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第16章 若き探求者編
288話 どういう状況??
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「感想……の前に、2つお聞きしてもよろしいですか?」
「何?」
「まず1つはあの時、6年前に公開処刑された。
貴女たち悪魔族が生まれる要因となり、本来の名前を抹消され、悪魔と呼ばれた公爵令嬢……あの方は貴女なのですか?」
ふむ、まぁセラフィルとアリシアに過去に行われた私の公開処刑における真実を教えたわけだし。
今更、そこだけ隠す必要も無いな。
「ん、その通り」
「やはり……」
「っ!」
神妙な顔で納得するセラフィルはもちろん。
顔を歪めて息を呑んでるアリシアもそこまで驚いた様子もないし、やっぱり私が公開処刑された公爵令嬢だって分かってたみたいだな。
まぁ、色彩は違ってるけど、幼児化してる程度で容姿は公爵令嬢だった時と殆ど変わってないし。
2人が気付くのも当然っていえば当然何だけど……本当に2人とも6歳児っぽくないわ。
「何故……」
何故、ね。
アリシアが思わずそうこぼしてしまう気持ちはわかる。
セラフィルだって気になってるだろうし。
けど……それを聞いちゃうかぁ。
いやまぁ、別に良いんだけどね?
セラフィルはデリケートな問題だから黙ってたみたいだけど……問題はそこじゃ無い。
問題なのは、口頭での説明はもちろん。
記憶の付与でもまた気絶される可能性があるから、説明すると長くなるって事!!
さて、どうするかなぁ……う~ん、仕方ない、掻い摘んで説明するか。
「全てに絶望した。
全てを……勇者を、聖女を、国王を、王族を、貴族共を、神も。
世界そのものを憎悪して誓った。
世界が私を悪魔と呼ぶなら、悪魔になって復讐すると」
「っ!」
私の端的かつ短くてわかりやすい説明を聞いてセラフィルが固唾を呑み、アリシアが……
「ちっ、違います!
そうでは無くて! 何故、貴女はアレだけの! アレほどの仕打ちをされて平然としていられるのですかっ!?」
えっ、何故って、何で私が悪魔になったかじゃ無かったの?
えぇ、せっかくわかりやすい説明をしたのに……
『いや、説明してるようで何も説明して無いよね?』
う、うう煩いぞ! このKYなバカめ!!
けど、何で平然としてられるのか、かぁ……まぁ、確かに狂って発狂してもおかしくないし。
事実、拷問の途中からは何も感じなくなったから狂ってたんだろうけど……
「すっ、すみません。
取り乱しました」
「別に良い。
ハッキリとはわからないけど、しいて言えば絶望が全て憎悪に変わったから? だと思う」
あとは地球自体の記憶が蘇った事と。
悪魔に転生したからかな?
精神生命体である悪魔族はただでさえ精神の耐性が高いし、私の場合は精神耐性の耐性スキルを持ってるし。
「そう、ですか……ありがとうございます」
「ん、それで2つ目は?」
「私達が見たアレは……アレは全て事実なのでしょうか?」
まぁ、いかに2人が聡明で早熟とは言え、2人にしてみれば六英雄は両親と英雄なわけだし。
悪魔である私に突然あの光景を見せられて、すんなりと受け入れられないか。
「事実」
「「っ!!」」
「拷問され、凌辱され。
仕えてくれた使用人も、私の味方をしてくれた友も、家族も。
大切な人達が皆殺しにされた」
あの時見た光景。
私に見せるために、貶めるために晒された苦痛に歪んだ表情の皆んなの首。
そして、それを見て嘲笑うゴミ屑共……
「あの瞬間の私の目に、脳裏に、魂に刻んだ光景。
私の魂に誓って一切の嘘偽りない、私の視点から見た6年前の事実」
勇者も聖女も。
