上 下
118 / 436
第6章 魔国進出編

118話 作戦通り!

しおりを挟む
 こ、子供?  
 あ、あはは、おかしいな幻聴が……聞き間違いかな?  
 うん、きっとそうだ!  聞き間違いに違いない!  

『現実逃避は良く無いよ?』

「……ふぅ」

 落ち着け、落ち着くんだ私!
 私は余裕ある大魔王様!  これしきの事で怒るほど器は小さく無い。

 ここは寛大な、それはもう海よりも深い超絶寛大な心で我慢しないと。
 ポーカーフェイス、ポーカーフェイス……よし、何とか取り乱さずに済んだ!  流石は私っ!!

 でもまぁ、ちょっとくらい仕返ししても良いよね?  
 ふっさふさな毛根が死滅する程度なら問題ないよね?  
 うん、問題ない!  全くもって全然、1ミリも問題ない!!

  むしろ私の事を見て子供とか失礼千万な事を口走っておいて、殺されなかっただけ感謝するべきなわけだし。
 グランツェ公爵の斜め後ろの名も知らない青年よ!  ふふふ、明日の朝から徐々に頭の毛根が死滅して行く恐怖を……

「人間風情がレフィーお嬢様を敬称も無しに子供呼ばわりするなんてっ!
 この場でなければ魂ごと塵すら残さずに殺してやったものを……!!」

 なんか後ろでめっちゃ怖い呟きが聞こえたけど……うん、聞こえなかった事にしよう。
 シルヴィアを筆頭に、皆んなの殺気を受けてめっちゃ青褪めてるけど……

 まぁ、良いか。
 私を見て子供とか口走ったあの人が悪いんだし。
 ふふふ、とりあえずあの人には毛根がゆっくり死んで行く呪いの恐怖を味わってもうとして!

「何故この場所に子供がいるのかは至って簡単。
 初めましてグエンツェ公爵ならびにアクムス王国の代表者達。
 私の名はレフィー、悪魔王国ナイトメアを統べる女王だ」

 ふっふっふ!  決まった!!
 さっき私の事を子供とか口走ってくれた青年が面白いくらいに青褪めてるガクブル状態になってるけど気にしないっ!

 純白の玉座に踏ん反り返ってやるわ!
 ふふふ、せいぜい悪魔王国ナイトメアの女王にして、大魔王たる私に対して失言した事を後悔するが良い!!

「やはり、貴方様が……部下がとんだ失礼をいたしました、どうかお許し下さいませ」

「ん、許そう」

 流石は私!
 ちゃんと許してあげる懐の深さ!  まぁ、毛根死滅の呪いは解かないけど。

『しかし、正体を隠すって言ってたのに、彼らに名乗ってしまって良かったの?
 隠蔽魔法もかけてないしみたいだけど』

 あ……や、やっちゃったっ!!

『はぁ、まったく……』

 とでも言うと思ったか!!
 ぬふふ、騙されたな邪神!  
 聞いて驚くが良い、コレは全て最初から私の作戦通りだのだよっ!!

「では、改めまして。
 レフィー女王陛下ならびに、悪魔王国ナイトメアの皆様。
 この度は我らへの御助力、誠に感謝いたします」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

外れギフト魔石抜き取りの奇跡!〜スライムからの黄金ルート!婚約破棄されましたのでもうお貴族様は嫌です〜

KeyBow
ファンタジー
 この世界では、数千年前に突如現れた魔物が人々の生活に脅威をもたらしている。中世を舞台にした典型的なファンタジー世界で、冒険者たちは剣と魔法を駆使してこれらの魔物と戦い、生計を立てている。  人々は15歳の誕生日に神々から加護を授かり、特別なギフトを受け取る。しかし、主人公ロイは【魔石操作】という、死んだ魔物から魔石を抜き取るという外れギフトを授かる。このギフトのために、彼は婚約者に見放され、父親に家を追放される。  運命に翻弄されながらも、ロイは冒険者ギルドの解体所部門で働き始める。そこで彼は、生きている魔物から魔石を抜き取る能力を発見し、これまでの外れギフトが実は隠された力を秘めていたことを知る。  ロイはこの新たな力を使い、自分の運命を切り開くことができるのか?外れギフトを当りギフトに変え、チートスキルを手に入れた彼の物語が始まる。

