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第11章 悪魔姫の復讐・大賢者編

190話 次の玩具は……

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「国立魔導学園へようこそ。
 さぁ皆様、どうぞお掛け下さい」

 柔らかな微笑みを浮かべながら、見るからにふかふかで座り心地が抜群だろう事が伺えるソファーに座るように勧めてくる一人の美女。

 まぁ、勧められて断る理由も無いし!  遠慮無く座らせてもらうとしよう!
 とは言え人前だしな、流石にここでいつもみたいにダラける訳にはいかない。

 あくまでも優雅で上品に!
 それでいてソファーのふかふか具合を存分に楽しんで、心ゆくまでゆったりと寛ぐ……

 かなりの高難易度。
 いや、コレはもはや並大抵の者では到底為し得ない超高難易度ミッションと言えるだろう。

 だが……ふふふ、ふはぁっはっはっ!!
 この私にとってみればこの程度は雑作もない事なのだ!
 私がいかに幼い頃から淑女教育に王妃教育と、虐待とすら呼べる厳しい教育に耐え、そしてこなして来たと思っている!!

 刮目せよ!  我が優雅で美しく、文句の付け所の無い完璧な仕草と所作を!!
 唸れっ!  淑女の中の淑女、淑女の鏡と呼ばれる程に完璧な我が礼儀作法とマナー達よ!!

「……ふぅ」

 ふっ、完璧だな!

『ただ座っただけにしか……いやまぁ、悪魔ちゃんが楽しそうで何よりだよ。
 でも、そこまで礼儀作法を意識するなら座る前に、失礼しますとか相手に一言断りを伝えないとマナー違反だよ?』 

 ふむ、まぁそれはお前の言う通りだ。
 地球でも面接の時とかって椅子に座る前に失礼しますって一回断りを入れてから座るってのは社会人なら当然の礼儀だったし。
 まぁ、地球時代の私は社会人じゃ無かったけど。

 ともかく、今回ばかりは邪神の言ってる事が正しいと認めよう。
 けど……例え礼節を欠く事になったとしても、初対面の人間相手に失礼しますとか、ありがとうございますとか言って頭を下げるのは死んでもイヤだ。

『まぁ、確かに悪魔ちゃんが誰かに礼儀正しく断りを入れてから席に着く姿なんて想像できないしね』

 失礼なヤツめ。
 それじゃあまるで私がちゃんと座る前に断りを入れる事もできない程に礼儀作法がなって無いみたいじゃんか。

 この私を誰だと心得る?
 さっきも言ったけど、私の礼儀作法はそんじょそこらの貴族令嬢とか貴族令息とは比べ物にならない程に完璧!

 やって無いだけで、別にちゃんと断りを入れてから座るって初歩の初歩とも言える事ができない訳じゃ無いのだよ。
 チッチッチ、そこを履き違えてもらっては困る!

『うんうん、そうだね』

 ふっ、わかれば良いのだよ、わかれば。
 さてと、無事にソファーにも座った事ですし……今はこっちに集中しよう。
 ふむ、まずこの美女さんだけど……コレは……

「あ、あはは……どうかいたしましたか?」

 くっ!  な、中々にご立派なモノをお持ちのようで。
 これは巨乳……いや、確かにスタイルは良さそうだけど巨乳と言う程では無いな、うん!

『最初に見るところがそこって……まぁでも、ふふふ、悪魔ちゃんがそう言うと負け惜し……』

 黙れ邪神っ!
 別にコレは断じて負け惜しみなんかじゃ無いし!!

「申し訳ございません。
 お嬢様は人見知りで無口なお方でして、お気を悪くなさないでいただきたく存じます」

「そうでしたか」

 おっ、流石はシルヴィア!  ナイスフォロー。
 いかん、いかん!  私とした事が……邪神が煩いせいでこの人のおっぱい……こほん、この人の事をジッとガン見しちゃってたわ。

「では、アクムス王国からの編入という事でまず最初に学園の規則等をご説明しようと思いますが。
 その前に改めまして、魔法都市連合王国が国立魔導学園へようこそ。
 私の名はシンシア、この学園の学園長です。
 レフィーさん、我々は貴女を歓迎します」

「ん」

 ふっ!  さっきシルヴィアが無口キャラ設定を付けてくれたおかげで頷くだけでも問題無い!!

『キャラ設定……?』

 とまぁ、それはさておき!
 学園長たるシンシアが言った通り、ここは魔法都市連合王国にある国立魔導学園。

 私の次の玩具オモチャ、楽しい楽しい遊び相手!
 ガスターに続く私の次の獲物は魔法都市連合王国!!
 アイツが……アイツらがどんな顔をするのか!  ふふっ、楽しみだなぁ~。
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