付与って最強だと思いませんか? 悪魔と呼ばれて処刑されたら原初の悪魔に転生しました。とりあえず、理想の国を創るついでに復讐しようと思います!

フウ

文字の大きさ
上 下
301 / 436
第17章 聖魔大戦・宣戦布告編

301話 解放

しおりを挟む
 確かに、クズ勇者共は私にとっては憎き復讐対象だけど。

「ふふっ!  さぁ……」

 セラフィルにアリシア。
 2人にとってはあの場にいるのは実の両親であり父親。
 いかに自身で判断を下して、こうなる事を覚悟して、わかった上で私の眷属になったとは言え……

 まだ幼い2人には、実の家族を罪人として糾弾して敵対するのは辛い選択だったと思う。
 帰って来たら思う存分愛で……げふん、げふん!  慰めてやる!!
 だから今は……

「やれ」

 2人の事をまだ子供だとナメているアホ勇者共に思い知らせてやれ。
 2人の力を!  2人の覚悟の重さを!
 思う存分!  好きなだけ暴れろっ!!


「陛下、いかに第一王子殿下と言えども流石にコレは見過ごせませんぞ」

「宰相殿もです」

「このような会議の場で騒ぐなど……王族の婚約者として嘆かわしい」

「全くです。
 公爵家では一体どのような教育をなさっているのか?」


 おぉ~、ここぞとばかりに黙り込んでた狸ジジイ共がアホ勇者の勘違いに乗っかって話を誤魔化そうと必死になってる!
 バカだなぁ、そんな事しても絶賛各国に生中継されてるからもう意味無いのに。


「フィル、アリシア嬢。
 少し冗談が過ぎるよ、暫く謹慎して反省しなさい。
 皆んな」

「「「「「はっ!!」」」」」


 おおっと!  クズ勇者の指示を受けて控えていた騎士達が動き出す!!


「殿下、申し訳ありません」

「御無礼をお許し下さい」


 さっきは狸ジジイの命令を受けてもセラフィルの指示があったから微動だにしなかったのに。
 まぁ王子の命令より国王の命令の方が上だってのはわかるけど……

 あ~あ、可哀想に。
 セラフィルの命令を聞いておけば痛い目に遭わずに済んだのに。
 しかも、せっかく5人いるのに動いたのはその中でも若い2人だけとか……

「愚か者共め」

 ウチのセラフィルとアリシアをナメすぎなんだよ!!
 いけいけ!  そんな失礼なヤツら何て遠慮なく叩き潰してしまえっ!!


「はぁ……まぁ良いでしょう」

「はい、そうですね。
 この期に及んでそう思っているのなら……」

「「──!?」」


 ゆったりと余裕たっぷりの態度でセラフィル達に向かって歩いていた2人の騎士が声も出せずに吹き飛び壁に叩きつけられる。


「「「「「「「「……」」」」」」」」

「これは……」

「うそ……」


 何が起こったのかを理解できずにフリーズする狸ジジイ共。
 そして騎士が吹き飛んだ……否、吹き飛ばされたと言う事実に。
 それを成した2人の姿に唖然と目を見開いて呟きを漏らすクズ勇者とアバズレ聖女!


「殿下、アリー……その姿は、一体……?」 


 驚愕に唖然と目を見開くヘルヴィール公爵達の視線の先。


「ふふっ、皆様を叩き潰して。
 力尽くでわからせて差し上げます!」

「あはは、公爵令嬢らしからぬ発言だね」

「あら、いいではありませんか。
 私達はお姉様の眷属なのですから」


 光と闇、相反する一対の翼を背に広げたセラフィル。
 バチバチっ!  っと紫電する青白いマントを羽織り、漆黒の王冠を戴くアリシア。

 自らの力を解き放ち、私の眷属として。
 光と闇の大天使である熾天魔。
 雷と闇の大精霊である雷精姫。
 本当の姿を露に、周囲の視線なんて一切気にする事なく和やかに話していた2人の視線がクズ勇者共を見据え……


「そう言うわけですので。
 かかって来てください」

「ふふっ、格の違いを教えて差し上げます」


 それはもう清々しい!
 余裕たっぷりな微笑みを浮かべて言い放った!!
しおりを挟む
感想 22

あなたにおすすめの小説

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

10歳で記憶喪失になったけど、チート従魔たちと異世界ライフを楽しみます(リメイク版)

犬社護
ファンタジー
10歳の咲耶(さや)は家族とのキャンプ旅行で就寝中、豪雨の影響で発生した土石流に巻き込まれてしまう。 意識が浮上して目覚めると、そこは森の中。 彼女は10歳の見知らぬ少女となっており、その子の記憶も喪失していたことで、自分が異世界に転生していることにも気づかず、何故深い森の中にいるのかもわからないまま途方に暮れてしまう。 そんな状況の中、森で知り合った冒険者ベイツと霊鳥ルウリと出会ったことで、彼女は徐々に自分の置かれている状況を把握していく。持ち前の明るくてのほほんとしたマイペースな性格もあって、咲耶は前世の知識を駆使して、徐々に異世界にも慣れていくのだが、そんな彼女に転機が訪れる。それ以降、これまで不明だった咲耶自身の力も解放され、様々な人々や精霊、魔物たちと出会い愛されていく。 これは、ちょっぴり天然な《咲耶》とチート従魔たちとのまったり異世界物語。 ○○○ 旧版を基に再編集しています。 第二章(16話付近)以降、完全オリジナルとなります。 旧版に関しては、8月1日に削除予定なのでご注意ください。 この作品は、ノベルアップ+にも投稿しています。

異世界転生ファミリー

くろねこ教授
ファンタジー
辺境のとある家族。その一家には秘密があった?! 辺境の村に住む何の変哲もないマーティン一家。 アリス・マーティンは美人で料理が旨い主婦。 アーサーは元腕利きの冒険者、村の自警団のリーダー格で頼れる男。 長男のナイトはクールで賢い美少年。 ソフィアは産まれて一年の赤ん坊。 何の不思議もない家族と思われたが…… 彼等には実は他人に知られる訳にはいかない秘密があったのだ。

屋台飯! いらない子認定されたので、旅に出たいと思います。

彩世幻夜
ファンタジー
母が死にました。 父が連れてきた継母と異母弟に家を追い出されました。 わー、凄いテンプレ展開ですね! ふふふ、私はこの時を待っていた! いざ行かん、正義の旅へ! え? 魔王? 知りませんよ、私は勇者でも聖女でも賢者でもありませんから。 でも……美味しいは正義、ですよね? 2021/02/19 第一部完結 2021/02/21 第二部連載開始 2021/05/05 第二部完結

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する

高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。 手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。

授かったスキルが【草】だったので家を勘当されたから悲しくてスキルに不満をぶつけたら国に恐怖が訪れて草

ラララキヲ
ファンタジー
(※[両性向け]と言いたい...)  10歳のグランは家族の見守る中でスキル鑑定を行った。グランのスキルは【草】。草一本だけを生やすスキルに親は失望しグランの為だと言ってグランを捨てた。  親を恨んだグランはどこにもぶつける事の出来ない気持ちを全て自分のスキルにぶつけた。  同時刻、グランを捨てた家族の居る王都では『謎の笑い声』が響き渡った。その笑い声に人々は恐怖し、グランを捨てた家族は……── ※確認していないので二番煎じだったらごめんなさい。急に思いついたので書きました! ※「妻」に対する暴言があります。嫌な方は御注意下さい※ ◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。 ◇なろうにも上げています。

生活魔法は万能です

浜柔
ファンタジー
 生活魔法は万能だ。何でもできる。だけど何にもできない。  それは何も特別なものではないから。人が歩いたり走ったりしても誰も不思議に思わないだろう。そんな魔法。  ――そしてそんな魔法が人より少し上手く使えるだけのぼくは今日、旅に出る。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

処理中です...