上 下
248 / 436
第14章 悪魔姫の復讐・姫騎士編

248話 気が付いたら終わってた

しおりを挟む
 まぁ、いきなり喋らされるって言うアクシデントはあったけどそれも何とか……こほん、余裕でやり遂げて開催式は無事に終了!

『半泣きになって……』

 なって無い!
 ったく、せっかく予選の様子を観ながら、優雅にお茶をしてカッコよくビシッと決めた我が勇姿を振り返ってたのに。

「ふふふ、レフィーお嬢様、お疲れ様でした。
 こちらのアップルパイも召し上がられますか?」

 シルヴィアが作ったアップルパイ!!

「食べる」

 思わず食い気味に即答してしまった。
 淑女としてあるまじき事だけど、コレばっかりは仕方ない。
 何故なら!  シルヴィアのアップルパイはマジで美味しいから!!

「ご主人様の勇姿はしっかりと私達が見届けましたにゃ~」

 ピョンっと子ネコ姿のミーシャが軽やかに私の膝の上に飛び乗って!
 真っ白な頭を甘えるように私のお腹にスリスリって!!

「っ!」

 くっ……あ、危なかった。
 危うく理性が吹っ飛んで、ミーシャを抱き締めて撫で回しちゃうところだったわ。

 ここの貴賓室は他の観客席からも見えるし。
 現に今の結構な視線を感じるのに、そんな事をしたら私のクールビューティーなイメージが崩れ去るからな。

「ふぅ」

 ふふふっ、なんとか耐えたぞ!
 モフモフの魅惑にも耐え切れるとか流石は私だわ!

『まぁ悪魔ちゃんの場合、無表情だからね。
 ミーシャを抱き締めて、撫で回しても悪魔ちゃんのイメージは崩れないと思うよ。
 尤も、クールビューティーって言うのはちょっと違うけど』

 は?  何が違うの?

『……』

 オイ、こらテメェ。
 何とか言えよ。

『あはは……それにしても、リリィーはわかるけどグランとミリアは何処に行ったんだろうね?』

 あからさまに話を逸らしやがったな……まぁいつもの事だし、別にもう良いけど。
 けど確かにグランとミリアは何してるんだろ?

 リリィーはフェリシアと一緒にガスターが来たから私達の家……と言うよりお屋敷だけど、魔国に帰って待機中で。
 グランとミリアは、なんかニコニコ笑いながら用事ができたとか言ってたけど……

「ただ今戻りました」

「ただいま!  レフィー様!」

 おっと、噂をすれば。

「おかえり」

 しっかし、流石はグランとミリア。
 まぁ、この2人に限らず眷属全員だけど。
 この私にも直前まで気取らせないこの鮮やかな手口。

『手口って……悪魔ちゃん、言い方。
 転移魔法で転移して来ただけでしょう?』

 そうとも言う。
 とまぁ、そんな事はどうでも良いのだよ。
 それよりも2人が何をしてたのかが地味に気になる。
 もしかして、この2人って……デュフフっ!

「何してたの?」

「何やら勘違いをなさっているようですね」

 むっ、表情には出してないハズなのに気取られた。

『まぁ、グランに限らず悪魔ちゃんの眷属は全員、悪魔ちゃんのほんの僅かな表情と考えを読む能力に関してはシルヴィアと同等レベルだからね』

 確かに……それでも頂点に君臨してるのはシルヴィアだけど。
 シルヴィアさん、マジでパネェわ。

「本来ならお嬢様がお気になさる程の事では無いのですが……」

「ちょっとゴミのお掃除をしてただけですよ」

 ゴミのお掃除?

『なるほどね。
 まぁ、要するに悪魔ちゃんが以前、魔法都市連合王国の学園に向かう途中でやった事と同じ』

 何かしたっけ?

『存在自体を覚えられてない男子学生……自業自得だけど、流石に少し哀れだね』

 男子学生……あっ!  あぁ、あのアホどもね!
 当然、覚えていますとも!

「なるほど……」

 つまり、グランとミリアが何か企んでた愚か者共を処分してたわけね。
 実はそう言う関係で2人でイチャイチャ、ムフフな事をしてたわけじゃ無いのか。

「「違います」」

 おぉう、何も言ってないのに揃って否定された……



 ワァァァァッッ!!



