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第8章 悪魔姫の復讐・冒険王編
146話 役者は揃った!
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「ほ、本当の、復讐……?」
そう! 本当の復讐!!
「言ったハズ。
これはただの遊びだって」
「そ、そんな……」
こうやって世界最強の一角だと勘違いして増長してるコイツを圧倒してボコボコにするのは復讐の第一段階。
と言うか、5年半前の鬱憤を晴らす憂さ晴らしに過ぎない。
まずは昔の仕返しをしつつガスターの心をへし折って徹底的に物理的、肉体的に追い詰める!
そんでもって、これ以上苦しむくらいならいっそ殺してくれと懇願するようになってからが本番!!
ふふふ、さっさと死んで楽になるなんて赦さない。
もっと、もっと、もっと! コイツには今よりもずっと苦しんで、苦しみ抜いて、苦しみ続けてもらわないと!!
『うわ……流石は悪魔ちゃん。
見かけによらず、悪魔の神に相応しい鬼畜度合い』
ふん、何とでも言うがいいわ!
私だって度重なる恐怖と痛みと絶望で、何度もう死にたいって願った事か。
けど、死ぬ事も許されず。
毎日ずっとずっとずっと死ぬ事だけを考えて……けど死ぬ事ができない事実にまた絶望して。
最後には全てを諦めて、世界に絶望したのだ。
何も願わず、何も感じず、何も考えない。
そんな無駄に息をしているだけの人形。
いわば今のガスターなんかよりも遥か高みにまで追い詰められて、肉体の前に精神を殺されたんだよ?
さぁ、邪神! これでもまだ私が鬼畜だと言えるなら言ってみろ!!
『うん、まぁ……何かごめん』
ふっ、勝った!
まぁわかれば良いのだよ、わかれば!!
てな訳で! ガスターへの復讐の本番といこうかっ!!
「く……クソっ!!
死ね! この化け物がっ!! 」
「え?」
「や、やった……やってやった!
バカな亡霊め、もう俺を仕留めたと油断するからこうなるんだよ!
何が俺の攻撃は効かないだ、あの女の亡霊が!」
「ぁ……」
「クックック、散々甚振ってくれやがって……まぁ、お前が余裕ぶってくれたおかげで俺は助かったわけだが。
苦しいか? まぁ、当然だな、その傷は優に内蔵にまで届いてるだろうからな」
「……」
「もう声も出ねぇみたいだな。
完全なる致命傷だ、まぁ恨むなら最後の最後で油断した自分を恨む事だ」
「っ……」
「さて、お前はもう何もしなくてもすぐに死ぬだろうが。
悪魔になってまで俺の前に現れ、ここまで俺を追い詰めたんだ。
最期は俺が首を刎ねて引導を渡してやる」
「ふ……」
「じゃあな、俺達に復讐するために蘇った悪魔……今度こそ滅べっ!!
……安心しろ、お前の首を晒すような真似はしねぇ、これでもお前には同情してるんだ。
もうこの場所で安らかに眠れ……」
「ふっ」
「なっ!?」
「ふふ」
「そ、そんなバカな……」
「この程度で死んだと思った?」
ふふふ、残念!
ガスターが私の隙を伺ってるのなんて、当然気付いてたに決まってんじゃん!!
ガスターは仮にも魔王との人間にとっては熾烈な戦いを潜り抜けできた救世の六英雄の一人。
そんな存在が痛覚を数倍にした状態だったとはいえ、何回か腕を切断された程度でここまで取り乱すなんて流石にねぇ?
口調も変わってたし、性格も変貌しすぎ!
早々に私に遠く及ばない。
逃げる事も困難な程に実力差があると判断して、私の油断を誘ってた事なんて最初からバレバレ!!
「ふふ、この私を本当に殺せたとでも思った?」
いやぁ、でも危なかったな。
ちょっと希望を持たせてあげようと思ってやられたフリをしたら、完全に私を殺せたと思い込んじゃって。
ふふ、思わず笑っちゃいそうになったわ。
「私は悪魔の神。
正真正銘の超越者、全ての魔を司る魔神。
首を刎ねた程度で私は殺せない」
と言うか、そもそも悪魔は例え肉体を粉々にされても理論上は殺せない。
「は、はは……本当に化け物かよ……」
まぁ、ここは最初から私の神域なわけだし、グランの時と同じような事をしただけだけど。
一々説明するのは面倒……げふん、げふん! 今度こそ良い感じに心の底から絶望を味わってるみたいだし!!
じゃあ気を取り直して!!
「ねぇ、ガスター。
妹は元気?」
「は? 俺に妹なんて……」
「ふふ、私が何も知らないとでも?」
「ま、まさか、そんなハズは……」
「正解は……」
パチン!
指を鳴らして転移門を介して空間を繋ぐ。
その転移門の先に広がるは、簡素ながらもそれなりに広く整った部屋。
そして……
「今はまだ元気」
「っ! お兄様っ!!」
「リリィーっ!!」
淡い色のドレスに身を包んだ可憐な一人の少女。
私の復讐対象その1にして、救世の六英雄の一角である冒険王ガスターの実の妹!
「ま、まさか!!
た、頼む! 妹は! 妹には何もしないでくれ!
お前が憎んでるのは俺だろ!? リリィーは関係無い!!」
「は? 何言ってるの?
お前達も私の友を、使用人達を、家族を! 関係無い私の大切な皆んなを殺した」
「っ!! そ、それは……」
まぁ、何は何はともあれ!
