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第14章 悪魔姫の復讐・姫騎士編

243話 正体は既にバレている!

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 話が脱線してる……私が人見知りとか、別にどうでも良いじゃん!
 こちとら長旅で疲れてるんだし、早くふかふかベッドにダイブしてゆっくりしたい。
 ここは、どうにかして話を本筋に戻さなければ!!

『いや、長旅って』

 黙れ邪神!

『……』

 どうせ、長旅じゃ無くてさっき馬車に転移したばかりとかしょうもない事を言おうとしたんだろうけど。
 その話は既にさっき一回やってんだよ!  ほかに何か無いわけ? 

『何か私に対して辛辣すぎない?
 はっ!  ま、まさか……反抗期っ!?』

 うるっせぇよ!  無いならそこで黙って見てろ!!

「こほん」

 よし、咳払いで注目を集める事には成功した。
 シルヴィアのせいで人見知り属性を付けられちゃったし、今のカティラ達の私に対する印象は人見知りの超絶美少女。

『自分で言っちゃうんだ』

 ……とにかく!
 ここはビシッ!  キリッと決めて、私の威厳ある姿をカティラ達に見せつけてやらねば!!

「カティラ。
 雑談は終わりにして本題に入りたい」

 ふっ、どうよ?
 カティラ達には正体を明かすつもりは無いけど、ナメられるわけにはいかないからな。
 ここで牽制しとかないと!

「これは申し訳ない。
 長旅で疲れているでしょうし、早速本題に入りましょう」

 そうそう、もうちょっとでお昼だし。
 早くお昼ご飯を食べて、私には怠惰に惰眠を貪るっていう崇高な日課があるのだ!

 本格的に話を詰めていくのは明日で、今日の目的は顔合わせだし。
 ぶっちゃけ、面倒な事は早く終わらせたい。

「じゃあ、リーゼも座って」

「「「っ!!」」」

 ギルドマスターであるカティラと、副ギルドマスターのジン。
 そして、壁際で控えていた新人受付嬢が驚愕に目を見開いて息を呑む。

 まっ、その気持ちも分からなくは無いけど。
 ふっふっふ~、この私を誰だと心得る!  私が気付いていないとでも?
 茶番に付き合ってあげていただけなのだよ!!

「えっと、レフィー様?  何の事でしょうか?」

 いや、アレだけハッキリと反応しちゃったのに流石にそれは無理があるでしょ。
 まっ、そっちがその気なら良いだろう!  私の口から新人受付嬢の正体をバラしてやる。

「リーゼ・スパーダ。
 ヴァリエ騎士王国で唯一の大公、代々剣聖を輩出するスパーダ家の一人娘。
 そして現騎士王、姫騎士フェリシアと国内では唯一肩を並べて双璧をなす強者」

 6年前の大戦時。
 当時私と同い年の12歳にしてフェリシアは既に次代の騎士王候補として名高く、ヴァリエ騎士王国でも一二を争う実力を誇こっていた。

 そんな床に臥せっていた前騎士王に代わって国を守るべきフェリシアが、何故勇者と共に魔王討伐の旅に出れたのか。
 それはフェリシアに代わってヴァリエ騎士王国を守護した陰の英雄の存在があったからに他ならない。

「現剣聖、リーゼ・スパーダ」 

 単純な剣術ではフェリシアを凌ぐ程の実力者。
 騎士王を決定するための戦いではかなり白熱した。
 まぁ、結果は僅かに魔力量で勝り、魔王討伐の旅で多くの実戦経験を積んだフェリシアが僅差で勝利を収めたけど。

 ここヴァリエ騎士王国でフェリシアと並ぶ強者にして大公家の御令嬢と、大物である事は間違いない。
 尤も!  そんなフェリシアとリーゼよりも私の愛弟子であるエレナの方が強いけど!!

「っ!  何故その事を……」

「ふふふ、新人受付嬢リーゼ・スパーダ。
 早く座ったら?」

 今日の顔合わせは今回の発案者……って事に表向きはなってるアクムス王国サイドの私達と、カティラ達冒険者ギルド。
 そして、ヴァリエ騎士王国陣営の顔合わせなわけだし。

 私達は過去最速でAランク冒険者に上り詰めたって事で結構有名だし。
 受付嬢に扮して私達を見定めようとでも考えてたんだろうけど……ふっ!  この私の目は騙せない!!
 だって魂も思考も覗けちゃうし、ステータスすら見れるからな!

「こほん、じゃあ本題に……ここヴァリエ騎士王国で開催予定の闘技大会の話に移る!」
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