 っ!  ビックリした~。
 いきなりの大歓声とか、心臓に悪いからやめて欲しいんですけど。
 全く今度は何に騒いで……

「あっ」

 観てない間に予選が終わっちゃった。
しおりを挟む
感想 22

あなたにおすすめの小説

「お前のような役立たずは不要だ」と追放された三男の前世は世界最強の賢者でした~今世ではダラダラ生きたいのでスローライフを送ります~

平山和人
ファンタジー
主人公のアベルは転生者だ。一度目の人生は剣聖、二度目は賢者として活躍していた。 三度目の人生はのんびり過ごしたいため、アベルは今までの人生で得たスキルを封印し、貴族として生きることにした。 そして、15歳の誕生日でスキル鑑定によって何のスキルも持ってないためアベルは追放されることになった。 アベルは追放された土地でスローライフを楽しもうとするが、そこは凶悪な魔物が跋扈する魔境であった。 襲い掛かってくる魔物を討伐したことでアベルの実力が明らかになると、領民たちはアベルを救世主と崇め、貴族たちはアベルを取り戻そうと追いかけてくる。 果たしてアベルは夢であるスローライフを送ることが出来るのだろうか。

転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。

克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります! 辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。

婚約破棄された上に国外追放された聖女はチート級冒険者として生きていきます~私を追放した王国が大変なことになっている?へぇ、そうですか~

夏芽空
ファンタジー
無茶な仕事量を押し付けられる日々に、聖女マリアはすっかり嫌気が指していた。 「聖女なんてやってられないわよ!」 勢いで聖女の杖を叩きつけるが、跳ね返ってきた杖の先端がマリアの顎にクリーンヒット。 そのまま意識を失う。 意識を失ったマリアは、暗闇の中で前世の記憶を思い出した。 そのことがきっかけで、マリアは強い相手との戦いを望むようになる。 そしてさらには、チート級の力を手に入れる。 目を覚ましたマリアは、婚約者である第一王子から婚約破棄&国外追放を命じられた。 その言葉に、マリアは大歓喜。 (国外追放されれば、聖女という辛いだけの役目から解放されるわ!) そんな訳で、大はしゃぎで国を出ていくのだった。 外の世界で冒険者という存在を知ったマリアは、『強い相手と戦いたい』という前世の自分の願いを叶えるべく自らも冒険者となり、チート級の力を使って、順調にのし上がっていく。 一方、マリアを追放した王国は、その軽率な行いのせいで異常事態が発生していた……。

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる 

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ 25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。  目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。 ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。 しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。 ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。 そんな主人公のゆったり成長期!!

ハズレスキル【収納】のせいで実家を追放されたが、全てを収納できるチートスキルでした。今更土下座してももう遅い

平山和人
ファンタジー
侯爵家の三男であるカイトが成人の儀で授けられたスキルは【収納】であった。アイテムボックスの下位互換だと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。 ダンジョンをさまよい、魔物に襲われ死ぬと思われた時、カイトは【収納】の真の力に気づく。【収納】は魔物や魔法を吸収し、さらには異世界の飲食物を取り寄せることができるチートスキルであったのだ。 かくして自由になったカイトは世界中を自由気ままに旅することになった。一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトに戻ってくるように土下座してくるがもう遅い。

転生したら神だった。どうすんの?

埼玉ポテチ
ファンタジー
転生した先は何と神様、しかも他の神にお前は神じゃ無いと天界から追放されてしまった。僕はこれからどうすれば良いの? 人間界に落とされた神が天界に戻るのかはたまた、地上でスローライフを送るのか?ちょっと変わった異世界ファンタジーです。

システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。

大国 鹿児
ファンタジー
輪廻転生のシステムのバグで輪廻の輪から外れちゃった! でも神様から便利なチートグッズ(笑)の詰め合わせをもらって、 他の星に転生しました!特に使命も無いなら自由気ままに生きてみよう! 主人公はチート無双するのか!? それともハーレムか!? はたまた、壮大なファンタジーが始まるのか!? いえ、実は単なる趣味全開の主人公です。 色々な秘密がだんだん明らかになりますので、ゆっくりとお楽しみください。 *** 作品について *** この作品は、真面目なチート物ではありません。 コメディーやギャグ要素やネタの多い作品となっております 重厚な世界観や派手な戦闘描写、ざまあ展開などをお求めの方は、 この作品をスルーして下さい。 *カクヨム様,小説家になろう様でも、別PNで先行して投稿しております。

転生先ではゆっくりと生きたい

ひつじ
ファンタジー
勉強を頑張っても、仕事を頑張っても誰からも愛されなかったし必要とされなかった藤田明彦。 事故で死んだ明彦が出会ったのは…… 転生先では愛されたいし必要とされたい。明彦改めソラはこの広い空を見ながらゆっくりと生きることを決めた 小説家になろうでも連載中です。 なろうの方が話数が多いです。 https://ncode.syosetu.com/n8964gh/

処理中です...