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第16章 若き探求者編
282話 再会しました!
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『それで?』
『『っ!?』』
僅かに解き放った魔素を荒げ。
レオンがセラフィルとアリシアを軽く威圧するようにスゥッと目を細める。
『先触れも無く、何の用だ?』
うん、まぁレオンも六英雄に対をなす六魔王が一柱なわけだし。
玉座にふんぞり帰って威圧する姿はまさしく覇王、百獣の王に相応しいと思うよ?
「けど……」
ぷぷっ!
それ、さっきレオン達に私がやった事のまんま。
私の真似じゃんか!
まぁ、超絶カッコよくて威厳溢れる私の真似をしたくなる気持ちはわかるよ?
わかるけど……
「レオン」
このシリアスな場面で、やってる事が私の真似って……ねぇ?
「どうしたのですか?」
「レフィー様?」
まぁ、いいや。
今は口出しするのはやめておこう。
あっ、でも……ふふふ、お嫁さんと娘さん達にも教えてあげて、後で直接揶揄ってやろう!
『わ、私はセラフィル・エル・アルタイル、こちらは婚約者のアリシア・ヘルヴィール。
私達は獣魔王レオン、貴方に聞きたい事があって来ました』
『聞きたい事、ね』
『6年前にアルタイル王国で行われた断罪の真実。
そして、貴方と同じ魔王が一柱である魔神について、貴方が知っている事を教えていただきたい!!』
『またソレかよ』
レオン、愚痴が漏れてるぞ。
小声でボソッと呟いただけだからセラフィル達には聞こえてないとは言え、せっかくの魔王としての仮面が剥がれちゃってるじゃん。
まぁ、ネフェリル帝国皇帝ショウに引き続きだし、その気持ちはわかるけど。
『勇者ノアールと、聖女リナの子供である私は……私だけは事実を知らなくてならないのです』
『フィル様……わ、私も!
私もフィル様の婚約者として。
フィル様と共に歩む者として、事実を知らなければなりません!』
『それだけのために、護衛も連れずにここへ来たと?』
『『そうです!』』
いやぁ、セラフィルもアリシアも若いねぇ。
『なに言ってんの。
悪魔ちゃんも同い年でしょ』
うるせぇ! 身体的には……悪魔族は受肉しないと本来肉体を持たない精神生命体だから身体的にはって表現は違うかな?
まぁ、とにかく! 精神的には私はもう成人してる立派な大人です~!!
『クックック! 良いねぇ、そのバカで無謀なところは嫌いじゃねぇ』
『『……』』
あ~あ、いきなり威圧を解いたレオンの素を見て、セラフィルとアリシアがポカンとしちゃってるじゃん。
『確かに俺は6年前にアルタイル王国で起こった事も、魔神の事も知ってるが。
残念ながら俺から全てを教えるわけにはいかねぇ』
『な、なぜ……』
『と言うより、俺はソレを他人に話す事ができねぇんだわ』
『話す事が、できない?』
『そ、それはどう言う……?』
『だが……ガキンチョ共、テメェらは運が良い。
今この城には適任者、全てを知るヤツがいるからな』
ふむ、まぁ仕方ないな。
本当はここでモフモフを堪能しながら高みの見物と洒落込みたかったんだけど。
「ふふ……」
『っ!?』
『だ、誰っ!?』
『まぁ、そう身構えるな。
良かったな、どうやらテメェらは合格らしいぞ』
「レオン、うるさい」
『ったく、お嬢、俺に対する当たりが強くねぇか?』
それは仕方ない。
許してやったとは言え、私を蔑ろにしてショウを優先した事実は無くならないのだから!
っとまぁ、それはさておき……
「セラフィル・エル・アルタイル第一王子。
そして婚約者であるアリシア・ヘルヴィール公爵令嬢」
『フィ、フィル様!』
『うん、この声は……』
『クックック! 来るぞ、ガキンチョ共』
さぁ! 再会といこうか!!
