付与って最強だと思いませんか? 悪魔と呼ばれて処刑されたら原初の悪魔に転生しました。とりあえず、理想の国を創るついでに復讐しようと思います!

フウ

文字の大きさ
上 下
255 / 436
第14章 悪魔姫の復讐・姫騎士編

255話 VSアーク その1

しおりを挟む
『さぁ!  ついにやって参りました!!
 闘聖位戦、第3回戦が第一試合!』


 おっと、もうそんな時間か。
 せっかくゆっくりとシルヴィアに抱っこされて、寛ぎながら優雅にお菓子をつまんでたのに。

『いや、抱っこされてる時点で優雅でも何でも無いんじゃ……』

 シャラップ~!
 それは気にしたら負けでしょ?
 そもそも、私は例え抱っこされていようが、どんな状況でも優雅なのだよ!

「じゃ、行ってくる」


『その実力はまさに圧倒的!
 第一試合、第二試合共に対戦相手を圧倒して見せたSランクとAランク、両者ともに最高峰の実力を誇る冒険者の衝突だ~っ!!』


 本戦1日目から思ってたけど……マジでこの実況、誰がやってんだろ?


『果たして闘聖位戦の開幕当初、この両者が対峙する公開を誰が想像できたでしょうか?
 しかし!  今はここまでの試合を目撃してきた誰もが両者の衝突を楽しみにしている事でしょう!!
 その小さな身体に秘める圧倒的な実力!  果たしてこの可憐な少女を止める事はできるのかぁ~っ!?』


 身体が小さい、は余計だわ!


『むさ苦しい闘技場に舞い降りし天使!  Aランク冒険者、レフィーっ!!』


 ふっふ~ん!
 どうよ?  一回戦、二回戦と同様に私が闘技場にふわっと優雅に舞い降りただけでこの大歓声!!
 人間共に観られるのは正直、視線が鬱陶しいけど……この優越感に免じて許してやろう!


 ワァァァァッ!!


 むっ……


『そして!  そんな彼女を迎え撃つはこの男!!
 パーティーメンバーである賢者の称号を持つ大魔道士ターニャと共に最年少Sランク冒険者となった、雷帝アークぅ~っ!!』


 アークめぇ、この私よりも大きな歓声を受けやがって!
 イケメンだからか?  クソッタレめ!  死ね!  爆発しろ!  爆散してしまえっ!!

『悪魔ちゃん……陰口がとても悪魔とは思えない程に陳腐で子供っぽいよ』

 うっせぇわ!  黙ってろ!
 アークめ……私の人気を奪うなんて。
 よろしい!  そっちがその気ならやってやろうじゃん!  戦争じゃあっ!!

「あ、あはは……」

 あの、ちょっと困ってる感じの苦笑いも、私から人気を奪ったアークがやってると思うと何か鼻につく。


『流石は優勝候補だった十騎士、氷剣のモラールを倒して見せた男!
 その甘いルックスも相待って、凄まじ人気を誇っているようです!!』


 そう、そいつな!
 氷剣のモラール、優勝候補のくせに何!?  何で二回戦で普通にアークに負けてんの!
 十騎士とか大層な称号があるんだからもっと頑張れよ!!

 モラールがアークに一撃も入れる事ができずに圧倒されたせいで、コイツの人気が爆上がりして私の人気まで喰われてるじゃねぇかっ!!

 何かムカついて来た。
 今日の夜モラールの夢に介入してボコっ……こほん、修行をつけてやろう。
 ふふふ、この私の指導を受けられるなて、感謝するが良い!!

『流石にちょっとモラール君が不憫に思えて来た……』

 そんでもって、アークだけど……むふふ、どう料理してやろう?

「あの……お手柔らかにお願いします」

「やだ」

「あはは……しかし、まさかここで再び貴女と対峙する事になるとは思いませんでしたよ。
 開催式で貴女の姿を見た時は驚きましたが……貴女がこの大会に参加してるって事はやっぱり……?」

「ふふっ」

 ま!  アーク達はガスターとマリアナから私の事を聞いてるからな。
 そりゃあ私の目的がフェリシアだって気づくよね。

「私を止める?」

「ご冗談を。
 俺程度じゃあ貴女には遠く及ばない」

 ふ~ん、もっとバカな主人公タイプかと思ってたけど、案外わかってんじゃん。

「そもそも、これは師匠達の自業自得ですからね。
 俺だって貴女と同じ立場ならそうしますよ」

 なるほどね。
 ガスター達みたいに自分の力を過信してないし、綺麗事ばかりを盲信してるわけでもない。
 仮にもSランクとまで上り詰めただけはあるってわけか。


『それでは!
 闘聖位戦、第3回戦……』


「今日は貴女の胸を借りるつもりで、全力でやらせてもらいますよ」

 えっ?

