付与って最強だと思いませんか? 悪魔と呼ばれて処刑されたら原初の悪魔に転生しました。とりあえず、理想の国を創るついでに復讐しようと思います!

フウ

文字の大きさ
上 下
432 / 436
第21章 聖魔大戦編・悪魔姫の復讐

432話 ざまぁみろ!!

しおりを挟む
「レティフィア……」

「いゃっ!」

「ふむ」

 アバズレ聖女は良いとして……おいクズ勇者。

「その名を、呼ぶなと、言ったはず」

 さっきから私の事をレティフィア、レティフィアって呼びやがって……っと、ふふっ!  そんなに怯えなくてもいいのに。
 どうせもうお前達の末路は決まってるんだから!

「罪状は……」

 クズ勇者はアバズレ聖女と一緒になりたいがために長年尽力してきた私を悪びれる事もなく捨て。
 さらには、アバズレ聖女の言葉を盲目的に信じ込んで、大した調査もなしに私を悪魔だと断定。

 下級貴族でも入れられる事のない。
 裁判の結果、死刑が決定した重罪人だけが入れられる地下牢に放り込み。
 ありもしない情報を聞き出すために拷問するように命じ。

 アバズレ聖女と結婚するための障害たる私を排除すると同時に、旧魔王との戦争で溜まりに溜まった人間共の鬱憤を晴らすための道具として私の大切な人達を殺し。
 私を見せ物のように公開処刑した事。

 アバズレ聖女は旧魔王討伐の旅の中で私という婚約者がいたクズ勇者を寝取るだけに留まらず。
 婚約を破棄する事を告げられ、それを素直に受け入れたというのにも関わらず。

 公爵令嬢としていい思いをして、贅沢をして生きてきたのに。
 王太子にして勇者の婚約者でゆくゆくは王妃様なんてずるい!  みんなから愛されて、ちやほやされるべきは聖女である私!  とか、自我愛に満ちた思考で私を排除するために画策し。

 思わせぶりな態度で私を陥れ、私の事を悪魔と吹聴し。
 他の貴族やら前国王やらと結託して、私と私の家族、そして私の味方をした人達をついでとばかりに破滅へと追いやった事。

 他にも私を生贄に人間共の不満を逸らし、自分達は大国の国王・王妃として平和を感受し。
 救世の六英雄とか、武力も知力も備えた英雄王とか、心優しい聖女様とか呼ばれて調子に乗ってた事とか。
 クズ勇者もアバズレ聖女も色々と罪状はあるし、全部を事細かに言ってたらめちゃくちゃ長くなっちゃうんだけど……

「私を陥れ。
 お父様を、お母様を、お兄様を、妹を、弟を!  私の家族を!  公爵家の使用人達、私を庇った友人……私の大切な人達を皆殺しにした事」

「っ……!」

「や、やめて……」

「裁判も、大した調査もなく、冤罪で地下牢に繋いで、拷問を行い。
 自分達に、向く人間共の、不満を逸らし、溜まっていた、鬱憤と不満を、解消させる、ための見せ物にして、公開処刑した事」

 あぁ、やっと……やぁっと!  この時が来た!!

「ふふっ!  これより、刑を執行する」

「いや、いやよ!
 なんで、何で私がこんな目にっ!  私はヒロインのはずなのにっ!!」

「リナ……!  頼む、いや!  お願いします!
 悪いのは全部私です!  リナは、リナは何も悪くないんです!!  どうかリナだけは助けてくださいっ!!」

「ノアっ!!」

 えぇ……何この茶番?
 いやまぁ、アバズレ聖女が自分のことをヒロインだって割とガチ目に思ってる事は知ってたけど……

「レティフィ……魔神レフィー、貴女も知っているはずだ!
 あの時、6年前!  リナは貴女に襲われたなんて一言も言っていない!  アレは全て勝手に勘違いしてしまった私達の責任であって、リナは寧ろ貴女の事を庇っていたと!!」

