256 / 436
第14章 悪魔姫の復讐・姫騎士編
256話 VSアーク その2
しおりを挟む
ギイィィィン!!
開始の合図とともに、激しい金属音が鳴り響く。
まぁ、私が斬りかかって来たアークの剣を魔刀で受け止めただけだけど。
お、おぉぉ──!!
「……」
び、びっくりしたぁ……いや! 本当にちょっとだけ、地味~にだけどな!
『そんなに必死に言い訳しなくても、表情は微動だにしてないから誰にも気付かれて無いよ』
「む」
そうだった。
言われてみれば、私の表情筋は死滅してたわ。
それにしても、この会場全体がどよめくような人間共の声は何? びっくりしたんですけど!?
「あの……いや、俺の一撃なんて、こうして当然のように受け止められるのはわかってましたけど。
さっきまで何も持って無かったですよね?」
あっ、なるほど、そう言う事か。
アークの初撃を何でもないみたいに、当然のように受け止めたから観客の人間共がどよめいてるのか。
まぁ、確かに一回戦では初撃で決着がついてたし。
二回戦の優勝候補だったモラールも、何とかギリッギリでかわすのがやっと。
切り返しの二撃、三撃と何とか捌いてはいたけど結局はアークの連撃を捌ききれずに負けてたからな。
人間共からみればAランク冒険者の私に対して、アークはSランク冒険者。
優勝候補ですら何とか避けるのがやっとなアークの初撃を、アークよりも見るからに弱そうな私が真正面から受け止めた事に驚愕したわけね。
「ふふ……」
まぁ? 私の力の一端すら感じ取る事ができない脆弱で矮小な人間共だし?
私がアーク如きよりも弱く見えちゃうのは仕方ないのかもしれないけど……私も随分とナメられたもんだわ。
「っ!!」
おっと、これは失礼。
私とした事がついつい、ちょっとだけイラッとして苛立ちが漏れ出ちゃった。
「これは魔刀。
私の魔力を具現化した刀」
尤も、何の属性も付与してない正真正銘、ただ魔力でできただけの普通の刀だけど。
「魔刀……ですか。
まさかたった一撃受け止められただけで、こっちの剣が欠けてしまうとは……」
魔刀の強度と切れ味は私の魔力の量と質によって決まる!
ふっふっふ! 断言しよう、我が魔刀は人間風情が造った剣を凌駕すると!!
「さぁ、来い。
変態アーク」
「イヤだから勘違いですって!!」
ふむ、確かに鋭い斬り込みだけど……私には通じない!
それに……むふふ! 何が勘違いだ。
私の胸を借りるとか口走っておきながら! この変態ロリコン野郎めっ!!
「雷鳴剣っ!」
「それで、ターニャ達は?」
「っ! こっちは既に全力だってのに……余裕そうですねっ!!」
まっ、いかにアークが強かろうと、所詮は人間の中ではの話だからな。
今のアークの実力はガスターよりも低いし。
そんな事よりも……私の質問を無視するとはいい度胸じゃんか!
「ターニャ達は?」
「ターニャなら今頃、宿で寝てますよっ!」
寝てる? 何で?
と言うか、アークは聖位闘技大会に参加してるのに何でターニャ達、他のメンバーは参加してないんだろ?
いや、待てよ! 宿……ホテルで寝てるって事はまさか……
「昨日はターニャとお楽しみ?」
「違いますよっ!?
連日、師匠とマリアナ様の晩酌に付き合わされて酔い潰れてるだけですからっ!!」
な~んだ、つまんない。
けどまぁ、アークの身体きはターニャの魔力の残滓があるし。
むふふ! 2人がそう言う関係なのは間違いないみたい!!
「そう言う事にしといてあげる。
他のメンバーは?」
「他の皆んなならっ! アクムス王国の迷宮にっ! 向かいましたよっ!!」
まぁ、アーク達は冒険者だしな。
それはわかるけど、なんで別行動?
「俺とターニャだけっ! 大会初日にいきなりマリアナ様の転移魔法で拉致られたんですっ!!」
アイツ、制限があるのにそんな事してんのか……
なるほどね、だからアークはシードじゃ無かったわけか。
さてと…… 今までアークと何合も打ち合ってたわけだけど、アークの今の実力とか知りたい事も知れたし!
