付与って最強だと思いませんか? 悪魔と呼ばれて処刑されたら原初の悪魔に転生しました。とりあえず、理想の国を創るついでに復讐しようと思います!

フウ

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第9章 魔王誕生編

155話 どうだ! 驚いたか!!

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 分厚いカーテンによって外の光が遮断され、更には外部からの干渉を阻止する多重結界が展開された空間。
 薄暗く息の詰まるようなプレッシャーが支配する会議室。

 円卓の上座にある立派で荘厳な雰囲気の見た目に反してふかふかの席に腰掛け、顔の前で指を組む。
 瞑っていた目をゆっくりと開き、チラッと一目この場に揃った者達の顔を見渡し……

「こほん……諸君、よく集まってくれた」

 ふっ、決まったな。
 この会議室の何となく重苦しい雰囲気も相まって、今の私が纏うはまさしく人の上に立つ存在が纏う覇者のオーラ!
 ふふふ、ポーカーフェイスの裏側で緊張に固唾を飲む皆んなの内心が透けて見えるわ!!

「レフィーお嬢様、大変嬉しそうになさっているところ申し訳ありませんが。
 お1つだけ宜しいでしょうか?」

 ん?  シルヴィア?

「何故突然カーテンを閉め切り、明かりを消されたのかはわかりませんが。
 会議を始まる前に明かりをつけても宜しいでしょうか?」

「えっ、それじゃあ雰囲気が……」

「レフィーお嬢様、宜しいでしょうか?」

「っ!」

 こ、このニッコリと張り付けたような微笑みは!
 シルヴィアに怒られてお小言……げふん、げふん!  注意される時の有無を言わせない微笑み!!

 パチン!

 シルヴィアが軽く指を鳴らすと同時に、硬く閉じられていたカーテンが開いて眩い日光が会議室を照らす。
 ま、まだ良いって言ってないのに……

「それと、大使館に張り巡らせた警備網が乱れるので今後はカーテンを閉めるためにわざわざ無駄に大きな魔法陣を展開するのはやめて下さいませ」

 いやまぁ、確かにあの魔法陣はいつもの如くただの演出で何の意味もないけど。

「でも」

「わかりましたね?」

「は、はい。
 ごめんなさい……」

 うぅ、机を指でトントンって軽く叩いて巨大な魔法陣を展開するのは結構かっこよかったのに……!
 いや、落ち着け私!  今はアランやクリスティア達がいる。

 流石にこんな事で取り乱すのはよろしくない。
 ここは会議のお茶請けとして用意したケーキを食べて落ち着かなければ!

「ふむ……」

 ふむふむ、もう一口。

「ん~!」

 あともう一口、もう一口だけ……

「ふぅ……」

 ごちそうさまでした。
 実に美味しかったわー!  
 さて目の前で存在を主張していたケーキも食べて、ココア……大人が好む黒い飲み物で喉も潤した事ですし!

「こほん、それで今日皆んなに集まってもらった理由だけど」

『いやいや、今更それは無理がありすぎるんじゃない?
 ほら、アラン王達も苦笑いを浮かべちゃってるし』

 シャラ~ップ!  お前はそこで黙ってなさい!!

「皆んなも知っての通り、昨日この大使館に侵入した冒険王ガスターの顛末の説明をするわけだけど……
 その前に!  新しい仲間を紹介する」

「新しい仲間……そちらのお嬢様がですか?」

「マジかよ。
 貴族の御令嬢にしか見えねぇんだけど……」

 まぁ、アランとグランツェ公が唖然として反応が無いのがちょっと気になるけど……まぁ良いや。

「リリィー」

「はい!  アクムス国王陛下とグランツェ公爵閣下にはお会いした事がございますが。
 改めてご挨拶」

 なるほど……アラン達とは顔見知りだったか。
 まぁ、リリィーはアルタイル王国の中でもトップクラスの御令嬢だったわけだし、2人と顔見知りでも不思議じゃない。

 せっかく驚かせるつもりだったのに……まぁ、こうなったら仕方ない。
 ふっふっふ!  クリスティアとガルドだけでも驚くがいいわ!!

「ガスターの妹でアルタイル王国の侯爵令嬢と言う身分ではありましたが。
 この度レフィー陛下の眷属にならせていただきました、リリィー・カーディナルと申します!
 以後、お見知りおき下さいませ」

 ペコリと頭を下げるリリィーを尻目に……

「えっ……今なんと?」

「ガスターの妹……?」

 唖然と目を見開いて呟くクリスティアとガルドの2人。
 ふふふ、どうだ!  驚いたか!!
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