「「っ……!?」」
「これは……お嬢様!」
「っ! まずいですよ!!」
私利私欲に染まった貴族共も。
「確かセラフィルとアリシアと言いましたね。
君達、絶対に私の後ろから動かないように」
「は、はい……助かりました。
ありがとうございます」
「あの、これは一体……」
「レフィーから殺気と魔素が漏れ出てるんです。
流石に今私の結界から出ると、君達は即死すると思うのでジッとしていてくださいね」
「「っ! わ、わかりました」」
「ふふ、いい子です。
さて……レフィー、落ち着いて! その殺気と魔素を抑えてください!」
クズ共のする事を許して、傍観するだけで何もしない女神も……
「っ……おいおいレオンくん?」
「何だ? ハーレム主人公」
「てめっ! ふざけてる場合じゃないだろ!!」
「クックック、余裕あるじゃねぇか」
「気を抜くなよ」
「あぁ、ファルニクス殿やお嬢の配下と違って俺達じゃあ完全にこの圧を防ぐ事は出来ねぇからな」
「ったく、俺とお前の2人で結界を展開してるのにこのザマだからな」
「お前の女と、俺の嫁と娘達。
クックック、全員が意識を保ってる時点で頑張ってる方だと思うけどな……
ショウ、気を抜くなよ」
「はっ! 誰に言ってる!」
全員許さない。
全員に報いを。
私の復讐を邪魔する奴らは神だろうと誰だろうと関係ない。
「このままでは表層のお城が持ちません!」
「リリィー、落ち着いて。
グラン、ミリア!」
「了解!」
「わかっています。
この部屋を隔離します! 各自、隔離結界を展開してください」
「許さない」
全員、絶対に許さない。
こんなクソみたいな世界ごと、クズ共を全員まとめて消し去って……
「レフィーお嬢様」
「ん? 誰……」
「ふふふ、大丈夫です。
ゆっくりと深呼吸をしてください、皆さん驚いていらっしゃいますよ」
「シル、ヴィア?」
何これ? どういう状況??
確かにちょっと当時の事を鮮明に思い出して全員を今すぐぶっ殺してやりたい程にイラッときたけど……何で後ろからシルヴィアに抱きしめられてるの?
「何?」
「まず1つはあの時、6年前に公開処刑された。
貴女たち悪魔族が生まれる要因となり、本来の名前を抹消され、悪魔と呼ばれた公爵令嬢……あの方は貴女なのですか?」
ふむ、まぁセラフィルとアリシアに過去に行われた私の公開処刑における真実を教えたわけだし。
今更、そこだけ隠す必要も無いな。
「ん、その通り」
「やはり……」
「っ!」
神妙な顔で納得するセラフィルはもちろん。
顔を歪めて息を呑んでるアリシアもそこまで驚いた様子もないし、やっぱり私が公開処刑された公爵令嬢だって分かってたみたいだな。
まぁ、色彩は違ってるけど、幼児化してる程度で容姿は公爵令嬢だった時と殆ど変わってないし。
2人が気付くのも当然っていえば当然何だけど……本当に2人とも6歳児っぽくないわ。
「何故……」
何故、ね。
アリシアが思わずそうこぼしてしまう気持ちはわかる。
セラフィルだって気になってるだろうし。
けど……それを聞いちゃうかぁ。
いやまぁ、別に良いんだけどね?
セラフィルはデリケートな問題だから黙ってたみたいだけど……問題はそこじゃ無い。
問題なのは、口頭での説明はもちろん。
記憶の付与でもまた気絶される可能性があるから、説明すると長くなるって事!!
さて、どうするかなぁ……う~ん、仕方ない、掻い摘んで説明するか。
「全てに絶望した。
全てを……勇者を、聖女を、国王を、王族を、貴族共を、神も。
世界そのものを憎悪して誓った。
世界が私を悪魔と呼ぶなら、悪魔になって復讐すると」
「っ!」
私の端的かつ短くてわかりやすい説明を聞いてセラフィルが固唾を呑み、アリシアが……
「ちっ、違います!