「ふふふ、久しぶりだね。
私の名前はレフィー、セラフィル王子達が知りたがっている……魔神だよ」
『『っ!?』』
僅かに解き放った魔素を荒げ。
レオンがセラフィルとアリシアを軽く威圧するようにスゥッと目を細める。
『先触れも無く、何の用だ?』
うん、まぁレオンも六英雄に対をなす六魔王が一柱なわけだし。
玉座にふんぞり帰って威圧する姿はまさしく覇王、百獣の王に相応しいと思うよ?
「けど……」
ぷぷっ!
それ、さっきレオン達に私がやった事のまんま。
私の真似じゃんか!
まぁ、超絶カッコよくて威厳溢れる私の真似をしたくなる気持ちはわかるよ?
わかるけど……
「レオン」
このシリアスな場面で、やってる事が私の真似って……ねぇ?
「どうしたのですか?」
「レフィー様?」
まぁ、いいや。
今は口出しするのはやめておこう。
あっ、でも……ふふふ、お嫁さんと娘さん達にも教えてあげて、後で直接揶揄ってやろう!
『わ、私はセラフィル・エル・アルタイル、こちらは婚約者のアリシア・ヘルヴィール。
私達は獣魔王レオン、貴方に聞きたい事があって来ました』
『聞きたい事、ね』
『6年前にアルタイル王国で行われた断罪の真実。
そして、貴方と同じ魔王が一柱である魔神について、貴方が知っている事を教えていただきたい!!』
『またソレかよ』
レオン、愚痴が漏れてるぞ。
小声でボソッと呟いただけだからセラフィル達には聞こえてないとは言え、せっかくの魔王としての仮面が剥がれちゃってるじゃん。
まぁ、ネフェリル帝国皇帝ショウに引き続きだし、その気持ちはわかるけど。
『勇者ノアールと、聖女リナの子供である私は……私だけは事実を知らなくてならないのです』
『フィル様……わ、私も!
私もフィル様の婚約者として。
フィル様と共に歩む者として、事実を知らなければなりません!』
『それだけのために、護衛も連れずにここへ来たと?』
『『そうです!』』
いやぁ、セラフィルもアリシアも若いねぇ。
『なに言ってんの。
悪魔ちゃんも同い年でしょ』
うるせぇ! 身体的には……悪魔族は受肉しないと本来肉体を持たない精神生命体だから身体的にはって表現は違うかな?
まぁ、とにかく! 精神的には私はもう成人してる立派な大人です~!!
『クックック! 良いねぇ、そのバカで無謀なところは嫌いじゃねぇ』
『『……』』
あ~あ、いきなり威圧を解いたレオンの素を見て、セラフィルとアリシアがポカンとしちゃってるじゃん。
『確かに俺は6年前にアルタイル王国で起こった事も、魔神の事も知ってるが。
残念ながら俺から全てを教えるわけにはいかねぇ』
『な、なぜ……』
『と言うより、俺はソレを他人に話す事ができねぇんだわ』
『話す事が、できない?』
『そ、それはどう言う……?』
『だが……ガキンチョ共、テメェらは運が良い。
今この城には適任者、全てを知るヤツがいるからな』
ふむ、まぁ仕方ないな。
本当はここでモフモフを堪能しながら高みの見物と洒落込みたかったんだけど。
「ふふ……」
『っ!?』
『だ、誰っ!?』
『まぁ、そう身構えるな。
良かったな、どうやらテメェらは合格らしいぞ』
「レオン、うるさい」
『ったく、お嬢、俺に対する当たりが強くねぇか?』
それは仕方ない。
許してやったとは言え、私を蔑ろにしてショウを優先した事実は無くならないのだから!
っとまぁ、それはさておき……
「セラフィル・エル・アルタイル第一王子。
そして婚約者であるアリシア・ヘルヴィール公爵令嬢」
『フィ、フィル様!』
『うん、この声は……』
『クックック! 来るぞ、ガキンチョ共』
さぁ! 再会といこうか!!
「ふふふ、久しぶりだね。
私の名前はレフィー、セラフィル王子達が知りたがっている……魔神だよ」
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