ハズレスキル【収納】のせいで実家を追放されたが、全てを収納できるチートスキルでした。今更土下座してももう遅い

平山和人
ファンタジー
侯爵家の三男であるカイトが成人の儀で授けられたスキルは【収納】であった。アイテムボックスの下位互換だと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。 ダンジョンをさまよい、魔物に襲われ死ぬと思われた時、カイトは【収納】の真の力に気づく。【収納】は魔物や魔法を吸収し、さらには異世界の飲食物を取り寄せることができるチートスキルであったのだ。 かくして自由になったカイトは世界中を自由気ままに旅することになった。一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトに戻ってくるように土下座してくるがもう遅い。

「お前のような役立たずは不要だ」と追放された三男の前世は世界最強の賢者でした~今世ではダラダラ生きたいのでスローライフを送ります~

平山和人
ファンタジー
主人公のアベルは転生者だ。一度目の人生は剣聖、二度目は賢者として活躍していた。 三度目の人生はのんびり過ごしたいため、アベルは今までの人生で得たスキルを封印し、貴族として生きることにした。 そして、15歳の誕生日でスキル鑑定によって何のスキルも持ってないためアベルは追放されることになった。 アベルは追放された土地でスローライフを楽しもうとするが、そこは凶悪な魔物が跋扈する魔境であった。 襲い掛かってくる魔物を討伐したことでアベルの実力が明らかになると、領民たちはアベルを救世主と崇め、貴族たちはアベルを取り戻そうと追いかけてくる。 果たしてアベルは夢であるスローライフを送ることが出来るのだろうか。

元勇者パーティーの雑用係だけど、実は最強だった〜無能と罵られ追放されたので、真の実力を隠してスローライフします〜

一ノ瀬 彩音
ファンタジー
元勇者パーティーで雑用係をしていたが、追放されてしまった。 しかし彼は本当は最強でしかも、真の実力を隠していた! 今は辺境の小さな村でひっそりと暮らしている。 そうしていると……? ※第3回HJ小説大賞一次通過作品です!

異世界転生はどん底人生の始まり~一時停止とステータス強奪で快適な人生を掴み取る!

夢・風魔
ファンタジー
若くして死んだ男は、異世界に転生した。恵まれた環境とは程遠い、ダンジョンの上層部に作られた居住区画で孤児として暮らしていた。 ある日、ダンジョンモンスターが暴走するスタンピードが発生し、彼──リヴァは死の縁に立たされていた。 そこで前世の記憶を思い出し、同時に転生特典のスキルに目覚める。 視界に映る者全ての動きを停止させる『一時停止』。任意のステータスを一日に1だけ奪い取れる『ステータス強奪』。 二つのスキルを駆使し、リヴァは地上での暮らしを夢見て今日もダンジョンへと潜る。 *カクヨムでも先行更新しております。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

はぁ?とりあえず寝てていい?

夕凪
ファンタジー
嫌いな両親と同級生から逃げて、アメリカ留学をした帰り道。帰国中の飛行機が事故を起こし、日本の女子高生だった私は墜落死した。特に未練もなかったが、強いて言えば、大好きなもふもふと一緒に暮らしたかった。しかし何故か、剣と魔法の異世界で、貴族の子として転生していた。しかも男の子で。今世の両親はとてもやさしくいい人たちで、さらには前世にはいなかった兄弟がいた。せっかくだから思いっきり、もふもふと戯れたい!惰眠を貪りたい!のんびり自由に生きたい!そう思っていたが、5歳の時に行われる判定の儀という、魔法属性を調べた日を境に、幸せな日常が崩れ去っていった・・・。その後、名を変え別の人物として、相棒のもふもふと共に旅に出る。相棒のもふもふであるズィーリオスの為の旅が、次第に自分自身の未来に深く関わっていき、仲間と共に逃れられない運命の荒波に飲み込まれていく。 ※第二章は全体的に説明回が多いです。 <<<小説家になろうにて先行投稿しています>>>

処理中です...