付与って最強だと思いませんか? 悪魔と呼ばれて処刑されたら原初の悪魔に転生しました。とりあえず、理想の国を創るついでに復讐しようと思います!

フウ

文字の大きさ
上 下
185 / 436
第10章 魔王会議編

185話 魔王会議 監視者にして抑止力!

しおりを挟む
「っ!」 

「うそ……」

「これは……」

 レオンが驚愕に息を呑み、ルーナが唖然と呟いてカトレアが愕然と目を見開く。
 セイヴァエルとソルエールも目を見開いたりはして無いけど難しい顔になってるし、どうやら全員ちゃんと付与した情報を理解したみたいだな。

「今諸君に付与した情報」

 まぁ、この世界の真実とか大袈裟な事言ったけど、私が魔王システムを世界に付与する以前の魔王。
 神々によって作り出された人類を間引くための装置である旧魔王が主な内容だからぶっちゃけそこまで重要でも無い。

 本当に重要なのはこの世界の真実じゃ無くて、この世界が現在置かれてる現状の方。
 すなわち!  アルタイル王国が異世界召喚なんて禁忌を犯してくれたおかげでこの世界は絶賛滅亡!  崩壊!  消滅の危機に瀕していると言う事!!

「コレがこの世界の真実と、置かれている現状」

「魔王による魔素エネルギーの回収と循環?  禁忌による世界消滅の危機?  
 まてまて、ちょっと待て。
 流石にちょっと整理させろ」

 まぁ、レオン達が混乱するのもわかる。
 と言うか寧ろ、いきなり300年周期で出現する魔王は管理者。
 つまりは神が程よく人類を間引いて魔素エネルギーを集め、世界に循環させるために作った一種の装置だとか。

 今回はある程度人類を間引いて、良いところまで人類を追い詰めてから魔王が討伐されるって言う管理者が定めたシナリオ通りには進まなかった事……

 アルタイル王国が結構序盤に本来なら、もしもの時の保険に用意されていた禁忌。
 異世界召喚を行なってアバズレ聖女を召喚したせいで、早々に魔王が勇者共に討伐され。
 当然、魔王は本来の役割を果たせずに人類の間引き及び魔素の回収と、回収した魔素の世界への循環は失敗。

 更には禁忌である異世界召喚を犯したせいで大量の魔素エネルギーを消費。
 管理者のサポートもなしに無理矢理に世界に風穴を開けたから、ただでさえ莫大な魔素が異世界召喚のために消費されたのに、開けられた風穴からこの世界の魔素が大量に流出しちゃった事。

 結果として世界が滅亡、具体的に言えば崩壊して消滅する危機に陥ってるとか。
 そんな事を突然突き付けられて一切動揺する事なく、すんなりと受け入れられる方がおかしい。

「それで、一応聞くが。
 コレは事実なのか?」

 ほんの数十秒足らずで情報を整理し、荒唐無稽とも取れる話を呑み込むとは。
 ふっ、流石は私が認めし魔王達!  まぁ、わかりきってた事だけど、やっぱり私の目に狂いは無かったな!!

「ん、当然全て事実。
 証明する事もできる」

 さてさて、竜神たるファルニクスに証言をしてもらっても良いけど……ふっふっふ~ん!  ここは私も管理者、神へと至った存在。
 超越者である正真正銘の魔神だと言う事を知らしめて、畏怖され、敬われて、褒められて、崇められるチャンスっ!!

「そうか。
 お嬢ちゃんがそう断言するからには、コレは嘘でも何でもなく事実って事か」

 あ、あれ?
 ここはもっと本当かどうか疑って、私がビシッと証明する場面じゃ……

「ふむ、魔王を名乗る者達が300年に一度必ず何処かからか出現すると言うのは明らかに不自然だったが、その背後に神の存在があったのならば納得できる。
 それよりも問題なのは……」

「えぇ、世界が滅亡の危機にあるって事ね」

 ソルエールとカトレアも何かもう普通に受け入れてるし。

「想像以上に話の規模が大き過ぎる。
 最早、ワタシ達の手には負えんようにも思えるが……」

「世界滅亡を回避するための迷宮ダンジョンの存在、ですか」

 ルーナとセイヴァエルもめっちゃ冷静だし。
 いやまぁ、一々真偽を疑われないのは私としても楽だし、話も進むから別に構わないんだけど。

 むぅ、せっかく称号とか二つ名じゃ無くて本当の神、超越者たる魔神だと証明して見せる絶好の機会だったのに……
 まぁこれは仕方ないか。
 またチャンスはあるだろうし、今は良しとしよう。

「さて、これで諸君はこの世界の事を大方理解したと思う」

 ダンジョンとか、魔王システムの事とかは後で軽く説明するとして……

「魔王たる諸君に告げておく。
 諸君が魔王としてどのように振る舞おうと、拒絶しようと、今後諸君が魔王を名乗る限り変わることの無い、という存在が持つ役割」

 この大陸における。
 人々の、世間に、世界における…… 私が世界に付与した魔王と言う存在が担う役割。

「魔王の称号は強者の証。
 旧魔王に代わる人間共を、人類を監視し、抑圧する。
 監視者にして世界の均衡を図る抑止力だ」

 ふっ、決まったな。

『カッコつけてるけど。
 要するに、悪魔ちゃんが面倒だからその役割を押し付けてるだけなんじゃ……』

 う、ううううるさいわっ!
しおりを挟む
感想 22

あなたにおすすめの小説

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

10歳で記憶喪失になったけど、チート従魔たちと異世界ライフを楽しみます(リメイク版)

