207 / 436
第12章 悪魔姫の復讐・教皇編
207話 何これ、カッコいい!!
しおりを挟む
「ふむ……」
まぁ、ちょっと釈然としないし、ちょっと物申したい気分はあるけどそれは置いておくとして。
そんな事よりもこれ以上2人に怒られて主人としての威厳を損なう事を阻止する方が遥かに重要!!
シルヴィアとグランは私がお酒を飲もうとしたから先行して来ただけであって、ミーシャ達もここに来る予定だし。
幸いな事に皆んながこの場所に来るのにはちゃんとした理由がある。
「よし」
いける!
元々の予定を使ってシリアスで真剣な雰囲気を醸し出しつつ、上手いこと私の飲酒未遂から話をシフトさせれば……
ふっふっふ! 我ながら完璧な作戦だわ~!!
もうこれ以上怒られないし。
何より私の威厳が保たれるどころか、皆んなを指揮する私の姿をマリアナに見せつける事で高まる可能性すらある!
「ご主人様の眷属が一柱。
ミーシャ、御前に」
「レフィー様の眷属が一柱。
ミリアーナ、御前に」
「陛下の眷属が一柱。
リリィー・カーディナル、御前に」
な、何コレ!?
転移して顕現すると同時にミーシャ達3人が跪いて……何これ、カッコいい!!
と言うか、こんなの聞いてないんですけど!
見るからに一朝一夕の所作じゃ無いし……いつの間にこんなの練習してたんだろ?
いや、落ち着け、落ち着くんだ私!
皆んなに詰め寄って、ミーシャのモフモフ尻尾に抱きついて思う存分にモフりながら根掘り葉掘り話を聞きたいところだけど……流石に今はまずい。
そんな事をすれば、私の完璧な計画。
シリアスかつ真剣な雰囲気で上手いこと私の飲酒未遂から話を逸らして、ついでに私の威厳を見せつける事ができなくなる。
それが意味する事はつまり、確実にシルヴィアとグランの2人から飲酒未遂の事でお説教されるってわけで……
くっ、仕方ない。
皆んなに話を聞くのは後にして、とりあえず今はこの状況を利用しなければ!!
「ん、ご苦労様、楽にして」
「「「はっ!」」」
おぉー! ここまでピッタリと息が揃ってるとちょっと感動だわ!!
って、危ない危ない! 今は集中しないと。
「こほん、さてマリアナ」
「っ……!」
ふふっ、凛々しく美しいミステリアスな美女として名高いのに、恐怖と絶望に歪んだ情けない表情!
あぁ、この心地いい魂からの絶望と恐怖の波動……ゾクゾクしちゃうわー!
「ふふっ」
『うわぁ、めちゃくちゃ邪悪な貌……』
煩いぞ、邪神!
恐怖と絶望に染まった魂に興奮しちゃうのは、言ってしまえば悪魔としての本能みたいなもんだから仕方ないの!!
「お前にはこれから魔導契約で縛りを与える」
ふむ、恐怖と絶望に染まってるのは良いとして。
失禁までしちゃってるし……流石に汚いからこれは浄化してやるとしよう。
これじゃあ下手に近づけないし。
「お前が知り得た私や、私に関する情報の一切。
これからお前が目撃する事の一切を他者へと手段は問わず伝える事を……」
さぁ! 我が威厳溢れる姿を刮目せよ!!
結構自慢の純白の翼を軽く広げ、腰を抜かして地面へと倒れ伏すマリアナを見下ろして……
「この私、魔王が一柱にして始まりたる原初の悪魔。
全ての魔を統べる魔神レフィーの名に於いて禁ずる」
ふっふっふ~ん! 完璧だわ!!
これ以上ない程に威厳たっぷりに、カッコよくビシッと決まった。
これはもう自他共に認める、自画自賛しちゃうレベルだわー!
「こほん、レフィーお嬢様、少々よろしいでしょうか?」
「ん? なに?」
たった今、完璧に完遂されたミッションの出来の良さに自画自賛して、悦に浸ってるところなんだけど?
「悦に浸っていらっしゃるところ申し訳ありませんが、お忘れになられる前に一応お伝えしておきます。
レフィーお嬢様、帰ったら私とグランから少しお話がございます」
「ぇ……」
そ、それってつまり……?
「もちろん、私共とのお約束を破り、お酒を飲もうとなされた件です」
ご、誤魔化せて無かったっ!!
にっこりと優しそうに微笑んでるけど……うぅ、逆に怖いんですけどっ!?
