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第18章 聖魔大戦・開戦編
323話 七魔公の力
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「っ……マジかよ……」
吹っ飛ばされて、地面を転がりつつもその勢いを利用して体勢を整えたリヒトがその光景に唖然と呟く。
「「「「っ!」」」」
上空に吹っ飛ばされた熾天使共が土煙の晴れた地上を見て息を呑む!
「団長、これは……」
「あぁ、一瞬で公都の一角が更地になりやがった」
そう! これこそが私直属の配下たる七魔公の力!!
「ぅ……」
「気が付いたか」
「だ、団長……っ! 、こ、これは一体何が……?」
吹っ飛ばされてリヒトの背後で気絶してた新人君が様変わりした光景に目を見開いて唖然と呟きをもらす。
新人とは言え、百戦錬磨の白の騎士団の団員ですらこの反応になるんだから、一般人ならどうなるのか……
「ふふっ!」
さぁ! 高位悪魔の、悪魔公の力を知れ。
恐怖しろ、絶望しろ。
泣き喚いて、醜く逃げ惑って、無様に平伏して命を乞え!!
「当然アイツの仕業だ」
「うふふ……」
コツ、コツとヒールで更地になった地面を叩きながらノワールが悠然と歩く!
「この程度で驚かれては困ります。
今のはほんの一瞬、抑えていた力を解き放っただけなのですから」
「ったく、過小評価どころじゃ無いな。
まさかこんな化け物が出てくるとは……ベン、お前はそこらで寝てるヤツらを叩き起こして住民の避難を手伝え」
「えっ、し、しかしっ!」
「お前じゃあアイツとやり合うには力不足だ」
「っ……わかりました」
ふ~ん、あの新人君、ベンって名前なんだ。
ベン、ベンねぇ……私も一応、冒険者だし白の騎士団に所属する程のヤツなら名前くらい聞いたことあるかなって思ったけど。
うん、全然知らんわ。
まっ、あの新人君を始め、足手纏いになるヤツらを前線から下げて一般人の避難誘導に回したのは正しい選択だろうけど……ふふっ、果たしてその意味はあるかな?
「ギルベルト」
「私もベン達と一緒に住民の避難誘導に回れ、ですね?」
「何言ってんだ。
お前は当然こっちだ」
「いや、できればこんな死線は回避したいのですが……」
「冗談言ってる場合じゃ無いだろうが」
「いえ、皆の緊張を解してあげようかと。
それで、私は何をすれば?」
「俺は単独でヤツとやり合う。
お前は副団長として他の連中を率いてヤツを叩け」
「はっ!」
白の騎士団、副団長ギルベルト!
アイツは知ってる。
旧魔王との大戦で私がバックアップに勤めてた時からリヒトを支える古参にしてリヒトの右腕として知られるSランク冒険者。
まぁ、それでも……と言うか、あのベンって言う新人君もリヒトもギルベルトも関係なく、ノワールとやり合うには力不足なわけだけど。
お前達の勇姿はしっかりと私が記録してるからなっ!!
「話し合いは終わりましたか?」
「あぁ、お陰様でな。
ここから先は……久しぶりに全力で行かせてもらう」
リヒトが右手に持つ白剣から真紅の魔力が立ち昇って、真っ白だった刀身が鮮やかな赤に染まり……
ジャラララッ!!
「聖なる領域」
白い光を放つ鎖がノワールの身体を何重にも縛り付けると同時に、ノワールの周囲の地面か神聖な白い光を放つ。
「破ッ!!」
「シッ!」
ノワールの背後に一瞬で現れた男の天使が自身の身の丈程もある戦鎚を振り下ろし。
前方に現れた女の天使が首を狙って剣を振い……
「なっ!?」
「っ!!」
「バカなっ!?」
「そんな……」
全員が唖然と目を見開いて愕然と言葉を漏らす。
バカ共め! いくら不意打ちしても、そんな程度の攻撃がノワールに通用しないのだっ!!
ノワールを拘束していたハズの白い鎖は引き千切れて。
背後から振り下ろされた戦鎚は振り返ることもなく、片手で容易く受け止められて。
さっきのSランク冒険者とは比べ物にならない程の速度と鋭さで放たれた剣は、変わらず指一本で受け止められる。
「うふふ、天使の力とはこの程度ですか?」
唖然と思わず動きが止まった天使共に妖艶な微笑みを向けると同時に戦鎚が握り潰されて砕け散り。
トンっと指で叩かれた剣の刀身がへし折れる。
「「っ!!」」
その光景に現実に引き戻された2人の熾天使が飛び退くようにしてノワールから距離を取る。
それを追いかける事もせず。
熾天使共に、リヒトら白の騎士団に……固唾を飲んで、冷や汗を流す敵対者共に。
「うふふ、そちらから来ないのならば私から行きますよ?」
見惚れるような妖艶な微笑みを向けて……
「せいぜい醜く脆弱な愚者共を、ゴミ共を守り抜いてみてください」
ノワールの姿が掻き消えて、静寂が支配する公都に甲高い悲鳴が鳴り響いた。
吹っ飛ばされて、地面を転がりつつもその勢いを利用して体勢を整えたリヒトがその光景に唖然と呟く。
「「「「っ!」」」」
上空に吹っ飛ばされた熾天使共が土煙の晴れた地上を見て息を呑む!
