付与って最強だと思いませんか? 悪魔と呼ばれて処刑されたら原初の悪魔に転生しました。とりあえず、理想の国を創るついでに復讐しようと思います!

フウ

文字の大きさ
上 下
171 / 436
第10章 魔王会議編

171話 わたしをたのしませるがいいっ!!

しおりを挟む
「何がどうなっているのだ!?」

「取り乱さないでいただきたい。
 そんな話があり得るハズが無いでしょう?」

「その通りですぞ。
 全ては卑劣な悪魔共が流した戯言、所詮は敵の罠に過ぎません」

「では、先日の報告は一体何だと言うのだ!!」



 あぁ醜い、実に醜い。
 信じたく無い現実を受け入れられずに子供みたいに喚き散らし、苛立ちから意味も無く怒鳴り散らす。

 ふふふ、まさしく!  会議は踊る、されど進まずって感じだわ。
 まぁ、紛糾してるだけで別に踊っては無いけど。
 それはともかく!!

「ふふふ!  おかわり!!」

 いやぁー、いい大人が!
 それも一国の王たる立場にある者達が顔を揃えてるのに怒鳴り散らしてるだけで一向に進まない会議!
 こんなにも不毛で、それでいて滑稽な人間共の姿を見ながら飲むお酒は最高だわ!!

「レフィーお嬢様、程々になさって下さいませ」

「問題無い」

 むふふ、シルヴィアはこう言ってるけど状態異常無効があるからアルコールで酔う事もないし、どんどん進む!  グビグビお酒が止まらないっ!

 グランは悪魔王国軍の総司令、元帥として魔国に戻って今回の戦争後処理に当たってるし。
 ミリアはお酒好きで、ミーシャはマタタビ酒で陥落! 
 アラン達も一緒に酒盛りをしてるし、この状況下では流石のシルヴィア保護者でもこの私は止められない!!

 そして、酔わないと言っても状態異常無効は私の意思でコントロールできるからアルコールを摂取する事は可能で程よく、気持ちよく酔う事ができるのだ!
 つまり!  さぁ、もっと持ってこい!  どんどん持ってこい!!

「むふ~、美味しい!」

 お酒も美味しいけど、このお肉も最高に美味い!
 ちょうど暗くなってきたしって事で皆んなで、テラスに出てバーベキューをしながら今回の戦争であしらってやった3カ国。

 真っ青な顔で黙り込んでるグローリー王国、フラン帝国、アウストロ皇国の国王やら皇帝やらの3人と各国のお偉いさん達が集まって行ってる会議を見てたわけだけど……

「ふっふっふ!  ざまぁ!!
 欲望に目を眩ませ、私利私欲に塗れて身の程知らずにも、この私にケンカを売るからこうなるのだよ!」

「あの……レフィー様?」 

「もしかして酔っていらっしゃいますか?」

 む?  この程度のお酒でこの私が酔う?
 いやいやいや、流石にそれは無い。
 全くエレナとアランもお酒が入ってるからと言って、冗談はやめて欲しいわ。

「わたしは、別によってない!」

「クックック!  しっかりと酔ってるじゃねぇかお嬢!!」

「シルヴィア様の仰る通り、程々になさった方がよろしいのでは……」

 酔ってないって言ってるのに!!  ガルドもクリスティアも失礼な~!

「よってないもん!」

 確かにちょっとだけ状態異常無効を緩めてはいるけど、この私が酔っ払うなんてあり得ない。

『いや、さっきから呂律が回ってないし、しっかりと酔ってるよね?』

 むぅ、邪神までそう言うか!  皆んなして失礼な!!
 この私を誰だと心得る!  私は淑女の鏡、淑女の中の淑女と謳われた元公爵令嬢にして原初の悪魔。

 世界に対して魔王を名乗った、魔を統べる魔神だぞ!!
 クールでかっこよくて可愛いくて美しい超絶美少女な私がこれしきのお酒で酔うハズが無いのに!

「あぁ!  拗ねていらっしゃるレフィー様も尊い!!」

「ご主人様、お肉のおかわりはいかがですか?」

 ふむ、お肉のおかわりか。
 当然もらうとしよう!

「ん!  くるしゅうない!!」

 んふふ~! 
 ミーシャから受け取ったお肉を頬張ると同時に口の中に広がる肉汁!  実に素晴らしい!!  

