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第12章 悪魔姫の復讐・教皇編
212話 報復されし咎人達 その2
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「お前ら、魔国の王……魔神レフィーが語ったっていう悪魔族についての情報を覚えてるか?」
グイッと一口、お酒を呷り。
グラスを机に置いたガスターが自分の目の前で手を組んで真剣かつシリアスな面持ちを浮かべて、アーク達へと視線を向け……
「それはまぁ……あっ、これおかわり貰っていいですか?」
「当然覚えていますよ。
お師匠様! 私もこのお酒のおかわりが欲しいです!」
話をそっちのけでお酒のおかわりを催促するアークとターニャの姿にガスターの額に青筋が浮かぶ。
ちょっと時間が余ったから何やら集まってお酒を飲みながら愚痴ってるガスター達の様子を覗いてみれば……
ぷぷっ! ガスターのヤツ、完全にナメられてるじゃん。
アレでも一応、ターニャ達の先生のハズなのに……ふふふ、今のやり取りはウケるんですけど!
何かシリアスな雰囲気を醸し出してるのに普通にスルーされるとか……何のコントだよ!
ふふふ、じわるわー。
「……お前らなぁ」
「まぁまぁガスター先生、落ち着いて」
「どうどう」
頬をピクピクさせながら拳を握り締めるガスター慣れた手付きで宥めるアナとマナ!
どうどうって馬かよ!!
と言うか何これ! 何これ!?
会議が終わってクズ勇者達は転移で帰国したけど、ガスターとマリアナの2人は聖都に留まって何かやってるのは知ってたけど。
こんなに面白いなら最初から見て……こほん、監視してたのにっ!!
「確か…… 悪魔族は約5年半。
今からなら約6年程前に冤罪で殺された少女の怨念によって誕生した種族、でしたか?」
「そうよ。
ターニャ、アーク、貴方達も少しはマイクを見習って真面目に話を聞きなさい」
「は~い」
「ちゃんと聞いてますよ」
そうは言いつつもマリアナの手には勿論、ターニャとアークの手にもガッツリとお酒の入ったグラスが握られてるし。
ふふふ……シリアスを演出してたガスターがいっその事、憐れに見えるわー!
「アークとターニャがすみません……
それで先生、その少女ってのはほぼ間違いなくあの公爵家の元御令嬢ですよね?
確か、勇者ノアール様の婚約者だったって言う」
「あぁ、それであってるぞ」
「もはや世間の常識ですし、当然知ってますけど。
彼女はアルタイル王国内部に潜入していた悪魔のヒトリだったハズ……って、まさか……」
「「「「……」」」」
あのパーティーの中で1番の常識人のマイクは勿論、つい今までお酒を飲みながら話を聞いていたアークとターニャも。
食事を食べながら話を聞いていたアナとマナも、何となく察したようだな。
全員、手を止めてマジな顔をしちゃって。
まぁ、コイツらは仮にも人類最強の一角として数えられるSランク冒険者に最も近いと謳われるAランク冒険者。
実力や状況を見極める勘の鋭さは勿論。
有象無象の下位の冒険者とは違って、一部の例外を除いて基本的にはそれなり以上の頭が無いと上り詰められない地位に立ってるわけだし。
グズ勇者やアバズレ聖女達のことを救世の六英雄と呼び称えて、盲目的にクズ共の言う事を信じ込んでる愚かな民衆とは違う。
これまでに知り得た情報を繋ぎ合わせて、ガスターの言わんとする事を察するのは寧ろ当然か。
「そうだ、魔神の言ってる事は全て事実。
そんでもって、その冤罪で処刑された少女ってのが俺達を、人間を、この世界そのものすらも憎悪し、本当に悪魔へと転生した姿。
それが魔王が一柱、魔神レフィー……始まりたる最初の一柱、原初の悪魔ってわけだ」
「つまり、魔神レフィーがこの世界に誕生したのも、こんな事になっているのも全て私達の責任。
どう? 幻滅した?」
あぁ、いい具合に自分のやらかした事を理解して後悔してるみたいで何より!
ふふふ……もっと、もっともっともっと! その罪悪感に苛まれ、後悔の念に苦しめられろ!!
「……確かに、その話が事実ならガスター先生達がなさった事は決して許される事じゃ無い」
「何の罪のない無実の公爵令嬢を公開処刑したって……」
「最低だね」
「クズですね」
「おい、お前らな……まぁ、俺もそう思うけど」
辛辣な女性陣に睨まれてマイクも同意した!
どうでも良いけど、この場面から何となくパーティー内での立ち位置が透けて見えるなぁ。
「それで、理由は何ですか?」
「理由だ?」
「ええ、確かにアナとマナの言う通り最低でクズですけど。
ガスター先生達が何の理由もなくそんな事をするとは思えませんから」
へぇ、結構良い師弟関係を結べてるんだ。
なんかちょっと感動的なシーンになってるけど……残念だけど時間切れだわ。
ふっふっふ~! この私がわざわざ場の雰囲気なんて気に来る必要もないし、悪いけど容赦無くぶっ壊してやる!!
『ふふふ!』
「「「「「「「っ!!!」」」」」」」
『こんにちわ、私に報復されし咎人とやっと事実に辿り着いたその教え子達』
「この声は!」
「っ! 一体どこから!?」
『ふふっ、面白い話をしてしてるみたいだけど……喜べ! 今からもっと面白いモノを見せてやろう!!』
さぁ、始めようか!
