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第20章 聖魔大戦編
358話 衝突
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「お久しぶりですね。
師匠方」
「アーク、今の一撃は確実に大勢の命を奪うものだったわ。
ターニャ達も貴方達一体……」
「師匠、私達がこの軍服を着て、ここにいるのなんて理由は1つでしょ?」
むぅ、ガスター共め!
私なんて未だにアークからすら師匠って呼ばれた事ないのにっ! ターニャにまで!!
「まぁ、アーク達もだが……まさかアンタが出てくるとはな、リヒト」
「バカをやった弟を諌めてやるのは兄貴の役目だろ?」
「クックック、違えねぇ。
これも魔神レフィーの仕込みか?」
当然! 実は今日ガスター達が前線であるこの場所に出てくるように、さり気なぁ~く手を回したのは私なのだ!!
むふふっ、多くの人間共が見守る前で自らの弟子達に、親しい間柄の者達に……圧倒されて、敗北して、無様に倒れ伏すが良いっ!!
「違いますよ」
えっ?
「アンタは確か……」
「初めまして、冒険王ガスター。
リーゼ・スパーダと申します」
「当然、知ってるぜ。
現剣聖にしてヴァリエ騎士王国の守護者だろ?」
「私は私の正義と護りたいモノのために剣を振るいます。
私達は自ら望んでレフィー様の元に降ったのです、決して強要された結果などではありません」
「リーゼ……」
「フェリシア、これが私が……私達が選んだ道です」
おぉ~! 流石は剣聖リーゼ・スパーダ!!
今のはめっちゃくちゃカッコ良かった! しっかりとリーゼ達の勇姿を録画して記録しなければ!!
「ほほう、卑劣な悪魔共に与する事が貴方達の正義ですか。
守護者にして剣聖であるリーゼ・スパーダ。
メンバー全員がSランク冒険者であるSランクパーティー星屑の剣。
そして、S級クラン白の騎士団を率いるリヒト・アルダール」
アイツは……誰だろ?
なんかゴテゴテした鎧を着て馬に乗って、背後に多くの騎馬を引き連れて偉そうに領都ヴァントの中から出て来たけど……いや、まさかね。
「英雄と呼ばれる者達が随分と堕ちたモノですなぁ?」
「ミュール卿……何故、貴方がこちらに?」
「これはこれは、大賢者マリアナ殿。
いや何、堕ちた哀れな英雄共をこの私自ら処断してやろうと思いまして」
うわぁ……まさかとは思ったけど、マジか。
見たところ装備の性能に頼ってるだけで自身は大した力もない雑魚みたいだし。
こんないかにも、ザ・無能って感じのヤツが辺境伯かよ!
地味に衝撃の事実だわ。
他国との国境を守る辺境伯があんな戦場に立った事も無さそうな青二才が辺境伯……ん? でもあの顔、どっかで見たような~?
「はぁ……危険ですので今すぐに城壁の中に戻ってもらえるかしら?」
「ハッハッハ! ご安心を。
こう見えて、私はかつて世界を守護する聖女にして我らがアルタイル王国の王妃であらせられるリナ様の近衛も任せられ、かの悪魔をこの手で捕らえた誇り高き騎士です」
あぁ! コイツ、あの時私を取り押さえた騎士の1人か。
なるほど、だから見覚えがあったわけね。
しっかし、なんか自慢気に誇ってるけどアバズレ聖女の近衛ねぇ。
「ふむ」
あれって確か、高位貴族の次男三男の中からアバズレ聖女の好みで選ばれた顔が良いだけの無能集団だった気がするんだけど。
そのくせプライドど態度だけはデカくて、何故か何回も私に苦情が来た記憶があるな。
「彼らのような堕ちた英雄などに遅れは取りま……」
「チッ!」
アーク達を見下して、得意げに話すミュール辺境伯に舌打ちしてその前にガスターが踊り出た瞬間!
ドゴォオッ!!
凄まじい轟音が鳴り響いてガスターが後方に弾け飛ぶ。
「えっ? い、いま何が……」
「こんなクズを庇ったか」
「き、貴様は!」
「あ゛?」
「ヒッ! や、やれ! コイツを始末するのだっ!!」
「自由に好き勝手やってる冒険者とは言え、仮にも俺も騎士を名乗る者だ。
お前みたいな最低ヤロウを見てると虫唾が走る。
テメェみたいなヤツが騎士を名乗ってんじゃねぇよ」
良いっ! 良いよ、リヒト! 粗暴な冒険者ながらも芯のある騎士って感じがして今のは非常に絵になってた!!
今夜の宴会で本人にもしっかりとこの勇姿を見せてやらないと。
「アーク! ガスター達は、ひとまずお前らに任せる。
俺はちょっとコイツの相手をするわ」
「では、私はフェリシアを。
冒険王と大賢者はお任せします」
「りょーかい! 任せなさいっ!!」
「あはは……わかりました」
「ガスター師匠とマリアナ師匠が相手か」
「あの地獄の特訓に比べれば天国だよね、マナ?」
「そうだね、アナ。
確かにアレに比べればね」
天国って……ま、まぁ、何はともあれ! これで各々の相手も決まったみたいだし。
戦闘開始だな!!
「話は終わったかしら?
