付与って最強だと思いませんか? 悪魔と呼ばれて処刑されたら原初の悪魔に転生しました。とりあえず、理想の国を創るついでに復讐しようと思います!

フウ

文字の大きさ
上 下
62 / 436
第3章 大陸統一編

62話 VS竜王 真の姿

しおりを挟む
「吹き飛べっ!」

「っ……」

 この野郎、何が吹き飛べじゃ!  そりゃ当然、吹き飛ばされるに決まってんじゃんか。
 こんな幼気な美少女相手に思いっきり蹴りかましやがって!!

 むぅ、やっぱり接近戦じゃあ不利だ。
 てか誰だよ!  接近戦ではヴィゴーレが四魔王で一番とか吐かしたヤツは!
 普通に竜王の方がヴィゴーレなんかよりも断然強いじゃんか!!

「クハッハッハッ!  どうした、そんなものかっ!?」

 背後に蹴り飛ばされたら、先回りされて上空に殴り飛ばされ、さらには踵落としで地面に叩き落とされる。
 それでもってまた吹っ飛ばされて……あぁもう!  鬱陶しいっ!!

「落ちろ!」

「ぐぬっ……!」

 もう何度目かわからない上空に打ち上げられた私に追撃を加えようとしていたグランが弾き飛ばされるかのように地面へと突き刺さる。

 ふっふっふ、調子にのるからだ!  バーカ!  バーカっ!
 ふぅ、やっと一息つけるわ。
 アホみたいな速度でやりたい放題嬲ってくれやがって……

「これは……ぐ……」

 ちっ、これでもまだ動けるのかよ。
 やっぱり四魔王最強の名は伊達じゃないわ。
 血王は知らんけど、鬼王ヴィゴーレと死王ゲヘディとは文字通り格が違う。

「重力魔法か……」

 まぁ実際には重力魔法じゃ無くて、実際には付与魔法で重力を操ってるだけだけど。
 やってる事は変わらないし、わざわざ教えてやる必要もどこにも無い!!
 さてさて、今まで随分と甚ぶってくれた訳だし……ふふ、グランはどこまで耐えられるかなぁ?

「押し潰されろ」

「っ!」

 一気に跳ね上がった重力によってグラン諸共効果範囲の地面のみが陥没し、深い穴が出来上がる。
 ふっふっふ、ざまぁみろ!  穴の底で潰れたカエルみたいになるがいいっ!!

「今のは危なかったぞ、流石は我が攻撃をで凌ぐだけはある。
 貴殿の魔法はゲヘディをも大きく凌ぐか」

「ふん、あんな雑魚と一緒にするな」

 そもそも、お前に流石とか言われても嫌味にしか聞こえない。
 この負荷重力の中でも普通に立ちやがって。
 それにその姿……

「っ!!」

 速……いつの間に背後に!
 いや、それよりも今はコイツの攻撃をどうにかしないと、またあの鬱陶しい連鎖に……

 ポタッ……

 滴る鮮血が地面に弾ける。

「ほう、今のを避けるか」

 私の結界をまさか……貫くなんて。
 てか危なっ!  今咄嗟に首を捻らなかったら頭吹き飛んでたよ多分っ!?

 と言うか、今の今まで吹き飛ばされはしたけど完璧に防ぎ切ってた結界をたった一撃で貫くって!
 コイツめぇ、今まで手を抜いてたな!!

「……」

 ふっ、ふふふ、この私を相手に手抜き。
 私の相手なんて適当にやっても十分だと……ムカつくっ!!

 あぁ、そうですか、そっちがその気ならこっちだってもう容赦しない!!
 こんな腕、叩き斬ってやる!
 そもそも!  頬っぺたが浅く切れた程度だけど乙女の顔に傷をつけるなんて万死に値するわっ!!

「っ!」

 チィッ、やっぱり硬い!  さっきまでよりも断然硬い!!
 腕を落としてやろうと思ったのにぃー!
 と言うかいつまでそこにいんの?  近いんだよっ!!

