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第21章 聖魔大戦編・悪魔姫の復讐
398話 無力な勇者 その2
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「ふふっ、あはっはっはっ!!」
静まり返った戦場に響き渡る魔神レフィーの嗤い声が遠くで聞こえる。
私達の……俺達の目の前に広がる理解の範疇を超えた光景。
どこか現実感の無い、まるで夢の中にでもいるかのような感覚に襲われる。
ただ愕然と見つめる先…… どこまでも続く抉れた地面、地平線の彼方まで続く平地。
「……」
目の前に広がっていたハズの山々が。
この大陸を東西で分断していた大山脈が……消滅した。
「うそ、何コレ……」
隣でリナが愕然と呟く。
まぁその気持ちはよくわかる。
俺……私だって目の前に広がるとこの光景を、この現実をまだ飲み込めて無い。
ほんの一瞬だった。
魔神レフィーが放った漆黒の一撃。
まるで視覚と聴覚が無くなったかのように視界が真っ黒に塗り潰され、一瞬世界から音が消えた。
何でも無いように、魔神レフィーが軽く手を翳し……大山脈が消滅して次の瞬間には地形が変わっていた。
あの身の毛もよだつような圧倒的なエネルギー、絶対的な死を感じさせる莫大な力の塊……
嫌でも理解できた、強制的に理解させられた。
私達では魔神レフィーには勝てない。
それどころかアナスタシア様に加勢して彼女と戦う事すら……
「っ……!」
くそっ! この場にいても私達にできることは何も無い……私は無力だ。
「ふふ」
女神アナスタシア様すら圧倒する魔神レフィーと私達とでは生物としての格が違う。
実力の次元が違い過ぎる。
これが神と呼ばれる存在の力……
「ぅ……」
「っ!」
アナスタシア様……っ!
「あはっ! おめでとう」
くそっ! 私は何をやっている!!
アナスタシア様が傷だらけになりながらもお1人で戦っていらっしゃるのにノアール・エル・アルタイル、お前はここでただ見ているだけか!?
「〝平伏せ〟」
「ぐっ!?」
魔神レフィーが傷だらけのアナスタシア様を冷たく見下ろしながら淡々と命じ、アナスタシア様が顔を歪めて苦悶の声を溢す。
アレは……私達の時と同じだ。
動け! 動け! 動け!!
私は勇者! 我々のためにたった1人で傷だらけになりながらも魔神レフィーと戦ってくれているアナスタシアの危機に動けなくて何が勇者だ!!
アナスタシア様、今助けに……
「アナスタシア、お前は私に、罪を償えと、悔い改めろと言った」
「っ!!」
魔神レフィーがチラッとこちらに視線を寄越しただけで。
「くそっ……!!」
ほんの一瞬、目が合っただけで身がすくむ、一歩踏み出した足が、これ以上動かない……!
「ふざけるな。
お前が、お前達が私に何をしたのかを……お前達の罪を教えてやる!」
ふざけているのはお前だ!
罪を教えてやるだと? アナスタシア様が、私達が何をした!?
魔神レフィー、お前のしている事は逆恨み以外の何物でもない。
お前のせいで! この戦争のせいで、一体どれだけの人々が苦しんでいると思っている!?
どれだけの人が命を落とし、どれだけの人々が悲しんでいると!!
私が魔神を撃ち倒さなくて誰がヤツを倒す!
この世界の命運を、人類の命運を背負った勇者である私がヤツを……
「神能・付与ノ神」
静まり返った戦場に響き渡る魔神レフィーの嗤い声が遠くで聞こえる。
私達の……俺達の目の前に広がる理解の範疇を超えた光景。
どこか現実感の無い、まるで夢の中にでもいるかのような感覚に襲われる。
ただ愕然と見つめる先…… どこまでも続く抉れた地面、地平線の彼方まで続く平地。
「……」
目の前に広がっていたハズの山々が。
この大陸を東西で分断していた大山脈が……消滅した。
「うそ、何コレ……」
隣でリナが愕然と呟く。
まぁその気持ちはよくわかる。
俺……私だって目の前に広がるとこの光景を、この現実をまだ飲み込めて無い。
ほんの一瞬だった。
魔神レフィーが放った漆黒の一撃。
まるで視覚と聴覚が無くなったかのように視界が真っ黒に塗り潰され、一瞬世界から音が消えた。
何でも無いように、魔神レフィーが軽く手を翳し……大山脈が消滅して次の瞬間には地形が変わっていた。
あの身の毛もよだつような圧倒的なエネルギー、絶対的な死を感じさせる莫大な力の塊……
嫌でも理解できた、強制的に理解させられた。
私達では魔神レフィーには勝てない。
それどころかアナスタシア様に加勢して彼女と戦う事すら……
「っ……!」
くそっ! この場にいても私達にできることは何も無い……私は無力だ。
「ふふ」
女神アナスタシア様すら圧倒する魔神レフィーと私達とでは生物としての格が違う。
実力の次元が違い過ぎる。
これが神と呼ばれる存在の力……
「ぅ……」
「っ!」
アナスタシア様……っ!
「あはっ! おめでとう」
くそっ! 私は何をやっている!!
アナスタシア様が傷だらけになりながらもお1人で戦っていらっしゃるのにノアール・エル・アルタイル、お前はここでただ見ているだけか!?
「〝平伏せ〟」
「ぐっ!?」
魔神レフィーが傷だらけのアナスタシア様を冷たく見下ろしながら淡々と命じ、アナスタシア様が顔を歪めて苦悶の声を溢す。
アレは……私達の時と同じだ。
動け! 動け! 動け!!
私は勇者! 我々のためにたった1人で傷だらけになりながらも魔神レフィーと戦ってくれているアナスタシアの危機に動けなくて何が勇者だ!!
アナスタシア様、今助けに……
「アナスタシア、お前は私に、罪を償えと、悔い改めろと言った」
「っ!!」
魔神レフィーがチラッとこちらに視線を寄越しただけで。
「くそっ……!!」
ほんの一瞬、目が合っただけで身がすくむ、一歩踏み出した足が、これ以上動かない……!
「ふざけるな。
お前が、お前達が私に何をしたのかを……お前達の罪を教えてやる!」
ふざけているのはお前だ!
罪を教えてやるだと? アナスタシア様が、私達が何をした!?
魔神レフィー、お前のしている事は逆恨み以外の何物でもない。
お前のせいで! この戦争のせいで、一体どれだけの人々が苦しんでいると思っている!?
どれだけの人が命を落とし、どれだけの人々が悲しんでいると!!
私が魔神を撃ち倒さなくて誰がヤツを倒す!
この世界の命運を、人類の命運を背負った勇者である私がヤツを……
「神能・付与ノ神」
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