楽しい、愉しい……遊びの時間だ!!
グイッと一口、お酒を呷り。
グラスを机に置いたガスターが自分の目の前で手を組んで真剣かつシリアスな面持ちを浮かべて、アーク達へと視線を向け……
「それはまぁ……あっ、これおかわり貰っていいですか?」
「当然覚えていますよ。
お師匠様! 私もこのお酒のおかわりが欲しいです!」
話をそっちのけでお酒のおかわりを催促するアークとターニャの姿にガスターの額に青筋が浮かぶ。
ちょっと時間が余ったから何やら集まってお酒を飲みながら愚痴ってるガスター達の様子を覗いてみれば……
ぷぷっ! ガスターのヤツ、完全にナメられてるじゃん。
アレでも一応、ターニャ達の先生のハズなのに……ふふふ、今のやり取りはウケるんですけど!
何かシリアスな雰囲気を醸し出してるのに普通にスルーされるとか……何のコントだよ!
ふふふ、じわるわー。
「……お前らなぁ」
「まぁまぁガスター先生、落ち着いて」
「どうどう」
頬をピクピクさせながら拳を握り締めるガスター慣れた手付きで宥めるアナとマナ!
どうどうって馬かよ!!
と言うか何これ! 何これ!?
会議が終わってクズ勇者達は転移で帰国したけど、ガスターとマリアナの2人は聖都に留まって何かやってるのは知ってたけど。
こんなに面白いなら最初から見て……こほん、監視してたのにっ!!
「確か…… 悪魔族は約5年半。
今からなら約6年程前に冤罪で殺された少女の怨念によって誕生した種族、でしたか?」
「そうよ。
ターニャ、アーク、貴方達も少しはマイクを見習って真面目に話を聞きなさい」
「は~い」
「ちゃんと聞いてますよ」
そうは言いつつもマリアナの手には勿論、ターニャとアークの手にもガッツリとお酒の入ったグラスが握られてるし。
ふふふ……シリアスを演出してたガスターがいっその事、憐れに見えるわー!
「アークとターニャがすみません……
それで先生、その少女ってのはほぼ間違いなくあの公爵家の元御令嬢ですよね?
確か、勇者ノアール様の婚約者だったって言う」
「あぁ、それであってるぞ」
「もはや世間の常識ですし、当然知ってますけど。
彼女はアルタイル王国内部に潜入していた悪魔のヒトリだったハズ……って、まさか……」
「「「「……」」」」
あのパーティーの中で1番の常識人のマイクは勿論、つい今までお酒を飲みながら話を聞いていたアークとターニャも。
食事を食べながら話を聞いていたアナとマナも、何となく察したようだな。
全員、手を止めてマジな顔をしちゃって。
まぁ、コイツらは仮にも人類最強の一角として数えられるSランク冒険者に最も近いと謳われるAランク冒険者。
実力や状況を見極める勘の鋭さは勿論。
有象無象の下位の冒険者とは違って、一部の例外を除いて基本的にはそれなり以上の頭が無いと上り詰められない地位に立ってるわけだし。
グズ勇者やアバズレ聖女達のことを救世の六英雄と呼び称えて、盲目的にクズ共の言う事を信じ込んでる愚かな民衆とは違う。
これまでに知り得た情報を繋ぎ合わせて、ガスターの言わんとする事を察するのは寧ろ当然か。
「そうだ、魔神の言ってる事は全て事実。
そんでもって、その冤罪で処刑された少女ってのが俺達を、人間を、この世界そのものすらも憎悪し、本当に悪魔へと転生した姿。
それが魔王が一柱、魔神レフィー……始まりたる最初の一柱、原初の悪魔ってわけだ」
「つまり、魔神レフィーがこの世界に誕生したのも、こんな事になっているのも全て私達の責任。
どう? 幻滅した?」
あぁ、いい具合に自分のやらかした事を理解して後悔してるみたいで何より!
ふふふ……もっと、もっともっともっと! その罪悪感に苛まれ、後悔の念に苦しめられろ!!
「……確かに、その話が事実ならガスター先生達がなさった事は決して許される事じゃ無い」
「何の罪のない無実の公爵令嬢を公開処刑したって……」
「最低だね」
「クズですね」
「おい、お前らな……まぁ、俺もそう思うけど」
辛辣な女性陣に睨まれてマイクも同意した!
どうでも良いけど、この場面から何となくパーティー内での立ち位置が透けて見えるなぁ。
「それで、理由は何ですか?」
「理由だ?」
「ええ、確かにアナとマナの言う通り最低でクズですけど。
ガスター先生達が何の理由もなくそんな事をするとは思えませんから」
へぇ、結構良い師弟関係を結べてるんだ。
なんかちょっと感動的なシーンになってるけど……残念だけど時間切れだわ。
ふっふっふ~! この私がわざわざ場の雰囲気なんて気に来る必要もないし、悪いけど容赦無くぶっ壊してやる!!
『ふふふ!』
「「「「「「「っ!!!」」」」」」」
『こんにちわ、私に報復されし咎人とやっと事実に辿り着いたその教え子達』
「この声は!」
「っ! 一体どこから!?」
『ふふっ、面白い話をしてしてるみたいだけど……喜べ! 今からもっと面白いモノを見せてやろう!!』
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楽しい、愉しい……遊びの時間だ!!
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