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第10章 魔王会議編

184話 魔王会議 世界の真実を知ってもらう

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「異論って……流石にこの状況で異論があるとは言えないわ」

 ふむ、ふむふむふむ!
 レオンも、他の4人も引き続き苦笑いを浮かべながら頷いてるし。
 どうやら誰も異論は無いみたいだな!!

 まぁ、文字通り5人まとめてボコってやったわけだし?
 この期に及んで私が魔王たるに相応しい実力を持っているとは認めない!  とか言われたら困ったんだけど。
 無事に認めさせれたようで何よりだわ!

「しかし……お嬢ちゃん、俺達が束になっても足も出ないとかどれだけ強いんだよ」

「うむ、世界は広い。
 上には上がいると思い知らされたな」

「えぇ、こんなに可愛らしいのに。
 見た目からは想像もできない強さだったわね」

「信じ難い力だった」

「如何に思い上がっていたかを思い知りました」

 ……苦笑いしながら話すのは別に構わないよ?  これは会議だし。
 けど、5人だけで楽しそうに話しやがって!  私もいるのにっ!

 と言うか!  私の実力が多少なりとも理解できたんなら、ここはもっと『凄い!』 ってなるところでしょ!
 私の力を驚愕し、驚嘆し、畏れ、私に畏怖しながら敬って褒め称えて崇めるシーンじゃ無いのっ!?

「むぅ……」

 言ってしまえば、今この場の主役は私なわけだよ?
 それなのに、主役の私をハブって無視して、楽しそうに5人だけで話すとか……何かムカつく。
 私は会議の主催者で、司会進行役なのに……

『あ~あ、拗ねちゃった』

 拗ねて無いわ!  このバカ邪神が!!
 誰がこの程度の事でガキみたいに拗ねたりなんてするか!

『う~ん、この調子だと嫉妬のスキルを獲得する日も近そうだね』

 おいこら、人の話を聞けや。
 バカなの?  死ぬのっ!?

「傷が治って体力に魔力が全回復してるのもお嬢ちゃんのおかげだろ?
 実力もそうだが、色々と凄すぎるだろ」

「えぇ、10万人を屠ったと言う情報を聞いた時は耳を疑いましたが。
 貴女程の力があれば納得です」

 っ! 

「お主ならば10万人を屠る程度、容易いだろうな」

「うふふ、レフィーちゃんは凄いわね!」

「凄い、と言うよりワタシ達とは格が違う」

 っ!!

「ふふん!」

 レオンもセイヴァエルも。
 ソルエールもカトレアもルーナも!  5人ともわかってるじゃん!!

「あの程度、私とっては児戯。
 〝付与者〟」

「「「「「っ!!」」」」」

 愚かで醜く脆弱な人間共の国なんて私の敵では無いのだよ!!
 先発隊だった20万からなる軍勢は叩き潰してやったし。
 後から残り20万の軍勢を合流させる予定だったグローリー王国、フラン帝国、アウストロ皇国の思惑はぶち壊してやった!

 と言うのも、速度を重視した先手必勝って事で、先発軍に参加していた冒険者達は冒険者ギルドを通して集められたわけでは無くて貴族の伝を使っての直接依頼だったり、自分から名乗りを上げた者達のみ。

 それに比べて後発軍では、しっかりと冒険者ギルドに悪魔王国との戦争での悪魔討伐という名目で大陸全土に依頼を出し、冒険者を集めようとしたみたいだけど……

 ニヤニヤ嗤って勝利を確信してた3国の王達に冒険者ギルドから帰って来た返事は、〝冒険者達が戦争に参加することは禁止しないが、ギルドとして今回の戦争には一切関与しない〟

 つまり!  グローリー王国、フラン帝国、アウストロ皇国は冒険者ギルドに協力を拒絶されたのだ!
 そして、当然それは私の策略の結果!!

「ふっふっふ~!」

 そもそも、矢面に立った3国を初め勇者共を筆頭とする各国の考えでは。
 各国が誇るSランク冒険者達や、名のある高位冒険者達の参戦は当然として。

 冒険者ギルドの協力の元、ここ数年でギルドが販売を始めた高品質なポーションを大量に供給して負傷のリスクを軽減して戦うと言うモノなんだけど……

 数年前に設立され、件の高品質ポーションをギルドに卸していた商会。
 その商会の大元は何を隠そう私達!  悪魔王国ナイトメアなのだ!!

 外界進出に備えての情報収集と、資金集めを兼ねて商会を作ったわけだけど。
 既に冒険者ギルドとしても、冒険者達にとっても私達魔国のポーションは無くてはならないと言っても過言では無いほどのモノ。

 アクムス王国を通じて、ポーションを販売していた商会が魔国ナイトメアの商会だと知ったギルドは、特に人を襲ったわけでも無いし。
 しっかりとした国家である悪魔王国と事を構える事はヤバイと判断を下した。

 結果、グローリー王国、フラン帝国、アウストロ皇国の協力要請は拒絶され。
 そのせいで悪魔討伐の聖戦を掲げておきながら多くの冒険者達が参戦を見送る事となり。
 各国にとって想定外の事態に陥ったのだ! 

「今諸君に付与した情報が、魔国と3ヵ国との戦争の全貌と結果」

「まぁ、アレだな。
 お嬢ちゃんに敵対した時点で敗北が確定してたわけだし、お嬢ちゃんを敵に回した人間達がバカだったってわけだな」

 ふふん~!  私と我が魔国は凄いのだ!!
 何か5人ともまた苦笑いを浮かべてるけど……自慢できて非常に気分が良いから気にしない!

『流石は魔王達。
 悪魔ちゃんの扱い方が良くわかってるね』

 ん?  何か言った?

『いや、何も言ってないよ』

 ふむ……まぁ良い。
 とりあえず自慢もできたし、そろそろ気を取り直して会議を再開しないとな。

「こほん、話が逸れたけど。
 全員異論は無いみたいだから会議を再開する」

 優雅に足を組み直して、さっきの魔王達と遊んでる間に新しくミーシャが入れて、ミリアが用意しておいてくれたココアを一口飲んで……

「まず最初に、諸君にはこの世界の真実と現状を知ってもらう……〝付与者〟」
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