「ん、知ってる」

「っ!  ならっ!!」

 全部知ってるよ?
 直接言葉にしない事で自分は嘘をついていないって言う既成事実を作りつつ、わざとクズ勇者共が私がアバズレ聖女のに危害を加えたと思い込むように仕向けた事も。

 何だかんだとクズ勇者に入れ知恵をして私の拷問に関与し、苦しむ私を想像して嘲笑っていた事も。
 気づかれないように手を回しながら私の事を諸悪の根源である悪魔だと吹聴してた事も。

 そんな私を表向きは庇い、最終的には悲しみに暮れる演技をする事で、誰にでも……自分を殺そうとした悪魔にすら手を差し伸べる心優しい聖女の地位を盤石にした事も。
 全~部、知ってる。

「だから、絶対に許さない」

「なっ!?  なんでっ……」

 いい加減煩いな。
 クズ勇者も、アバズレ聖女も騒がれると処刑が進まないじゃん。

「〝黙れ〟」

「「っ!?」」

 これでよしっ!

「ふふっ!  〝付与ノ神〟」

「「ッ!!」」

「コレが、お前達に、与える罰」

「っー!  ぅ~っ!!」

「ん~!  っ!!」

「あはっ!」

 気に入ってもらえたようで何よりだわ!!

「お前達の魂は、私が創った世界で、生き返る。
 そこで、何度も、何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も!  幸せと絶望を経験する」

 大国の国王と王妃として。
 勇者と聖女、世界を救った救世の六英雄として誰からも尊敬され、敬われる日々から……絶望の底へと叩き落とされる!

 私との戦争が勃発して目の前で大勢の人間が、六英雄の仲間たちが殺され。
 絶望の中で死に至る。
 そして1時間の休憩時間を挟んで、戦争が勃発する時まで記憶を失った状態で次のループが始まる。

「お前達は、この戦争を、何度でも繰り返す!
 ふふっ!  絶望と死の恐怖を、狂う事すら許されない、永劫の生と死を……終わりのない悪夢を見続けろ!!」

「ん~!  っ!!」

「んんっ!  ん──っ!!」

「〝付与ノ神〟〝創滅ノ神〟」

 2つの神能を並列起動して……

永劫の悪夢ナイトメア

「ッ──!!」

「ぃっ!  んぅー!!」

 声を上げる事すらできずに、唸りながら恐怖に顔を歪めるクズ勇者と、涙と鼻水と涎で顔をぐちゃぐちゃにしたアバズレ聖女!

「ふふ……あはっ!  あはっはっはっはっ!!」


 パチンっ!


 指を打ち鳴らすと同時に、2人の頭上に漆黒の刃が出現し……

「ノアール殿下、聖女リナ様……ざまぁみろ!!」

 目を見開いたクズ勇者とアバズレ聖女の首が……地面に落ちた。
しおりを挟む
感想 22

あなたにおすすめの小説

婚約破棄された上に国外追放された聖女はチート級冒険者として生きていきます~私を追放した王国が大変なことになっている?へぇ、そうですか~

夏芽空
ファンタジー
無茶な仕事量を押し付けられる日々に、聖女マリアはすっかり嫌気が指していた。 「聖女なんてやってられないわよ!」 勢いで聖女の杖を叩きつけるが、跳ね返ってきた杖の先端がマリアの顎にクリーンヒット。 そのまま意識を失う。 意識を失ったマリアは、暗闇の中で前世の記憶を思い出した。 そのことがきっかけで、マリアは強い相手との戦いを望むようになる。 そしてさらには、チート級の力を手に入れる。 目を覚ましたマリアは、婚約者である第一王子から婚約破棄&国外追放を命じられた。 その言葉に、マリアは大歓喜。 (国外追放されれば、聖女という辛いだけの役目から解放されるわ!) そんな訳で、大はしゃぎで国を出ていくのだった。 外の世界で冒険者という存在を知ったマリアは、『強い相手と戦いたい』という前世の自分の願いを叶えるべく自らも冒険者となり、チート級の力を使って、順調にのし上がっていく。 一方、マリアを追放した王国は、その軽率な行いのせいで異常事態が発生していた……。

はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~

緋色優希
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。

異世界リナトリオン〜平凡な田舎娘だと思った私、実は転生者でした?!〜

青山喜太
ファンタジー
ある日、母が死んだ 孤独に暮らす少女、エイダは今日も1人分の食器を片付ける、1人で食べる朝食も慣れたものだ。 そしてそれは母が死んでからいつもと変わらない日常だった、ドアがノックされるその時までは。 これは1人の少女が世界を巻き込む巨大な秘密に立ち向かうお話。 小説家になろう様からの転載です!