 私の隣を陣取って頭を撫でてくるミリアのナデナデも悪くない。
 非常に心地良いけど、断じて私は拗ねてなどいない!!
 まぁ、それはともかく!  気を取り直して……

「ふふふ、つぎはゆうしゃたち!」

 この世界の情報のやり取りには馬の他にも、重要度の高い情報や緊急性のある情報では主に長距離通信魔法が使われていて、情報伝達技術はそこまで低くない。

 まぁ、悪魔王国軍の皆んなの追撃を受けながら敗走する兵士達にそんな余裕は無く。
 命からがら何とか戦場から最も近いフラン帝国の都市。
 辺境伯が治める要塞都市に辿り着いたのが昨日。

 それから暫くしてアーク達も要塞都市に辿り着き、冒険者ギルドや3バカ王達に情報が届いたのが半日ほど前。
 それからずっと時間だけを浪費する無駄な会議が行われてるわけだけど。

 流石にそろそろ宰相だったり、国の上層部が情報を精査してまとめただろうし。
 そろそろ勇者共にも20万の先遣部隊が敗走したって情報が伝わった頃だろう。

「ふっふっふ!  さぁ、滑稽で無様なすがたを見せろ!
 せいぜい、わたしをたのしませるがいいっ!!」
 
しおりを挟む
感想 22

あなたにおすすめの小説

荷物持ちだけど最強です、空間魔法でラクラク発明

まったりー
ファンタジー
主人公はダンジョンに向かう冒険者の荷物を持つポーターと言う職業、その職業に必須の収納魔法を持っていないことで悲惨な毎日を過ごしていました。 そんなある時仕事中に前世の記憶がよみがえり、ステータスを確認するとユニークスキルを持っていました。 その中に前世で好きだったゲームに似た空間魔法があり街づくりを始めます、そしてそこから人生が思わぬ方向に変わります。

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する

高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。 手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。

ステータス画面がバグったのでとりあえず叩きます!!

カタナヅキ
ファンタジー
ステータ画面は防御魔法?あらゆる攻撃を画面で防ぐ異色の魔術師の物語!! 祖父の遺言で魔女が暮らす森に訪れた少年「ナオ」は一冊の魔導書を渡される。その魔導書はかつて異界から訪れたという人間が書き記した代物であり、ナオは魔導書を読み解くと視界に「ステータス画面」なる物が現れた。だが、何故か画面に表示されている文字は無茶苦茶な羅列で解読ができず、折角覚えた魔法なのに使い道に悩んだナオはある方法を思いつく。 「よし、とりあえず叩いてみよう!!」 ステータス画面を掴んでナオは悪党や魔物を相手に叩き付け、時には攻撃を防ぐ防具として利用する。世界でただ一人の「ステータス画面」の誤った使い方で彼は成り上がる。 ※ステータスウィンドウで殴る、防ぐ、空を飛ぶ異色のファンタジー!!

スライムすら倒せない底辺冒険者の俺、レベルアップしてハーレムを築く(予定)〜ユニークスキル[レベルアップ]を手に入れた俺は最弱魔法で無双する

カツラノエース
ファンタジー
ろくでもない人生を送っていた俺、海乃 哲也は、 23歳にして交通事故で死に、異世界転生をする。 急に異世界に飛ばされた俺、もちろん金は無い。何とか超初級クエストで金を集め武器を買ったが、俺に戦いの才能は無かったらしく、スライムすら倒せずに返り討ちにあってしまう。 完全に戦うということを諦めた俺は危険の無い薬草集めで、何とか金を稼ぎ、ひもじい思いをしながらも生き繋いでいた。 そんな日々を過ごしていると、突然ユニークスキル[レベルアップ]とやらを獲得する。 最初はこの胡散臭過ぎるユニークスキルを疑ったが、薬草集めでレベルが2に上がった俺は、好奇心に負け、ダメ元で再びスライムと戦う。 すると、前までは歯が立たなかったスライムをすんなり倒せてしまう。 どうやら本当にレベルアップしている模様。 「ちょっと待てよ?これなら最強になれるんじゃね?」 最弱魔法しか使う事の出来ない底辺冒険者である俺が、レベルアップで高みを目指す物語。 他サイトにも掲載しています。

スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~

深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】 異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!

念願の異世界転生できましたが、滅亡寸前の辺境伯家の長男、魔力なしでした。

克全
ファンタジー
アルファポリスオンリーです。

夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~

青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。 彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。 ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。 彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。 これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。 ※カクヨムにも投稿しています

異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?

お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。 飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい? 自重して目立たないようにする? 無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ! お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は? 主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。 (実践出来るかどうかは別だけど)

処理中です...