「残念。
まだ遊び相手には物足りない」
そろそろ、この試合を終わらせよう。
「っ!!」
アークの持っていた剣の刀身が砕け散る。
目を見開いて息を呑むアークの首筋に魔刀を据えて……
「まだ、やる?」
「……ははは、参りました」
『け、決着~っ!!
筆舌に尽くし難い凄まじい剣戟! 凄まじい攻防を制したのは……闘技場に舞い降りは可憐な純白の天使!
レフィー選手がSランク冒険者のアークを下して準々決勝進出を決めましたっ!!』
開始の合図とともに、激しい金属音が鳴り響く。
まぁ、私が斬りかかって来たアークの剣を魔刀で受け止めただけだけど。
お、おぉぉ──!!
「……」
び、びっくりしたぁ……いや! 本当にちょっとだけ、地味~にだけどな!
『そんなに必死に言い訳しなくても、表情は微動だにしてないから誰にも気付かれて無いよ』
「む」
そうだった。
言われてみれば、私の表情筋は死滅してたわ。
それにしても、この会場全体がどよめくような人間共の声は何? びっくりしたんですけど!?
「あの……いや、俺の一撃なんて、こうして当然のように受け止められるのはわかってましたけど。
さっきまで何も持って無かったですよね?」
あっ、なるほど、そう言う事か。
アークの初撃を何でもないみたいに、当然のように受け止めたから観客の人間共がどよめいてるのか。
まぁ、確かに一回戦では初撃で決着がついてたし。
二回戦の優勝候補だったモラールも、何とかギリッギリでかわすのがやっと。
切り返しの二撃、三撃と何とか捌いてはいたけど結局はアークの連撃を捌ききれずに負けてたからな。
人間共からみればAランク冒険者の私に対して、アークはSランク冒険者。
優勝候補ですら何とか避けるのがやっとなアークの初撃を、アークよりも見るからに弱そうな私が真正面から受け止めた事に驚愕したわけね。
「ふふ……」
まぁ? 私の力の一端すら感じ取る事ができない脆弱で矮小な人間共だし?
私がアーク如きよりも弱く見えちゃうのは仕方ないのかもしれないけど……私も随分とナメられたもんだわ。
「っ!!」
おっと、これは失礼。
私とした事がついつい、ちょっとだけイラッとして苛立ちが漏れ出ちゃった。
「これは魔刀。
私の魔力を具現化した刀」
尤も、何の属性も付与してない正真正銘、ただ魔力でできただけの普通の刀だけど。
「魔刀……ですか。
まさかたった一撃受け止められただけで、こっちの剣が欠けてしまうとは……」
魔刀の強度と切れ味は私の魔力の量と質によって決まる!
ふっふっふ! 断言しよう、我が魔刀は人間風情が造った剣を凌駕すると!!
「さぁ、来い。
変態アーク」
「イヤだから勘違いですって!!」
ふむ、確かに鋭い斬り込みだけど……私には通じない!
それに……むふふ! 何が勘違いだ。
私の胸を借りるとか口走っておきながら! この変態ロリコン野郎めっ!!
「雷鳴剣っ!」
「それで、ターニャ達は?」
「っ! こっちは既に全力だってのに……余裕そうですねっ!!」
まっ、いかにアークが強かろうと、所詮は人間の中ではの話だからな。
今のアークの実力はガスターよりも低いし。
そんな事よりも……私の質問を無視するとはいい度胸じゃんか!
「ターニャ達は?」
「ターニャなら今頃、宿で寝てますよっ!」
寝てる? 何で?
と言うか、アークは聖位闘技大会に参加してるのに何でターニャ達、他のメンバーは参加してないんだろ?
いや、待てよ! 宿……ホテルで寝てるって事はまさか……
「昨日はターニャとお楽しみ?」
「違いますよっ!?
連日、師匠とマリアナ様の晩酌に付き合わされて酔い潰れてるだけですからっ!!」
な~んだ、つまんない。
けどまぁ、アークの身体きはターニャの魔力の残滓があるし。
むふふ! 2人がそう言う関係なのは間違いないみたい!!
「そう言う事にしといてあげる。
他のメンバーは?」
「他の皆んなならっ! アクムス王国の迷宮にっ! 向かいましたよっ!!」
まぁ、アーク達は冒険者だしな。
それはわかるけど、なんで別行動?