「吹き飛べっ!」

「がはっ……!」

 私の事をナメ切ってるからか、ガラ空きになってるグランの腹部に思いっきり蹴りを叩き込む。
 はっ!  ざまぁ、今度はお前が吹き飛ぶ番だっ!!  そんでもって……

「死ね」

 対象を焼き尽くすまで消えない黒炎よって死に晒せっ!!
 蹴り飛ばしたグランへと波のように広がりながら黒炎が迫り……

「クックック……」

 一瞬にして掻き消えた。

「チッ」

 負荷重力の中でも平然と佇み、スピードもパワーも魔力すらも桁違いに跳ね上がる。
 事前に聞いてはいたけど……黒炎すら掻き消すとかチートじゃん!!

「よもや我が……竜鱗を出した我が吹き飛ばされるとは。
 やはり貴殿も力を隠しておったようだな?」 

 別に隠してた訳じゃ無いし。
 ただ森羅万象とか思考加速とか、強化系のバフなしの縛りで闘い遊びを楽しんでたとかじゃ断じてない。

 もしそんな事をしてたと後でわかったら……現在進行形で心配をかけてるシルヴィアとミーシャにどんな恐ろしいお叱りを受けるのか。

 うぅ……想像しただけで鳥肌が立った。
 と言うか!  全力を出せそうとか言っておいて全力じゃ無かったコイツが悪い。

 うんうん、敵が奥の手を残してるのに、私が奥の手を使っちゃう訳にはいかないし!  全ての責任は竜王グラン、お前にあるっ!!
 となれば言い訳する時のために言質を取らねば。

「お前、全力じゃ無かったな?」

「クックック、そんな事はない。
 我は本気だったさ……あの姿での、な」

 こ、この野郎……何してくれてんのっ!?
 何かちょっと意味深な事を言った感じな雰囲気を醸し出してるけどバカなのっ!?

「しかし、久しいな……生死を懸けた闘いは!  肌が焼け着くようなこの感覚!!
 クックック、貴殿は何故我が竜王と呼ばれておるのか知っているか?」

 鱗とか尻尾なんか出してカッコつけやがって!  竜王のアホっ!!
 確かに、ちょっとカッコよかったけども……とにかく!  せっかくの言い訳が台無しじゃんかっ!!

「貴殿には我が真の姿を。
 我が竜王と呼ばれる理由を見せてやろう」

 ちょっとさっきから煩いんですけど。
 次なる言い訳の手を考える邪魔……って、なんでグランが巨大なドラゴンになってるわけ?

「これが我が真の姿……改めて名乗ろう。
 我は古竜王グラン、全ての竜王の頂点に立つ古竜の王なり」

「……」

 いや、まぁ……うん、知ってますけど何か?
しおりを挟む
感想 22

あなたにおすすめの小説

婚約破棄された上に国外追放された聖女はチート級冒険者として生きていきます~私を追放した王国が大変なことになっている?へぇ、そうですか~

夏芽空
ファンタジー
無茶な仕事量を押し付けられる日々に、聖女マリアはすっかり嫌気が指していた。 「聖女なんてやってられないわよ!」 勢いで聖女の杖を叩きつけるが、跳ね返ってきた杖の先端がマリアの顎にクリーンヒット。 そのまま意識を失う。 意識を失ったマリアは、暗闇の中で前世の記憶を思い出した。 そのことがきっかけで、マリアは強い相手との戦いを望むようになる。 そしてさらには、チート級の力を手に入れる。 目を覚ましたマリアは、婚約者である第一王子から婚約破棄&国外追放を命じられた。 その言葉に、マリアは大歓喜。 (国外追放されれば、聖女という辛いだけの役目から解放されるわ!) そんな訳で、大はしゃぎで国を出ていくのだった。 外の世界で冒険者という存在を知ったマリアは、『強い相手と戦いたい』という前世の自分の願いを叶えるべく自らも冒険者となり、チート級の力を使って、順調にのし上がっていく。 一方、マリアを追放した王国は、その軽率な行いのせいで異常事態が発生していた……。

はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~

緋色優希
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。

異世界リナトリオン〜平凡な田舎娘だと思った私、実は転生者でした?!〜

青山喜太
ファンタジー
ある日、母が死んだ 孤独に暮らす少女、エイダは今日も1人分の食器を片付ける、1人で食べる朝食も慣れたものだ。 そしてそれは母が死んでからいつもと変わらない日常だった、ドアがノックされるその時までは。 これは1人の少女が世界を巻き込む巨大な秘密に立ち向かうお話。 小説家になろう様からの転載です!

