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第16章 若き探求者編
293話 6人目・7人目の眷属
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「……ふぅ、代わりに差し出せるモノが無い以上、私達の出せる答えは1つですよ。
それに、貴女は欲しいものは必ず手に入れるんですよね?」
苦笑いを浮かべながらも、その目は真剣で歴とした覚悟がある。
うん、やっぱり6歳児のする顔じゃ無いわ。
とは言え、セラフィルの答えはわかった。
「ふむ、アリシアは?」
「はい、今後過去に過ちを犯したにも関わらず我が物顔で権力の座に居座っているお父様やお母様。
他の方々を罪に問うには、相応の力が必要になります。
私もセラフィル様と同様に覚悟はできております」
おおぅ、セラフィルだけじゃ無くてアリシアも自分の両親を罪人として捌く事に。
そして、人間をやめて私の眷属になる事にガチな覚悟を決めてるんですけど……
いやまぁ、選択と覚悟を迫ったのは私だけどさ。
普通はもっと迷ったり葛藤したりするもんじゃ無いの?
多分だけど、大の大人であっても2人みたいに迷いなく答える事なんてできないと思うんだけど……
『でも、リリィーの場合は即答どころか喜んでたよね?』
リリィーは色々と例外。
それに、その覚悟をしてるのが6歳児って……地球の日本で言えばまだ小学1年生だよ?
「ふふふ」
まぁ! そんなところが気に入ったんだけど!!
その覚悟、大いに結構っ!
「わかった」
そうと決まれば、2人を眷属にする前に一応説明して、転生後の希望を聞かないと。
『悪魔ちゃん……』
ち、違う!
これは決して、説明するのを忘れてたとか。
面倒だったから後回しにしてたとかじゃ無い! それは断じて違うからなっ!!
『……』
と、とにかく! 2人に説明しないと。
「こほん、私は魔を司る存在。
だから2人の転生先の種族にもその影響が強く出る」
「それはそうでしょうね」
「覚悟の上です」
ほらっ! やっぱり年齢詐欺の2人なら察してると思ってた!
うんうん、やっぱり一々説明しなくてもよかったじゃん。
ふふん! どうよ? 一応説明はするけど、私の選択は間違ってなかったでしょ?
『と言う事は、面倒だから説明を後回しにしてたって認めるんだね?』
……
「私の眷属になる事でどんな種族に転生するのかは、2人の素質に左右される。
これには私も干渉できないから完全に2人次第」
『うわぁ、あからさまに誤魔化した』
何か外野が煩いけど、気にしたら負けだ。
「でも、リリィーのように炎の属性とか大まかに方向性を決める事は出来る。
だから得意な魔法属性とか、希望があれば聞いておく」
「そうですね……では、魔のイメージとは相反しますが、私の得意な属性は光です」
「私は雷です」
「ん、わかった」
セラフィルは光で、アリシアは雷ね。
流石はクズとアバズレとは言え勇者と聖女の息子と、世界に名を知らしめる程の大貴族の娘。
希少属性と、上位属性とは。
「あの、1つだけお聞きしてもよろしいですか?」
「何?」
ふふん! アリシアよ、何でも聞きたまえ!!
そして私の事もリリィーと同じようにレフィーお姉様と呼ぶのだ!!
「その……精神生命体というものになれば、寿命が無くなるとの事でしたが。
それは、老化も止まると言う事なのでしょうか?」
「そう。
精神生命体は肉体に囚われない、よって老いる事もない」
「それはつまり、その……せ、成長も6歳のまま止まってしまうと言う事なのですか?」
あぁ、なるほど。
肉体の老化云々じゃなくて、アリシアが聞きたいのは身体の成長の有無か。
まぁ、永遠の6歳児、永遠のお子様ボディは嫌だもんね。
「心配ない。
長命種であるエルフとかと一緒で、その者の身体能力が最も高い状態。
15歳から20歳前後までは成長して、その後の老化が止まるだけ」
そう! つまりは、基本的に不老不死の精神生命体でも受肉して半精神生命体の状態なら、ちゃんと人間で言う成人の状態までは勝手に成長するのだ。
つまり! 私もまだまだ成長するハズっ!!
『悪魔ちゃん……うん、そうだよね。
希望を捨てたらダメだよ』
その憐れむような声をやめろ!!
わ、私はまだセラフィル達と同じく6歳児だもん。
きっと、まだまだ成長するハズなのだっ!!
はい! もう、この話は終わり! 今はそれよりも2人の眷属化だ。
「他に質問は?」
「私は何も」
「私も、もう何もありません」
よろしい!
じゃあ、説明も済んだ事ですし……
「準備はいい?」
「ふぅ……はい」
「いつでも」
じゃあ早速!
「セラフィル・エル・アルタイル。
アリシア・ヘルヴィール。
2人にはそれぞれセラフィルとアリシアの名を与える」
「「?」」
あっ、また真名の説明するの忘れてたわ。
「セラフィル・エル・アルタイルじゃ無くてセラフィル。
アリシア・ヘルヴィールじゃ無くてアリシア。
それがこれからの2人の真名であり、本当の名前」
これでよし!