そうでは無くて! 何故、貴女はアレだけの! アレほどの仕打ちをされて平然としていられるのですかっ!?」
えっ、何故って、何で私が悪魔になったかじゃ無かったの?
えぇ、せっかくわかりやすい説明をしたのに……
『いや、説明してるようで何も説明して無いよね?』
う、うう煩いぞ! このKYなバカめ!!
けど、何で平然としてられるのか、かぁ……まぁ、確かに狂って発狂してもおかしくないし。
事実、拷問の途中からは何も感じなくなったから狂ってたんだろうけど……
「すっ、すみません。
取り乱しました」
「別に良い。
ハッキリとはわからないけど、しいて言えば絶望が全て憎悪に変わったから? だと思う」
あとは地球自体の記憶が蘇った事と。
悪魔に転生したからかな?
精神生命体である悪魔族はただでさえ精神の耐性が高いし、私の場合は精神耐性の耐性スキルを持ってるし。
「そう、ですか……ありがとうございます」
「ん、それで2つ目は?」
「私達が見たアレは……アレは全て事実なのでしょうか?」
まぁ、いかに2人が聡明で早熟とは言え、2人にしてみれば六英雄は両親と英雄なわけだし。
悪魔である私に突然あの光景を見せられて、すんなりと受け入れられないか。
「事実」
「「っ!!」」
「拷問され、凌辱され。
仕えてくれた使用人も、私の味方をしてくれた友も、家族も。
大切な人達が皆殺しにされた」
あの時見た光景。
私に見せるために、貶めるために晒された苦痛に歪んだ表情の皆んなの首。
そして、それを見て嘲笑うゴミ屑共……
「あの瞬間の私の目に、脳裏に、魂に刻んだ光景。
私の魂に誓って一切の嘘偽りない、私の視点から見た6年前の事実」
勇者も聖女も。
「「っ……!?」」
「これは……お嬢様!」
「っ! まずいですよ!!」
私利私欲に染まった貴族共も。
「確かセラフィルとアリシアと言いましたね。
君達、絶対に私の後ろから動かないように」
「は、はい……助かりました。
ありがとうございます」
「あの、これは一体……」
「レフィーから殺気と魔素が漏れ出てるんです。
流石に今私の結界から出ると、君達は即死すると思うのでジッとしていてくださいね」
「「っ! わ、わかりました」」
「ふふ、いい子です。
さて……レフィー、落ち着いて! その殺気と魔素を抑えてください!」
クズ共のする事を許して、傍観するだけで何もしない女神も……
「っ……おいおいレオンくん?」
「何だ? ハーレム主人公」
「てめっ! ふざけてる場合じゃないだろ!!」
「クックック、余裕あるじゃねぇか」
「気を抜くなよ」
「あぁ、ファルニクス殿やお嬢の配下と違って俺達じゃあ完全にこの圧を防ぐ事は出来ねぇからな」
「ったく、俺とお前の2人で結界を展開してるのにこのザマだからな」
「お前の女と、俺の嫁と娘達。
クックック、全員が意識を保ってる時点で頑張ってる方だと思うけどな……
ショウ、気を抜くなよ」
「はっ! 誰に言ってる!」
全員許さない。
全員に報いを。
私の復讐を邪魔する奴らは神だろうと誰だろうと関係ない。
「このままでは表層のお城が持ちません!」
「リリィー、落ち着いて。
グラン、ミリア!」
「了解!」
「わかっています。
この部屋を隔離します! 各自、隔離結界を展開してください」
「許さない」
全員、絶対に許さない。
こんなクソみたいな世界ごと、クズ共を全員まとめて消し去って……
「レフィーお嬢様」
「ん? 誰……」
「ふふふ、大丈夫です。
ゆっくりと深呼吸をしてください、皆さん驚いていらっしゃいますよ」
「シル、ヴィア?」
何これ? どういう状況??
確かにちょっと当時の事を鮮明に思い出して全員を今すぐぶっ殺してやりたい程にイラッときたけど……何で後ろからシルヴィアに抱きしめられてるの?
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