「……変態」

「ちょ!  何か勘違いしてませんっ!?」


『第一試合!  開始っ!!』
しおりを挟む
感想 22

あなたにおすすめの小説

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

はずれスキル念動力(ただしレベルMAX)で無双する~手をかざすだけです。詠唱とか必殺技とかいりません。念じるだけで倒せます~

さとう
ファンタジー
10歳になると、誰もがもらえるスキル。 キネーシス公爵家の長男、エルクがもらったスキルは『念動力』……ちょっとした物を引き寄せるだけの、はずれスキルだった。 弟のロシュオは『剣聖』、妹のサリッサは『魔聖』とレアなスキルをもらい、エルクの居場所は失われてしまう。そんなある日、後継者を決めるため、ロシュオと決闘をすることになったエルク。だが……その決闘は、エルクを除いた公爵家が仕組んだ『処刑』だった。 偶然の『事故』により、エルクは生死の境をさまよう。死にかけたエルクの魂が向かったのは『生と死の狭間』という不思議な空間で、そこにいた『神様』の気まぐれにより、エルクは自分を鍛えなおすことに。 二千年という長い時間、エルクは『念動力』を鍛えまくる。 現世に戻ったエルクは、十六歳になって目を覚ました。 はずれスキル『念動力』……ただしレベルMAXの力で無双する!!

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生

野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。 普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。 そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。 そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。 そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。 うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。 いずれは王となるのも夢ではないかも!? ◇世界観的に命の価値は軽いです◇ カクヨムでも同タイトルで掲載しています。

荷物持ちだけど最強です、空間魔法でラクラク発明

まったりー
ファンタジー
主人公はダンジョンに向かう冒険者の荷物を持つポーターと言う職業、その職業に必須の収納魔法を持っていないことで悲惨な毎日を過ごしていました。 そんなある時仕事中に前世の記憶がよみがえり、ステータスを確認するとユニークスキルを持っていました。 その中に前世で好きだったゲームに似た空間魔法があり街づくりを始めます、そしてそこから人生が思わぬ方向に変わります。

パーティーを追放されるどころか殺されかけたので、俺はあらゆる物をスキルに変える能力でやり返す

名無し
ファンタジー
 パーティー内で逆境に立たされていたセクトは、固有能力取得による逆転劇を信じていたが、信頼していた仲間に裏切られた上に崖から突き落とされてしまう。近隣で活動していたパーティーのおかげで奇跡的に一命をとりとめたセクトは、かつての仲間たちへの復讐とともに、助けてくれた者たちへの恩返しを誓うのだった。

ペットたちと一緒に異世界へ転生!?魔法を覚えて、皆とのんびり過ごしたい。

千晶もーこ
ファンタジー
疲労で亡くなってしまった和菓。 気付いたら、異世界に転生していた。 なんと、そこには前世で飼っていた犬、猫、インコもいた!? 物語のような魔法も覚えたいけど、一番は皆で楽しくのんびり過ごすのが目標です! ※この話は小説家になろう様へも掲載しています

異世界リナトリオン〜平凡な田舎娘だと思った私、実は転生者でした?!〜

青山喜太
ファンタジー
ある日、母が死んだ 孤独に暮らす少女、エイダは今日も1人分の食器を片付ける、1人で食べる朝食も慣れたものだ。 そしてそれは母が死んでからいつもと変わらない日常だった、ドアがノックされるその時までは。 これは1人の少女が世界を巻き込む巨大な秘密に立ち向かうお話。 小説家になろう様からの転載です!

婚約破棄された上に国外追放された聖女はチート級冒険者として生きていきます~私を追放した王国が大変なことになっている?へぇ、そうですか~

夏芽空
ファンタジー
無茶な仕事量を押し付けられる日々に、聖女マリアはすっかり嫌気が指していた。 「聖女なんてやってられないわよ!」 勢いで聖女の杖を叩きつけるが、跳ね返ってきた杖の先端がマリアの顎にクリーンヒット。 そのまま意識を失う。 意識を失ったマリアは、暗闇の中で前世の記憶を思い出した。 そのことがきっかけで、マリアは強い相手との戦いを望むようになる。 そしてさらには、チート級の力を手に入れる。 目を覚ましたマリアは、婚約者である第一王子から婚約破棄&国外追放を命じられた。 その言葉に、マリアは大歓喜。 (国外追放されれば、聖女という辛いだけの役目から解放されるわ!) そんな訳で、大はしゃぎで国を出ていくのだった。 外の世界で冒険者という存在を知ったマリアは、『強い相手と戦いたい』という前世の自分の願いを叶えるべく自らも冒険者となり、チート級の力を使って、順調にのし上がっていく。 一方、マリアを追放した王国は、その軽率な行いのせいで異常事態が発生していた……。

処理中です...