真名も与えたし、これで準備は整った!!
「ふふ……さぁ、2人とも私の眷属になれ!!」
それに、貴女は欲しいものは必ず手に入れるんですよね?」
苦笑いを浮かべながらも、その目は真剣で歴とした覚悟がある。
うん、やっぱり6歳児のする顔じゃ無いわ。
とは言え、セラフィルの答えはわかった。
「ふむ、アリシアは?」
「はい、今後過去に過ちを犯したにも関わらず我が物顔で権力の座に居座っているお父様やお母様。
他の方々を罪に問うには、相応の力が必要になります。
私もセラフィル様と同様に覚悟はできております」
おおぅ、セラフィルだけじゃ無くてアリシアも自分の両親を罪人として捌く事に。
そして、人間をやめて私の眷属になる事にガチな覚悟を決めてるんですけど……
いやまぁ、選択と覚悟を迫ったのは私だけどさ。
普通はもっと迷ったり葛藤したりするもんじゃ無いの?
多分だけど、大の大人であっても2人みたいに迷いなく答える事なんてできないと思うんだけど……
『でも、リリィーの場合は即答どころか喜んでたよね?』
リリィーは色々と例外。
それに、その覚悟をしてるのが6歳児って……地球の日本で言えばまだ小学1年生だよ?
「ふふふ」
まぁ! そんなところが気に入ったんだけど!!
その覚悟、大いに結構っ!
「わかった」
そうと決まれば、2人を眷属にする前に一応説明して、転生後の希望を聞かないと。
『悪魔ちゃん……』
ち、違う!
これは決して、説明するのを忘れてたとか。
面倒だったから後回しにしてたとかじゃ無い! それは断じて違うからなっ!!
『……』
と、とにかく! 2人に説明しないと。
「こほん、私は魔を司る存在。
だから2人の転生先の種族にもその影響が強く出る」
「それはそうでしょうね」
「覚悟の上です」
ほらっ! やっぱり年齢詐欺の2人なら察してると思ってた!
うんうん、やっぱり一々説明しなくてもよかったじゃん。
ふふん! どうよ? 一応説明はするけど、私の選択は間違ってなかったでしょ?
『と言う事は、面倒だから説明を後回しにしてたって認めるんだね?』
……
「私の眷属になる事でどんな種族に転生するのかは、2人の素質に左右される。
これには私も干渉できないから完全に2人次第」
『うわぁ、あからさまに誤魔化した』
何か外野が煩いけど、気にしたら負けだ。
「でも、リリィーのように炎の属性とか大まかに方向性を決める事は出来る。
だから得意な魔法属性とか、希望があれば聞いておく」
「そうですね……では、魔のイメージとは相反しますが、私の得意な属性は光です」
「私は雷です」
「ん、わかった」
セラフィルは光で、アリシアは雷ね。
流石はクズとアバズレとは言え勇者と聖女の息子と、世界に名を知らしめる程の大貴族の娘。
希少属性と、上位属性とは。
「あの、1つだけお聞きしてもよろしいですか?」
「何?」
ふふん! アリシアよ、何でも聞きたまえ!!
そして私の事もリリィーと同じようにレフィーお姉様と呼ぶのだ!!
「その……精神生命体というものになれば、寿命が無くなるとの事でしたが。
それは、老化も止まると言う事なのでしょうか?」
「そう。
精神生命体は肉体に囚われない、よって老いる事もない」
「それはつまり、その……せ、成長も6歳のまま止まってしまうと言う事なのですか?」
あぁ、なるほど。
肉体の老化云々じゃなくて、アリシアが聞きたいのは身体の成長の有無か。
まぁ、永遠の6歳児、永遠のお子様ボディは嫌だもんね。
「心配ない。
長命種であるエルフとかと一緒で、その者の身体能力が最も高い状態。
15歳から20歳前後までは成長して、その後の老化が止まるだけ」
そう! つまりは、基本的に不老不死の精神生命体でも受肉して半精神生命体の状態なら、ちゃんと人間で言う成人の状態までは勝手に成長するのだ。
つまり! 私もまだまだ成長するハズっ!!
『悪魔ちゃん……うん、そうだよね。
希望を捨てたらダメだよ』
その憐れむような声をやめろ!!
わ、私はまだセラフィル達と同じく6歳児だもん。
きっと、まだまだ成長するハズなのだっ!!
はい! もう、この話は終わり! 今はそれよりも2人の眷属化だ。
「他に質問は?」
「私は何も」
「私も、もう何もありません」
よろしい!
じゃあ、説明も済んだ事ですし……
「準備はいい?」
「ふぅ……はい」
「いつでも」
じゃあ早速!
「セラフィル・エル・アルタイル。
アリシア・ヘルヴィール。
2人にはそれぞれセラフィルとアリシアの名を与える」
「「?」」
あっ、また真名の説明するの忘れてたわ。
「セラフィル・エル・アルタイルじゃ無くてセラフィル。
アリシア・ヘルヴィールじゃ無くてアリシア。
それがこれからの2人の真名であり、本当の名前」
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