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第4章 竜神の神域編
76話 国の名は。
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「ふぃ~」
あぁ、疲れたぁ。
もう無理。
もう今日はこのベッドから一歩たりとも絶対に動かない!
『疲れたって……悪魔ちゃんは本来、睡眠も食事すらも必要ない精神生命体じゃないか』
主に精神的に疲れたって言ってんの!
こちとらあんな大勢の前に出るだけで胃がキリキリと痛むんだよ!
それなのに大魔王様なんて大合唱されて……
「うぅ、気持ち悪い」
思い出したらまた胃が……
「レフィーお嬢様! 大丈夫ですか!?」
「どこかお加減が優れないのですか!?」
「大丈夫ですか!? あっ、私の尻尾を触りますかっ!?」
お、おぉ、皆んな大袈裟過ぎじゃない?
唯一グランはいつも通り……あれ? グランがいない。
どこ行ったんだろ? う~ん、まぁいいや。
「大丈夫。
でもミーシャの尻尾はモフる」
ムフフ、尻尾尻尾~! ミーシャの尻尾~っ!!
流石はミーシャ、モッフモフな素晴らしい毛並みっ! もうムギュってしちゃう!!
「ふふふ、モフモフ……!」
「お待たせ致しました。
消化に良いお粥をお持ち致しました」
グラン……いないと思ったらそんな事を。
いやまぁ、ありがたく頂くけど。
「ありがと」
しかし、これは明らかにおかしい。
私はだ、大魔王のハズなのに何か過保護じゃない?
確かに以前から多少は過保護気味だったけど、ミリアとグランが眷属に加入してから過保護が加速してる気がする。
『まぁこの4人は悪魔ちゃんのか……』
「こほん、レフィーお嬢様。
お粥を召し上がられたら、もうお休みになられますか?」
う~ん、そうしたいのは山々なんだけど……
「うんん。
決めないとダメな最重要事項がある」
そう! この大陸を統一し、国家を建国したからには決めなければならないのだ!!
「それは……国名!!」
ふっ、決まったな。
ふっふっふ、建国して国家となったからには国名は必須なのだよっ!!
「あの……レフィーお嬢様」
「ん?」
あれ? どうかしたのかな?
シルヴィアが……と言うか4人とも何か変なんだけど。
何故か視線を逸らされるし……
「実は既に国名は決定しているのです」
「……へ?」
えっ、嘘でしょ?
いや確かに建国を宣言したのに誰も言及しないし変だなぁとは思ってたけど……
「実はレフィーお嬢様がお眠りになっている間に我ら4人で会議を行ったのです」
会議……いやまぁ、私抜きで話し合いたい事もあるのはわかるけど……
「その時に幾つか候補に上がった国名をレフィーお嬢様にご提案する前にアーグベル達にも意見を聞こうと、先日相談してみたのですが。
どうやらそれを決定した正式な国名だと勘違いしたらしく、既にその国名が広まってしまったのです」
「ひどい……」
「「「「っ!」」」」
これはちょっと酷過ぎる……!
「申し訳ございません。
我ら4人、どのような処罰も……」
「会議なら私も起こしてくれたらいいのに」
「「「「え……」」」」
『そこなんだ……』
は? 何が?
いくら寝てたとは言え、私だけ仲間外れにして皆んなでお茶してたなんて酷いと思わないわけっ!?
「私だけ仲間外れ……」
私が主人で女王で魔王なのに!
「うぅ、皆んなだけケーキ……皆んなだけでスイーツ……」
羨ま……じゃなくて酷い! これを酷いと言わずして何を酷いと言うのかっ!!
『……国名は?』
はぁ? 国名なんてスイーツ様と比べたらどうでもいいじゃんか!
必須と言っても、別にどんなのでもいいわけだし。
「あの、レフィーお嬢様?
我らの眷属会議ではスイーツ等は一切食べておりませんよ」
「え……本当?」
「勿論です。
我らがレフィーお嬢様がいらっしゃらないところでそのような真似をするとお思いですか?
レフィーお嬢様は我らをそのような者達だと思っておられたのですか?」
「べ、別にそんな事は……」
ま、まずい!
いつの間にか私が不当な冤罪で皆んなを責めてるみたいになってる!!
「えっと……あの、その……」
ど、どうしたらっ!
とりあえず謝ればいいのっ!?
「ふふふ、大丈夫ですよ。
我々はレフィーお嬢様がそのようなお方では無いと存じておりますから」
えっ……それじゃあつまり、私は揶揄われてたってこ……
「しかし、そうですね。
観衆の前で頑張られたご褒美がまだですし、大陸統一に国家の建国、そして女王への即位のお祝いもまだですしね。
レフィーお嬢様さえよろしければこれからスイーツでささやかなパーティーに致しましょう」
スイーツでパーティーっ!?
「如何でしょうか?」
ま、まぁ確かにシルヴィアの言う通り目標その1である建国をクリアしたお祝いはしてないわけだし。
本当はもう眠たいけど…… そこまで言うのなら仕方ない! 別にスイーツを食べたいとかでは断じてないけど!!
とは言えだ、ここで動揺を見せればそう言う事だと思われかねない。
ここは努めてポーカーフェイスで答えなければっ!
「や、やる!
シルヴィアがそこまで言うのなら仕方ないから、寝るのは我慢する」
「ふふふ、かしこまりました。
ではすぐにご用意致しますね」
パチンっ!
シルヴィアが一度指を弾くと同時に、一瞬にして室内が飾り付けられる。
そしてテーブルと共に現れるスイーツの数々っ!!