転生したおばあちゃんはチートが欲しい ~この世界が乙女ゲームなのは誰も知らない~

ピエール
ファンタジー
おばあちゃん。 異世界転生しちゃいました。 そういえば、孫が「転生するとチートが貰えるんだよ!」と言ってたけど チート無いみたいだけど? おばあちゃんよく分かんないわぁ。 頭は老人 体は子供 乙女ゲームの世界に紛れ込んだ おばあちゃん。 当然、おばあちゃんはここが乙女ゲームの世界だなんて知りません。 訳が分からないながら、一生懸命歩んで行きます。 おばあちゃん奮闘記です。 果たして、おばあちゃんは断罪イベントを回避できるか? [第1章おばあちゃん編]は文章が拙い為読みづらいかもしれません。 第二章 学園編 始まりました。 いよいよゲームスタートです! [1章]はおばあちゃんの語りと生い立ちが多く、あまり話に動きがありません。 話が動き出す[2章]から読んでも意味が分かると思います。 おばあちゃんの転生後の生活に興味が出てきたら一章を読んでみて下さい。(伏線がありますので) 初投稿です 不慣れですが宜しくお願いします。 最初の頃、不慣れで長文が書けませんでした。 申し訳ございません。 少しづつ修正して纏めていこうと思います。

こちらの異世界で頑張ります

kotaro
ファンタジー
原 雪は、初出勤で事故にあい死亡する。神様に第二の人生を授かり幼女の姿で 魔の森に降り立つ 其処で獣魔となるフェンリルと出合い後の保護者となる冒険者と出合う。 様々の事が起こり解決していく

異世界で魔法が使えるなんて幻想だった!〜街を追われたので馬車を改造して車中泊します!〜え、魔力持ってるじゃんて?違います、電力です!

あるちゃいる
ファンタジー
 山菜を採りに山へ入ると運悪く猪に遭遇し、慌てて逃げると崖から落ちて意識を失った。  気が付いたら山だった場所は平坦な森で、落ちたはずの崖も無かった。  不思議に思ったが、理由はすぐに判明した。  どうやら農作業中の外国人に助けられたようだ。  その外国人は背中に背負子と鍬を背負っていたからきっと近所の農家の人なのだろう。意外と流暢な日本語を話す。が、言葉の意味はあまり理解してないらしく、『県道は何処か?』と聞いても首を傾げていた。  『道は何処にありますか?』と言ったら、漸く理解したのか案内してくれるというので着いていく。  が、行けども行けどもどんどん森は深くなり、不審に思い始めた頃に少し開けた場所に出た。  そこは農具でも置いてる場所なのかボロ小屋が数軒建っていて、外国人さんが大声で叫ぶと、人が十数人ゾロゾロと小屋から出てきて、俺の周りを囲む。  そして何故か縄で手足を縛られて大八車に転がされ……。   ⚠️超絶不定期更新⚠️

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

~クラス召喚~ 経験豊富な俺は1人で歩みます

無味無臭
ファンタジー
久しぶりに異世界転生を体験した。だけど周りはビギナーばかり。これでは俺が巻き込まれて死んでしまう。自称プロフェッショナルな俺はそれがイヤで他の奴と離れて生活を送る事にした。天使には魔王を討伐しろ言われたけど、それは面倒なので止めておきます。私はゆっくりのんびり異世界生活を送りたいのです。たまには自分の好きな人生をお願いします。

処理中です...