私達を相手に随分と余裕があるようね」
「ご安心ください。
今の俺達は……御三方よりも強いですから」
師匠方」
「アーク、今の一撃は確実に大勢の命を奪うものだったわ。
ターニャ達も貴方達一体……」
「師匠、私達がこの軍服を着て、ここにいるのなんて理由は1つでしょ?」
むぅ、ガスター共め!
私なんて未だにアークからすら師匠って呼ばれた事ないのにっ! ターニャにまで!!
「まぁ、アーク達もだが……まさかアンタが出てくるとはな、リヒト」
「バカをやった弟を諌めてやるのは兄貴の役目だろ?」
「クックック、違えねぇ。
これも魔神レフィーの仕込みか?」
当然! 実は今日ガスター達が前線であるこの場所に出てくるように、さり気なぁ~く手を回したのは私なのだ!!
むふふっ、多くの人間共が見守る前で自らの弟子達に、親しい間柄の者達に……圧倒されて、敗北して、無様に倒れ伏すが良いっ!!
「違いますよ」
えっ?
「アンタは確か……」
「初めまして、冒険王ガスター。
リーゼ・スパーダと申します」
「当然、知ってるぜ。
現剣聖にしてヴァリエ騎士王国の守護者だろ?」
「私は私の正義と護りたいモノのために剣を振るいます。
私達は自ら望んでレフィー様の元に降ったのです、決して強要された結果などではありません」
「リーゼ……」
「フェリシア、これが私が……私達が選んだ道です」
おぉ~! 流石は剣聖リーゼ・スパーダ!!
今のはめっちゃくちゃカッコ良かった! しっかりとリーゼ達の勇姿を録画して記録しなければ!!
「ほほう、卑劣な悪魔共に与する事が貴方達の正義ですか。
守護者にして剣聖であるリーゼ・スパーダ。
メンバー全員がSランク冒険者であるSランクパーティー星屑の剣。
そして、S級クラン白の騎士団を率いるリヒト・アルダール」
アイツは……誰だろ?
なんかゴテゴテした鎧を着て馬に乗って、背後に多くの騎馬を引き連れて偉そうに領都ヴァントの中から出て来たけど……いや、まさかね。
「英雄と呼ばれる者達が随分と堕ちたモノですなぁ?」
「ミュール卿……何故、貴方がこちらに?」
「これはこれは、大賢者マリアナ殿。
いや何、堕ちた哀れな英雄共をこの私自ら処断してやろうと思いまして」
うわぁ……まさかとは思ったけど、マジか。
見たところ装備の性能に頼ってるだけで自身は大した力もない雑魚みたいだし。
こんないかにも、ザ・無能って感じのヤツが辺境伯かよ!
地味に衝撃の事実だわ。
他国との国境を守る辺境伯があんな戦場に立った事も無さそうな青二才が辺境伯……ん? でもあの顔、どっかで見たような~?
「はぁ……危険ですので今すぐに城壁の中に戻ってもらえるかしら?」
「ハッハッハ! ご安心を。
こう見えて、私はかつて世界を守護する聖女にして我らがアルタイル王国の王妃であらせられるリナ様の近衛も任せられ、かの悪魔をこの手で捕らえた誇り高き騎士です」
あぁ! コイツ、あの時私を取り押さえた騎士の1人か。
なるほど、だから見覚えがあったわけね。
しっかし、なんか自慢気に誇ってるけどアバズレ聖女の近衛ねぇ。
「ふむ」
あれって確か、高位貴族の次男三男の中からアバズレ聖女の好みで選ばれた顔が良いだけの無能集団だった気がするんだけど。
そのくせプライドど態度だけはデカくて、何故か何回も私に苦情が来た記憶があるな。
「彼らのような堕ちた英雄などに遅れは取りま……」
「チッ!」
アーク達を見下して、得意げに話すミュール辺境伯に舌打ちしてその前にガスターが踊り出た瞬間!
ドゴォオッ!!
凄まじい轟音が鳴り響いてガスターが後方に弾け飛ぶ。
「えっ? い、いま何が……」
「こんなクズを庇ったか」
「き、貴様は!」
「あ゛?」
「ヒッ! や、やれ! コイツを始末するのだっ!!」
「自由に好き勝手やってる冒険者とは言え、仮にも俺も騎士を名乗る者だ。
お前みたいな最低ヤロウを見てると虫唾が走る。
テメェみたいなヤツが騎士を名乗ってんじゃねぇよ」
良いっ! 良いよ、リヒト! 粗暴な冒険者ながらも芯のある騎士って感じがして今のは非常に絵になってた!!
今夜の宴会で本人にもしっかりとこの勇姿を見せてやらないと。
「アーク! ガスター達は、ひとまずお前らに任せる。
俺はちょっとコイツの相手をするわ」
「では、私はフェリシアを。
冒険王と大賢者はお任せします」
「りょーかい! 任せなさいっ!!」
「あはは……わかりました」
「ガスター師匠とマリアナ師匠が相手か」
「あの地獄の特訓に比べれば天国だよね、マナ?」
「そうだね、アナ。
確かにアレに比べればね」
天国って……ま、まぁ、何はともあれ! これで各々の相手も決まったみたいだし。
戦闘開始だな!!
「話は終わったかしら?
私達を相手に随分と余裕があるようね」
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今の俺達は……御三方よりも強いですから」
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