「では改めまして、レフィーお嬢様。
大陸統一及び悪魔王国の建国、おめでとうございます」
あぁ、疲れたぁ。
もう無理。
もう今日はこのベッドから一歩たりとも絶対に動かない!
『疲れたって……悪魔ちゃんは本来、睡眠も食事すらも必要ない精神生命体じゃないか』
主に精神的に疲れたって言ってんの!
こちとらあんな大勢の前に出るだけで胃がキリキリと痛むんだよ!
それなのに大魔王様なんて大合唱されて……
「うぅ、気持ち悪い」
思い出したらまた胃が……
「レフィーお嬢様! 大丈夫ですか!?」
「どこかお加減が優れないのですか!?」
「大丈夫ですか!? あっ、私の尻尾を触りますかっ!?」
お、おぉ、皆んな大袈裟過ぎじゃない?
唯一グランはいつも通り……あれ? グランがいない。
どこ行ったんだろ? う~ん、まぁいいや。
「大丈夫。
でもミーシャの尻尾はモフる」
ムフフ、尻尾尻尾~! ミーシャの尻尾~っ!!
流石はミーシャ、モッフモフな素晴らしい毛並みっ! もうムギュってしちゃう!!
「ふふふ、モフモフ……!」
「お待たせ致しました。
消化に良いお粥をお持ち致しました」
グラン……いないと思ったらそんな事を。
いやまぁ、ありがたく頂くけど。
「ありがと」
しかし、これは明らかにおかしい。
私はだ、大魔王のハズなのに何か過保護じゃない?
確かに以前から多少は過保護気味だったけど、ミリアとグランが眷属に加入してから過保護が加速してる気がする。
『まぁこの4人は悪魔ちゃんのか……』
「こほん、レフィーお嬢様。
お粥を召し上がられたら、もうお休みになられますか?」
う~ん、そうしたいのは山々なんだけど……
「うんん。
決めないとダメな最重要事項がある」
そう! この大陸を統一し、国家を建国したからには決めなければならないのだ!!
「それは……国名!!」
ふっ、決まったな。
ふっふっふ、建国して国家となったからには国名は必須なのだよっ!!
「あの……レフィーお嬢様」
「ん?」
あれ? どうかしたのかな?
シルヴィアが……と言うか4人とも何か変なんだけど。
何故か視線を逸らされるし……
「実は既に国名は決定しているのです」
「……へ?」
えっ、嘘でしょ?
いや確かに建国を宣言したのに誰も言及しないし変だなぁとは思ってたけど……
「実はレフィーお嬢様がお眠りになっている間に我ら4人で会議を行ったのです」
会議……いやまぁ、私抜きで話し合いたい事もあるのはわかるけど……
「その時に幾つか候補に上がった国名をレフィーお嬢様にご提案する前にアーグベル達にも意見を聞こうと、先日相談してみたのですが。
どうやらそれを決定した正式な国名だと勘違いしたらしく、既にその国名が広まってしまったのです」
「ひどい……」
「「「「っ!」」」」
これはちょっと酷過ぎる……!
「申し訳ございません。
我ら4人、どのような処罰も……」
「会議なら私も起こしてくれたらいいのに」
「「「「え……」」」」
『そこなんだ……』
は? 何が?
いくら寝てたとは言え、私だけ仲間外れにして皆んなでお茶してたなんて酷いと思わないわけっ!?
「私だけ仲間外れ……」
私が主人で女王で魔王なのに!
「うぅ、皆んなだけケーキ……皆んなだけでスイーツ……」
羨ま……じゃなくて酷い! これを酷いと言わずして何を酷いと言うのかっ!!
『……国名は?』
はぁ? 国名なんてスイーツ様と比べたらどうでもいいじゃんか!
必須と言っても、別にどんなのでもいいわけだし。
「あの、レフィーお嬢様?
我らの眷属会議ではスイーツ等は一切食べておりませんよ」
「え……本当?」
「勿論です。
我らがレフィーお嬢様がいらっしゃらないところでそのような真似をするとお思いですか?
レフィーお嬢様は我らをそのような者達だと思っておられたのですか?」
「べ、別にそんな事は……」
ま、まずい!
いつの間にか私が不当な冤罪で皆んなを責めてるみたいになってる!!
「えっと……あの、その……」
ど、どうしたらっ!
とりあえず謝ればいいのっ!?
「ふふふ、大丈夫ですよ。
我々はレフィーお嬢様がそのようなお方では無いと存じておりますから」
えっ……それじゃあつまり、私は揶揄われてたってこ……
「しかし、そうですね。
観衆の前で頑張られたご褒美がまだですし、大陸統一に国家の建国、そして女王への即位のお祝いもまだですしね。
レフィーお嬢様さえよろしければこれからスイーツでささやかなパーティーに致しましょう」
スイーツでパーティーっ!?
「如何でしょうか?」
ま、まぁ確かにシルヴィアの言う通り目標その1である建国をクリアしたお祝いはしてないわけだし。
本当はもう眠たいけど…… そこまで言うのなら仕方ない! 別にスイーツを食べたいとかでは断じてないけど!!
とは言えだ、ここで動揺を見せればそう言う事だと思われかねない。
ここは努めてポーカーフェイスで答えなければっ!
「や、やる!
シルヴィアがそこまで言うのなら仕方ないから、寝るのは我慢する」
「ふふふ、かしこまりました。
ではすぐにご用意致しますね」
パチンっ!
シルヴィアが一度指を弾くと同時に、一瞬にして室内が飾り付けられる。
そしてテーブルと共に現れるスイーツの数々っ!!
「では改めまして、レフィーお嬢様。
大陸統一及び悪魔王国の建国、おめでとうございます」
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