付与って最強だと思いませんか? 悪魔と呼ばれて処刑されたら原初の悪魔に転生しました。とりあえず、理想の国を創るついでに復讐しようと思います!

フウ

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第11章 悪魔姫の復讐・大賢者編

205話 ざまぁみろ!!

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「っーーっ!?」

 んー、声を出さないように沈黙を付与してるから何言ってんのか全くわからないんだけど。
 とは言え、沈黙を解除してまた騒がれたら煩わしいしなぁ……よし!  こうなったら仕方ない。

 ふっ、私の読唇術を披露する時が来たようだな!!
 なになに……う~ん、『私は悪くない』『そんな事はやっていない』『証拠が無い』か。

 天下の救世の六英雄様の一人して、最強の魔導士たる大賢者様ともあろう者がこの期に及んで必死に言い訳してるのはまぁ良いとして。

 証拠が無いって……
 聖女の支離滅裂な証言だけで他には一切何の証拠も無いのに私を捕縛して拷問に公開処刑すらも断行したお前が言うなっての!

「まぁ、良いだろう」

 本当なら、ふざけんじゃねぇ!  ってガチギレするところだけど、私は宇宙の如く広大で寛大だ心を持つ器の大きい魔神様だし!
 ふっふっふ~!  そこまで、言うのなら確固たる証拠を見せてやろうじゃんか!!

「世界の記憶を映し出せ……付与魔法〝世界記憶ワールド・メモリー〟」 

 目に見えない魔素を操作して締め付けて磔にした大賢者マリアナを空中から見下ろしながら淡々と魔法を発動する私……我ながら今のワンシーンは凄まじくカッコよかったんじゃ無い!?

『キミねぇ……』

 はいはい、真剣にやればいいんでしょ。
 でもちょっとふざけちゃうのは仕方ない!
 だってガチでシリアスで真剣にやれば……即座にマリアナの頭を踏み潰して殺しちゃいそうだもん。

『悪魔ちゃん……』

 まっ、マリアナで遊んで楽しんでるのも事実なんだけど!
 ふふふ、さぁ、大賢者マリアナよ!  私の魔法を刮目せよ!!
 そして、唖然と目を見開いてマヌケな顔を晒すが良いっ!!

「……」

 いいね!  いいね!!
 その顔っ!!
 つい今まで声も出ないのに何か必死に喚き散らしてたのに、ポカーンって口を開いて。

「ふふふ……」

 まぁ、この私の魔法を目の当たりにした訳だし、マリアナがこんなマヌケな顔を晒すよも当然の反応なわけだけど。

「この魔法はこの世界自体に干渉して世界の記憶、過去の記録を映し出す」

 これぞ!  人間には……マリアナにはできない境地!
 魔法の、魔素の扱いに最も長けた悪魔族デーモンの中でも特別で最強な原初たる私の魔導の深淵!
 神の領域へと至った超越者たるこの私!  魔神の御技っ!!

 まぁ、言ってしまえば真実のみを映し出す超正確な過去視の魔法なんだけど。
 ふふん!  当然、過去視とは反対の未来視の魔法も作成済みなのだよ!!

『はいはい、凄いね』

 むぅ、何か適当だな……まぁ、忘れがちだけど邪神は仮にも神だからな。
 マリアナはちゃんと私の魔法を見て驚愕してるし良しとしよう。

「ふふふ、これが証拠と言うものだ」

 さぁ!  とくと見よ!!
 世界記憶ワールド・メモリーで映し出すのは当然、マリアナがアバズレ聖女との取引に応じる場面。

 さっきマリアナが私を殺そうとして使った神聖魔法。
 アレは本来、教会……アナスタシア教の専売特許で、かつてのマリアナが使う事ができなかった唯一の属性。

 そもそも、マリアナが神聖魔法を使いこなす事ができれば異世界召喚でアバズレ聖女を召喚するまでもなく普通に旧魔王には圧勝できてたし。

 そんな神聖魔法を使う事ができなかったマリアナが何故普通に神聖魔法を使えたのか。
 答えは簡単!

「お前は光の上位属性である神聖魔法へのの知識欲を満たすために。
 大賢者として唯一、神聖魔法が使えないと言う事を許せなかったプライドのために。
 神聖魔法の知識を公開する事を条件に聖女との取引に応じた」 

 アバズレ聖女が神聖魔法の知識をアナスタシア教で独占するのは良くない。
 皆んな平等であるべきだの、教皇たるクリスを始めアナスタシア教上層部の面々の前で熱弁するシーンに切り替えてっと。

「私の公開処刑が実行された後。
 こうして無事に契約は守られて、世間へと神聖魔法に関する全ての知識が公開された」

 まぁ、そりゃあアバズレのクソビッチとは言え、聖女であるリナに知識の独占は辞めるようにとの信託があったとか言われたら教会の上層部も公開しないわけにはいかないもんね。

「さて、何か申し開きはある?」

「……」

 ん?  あぁ、沈黙を付与して喋れないようにしてたんだったわ。
 う~ん、唖然としてるこの様子を見るにもう煩く喚き散らしはしなさそうだし解除してやるか。

「……な、何?」

「何?」

「その魔法はいったい何なの!?
 もっと!  早くもっと良く見せて!!」

 ……まぁ、マリアナは何よりも魔法を愛してるから私の魔法を目の当たりにすればこうなるのも当然か。

「うふふ、何て美しい魔法……これこそが魔導の深淵の一端!!
 もうとっくに極めたと極地へと至ったと思っていたのに、まさか先があったなんて!」

 子供みたいに目をキラキラさせて興奮してるところ申し訳……は、全然無いけど。
 とにかく!

「あぁ、早く私もこの域に!
 必ず魔導の深淵へと……」

「煩い。
 言ったハズ、お前の知識もスキルも私のモノだって」

「え?」

「ばーか。
 既に私が奪ったから、お前は魔法が使えない」

「……は?」

 マリアナは一時的に魔法が使えなくなるようなデバフをかけられてるだけだと思ってるみたいだけど。
 ふふふ……現実を教えてやろう!!

「魔導の深淵どころか、お前が移動手段としてよく使ってる転移魔法も、神聖魔法も、天体魔法も。
 最下級の簡単な魔法すら私の許可が無ければお前はこの先、一生魔法を使う事はできない」

「う、うそよ……」

「ふふっ、嘘じゃ無い。
 嘘だと思うなら、試しに簡単な魔法を使おうとすれば良い」

「……っ!?  
 いゃ……いやよ!  火球!  ライト!  ウォーター!」

「あはっ!  何をやっても無駄」

「イヤ、イヤイヤイヤ!  イヤァァァァアッ!!」

「あはっ!  あはははははっ!!」

 これが魔法を何よりも愛するお前に与える罰!
 今後一生、必死に大賢者としての立場を守りながら魔法を使えない事を隠し。
 惨めに!  惨めに惨めに惨めに!  魔法が使えないと言う事実に絶望して、自身の過ちを後悔しながら生き続けろ!!

「ふふふっ!  
 あぁ~お前で2人め!  ふふふ、ざまぁみろ!!」
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