まぁ、ちょっと釈然としないし、ちょっと物申したい気分はあるけどそれは置いておくとして。
そんな事よりもこれ以上2人に怒られて主人としての威厳を損なう事を阻止する方が遥かに重要!!
シルヴィアとグランは私がお酒を飲もうとしたから先行して来ただけであって、ミーシャ達もここに来る予定だし。
幸いな事に皆んながこの場所に来るのにはちゃんとした理由がある。
「よし」
いける!
元々の予定を使ってシリアスで真剣な雰囲気を醸し出しつつ、上手いこと私の飲酒未遂から話をシフトさせれば……
ふっふっふ! 我ながら完璧な作戦だわ~!!
もうこれ以上怒られないし。
何より私の威厳が保たれるどころか、皆んなを指揮する私の姿をマリアナに見せつける事で高まる可能性すらある!
「ご主人様の眷属が一柱。
ミーシャ、御前に」
「レフィー様の眷属が一柱。
ミリアーナ、御前に」
「陛下の眷属が一柱。
リリィー・カーディナル、御前に」
な、何コレ!?
転移して顕現すると同時にミーシャ達3人が跪いて……何これ、カッコいい!!
と言うか、こんなの聞いてないんですけど!
見るからに一朝一夕の所作じゃ無いし……いつの間にこんなの練習してたんだろ?
いや、落ち着け、落ち着くんだ私!
皆んなに詰め寄って、ミーシャのモフモフ尻尾に抱きついて思う存分にモフりながら根掘り葉掘り話を聞きたいところだけど……流石に今はまずい。
そんな事をすれば、私の完璧な計画。
シリアスかつ真剣な雰囲気で上手いこと私の飲酒未遂から話を逸らして、ついでに私の威厳を見せつける事ができなくなる。
それが意味する事はつまり、確実にシルヴィアとグランの2人から飲酒未遂の事でお説教されるってわけで……
くっ、仕方ない。
皆んなに話を聞くのは後にして、とりあえず今はこの状況を利用しなければ!!
「ん、ご苦労様、楽にして」
「「「はっ!」」」
おぉー! ここまでピッタリと息が揃ってるとちょっと感動だわ!!
って、危ない危ない! 今は集中しないと。
「こほん、さてマリアナ」
「っ……!」
ふふっ、凛々しく美しいミステリアスな美女として名高いのに、恐怖と絶望に歪んだ情けない表情!
あぁ、この心地いい魂からの絶望と恐怖の波動……ゾクゾクしちゃうわー!
「ふふっ」
『うわぁ、めちゃくちゃ邪悪な貌……』
煩いぞ、邪神!
恐怖と絶望に染まった魂に興奮しちゃうのは、言ってしまえば悪魔としての本能みたいなもんだから仕方ないの!!
「お前にはこれから魔導契約で縛りを与える」
ふむ、恐怖と絶望に染まってるのは良いとして。
失禁までしちゃってるし……流石に汚いからこれは浄化してやるとしよう。
これじゃあ下手に近づけないし。
「お前が知り得た私や、私に関する情報の一切。
これからお前が目撃する事の一切を他者へと手段は問わず伝える事を……」
さぁ! 我が威厳溢れる姿を刮目せよ!!
結構自慢の純白の翼を軽く広げ、腰を抜かして地面へと倒れ伏すマリアナを見下ろして……
「この私、魔王が一柱にして始まりたる原初の悪魔。
全ての魔を統べる魔神レフィーの名に於いて禁ずる」
ふっふっふ~ん! 完璧だわ!!
これ以上ない程に威厳たっぷりに、カッコよくビシッと決まった。
これはもう自他共に認める、自画自賛しちゃうレベルだわー!
「こほん、レフィーお嬢様、少々よろしいでしょうか?」
「ん? なに?」
たった今、完璧に完遂されたミッションの出来の良さに自画自賛して、悦に浸ってるところなんだけど?
「悦に浸っていらっしゃるところ申し訳ありませんが、お忘れになられる前に一応お伝えしておきます。
レフィーお嬢様、帰ったら私とグランから少しお話がございます」
「ぇ……」
そ、それってつまり……?
「もちろん、私共とのお約束を破り、お酒を飲もうとなされた件です」
ご、誤魔化せて無かったっ!!
にっこりと優しそうに微笑んでるけど……うぅ、逆に怖いんですけどっ!?