「団長、これは……」
「あぁ、一瞬で公都の一角が更地になりやがった」
そう! これこそが私直属の配下たる七魔公の力!!
「ぅ……」
「気が付いたか」
「だ、団長……っ! 、こ、これは一体何が……?」
吹っ飛ばされてリヒトの背後で気絶してた新人君が様変わりした光景に目を見開いて唖然と呟きをもらす。
新人とは言え、百戦錬磨の白の騎士団の団員ですらこの反応になるんだから、一般人ならどうなるのか……
「ふふっ!」
さぁ! 高位悪魔の、悪魔公の力を知れ。
恐怖しろ、絶望しろ。
泣き喚いて、醜く逃げ惑って、無様に平伏して命を乞え!!
「当然アイツの仕業だ」
「うふふ……」
コツ、コツとヒールで更地になった地面を叩きながらノワールが悠然と歩く!
「この程度で驚かれては困ります。
今のはほんの一瞬、抑えていた力を解き放っただけなのですから」
「ったく、過小評価どころじゃ無いな。
まさかこんな化け物が出てくるとは……ベン、お前はそこらで寝てるヤツらを叩き起こして住民の避難を手伝え」
「えっ、し、しかしっ!」
「お前じゃあアイツとやり合うには力不足だ」
「っ……わかりました」
ふ~ん、あの新人君、ベンって名前なんだ。
ベン、ベンねぇ……私も一応、冒険者だし白の騎士団に所属する程のヤツなら名前くらい聞いたことあるかなって思ったけど。
うん、全然知らんわ。
まっ、あの新人君を始め、足手纏いになるヤツらを前線から下げて一般人の避難誘導に回したのは正しい選択だろうけど……ふふっ、果たしてその意味はあるかな?
「ギルベルト」
「私もベン達と一緒に住民の避難誘導に回れ、ですね?」
「何言ってんだ。
お前は当然こっちだ」
「いや、できればこんな死線は回避したいのですが……」
「冗談言ってる場合じゃ無いだろうが」
「いえ、皆の緊張を解してあげようかと。
それで、私は何をすれば?」
「俺は単独でヤツとやり合う。
お前は副団長として他の連中を率いてヤツを叩け」
「はっ!」
白の騎士団、副団長ギルベルト!
アイツは知ってる。
旧魔王との大戦で私がバックアップに勤めてた時からリヒトを支える古参にしてリヒトの右腕として知られるSランク冒険者。
まぁ、それでも……と言うか、あのベンって言う新人君もリヒトもギルベルトも関係なく、ノワールとやり合うには力不足なわけだけど。
お前達の勇姿はしっかりと私が記録してるからなっ!!
「話し合いは終わりましたか?」
「あぁ、お陰様でな。
ここから先は……久しぶりに全力で行かせてもらう」
リヒトが右手に持つ白剣から真紅の魔力が立ち昇って、真っ白だった刀身が鮮やかな赤に染まり……
ジャラララッ!!
「聖なる領域」
白い光を放つ鎖がノワールの身体を何重にも縛り付けると同時に、ノワールの周囲の地面か神聖な白い光を放つ。
「破ッ!!」
「シッ!」
ノワールの背後に一瞬で現れた男の天使が自身の身の丈程もある戦鎚を振り下ろし。
前方に現れた女の天使が首を狙って剣を振い……
「なっ!?」
「っ!!」
「バカなっ!?」
「そんな……」
全員が唖然と目を見開いて愕然と言葉を漏らす。
バカ共め! いくら不意打ちしても、そんな程度の攻撃がノワールに通用しないのだっ!!
ノワールを拘束していたハズの白い鎖は引き千切れて。
背後から振り下ろされた戦鎚は振り返ることもなく、片手で容易く受け止められて。
さっきのSランク冒険者とは比べ物にならない程の速度と鋭さで放たれた剣は、変わらず指一本で受け止められる。
「うふふ、天使の力とはこの程度ですか?」
唖然と思わず動きが止まった天使共に妖艶な微笑みを向けると同時に戦鎚が握り潰されて砕け散り。
トンっと指で叩かれた剣の刀身がへし折れる。
「「っ!!」」
その光景に現実に引き戻された2人の熾天使が飛び退くようにしてノワールから距離を取る。
それを追いかける事もせず。
熾天使共に、リヒトら白の騎士団に……固唾を飲んで、冷や汗を流す敵対者共に。
「うふふ、そちらから来ないのならば私から行きますよ?」
見惚れるような妖艶な微笑みを向けて……
「せいぜい醜く脆弱な愚者共を、ゴミ共を守り抜いてみてください」
ノワールの姿が掻き消えて、静寂が支配する公都に甲高い悲鳴が鳴り響いた。
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