これで役者は出揃ったわけだし……そろそろ、ガスターへの復讐もフィナーレにしよう!!
そう! 本当の復讐!!
「言ったハズ。
これはただの遊びだって」
「そ、そんな……」
こうやって世界最強の一角だと勘違いして増長してるコイツを圧倒してボコボコにするのは復讐の第一段階。
と言うか、5年半前の鬱憤を晴らす憂さ晴らしに過ぎない。
まずは昔の仕返しをしつつガスターの心をへし折って徹底的に物理的、肉体的に追い詰める!
そんでもって、これ以上苦しむくらいならいっそ殺してくれと懇願するようになってからが本番!!
ふふふ、さっさと死んで楽になるなんて赦さない。
もっと、もっと、もっと! コイツには今よりもずっと苦しんで、苦しみ抜いて、苦しみ続けてもらわないと!!
『うわ……流石は悪魔ちゃん。
見かけによらず、悪魔の神に相応しい鬼畜度合い』
ふん、何とでも言うがいいわ!
私だって度重なる恐怖と痛みと絶望で、何度もう死にたいって願った事か。
けど、死ぬ事も許されず。
毎日ずっとずっとずっと死ぬ事だけを考えて……けど死ぬ事ができない事実にまた絶望して。
最後には全てを諦めて、世界に絶望したのだ。
何も願わず、何も感じず、何も考えない。
そんな無駄に息をしているだけの人形。
いわば今のガスターなんかよりも遥か高みにまで追い詰められて、肉体の前に精神を殺されたんだよ?
さぁ、邪神! これでもまだ私が鬼畜だと言えるなら言ってみろ!!
『うん、まぁ……何かごめん』
ふっ、勝った!
まぁわかれば良いのだよ、わかれば!!
てな訳で! ガスターへの復讐の本番といこうかっ!!
「く……クソっ!!
死ね! この化け物がっ!! 」
「え?」
「や、やった……やってやった!
バカな亡霊め、もう俺を仕留めたと油断するからこうなるんだよ!
何が俺の攻撃は効かないだ、あの女の亡霊が!」
「ぁ……」
「クックック、散々甚振ってくれやがって……まぁ、お前が余裕ぶってくれたおかげで俺は助かったわけだが。
苦しいか? まぁ、当然だな、その傷は優に内蔵にまで届いてるだろうからな」
「……」
「もう声も出ねぇみたいだな。
完全なる致命傷だ、まぁ恨むなら最後の最後で油断した自分を恨む事だ」
「っ……」
「さて、お前はもう何もしなくてもすぐに死ぬだろうが。
悪魔になってまで俺の前に現れ、ここまで俺を追い詰めたんだ。
最期は俺が首を刎ねて引導を渡してやる」
「ふ……」
「じゃあな、俺達に復讐するために蘇った悪魔……今度こそ滅べっ!!
……安心しろ、お前の首を晒すような真似はしねぇ、これでもお前には同情してるんだ。
もうこの場所で安らかに眠れ……」
「ふっ」
「なっ!?」
「ふふ」
「そ、そんなバカな……」
「この程度で死んだと思った?」
ふふふ、残念!
ガスターが私の隙を伺ってるのなんて、当然気付いてたに決まってんじゃん!!
ガスターは仮にも魔王との人間にとっては熾烈な戦いを潜り抜けできた救世の六英雄の一人。
そんな存在が痛覚を数倍にした状態だったとはいえ、何回か腕を切断された程度でここまで取り乱すなんて流石にねぇ?
口調も変わってたし、性格も変貌しすぎ!
早々に私に遠く及ばない。
逃げる事も困難な程に実力差があると判断して、私の油断を誘ってた事なんて最初からバレバレ!!
「ふふ、この私を本当に殺せたとでも思った?」
いやぁ、でも危なかったな。
ちょっと希望を持たせてあげようと思ってやられたフリをしたら、完全に私を殺せたと思い込んじゃって。
ふふ、思わず笑っちゃいそうになったわ。
「私は悪魔の神。
正真正銘の超越者、全ての魔を司る魔神。
首を刎ねた程度で私は殺せない」
と言うか、そもそも悪魔は例え肉体を粉々にされても理論上は殺せない。
「は、はは……本当に化け物かよ……」
まぁ、ここは最初から私の神域なわけだし、グランの時と同じような事をしただけだけど。
一々説明するのは面倒……げふん、げふん! 今度こそ良い感じに心の底から絶望を味わってるみたいだし!!
じゃあ気を取り直して!!
「ねぇ、ガスター。
妹は元気?」
「は? 俺に妹なんて……」
「ふふ、私が何も知らないとでも?」
「ま、まさか、そんなハズは……」
「正解は……」
パチン!
指を鳴らして転移門を介して空間を繋ぐ。
その転移門の先に広がるは、簡素ながらもそれなりに広く整った部屋。
そして……
「今はまだ元気」
「っ! お兄様っ!!」
「リリィーっ!!」
淡い色のドレスに身を包んだ可憐な一人の少女。
私の復讐対象その1にして、救世の六英雄の一角である冒険王ガスターの実の妹!
「ま、まさか!!
た、頼む! 妹は! 妹には何もしないでくれ!
お前が憎んでるのは俺だろ!? リリィーは関係無い!!」
「は? 何言ってるの?
お前達も私の友を、使用人達を、家族を! 関係無い私の大切な皆んなを殺した」
「っ!! そ、それは……」
まぁ、何は何はともあれ!
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