13
お気に入りに追加
759
あなたにおすすめの小説
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
外れギフト魔石抜き取りの奇跡!〜スライムからの黄金ルート!婚約破棄されましたのでもうお貴族様は嫌です〜
KeyBow
ファンタジー
この世界では、数千年前に突如現れた魔物が人々の生活に脅威をもたらしている。中世を舞台にした典型的なファンタジー世界で、冒険者たちは剣と魔法を駆使してこれらの魔物と戦い、生計を立てている。
人々は15歳の誕生日に神々から加護を授かり、特別なギフトを受け取る。しかし、主人公ロイは【魔石操作】という、死んだ魔物から魔石を抜き取るという外れギフトを授かる。このギフトのために、彼は婚約者に見放され、父親に家を追放される。
運命に翻弄されながらも、ロイは冒険者ギルドの解体所部門で働き始める。そこで彼は、生きている魔物から魔石を抜き取る能力を発見し、これまでの外れギフトが実は隠された力を秘めていたことを知る。
ロイはこの新たな力を使い、自分の運命を切り開くことができるのか?外れギフトを当りギフトに変え、チートスキルを手に入れた彼の物語が始まる。
ハズレスキル【収納】のせいで実家を追放されたが、全てを収納できるチートスキルでした。今更土下座してももう遅い
平山和人
ファンタジー
侯爵家の三男であるカイトが成人の儀で授けられたスキルは【収納】であった。アイテムボックスの下位互換だと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。
ダンジョンをさまよい、魔物に襲われ死ぬと思われた時、カイトは【収納】の真の力に気づく。【収納】は魔物や魔法を吸収し、さらには異世界の飲食物を取り寄せることができるチートスキルであったのだ。
かくして自由になったカイトは世界中を自由気ままに旅することになった。一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトに戻ってくるように土下座してくるがもう遅い。
「お前のような役立たずは不要だ」と追放された三男の前世は世界最強の賢者でした~今世ではダラダラ生きたいのでスローライフを送ります~
平山和人
ファンタジー
主人公のアベルは転生者だ。一度目の人生は剣聖、二度目は賢者として活躍していた。
三度目の人生はのんびり過ごしたいため、アベルは今までの人生で得たスキルを封印し、貴族として生きることにした。
そして、15歳の誕生日でスキル鑑定によって何のスキルも持ってないためアベルは追放されることになった。
アベルは追放された土地でスローライフを楽しもうとするが、そこは凶悪な魔物が跋扈する魔境であった。
襲い掛かってくる魔物を討伐したことでアベルの実力が明らかになると、領民たちはアベルを救世主と崇め、貴族たちはアベルを取り戻そうと追いかけてくる。
果たしてアベルは夢であるスローライフを送ることが出来るのだろうか。
元勇者パーティーの雑用係だけど、実は最強だった〜無能と罵られ追放されたので、真の実力を隠してスローライフします〜
一ノ瀬 彩音
ファンタジー
元勇者パーティーで雑用係をしていたが、追放されてしまった。
しかし彼は本当は最強でしかも、真の実力を隠していた!
今は辺境の小さな村でひっそりと暮らしている。
そうしていると……?
※第3回HJ小説大賞一次通過作品です!
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
はぁ?とりあえず寝てていい?
夕凪
ファンタジー
嫌いな両親と同級生から逃げて、アメリカ留学をした帰り道。帰国中の飛行機が事故を起こし、日本の女子高生だった私は墜落死した。特に未練もなかったが、強いて言えば、大好きなもふもふと一緒に暮らしたかった。しかし何故か、剣と魔法の異世界で、貴族の子として転生していた。しかも男の子で。今世の両親はとてもやさしくいい人たちで、さらには前世にはいなかった兄弟がいた。せっかくだから思いっきり、もふもふと戯れたい!惰眠を貪りたい!のんびり自由に生きたい!そう思っていたが、5歳の時に行われる判定の儀という、魔法属性を調べた日を境に、幸せな日常が崩れ去っていった・・・。その後、名を変え別の人物として、相棒のもふもふと共に旅に出る。相棒のもふもふであるズィーリオスの為の旅が、次第に自分自身の未来に深く関わっていき、仲間と共に逃れられない運命の荒波に飲み込まれていく。
※第二章は全体的に説明回が多いです。
<<<小説家になろうにて先行投稿しています>>>
異世界で等価交換~文明の力で冒険者として生き抜く
りおまる
ファンタジー
交通事故で命を落とし、愛犬ルナと共に異世界に転生したタケル。神から授かった『等価交換』スキルで、現代のアイテムを異世界で取引し、商売人として成功を目指す。商業ギルドとの取引や店舗経営、そして冒険者としての活動を通じて仲間を増やしながら、タケルは異世界での新たな人生を切り開いていく。商売と冒険、二つの顔を持つ異世界ライフを描く、笑いあり、感動ありの成長ファンタジー!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる