上 下
355 / 436
第20章 聖魔大戦編

355話 楽しみだわ〜!

しおりを挟む
「ふ~む」

「如何致しますか?」

 シルヴィアによって厳選された私の側仕え兼近衛である14柱の最上位悪魔アークデーモンの1人。
 専属メイド部隊のソレイユが連行して来たこの男が地下牢で私に狼藉を働いてくれたクズの1人、ね。

 まぁ、ソレイユが連行してくるくらいだし。
 コイツの魂の記憶を軽く覗いたら、確かにお仲間と一緒に私をストレスの捌け口にして狼藉を働いてくれた記憶があったから確定だけど。

 ぶっちゃけ、あの時は度重なる拷問で既に精神崩壊しちゃってたし。
 何をされたかは理解してるけど、ハッキリとした記憶は無いからコイツの記憶は無いんだよなぁ。

「ひぃっ……!」

「む」

 6年前は喜んで私の事を弄んだくせに、目があっただけで悲鳴をあげるとか。
 失礼なヤツだわ。

「好きにして良いよ」

 確かにコイツは当時私の事を好き勝手に弄んでくれたゴミクズの1人だけど。
 覚えてもいないような有象無象の1人だし、正直言ってどうでも良い。

「承知いたしました。
 では、この者は実験体として使用したのち下級悪魔達の生き餌にさせていただきます」

「ん、わかった」

 実験って何をするのかは知らないけど….
 ソレイユは同じ専属メイド部隊であるリーナとミーナの双子吸血娘のお姉さん的存在だし基本的に優しい。
 けど悪魔なだけあって結構残酷で無慈悲な一面も持ってるからなぁ~。

「生き、餌……」

 あ~らら、可哀想に真っ青になってガクブル状態になってるじゃん。

「実験って?」

「はい!  この者は比較的ではありますが一般的な肉体強度を持っておりますので、脆弱な人間の肉体がどの程度で死に至るのか。
 各種毒の致死量、出血死に至る出血量、全身の皮を剥いだ場合はどうなるのかなどを実験しようと思います!」

 そ、そうですか。
 楽しそうで何より。

「そう、頑張って?」

 自分で言っておいて何だけど、何を頑張ってなのかはわからんけど。

「っ!!  承知いたしましたっ!」

 まぁ……ソレイユも嬉しそうだし、問題ないか。

「い、嫌だ!
 た頼む!  頼みます!!  どうか、どうか、助けてください!!」

「レフィー様の御前で無礼ですよ人間」

「や、やめろ!  く、来るがぁっ!?」

 うわぁ、ゴミを見るみたいな冷たい目で拘束されて芋虫みたいに地面を這って後退る騎士の首を掴んで喉を潰した。

「何度でも蘇生させて、しっかりと下級悪魔達の生き餌にするのでご安心くださいませ!
 では、御前失礼致します」

「ん」

「──っ!  ──っ!!」

 喉を握り潰された騎士が、綺麗に一礼したソレイユに髪を掴まれて涙を流しながら声にならない声をあげながら引きずられて行き……


 バタン


 うん、まぁ何だ。
 名前も知らないし、覚えてすらいない有象無象よ。
 自業自得なわけだし、せいぜい自分のした事を後悔してくれ。

 さてと、そろそろ日が暮れるし大戦1日目が終了……って思ったら大間違い!
 我が悪魔王国ナイトメアの軍に所属しているのは全員が魔国の中でも上位の実力者達。

 と言うか、一定以上の実力がないと軍に所属する事ができない。
 そんな我が軍に所属する者はそもそもが夜行性の吸血鬼を始め、全員が夜目が効く上に睡眠なんて殆ど必要としない。

 むふふっ!  さぁ、愚かな人間どもよ!!
 日が暮れた夜の闇の中、いつ襲撃を受けるのかもわからず寝る事もできずに恐怖に震えるが良いっ!!
 そして明日はついに……

 アーク、ターニャ、マナ、アナ、マイクの全員がSランク冒険者である5人からなるSランクパーティー星屑の剣。
 剣聖リーゼ・スパーダ。
 白の騎士団団長リヒト・アルダールと彼が率いる白の騎士団のお披露目!

