンターやソファの背に触れながら、
「高校に入学した日、ここで会ったんだよね」
ものすごく愛しそうに物に触れる。
「そんなに遠くない過去に思えるのに、もう二年も前のことなのね」
「あの日は――」
「お互い印象最悪だったよね?」
「互いに印象は最悪だったな」
声が重なり、顔を見合わせ笑みが漏れる。
可憐な容姿にも関わらず頑固で、臆病なくせに意地っ張りで、目に涙を溜めているのに睨み返してきたり――
「まさか、御園生さんが溺愛してる妹を好きになるとは思いもしなかった」
「私も。こんなに意地悪な人を好きになるだなんて思いもしなかった」
言い合っては互いに声を立てて笑う。
今思えば、初対面でここまで色んな感想を抱く人間に会ったのは初めてだったし、言葉を交わすたびに表情が険しくなり、睨みつけてくる女子というのも会ったことがなかった。
印象は最悪だったけど、そんなところに新鮮さを覚えていたのかもしれない。
それが「好意」に転じるとは思いもしなかったわけだけど――
「翠、外へ行こう」
「え? 外? 桜香苑?」
「いや、芝生広場」
「いいけど……」
そんなやり取りの末、靴を履き替えて表に出た。
多少風が吹いているが、寒さを感じるようなものではない。これなら翠が風邪をひくこともないだろう。
そう思って桜香苑手前のベンチへ向かう。と、
「ここ、私が好きな場所……」
まるで「どうして?」と訊かれた気分。
翠が仕事場へ行きたいと言った理由と同じだ。何か理由があるわけじゃない。
ただもう一度、ふたりで来たい場所のリストにあがっただけのこと。
「最初、ここの何が好きなのかまったく理解できなかった」
理解できなくて、理解したくて、何度か足を運んだことまでは教えない。けど、そのおかげで知ることができたことは利用しようと思う。
ここのスプリンクラーは一時半になると作動する。その時間まであと数秒。
「三、二、一――」
カウントダウンに合わせて、あたりのスプリンクラーが一斉に作動する。
それに驚いた翠は、あちらこちらに視線を配っていた。
「これじゃない?」
してやったりな気分でたずねると、翠は満面の笑みで「正解!」と口にした。
「スプリンクラーの水がキラキラ光っているのとか、水の放物線や水を浴びた芝生がきれいで、見てて飽きないの」
翠らしいものの見方に「やっぱり」と思う。
俺たちはスプリンクラーに視線を戻し、水が撒かれる様をしばらく眺めていた。
たぶん、翠と出逢わなければ、こんな景色をのんびりと眺めることは一生なかっただろう。
これからも、翠の目に映るものを自分の目にも映すことができたなら、より彩り豊かな景色を見ていける気がする。
それだけでいい……それだけで十分幸せだと思える。だから、子どもを産むことができなかったら、なんて不安に思う必要はない――
そんな想いをこめて、そっと翠の手を握った。
「あと思い入れのある場所と言ったら――梅香苑のベンチくらい?」
隣の翠にたずねると、ほんの少しの間があってから、「あ……」と口にする。
俺は口端を上げ、
「翠がやっと素直になった場所」
もっとも、こっちは俺にとって思い入れがある場所と言うべきだろうか。
翠の反応を待っていると、
「ば、梅香苑は高等部の敷地内ってわけじゃないし、これからも行けるから――いい……」
翠はひどく恥ずかしそうにしている。
あまりいじめすぎるのもよくないか……。
時計を見れば二時前と言っても過言ではない時間。
「じゃ、そろそろマンションへ帰ろう。さすがに胃が空腹を訴えてる」
翠は俺の胃の心配をしてくれたのか、はたまた「高校最後」を意識したのか、
「学食で食べていく?」
と顔を覗き込むようにして訊いてくる。
「いや、マンションに戻ってコンシェルジュにオーダーする。じゃないと、翠が食べられないだろ」
「……ありがとう」
翠は柔らかな表情で謝意を述べた。
こんな穏やかな日がずっと続けばいい。
そう思いながら、翠の手を取り家路についた。
桜並木を歩いていると、泣き止んでいたはずの翠の目に涙が滲んでいた。
本当に涙もろいな……。
「制服はもう着られないけど、だからと言ってこの道をふたりで歩けないわけじゃない。なんでもかんでも悲観するな」
「うん……」
言いながらも鼻をすする。
「今日の翠は幼稚園児みたいだな」
「え……?」
「幼稚舎でよく見かけた。母親と離れたくないって泣く園児」
むきになって食いつくかと思ってちょっとした皮肉を言ったつもりだった。
けれど、食いつくまではしなかった。ほんのりむっとした顔で、つないでいる手にぎゅっと力をこめられる程度。
でも残念ながら、その程度の力じゃ痛みすら感じない。代わりに同じくらいの力で握り返すと、翠は少し面食らったような顔をしたあと、ふにゃりと表情を緩めた。
今の、どんな心情変化があったんだろう……。
そんなことを考えつつ、
「そもそも、寂しがる必要なんてないだろ。十五日には正式に婚約するし、これから一年は藤倉に
――マンションにいるわけだから」
翠は歩みを止め、身体を完全に俺の方へ向ける。
「えっ? 藤山のおうちじゃないの?」
俺は歩くことを促しながら、
「藤山の方が大学には近いけど、マンションからなら翠と一緒に通学することだって可能だ。むしろ、毎朝会えて、今まで以上に頻繁に会えるんじゃない?」
とても翠好みの提案をしたつもりだった。なのに、翠はいつだって奇奇怪怪な思考回路を駆使して返答してくる。
「でもそれじゃ、真白さんが寂しがらない?」
「子どもはいつか巣立つものだし、それが一年早いか遅いかの話で大した問題じゃない。それに、大学の帰りに実家へ寄れば、夕飯は一緒に食べられる」
そもそも、母親と翠を秤にかけたらどっちを優先するかなんてわかりきったことなのに。
けれど翠にはわからないのだろう。今はひたすら嬉しそうに俺の腕に自分の腕を絡め喜んでいる。
「単純」
それがかわいいと思う自分も十分単純ではあるけれど。
翠はようやくいつもの調子を取り戻し、
「単純じゃないものっ」
「単純だろ? こんなことで喜ぶなんて」
「こんなことじゃないものっ」
翠にとって、日常生活が「普通」ではないことはよく理解しているし、俺と一緒にいることも「奇跡」のように捉えていることもわかっている。だからこそ、これが「普通」であると思ってもらえるようになるまでにどのくらい時間がかかるのか、とか。どうしたら「普通」に思ってもらえるのか、とか考えるわけで――
「今夜、じーさんちで卒業祝いするんだけど、そのとき、翠との婚約の話をしてくる」
翠は少し不安そうに、
「元おじい様、反対なさるかしら?」
「しないだろ? 翠のことはえらく気に入っているし、正式に報告していないだけで、すでに耳には入ってると思う。それでも何も言ってこない」
「でも、海斗くんが飛鳥ちゃんと婚約したいって言ったときには、高校を卒業するまでは待つように言われたみたいよ?」
それは初耳。でも、
「それ、俺はクリアしてるし」
「……私が高校生でも問題ないの?」
「年齢的には俺と同じ十八だろ?」
翠はあっさりと納得した。
「翠が春休みに入ったら、じーさんに婚約の報告をしに行こう」
「っ……うん!」
その際には翠のほうの祖父母にも報告するべきだろうか……。
御園生の実家に関しては詳しく知らないが、碧さんの実家――城井のほうはそれなりの家柄だ。もしかしたら、孫娘の婚姻に口を出してくるタイプかもしれない。
そんなことを考えていると、
「この坂道は、これからもツカサと一緒に歩けるのね」
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