付与って最強だと思いませんか? 悪魔と呼ばれて処刑されたら原初の悪魔に転生しました。とりあえず、理想の国を創るついでに復讐しようと思います!

フウ

文字の大きさ
上 下
181 / 436
第10章 魔王会議編

181話 魔王会議 もっと私を楽しませろ!

しおりを挟む
 パチンっ!


 ニヤリと不敵な笑みを浮かべた白銀の髪にアメジストのような紫の瞳の美少女!
 カッコよくてクールで可憐な私が軽く指を打ち鳴らすと同時に周囲の光景が切り替わる。

 そして!  ちょっと不本意だけど天使みたいな純白の翼をバサァッと広げて白い羽毛が舞い散る中。
 円卓の席に座ったまま突然の事に目を見開く5人の魔王達を空中から見下ろして……

「この大陸の東方に君臨せし覇者達よ。
 魔王にふさわしき実力を誇る強者たる5人の魔王よ。
 かかってくるが良い……ふふふ、ちょっとお前達と遊んであげる」

 ふっ、ふふふ、ふはっはっはっ!!
 どうよ!  今の見た!?
 いやぁ、流石は私!  これぞ魔王様って感じでもうカッコよすぎじゃない?  自画自賛しちゃうわー!!

「クックック、遊んであげるか……結構言ってくれるじゃねぇか。
 無論、俺達もお嬢ちゃんの噂は聞いてるが、これでも俺達は本当に強いんだぞ?」

 うん、まぁそれは知ってる。
 何せ私がこの世界に〝付与者〟の権能で付与して作り上げた魔王システムによって、5人とも魔王に選ばれてるわけだし。

 魔王に至る実力の基準はクズ勇者共のパーティーと単独で対等に渡り合えるレベルなわけだけど。
 レオンの纏うこの覇気。
 そして、その身に秘めた魔素エネルギー量からもその強さは見て取れる。

 レオン……と言うか、この5人は勇者共のパーティーと互角どころか余裕で相手取れる程には強い。
 まっ!  それでもこの私には到底及ばないわけだけども!!

「確かに俺達を強制的に転移させた事、そして今の転移は目を見張るモノがある。
 恐らく、こと転移系に関しては俺達ですらお嬢ちゃんには及ばないだろう」

 ふむふむ。
 ふ~ん、なるほどなるほど。
 ふっ!  流石は魔王、どうやらレオンをはじめこの5人には人を見る目があるみたいだな!!

 翼を広げて見せたり、多少の演出はしてるとは言え。
 西方では救世の六英雄とか呼び称えられて調子に乗ってた人類最強の一角、冒険王ガスターですら私の力を見通す事はできなかったのに。
 尤も……

「だが、転移系能力で勝っているからと言って、俺や他のヤツらに勝てるとは限らない」

 正確に私の実力を見通せてるわけでは無いみたいだけど。

「見たところ、お嬢ちゃんは転移系能力に特化した転移特化型。
 それ以外の魔法戦、接近戦もそれなりにはこなせるだろうが俺には劣る、違うか?」

 違う。
 全然違う。
 全くもって違う。

「まぁ、お嬢ちゃんの転移が脅威ってのは事実だが。
 恐らく俺とお嬢ちゃんの実力はほぼ互角ってところだろうな」 

 う~ん、他の4人も概ねレオンと同じような考えみたいだな。
 まぁ、セイヴァエルだけは難しそうな顔をしてるから、なんか疑問を抱いてるみたいだけど。

 多分セイヴァエルはグランが自身よりも格上の竜種だって気付いてるな。
 それで、そんなグランが従う私が自分達と同格かどうか疑問に思って訝しんでると。

 最初の様子を見るに、恐らくルーナもミリアの事には気付いただろうけど。
 ミリアが自身の上位に君臨する吸血鬼だと確信は抱けて無くて、私の実力も事もセイヴァエルとは違って自身の解析結果を疑ってはいないってところかな?

「ふむ」

 まぁ、どのみち見せるって言ったからには私の力を見せ付けてやるつもりだし。
 ふふふ、ちょっと遊ぶくらい別に良いよね?