転生したおばあちゃんはチートが欲しい ~この世界が乙女ゲームなのは誰も知らない~

ピエール
ファンタジー
おばあちゃん。 異世界転生しちゃいました。 そういえば、孫が「転生するとチートが貰えるんだよ!」と言ってたけど チート無いみたいだけど? おばあちゃんよく分かんないわぁ。 頭は老人 体は子供 乙女ゲームの世界に紛れ込んだ おばあちゃん。 当然、おばあちゃんはここが乙女ゲームの世界だなんて知りません。 訳が分からないながら、一生懸命歩んで行きます。 おばあちゃん奮闘記です。 果たして、おばあちゃんは断罪イベントを回避できるか? [第1章おばあちゃん編]は文章が拙い為読みづらいかもしれません。 第二章 学園編 始まりました。 いよいよゲームスタートです! [1章]はおばあちゃんの語りと生い立ちが多く、あまり話に動きがありません。 話が動き出す[2章]から読んでも意味が分かると思います。 おばあちゃんの転生後の生活に興味が出てきたら一章を読んでみて下さい。(伏線がありますので) 初投稿です 不慣れですが宜しくお願いします。 最初の頃、不慣れで長文が書けませんでした。 申し訳ございません。 少しづつ修正して纏めていこうと思います。

お前じゃないと、追い出されたが最強に成りました。ざまぁ~見ろ(笑)

いくみ
ファンタジー
お前じゃないと、追い出されたので楽しく復讐させて貰いますね。実は転生者で今世紀では貴族出身、前世の記憶が在る、今まで能力を隠して居たがもう我慢しなくて良いな、開き直った男が楽しくパーティーメンバーに復讐していく物語。 --------- 掲載は不定期になります。 追記 「ざまぁ」までがかなり時間が掛かります。 お知らせ カクヨム様でも掲載中です。

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

こちらの異世界で頑張ります

kotaro
ファンタジー
原 雪は、初出勤で事故にあい死亡する。神様に第二の人生を授かり幼女の姿で 魔の森に降り立つ 其処で獣魔となるフェンリルと出合い後の保護者となる冒険者と出合う。 様々の事が起こり解決していく

異世界で魔法が使えるなんて幻想だった!〜街を追われたので馬車を改造して車中泊します!〜え、魔力持ってるじゃんて?違います、電力です!

あるちゃいる
ファンタジー
 山菜を採りに山へ入ると運悪く猪に遭遇し、慌てて逃げると崖から落ちて意識を失った。  気が付いたら山だった場所は平坦な森で、落ちたはずの崖も無かった。  不思議に思ったが、理由はすぐに判明した。  どうやら農作業中の外国人に助けられたようだ。  その外国人は背中に背負子と鍬を背負っていたからきっと近所の農家の人なのだろう。意外と流暢な日本語を話す。が、言葉の意味はあまり理解してないらしく、『県道は何処か?』と聞いても首を傾げていた。  『道は何処にありますか?』と言ったら、漸く理解したのか案内してくれるというので着いていく。  が、行けども行けどもどんどん森は深くなり、不審に思い始めた頃に少し開けた場所に出た。  そこは農具でも置いてる場所なのかボロ小屋が数軒建っていて、外国人さんが大声で叫ぶと、人が十数人ゾロゾロと小屋から出てきて、俺の周りを囲む。  そして何故か縄で手足を縛られて大八車に転がされ……。   ⚠️超絶不定期更新⚠️

処理中です...