犬社護
ファンタジー
10歳の咲耶(さや)は家族とのキャンプ旅行で就寝中、豪雨の影響で発生した土石流に巻き込まれてしまう。 意識が浮上して目覚めると、そこは森の中。 彼女は10歳の見知らぬ少女となっており、その子の記憶も喪失していたことで、自分が異世界に転生していることにも気づかず、何故深い森の中にいるのかもわからないまま途方に暮れてしまう。 そんな状況の中、森で知り合った冒険者ベイツと霊鳥ルウリと出会ったことで、彼女は徐々に自分の置かれている状況を把握していく。持ち前の明るくてのほほんとしたマイペースな性格もあって、咲耶は前世の知識を駆使して、徐々に異世界にも慣れていくのだが、そんな彼女に転機が訪れる。それ以降、これまで不明だった咲耶自身の力も解放され、様々な人々や精霊、魔物たちと出会い愛されていく。 これは、ちょっぴり天然な《咲耶》とチート従魔たちとのまったり異世界物語。 ○○○ 旧版を基に再編集しています。 第二章(16話付近)以降、完全オリジナルとなります。 旧版に関しては、8月1日に削除予定なのでご注意ください。 この作品は、ノベルアップ+にも投稿しています。

異世界転生ファミリー

くろねこ教授
ファンタジー
辺境のとある家族。その一家には秘密があった?! 辺境の村に住む何の変哲もないマーティン一家。 アリス・マーティンは美人で料理が旨い主婦。 アーサーは元腕利きの冒険者、村の自警団のリーダー格で頼れる男。 長男のナイトはクールで賢い美少年。 ソフィアは産まれて一年の赤ん坊。 何の不思議もない家族と思われたが…… 彼等には実は他人に知られる訳にはいかない秘密があったのだ。

屋台飯! いらない子認定されたので、旅に出たいと思います。

彩世幻夜
ファンタジー
母が死にました。 父が連れてきた継母と異母弟に家を追い出されました。 わー、凄いテンプレ展開ですね! ふふふ、私はこの時を待っていた! いざ行かん、正義の旅へ! え? 魔王? 知りませんよ、私は勇者でも聖女でも賢者でもありませんから。 でも……美味しいは正義、ですよね? 2021/02/19 第一部完結 2021/02/21 第二部連載開始 2021/05/05 第二部完結

聖女として召還されたのにフェンリルをテイムしたら追放されましたー腹いせに快適すぎる森に引きこもって我慢していた事色々好き放題してやります!

ふぃえま
ファンタジー
「勝手に呼び出して無茶振りしたくせに自分達に都合の悪い聖獣がでたら責任追及とか狡すぎません? せめて裏で良いから謝罪の一言くらいあるはずですよね?」 不況の中、なんとか内定をもぎ取った会社にやっと慣れたと思ったら異世界召還されて勝手に聖女にされました、佐藤です。いや、元佐藤か。 実は今日、なんか国を守る聖獣を召還せよって言われたからやったらフェンリルが出ました。 あんまりこういうの詳しくないけど確か超強いやつですよね? なのに周りの反応は正反対! なんかめっちゃ裏切り者とか怒鳴られてロープグルグル巻きにされました。 勝手にこっちに連れて来たりただでさえ難しい聖獣召喚にケチつけたり……なんかもうこの人たち助けなくてもバチ当たりませんよね?

授かったスキルが【草】だったので家を勘当されたから悲しくてスキルに不満をぶつけたら国に恐怖が訪れて草

ラララキヲ
ファンタジー
(※[両性向け]と言いたい...)  10歳のグランは家族の見守る中でスキル鑑定を行った。グランのスキルは【草】。草一本だけを生やすスキルに親は失望しグランの為だと言ってグランを捨てた。  親を恨んだグランはどこにもぶつける事の出来ない気持ちを全て自分のスキルにぶつけた。  同時刻、グランを捨てた家族の居る王都では『謎の笑い声』が響き渡った。その笑い声に人々は恐怖し、グランを捨てた家族は……── ※確認していないので二番煎じだったらごめんなさい。急に思いついたので書きました! ※「妻」に対する暴言があります。嫌な方は御注意下さい※ ◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。 ◇なろうにも上げています。

勝手に召喚され捨てられた聖女さま。~よっしゃここから本当のセカンドライフの始まりだ!~

楠ノ木雫
ファンタジー
 IT企業に勤めていた25歳独身彼氏無しの立花菫は、勝手に異世界に召喚され勝手に聖女として称えられた。確かにステータスには一応〈聖女〉と記されているのだが、しばらくして偽物扱いされ国を追放される。まぁ仕方ない、と森に移り住み神様の助けの元セカンドライフを満喫するのだった。だが、彼女を追いだした国はその日を境に天気が大荒れになり始めていき…… ※他の投稿サイトにも掲載しています。

婚約破棄され、平民落ちしましたが、学校追放はまた別問題らしいです

かぜかおる
ファンタジー
とある乙女ゲームのノベライズ版悪役令嬢に転生いたしました。 強制力込みの人生を歩み、冤罪ですが断罪・婚約破棄・勘当・平民落ちのクアドラプルコンボを食らったのが昨日のこと。 これからどうしようかと途方に暮れていた私に話しかけてきたのは、学校で歴史を教えてるおじいちゃん先生!?

処理中です...