「ふふ……派手にしないと」

 あぁ、楽しみだわ~!

「どんな、反応をするかな~?」
しおりを挟む
感想 22

あなたにおすすめの小説

夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~

青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。 彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。 ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。 彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。 これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。 ※カクヨムにも投稿しています

転生したおばあちゃんはチートが欲しい ~この世界が乙女ゲームなのは誰も知らない~

ピエール
ファンタジー
おばあちゃん。 異世界転生しちゃいました。 そういえば、孫が「転生するとチートが貰えるんだよ!」と言ってたけど チート無いみたいだけど? おばあちゃんよく分かんないわぁ。 頭は老人 体は子供 乙女ゲームの世界に紛れ込んだ おばあちゃん。 当然、おばあちゃんはここが乙女ゲームの世界だなんて知りません。 訳が分からないながら、一生懸命歩んで行きます。 おばあちゃん奮闘記です。 果たして、おばあちゃんは断罪イベントを回避できるか? [第1章おばあちゃん編]は文章が拙い為読みづらいかもしれません。 第二章 学園編 始まりました。 いよいよゲームスタートです! [1章]はおばあちゃんの語りと生い立ちが多く、あまり話に動きがありません。 話が動き出す[2章]から読んでも意味が分かると思います。 おばあちゃんの転生後の生活に興味が出てきたら一章を読んでみて下さい。(伏線がありますので) 初投稿です 不慣れですが宜しくお願いします。 最初の頃、不慣れで長文が書けませんでした。 申し訳ございません。 少しづつ修正して纏めていこうと思います。

大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです

飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。 だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。 勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し! そんなお話です。

生活魔法は万能です

浜柔
ファンタジー
 生活魔法は万能だ。何でもできる。だけど何にもできない。  それは何も特別なものではないから。人が歩いたり走ったりしても誰も不思議に思わないだろう。そんな魔法。  ――そしてそんな魔法が人より少し上手く使えるだけのぼくは今日、旅に出る。

転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。

克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります! 辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。

異世界転生した時に心を失くした私は貧民生まれです

ぐるぐる
ファンタジー
前世日本人の私は剣と魔法の世界に転生した。 転生した時に感情を欠落したのか、生まれた時から心が全く動かない。 前世の記憶を頼りに善悪等を判断。 貧民街の狭くて汚くて臭い家……家とはいえないほったて小屋に、生まれた時から住んでいる。 2人の兄と、私と、弟と母。 母親はいつも心ここにあらず、父親は所在不明。 ある日母親が死んで父親のへそくりを発見したことで、兄弟4人引っ越しを決意する。 前世の記憶と知識、魔法を駆使して少しずつでも確実にお金を貯めていく。

外れスキル?だが最強だ ~不人気な土属性でも地球の知識で無双する~

海道一人
ファンタジー
俺は地球という異世界に転移し、六年後に元の世界へと戻ってきた。 地球は魔法が使えないかわりに科学という知識が発展していた。 俺が元の世界に戻ってきた時に身につけた特殊スキルはよりにもよって一番不人気の土属性だった。 だけど悔しくはない。 何故なら地球にいた六年間の間に身につけた知識がある。 そしてあらゆる物質を操れる土属性こそが最強だと知っているからだ。 ひょんなことから小さな村を襲ってきた山賊を土属性の力と地球の知識で討伐した俺はフィルド王国の調査隊長をしているアマーリアという女騎士と知り合うことになった。 アマーリアの協力もあってフィルド王国の首都ゴルドで暮らせるようになった俺は王国の陰で蠢く陰謀に巻き込まれていく。 フィルド王国を守るための俺の戦いが始まろうとしていた。 ※この小説は小説家になろうとカクヨムにも投稿しています

異世界リナトリオン〜平凡な田舎娘だと思った私、実は転生者でした?!〜

青山喜太
ファンタジー
ある日、母が死んだ 孤独に暮らす少女、エイダは今日も1人分の食器を片付ける、1人で食べる朝食も慣れたものだ。 そしてそれは母が死んでからいつもと変わらない日常だった、ドアがノックされるその時までは。 これは1人の少女が世界を巻き込む巨大な秘密に立ち向かうお話。 小説家になろう様からの転載です!

処理中です...