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第11章 悪魔姫の復讐・大賢者編

196話 デリカシーが無いのっ!?

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「おい、聞いたか?」

「本当なのか?」

「ただの噂では無いのですか?」

 ルーナとセイヴァエルと一緒に、グローリー王国、フラン帝国、アウストロ皇国からなる3カ国連合を軽く一夜で滅亡させてからはや3日。
 今日も今日とて、優雅な学園ライフを満喫してるわけだけど……

「ふふふ」

 いい感じにウワサになってるようだな!!
 まぁ、まだ魔王としてルーナとセイヴァエルが3カ国連合の滅亡を冒険者ギルドを通じて各国に通達しただけで正確な発表は何も無いとは言え!

 この私!  自らの手で魔王勢力によって3カ国連合が滅亡させられたって噂をそれとなぁ~く流したわけだし。
 国立魔導学園中に噂が広がって、トレンドとなるのも当然だけど!!

「あっ、そうだ。
 レフィーさん、本日はこちらのチーズケーキをお持ちしたのですが、召し上がられますか?」

 チーズケーキっ!

「ん、食べる!」

「ふふふ、では今切り分けますね」

 ケーキ!  ケーキ!  美味しい美味しいチーズケーキっ!!
 この距離でも仄かに香るチーズケーキの美味しそうなこの匂い!
 あぁ、自然と頬が緩んじゃうー!

「はい、どうぞ!  あ~ん」

「んっ!」

 んぅ~ん!!
 濃厚なチーズの風味に、まろやかで優しい、けどしっかりとしたこの深い味わい。

 まぁ流石にシルヴィアの特製スイーツには劣るけど。
 むふふ~!  これはこれで悪くない。
 これぞ、この私に相応しきチーズケーキ!  この私に相応しきスイーツ!!

「レフィーさん!  私はクッキーをお持ちしましたよ」

「私はガトーショコラを」

「私はタルトです!」

「僕は飲み物を。
 ココアが好きだと聞いたから、ココアを用意したよ」

 ふっ、ふふふ、はぁ~はっはっは!!
 良い、実に良いわー!
 くるしゅう無い!  皆、くるしゅう無いのだ!!

『凄い量だね……と言うかここまで大勢が悪魔ちゃんの世話を焼く事になるとは流石に思ってなかったよ』

 ふっふっふ~ん!  当然!!
 何せ私は人知れず情報を流し、情報を操作するインフルエンサーにして今や裏からこの学園を実質的に支配する麗しき魔王様!  この学園の陰の支配者だからな!!

 まぁ、ちょっとした魅了状態になっちゃってるけど……誰も気付いてない程度だし。
 これと言って日常生活に支障も無いし別に構わないよね。
 何たって私は悪魔だし!

 さぁ!  もっとこの私に贄を捧げよ!
 もっともっと!  いっぱい美味しいスイーツやグルメも学園の支配者にして魔王様たるこの私に献上するが良いっ!!

『いや、流石に生徒達を魅了状態にするのは問題だと思うけど?』

 煩いぞ邪神!
 そもそも私はこの生徒達を魅了するつもりなんて一切無いのに、勝手に原初の悪魔にして魔神たる私に魅了されてるんだから仕方ないじゃんか。

「しかし、どう思う?」

「ん?  何がですか?」

「魔王達の事」

「確かに、気になりますね」

「どうなんでしょうね?」

 ふむふむ、みんな魔王について気になってるようだけど……果たして学生達が魔王についてどのように認識してるのか。

「6人の魔王が誕生したってのは、ギルドが正式に各国へと通達を出したんだしまず事実だろうね」

「じゃあ、今回その6人の魔王のうち2人が出した宣言は?」

「魔王が一角、魔神を王とする悪魔王国へと愚かにも宣戦布告した3カ国連合を同じ魔王として滅ぼしたってやつか……」

 それは事実。
 まぁ、滅ぼしたって言っても殺したのは愚かな主君に加えて歯向かった騎士や兵士と、一部の冒険者とかだけで殆どの人は普通に生きてるけど。

「それと、魔王誕生と一緒にギルドを通して魔王達が出した声明もだな」

「確か……旧魔王とか何とか言う話だったか?」

「どうなんでしょうね。
 確かに300年周期での魔王出現は事実のようですけど」

「流石に信憑性が疑わしすぎるな」

「同感だ」

 せっかく、今までの魔王……旧魔王について説明してやったのに、こっちはいまいち信用されてないか。

「しぃー!  その話は後にして下さい!」

「そうですよ!
 せっかくレフィーさんが美味しそうにケーキを食べてるんですから」

「レフィーさんが不安になってしまったらどうするのですか!」

 むぅ……何か子供扱いされてる気がしないでも無いけど……まぁ良いか。
 何はともあれ、今回の一件で世間に魔王という存在を意識付ける事はできた。

「んっ!」

 グローリー王国、フラン帝国、アウストロ皇国の3カ国連合を滅ぼした事で流石に勇者共も本格的に動き出すハズ。
 もうちょっと優雅な学園生活を楽しみたかったんけど……

「ふふっ!」

 そろそろ、本格的に遊びを。
 魔法都市連合王国への……大賢者とか呼ばれて良い気になってるマリアナへの復讐を始めよう。

『カッコつけてるところ悪いけど、ほっぺにケーキのクリームが付いてるよ?』

「……」

 うぅ、煩いわ!
 お前にはデリカシーが無いのっ!?
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