付与って最強だと思いませんか? 悪魔と呼ばれて処刑されたら原初の悪魔に転生しました。とりあえず、理想の国を創るついでに復讐しようと思います!

フウ

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第22章 完結編

434話 大事な日

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「……お嬢様」

 遠くの方で何かが聞こえるような……いや、これは……!

「レフィーお嬢様、朝ですよ」

「ん、ぅ……シル、ヴィア?」

「ふふふ、はいシルヴィアですよ」

「おは、よ……」

「おはようござ……あっ!」

「ん……」

 このふわふわと柔らかな雲に包まれているかのような心地いい微睡!
 ふかふかなベッドに身体を沈めて、ぬくぬく暖かい布団に包まる……素晴らしい!

 窓から差し込む眩しい光もカーテンでいい具合に遮られてるから気にならないし。
 何より私は復讐と人間共との戦争でかなり頑張ったから色々と疲れているのだ!

「よし、二度寝しよう」

 私が保有していた睡眠用スキルであるユニークスキル・怠惰者スロウスは神能・大罪ノ王に統合されちゃったけど……権能もちゃんと統合されてるから何も問題ないし。
 さらには!  神能になった事でパワーアップまでしているのだ!!

「ふふ……私を止められる者は誰もいない」

 何せ!  私は原初の悪魔にして、超越者たる神に至りし全ての魔を統べる幼魔神!!
 今や世界中にその名と誰もが見惚れる美貌を知られ、多くの人間共から畏怖される六魔王が一柱ヒトリ、魔神レフィー様なのだから!

「んぅ~」

 もぞもぞと動いてベストポジションを確保!
 では……いざ!  素晴らしき惰眠へっ!!  神能・大罪ノ王、発ど……

「レフィーお嬢様」

「……」

「起きましょうね?」

「……ん」

 や、やってしまった!
 よりにもよってシルヴィアの目の前で二度寝云々と宣言しちゃうなんて……!!

「あはは、今や全世界の人々を震撼させる魔神レフィーたる悪魔ちゃんもシルヴィアの前では形無しだね」

 煩い!  魔王だろうが、魔神だろうが、そんなのは関係ないのだ!
 大魔王様たる保護者シルヴィアには逆らえないっ!!
 ま、まずい!  これは非常にまずいっ!!
 うぅ!  このままでは、おやつを減らされかねないっ!

「ん」

「っ!!」

 考えろ!  考えるんだ!!
 なんとかしてシルヴィアの機嫌を取らないと……!

「あはは、やっぱり悪魔ちゃんは見てて飽きないね」

「むっ」

 てか、バカ邪神!  お前はなにナチュラルに寝起きの超絶美少女の寝室を覗いてるんだ!!
 乙女の寝室を除くなんて万死に値するぞ?
 そもそも、いつまで我が家に居座るんだよコイツは……

 いつものようにシルヴィアに抱っこで鏡の前まで運んでもらったのはいいとして。
 これから身嗜みを整えてもらってる間にシルヴィアの機嫌を取る方法を考えなければならないのだ。
 バカに構っている暇はない。

「バカって……まぁ別にいいけど。
 それにしても悪魔ちゃん、まだ寝るつもりだったんだね」

「ふん。
 人間共と戦争したり。
 クズ勇者共に復讐したりと色々あって疲れてるんだから仕方ない」

「レフィーお嬢様、ゴミ……こほん、勇者共を粛清し、戦争の終結を宣言なされたのはもう1ヶ月前の事ですよ」

「……」

 え、永遠を生きる神である私にとって1ヶ月なんてあってないようなモノなのだよ!!

「そ、それに、この1ヶ月は色々あったし」

 例えば、シルヴィアが言ったように全世界に向けてクズ勇者共の敗北を告げて、終戦宣言をしたりとか。
 他にも敗戦した連合軍の国々の事とか、クソ女神がいなくなったから世界の事とか色々と……した記憶がないな。

「色々あって疲れてるのは、悪魔ちゃんに戦後処理を丸投げされた哀れなアクムス王アランくんとネフェリル帝ショウくん。
 そしてこの私だと思うよ?」

「はぁ……ネフェリアス、細かい事はどうでもいい」

「えぇ……って!  悪魔ちゃん!!」

「煩い、何?」

「今!  私の事を名前で呼んだ!?」

「ん」

 呼んだけど?

「あ、あの悪魔ちゃんが私の事を普通に名前で呼ぶなんて!  どれどうしたの?  熱でもあるの??」

 失礼な。
 コイツは私の事をなんだと思ってるんだ。

「ふん!」

 私だって親しい人くらい普通に名前で呼ぶわ!

「ほうほう、親しい人ね……あぁ~!  もう、悪魔ちゃんは可愛いわ~!!
 流石は我が娘っ!!」

「っ!  くっ付くな!」

「ふふっ、照れなくてもいいのに」

 て、照れてないもん!!

「ネフェリアス、レフィーお嬢様が困ってらっしゃるので戯れるのはそのくらいに」

「シ、シルヴィアくん、こう見えても私はこの世界の最高神……」

「何か文句でも?」
  
「い、いえ。
 すみませんでした」

 ふふん!  ほら見ろ!
 お前だってシルヴィアには逆らえないのだ!!

「ネフェリアスも知っているとは思いますが。
 今日は大事な日なのですよ?」

「ふふっ、そうだったね」

 大事な日?

「なんのこと?」

「ふふふ、それは後のお楽しみです」

 むぅ、気になるのに……

「はい、できました。
 ではレフィーお嬢様、皆が待っていますので参りましょう」

「ん、わかった」
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