「レオン1人じゃあつまらない」

「は?  何だ……」

 ピクッと片眉を上げて、魔素を滾らせるレオンの頭を掴んで地面に叩きつける。

「がぁっ!?」

「「「「っ!?」」」」

 レオンが呻き声をあげて、他の4人が驚愕に息を呑んでるけど……そんな事はどうでもいい!

「ふむ」

 ふむふむふむ、なるほど!  素晴らしきモフ耳だわ!!
 っと、どさくさに紛れてレオンのモフ耳を堪能するのはこれくらいにして……

「さぁ、どんどんかかって来るが良い!
 さっきも言ったけど、5人まとめて遊んであげる」

 自分達と互角程度の存在だと思っていた私に、圧倒的な力で地に這いつくばらせられる5人の魔王。
 あはっ!  地に倒れ伏し、私の前に平伏し、畏怖の念を宿して私を見上げる魔王達の視線が目に浮かぶっ!!

「魔王たるに相応しい強者たちよ!  私が認めた5人の魔王よ!
 お前達の力を見せてみろ!  全力でもって、死力を尽くして!  もっと私を楽しませろ!!」
しおりを挟む
感想 22

あなたにおすすめの小説

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

元侯爵令嬢は冷遇を満喫する

cyaru
恋愛
第三王子の不貞による婚約解消で王様に拝み倒され、渋々嫁いだ侯爵令嬢のエレイン。 しかし教会で結婚式を挙げた後、夫の口から開口一番に出た言葉は 「王命だから君を娶っただけだ。愛してもらえるとは思わないでくれ」 夫となったパトリックの側には長年の恋人であるリリシア。 自分もだけど、向こうだってわたくしの事は見たくも無いはず!っと早々の別居宣言。 お互いで交わす契約書にほっとするパトリックとエレイン。ほくそ笑む愛人リリシア。 本宅からは屋根すら見えない別邸に引きこもりお1人様生活を満喫する予定が・・。 ※専門用語は出来るだけ注釈をつけますが、作者が専門用語だと思ってない専門用語がある場合があります ※作者都合のご都合主義です。 ※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。 ※架空のお話です。現実世界の話ではありません。 ※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります) ※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。

メインをはれない私は、普通に令嬢やってます

かぜかおる
ファンタジー
ヒロインが引き取られてきたことで、自分がラノベの悪役令嬢だったことに気が付いたシルヴェール けど、メインをはれるだけの実力はないや・・・ だから、この世界での普通の令嬢になります! ↑本文と大分テンションの違う説明になってます・・・

積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!

ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。 悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。

お爺様の贈り物

豆狸
ファンタジー
お爺様、素晴らしい贈り物を本当にありがとうございました。

没落した建築系お嬢様の優雅なスローライフ~地方でモフモフと楽しい仲間とのんびり楽しく生きます~

土偶の友
ファンタジー
優雅な貴族令嬢を目指していたクレア・フィレイア。 しかし、15歳の誕生日を前に両親から没落を宣言されてしまう。 そのショックで日本の知識を思いだし、ブラック企業で働いていた記憶からスローライフをしたいと気付いた。 両親に勧められた場所に逃げ、そこで楽しいモフモフの仲間と家を建てる。 女の子たちと出会い仲良くなって一緒に住む、のんびり緩い異世界生活。

侯爵家の愛されない娘でしたが、前世の記憶を思い出したらお父様がバリ好みのイケメン過ぎて毎日が楽しくなりました

下菊みこと
ファンタジー
前世の記憶を思い出したらなにもかも上手くいったお話。 ご都合主義のSS。 お父様、キャラチェンジが激しくないですか。 小説家になろう様でも投稿しています。 突然ですが長編化します!ごめんなさい!ぜひ見てください!

【完結】貧乏令嬢の野草による領地改革

うみの渚
ファンタジー
八歳の時に木から落ちて頭を打った衝撃で、前世の記憶が蘇った主人公。 優しい家族に恵まれたが、家はとても貧乏だった。 家族のためにと、前世の記憶を頼りに寂れた領地を皆に支えられて徐々に発展させていく。 主人公は、魔法・知識チートは持っていません。 加筆修正しました。 お手に取って頂けたら嬉しいです。

処理中です...