「俺とターニャだけっ! 大会初日にいきなりマリアナ様の転移魔法で拉致られたんですっ!!」
アイツ、制限があるのにそんな事してんのか……
なるほどね、だからアークはシードじゃ無かったわけか。
さてと…… 今までアークと何合も打ち合ってたわけだけど、アークの今の実力とか知りたい事も知れたし!
「残念。
まだ遊び相手には物足りない」
そろそろ、この試合を終わらせよう。
「っ!!」
アークの持っていた剣の刀身が砕け散る。
目を見開いて息を呑むアークの首筋に魔刀を据えて……
「まだ、やる?」
「……ははは、参りました」
『け、決着~っ!!
筆舌に尽くし難い凄まじい剣戟! 凄まじい攻防を制したのは……闘技場に舞い降りは可憐な純白の天使!
レフィー選手がSランク冒険者のアークを下して準々決勝進出を決めましたっ!!』
10
お気に入りに追加
760
あなたにおすすめの小説
「お前のような役立たずは不要だ」と追放された三男の前世は世界最強の賢者でした~今世ではダラダラ生きたいのでスローライフを送ります~
平山和人
ファンタジー
主人公のアベルは転生者だ。一度目の人生は剣聖、二度目は賢者として活躍していた。
三度目の人生はのんびり過ごしたいため、アベルは今までの人生で得たスキルを封印し、貴族として生きることにした。
そして、15歳の誕生日でスキル鑑定によって何のスキルも持ってないためアベルは追放されることになった。
アベルは追放された土地でスローライフを楽しもうとするが、そこは凶悪な魔物が跋扈する魔境であった。
襲い掛かってくる魔物を討伐したことでアベルの実力が明らかになると、領民たちはアベルを救世主と崇め、貴族たちはアベルを取り戻そうと追いかけてくる。
果たしてアベルは夢であるスローライフを送ることが出来るのだろうか。
転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。
システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。
大国 鹿児
ファンタジー
輪廻転生のシステムのバグで輪廻の輪から外れちゃった!
でも神様から便利なチートグッズ(笑)の詰め合わせをもらって、
他の星に転生しました!特に使命も無いなら自由気ままに生きてみよう!
主人公はチート無双するのか!? それともハーレムか!?
はたまた、壮大なファンタジーが始まるのか!?
いえ、実は単なる趣味全開の主人公です。
色々な秘密がだんだん明らかになりますので、ゆっくりとお楽しみください。
*** 作品について ***
この作品は、真面目なチート物ではありません。
コメディーやギャグ要素やネタの多い作品となっております
重厚な世界観や派手な戦闘描写、ざまあ展開などをお求めの方は、
この作品をスルーして下さい。
*カクヨム様,小説家になろう様でも、別PNで先行して投稿しております。
転生先ではゆっくりと生きたい
ひつじ
ファンタジー
勉強を頑張っても、仕事を頑張っても誰からも愛されなかったし必要とされなかった藤田明彦。
事故で死んだ明彦が出会ったのは……
転生先では愛されたいし必要とされたい。明彦改めソラはこの広い空を見ながらゆっくりと生きることを決めた
小説家になろうでも連載中です。
なろうの方が話数が多いです。
https://ncode.syosetu.com/n8964gh/
転生したら神だった。どうすんの?
埼玉ポテチ
ファンタジー
転生した先は何と神様、しかも他の神にお前は神じゃ無いと天界から追放されてしまった。僕はこれからどうすれば良いの?
人間界に落とされた神が天界に戻るのかはたまた、地上でスローライフを送るのか?ちょっと変わった異世界ファンタジーです。
ハズレスキル【収納】のせいで実家を追放されたが、全てを収納できるチートスキルでした。今更土下座してももう遅い
平山和人
ファンタジー
侯爵家の三男であるカイトが成人の儀で授けられたスキルは【収納】であった。アイテムボックスの下位互換だと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。
ダンジョンをさまよい、魔物に襲われ死ぬと思われた時、カイトは【収納】の真の力に気づく。【収納】は魔物や魔法を吸収し、さらには異世界の飲食物を取り寄せることができるチートスキルであったのだ。
かくして自由になったカイトは世界中を自由気ままに旅することになった。一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトに戻ってくるように土下座してくるがもう遅い。
フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ
25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。
目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。
ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。
しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。
ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。
そんな主人公のゆったり成長期!!
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる