付与って最強だと思いませんか? 悪魔と呼ばれて処刑されたら原初の悪魔に転生しました。とりあえず、理想の国を創るついでに復讐しようと思います!

フウ

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第3章 大陸統一編

60話 VS竜王 邂逅

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 玉座に腰掛け足を組み、頬杖をついて余裕ある微笑を浮かべる……完璧っ!
 どうよ?  この完璧な演出は!!

『結構ノリノリだね。
 最初はあんなに嫌がっていたのに』

 ふっ、確かに最初は嫌だった。
 それはもうみっともなくベッドで絶対防壁お布団に包まって駄々をこねる程に嫌だったけど……

 そもそもの始まりは1週間前。
 この場所、第15階層のボス部屋を今回の戦争で侵攻してきた敵を迎え撃つ場所としてシルヴィアにリフォームを任せてしまった事に起因する。

 確かにシルヴィアに一任したリフォームのおかげで魔王と衝突しても大丈夫な程に十分な広さは確保できた。
 できたけど……何故かボス部屋が玉座の間になっていた。

『玉座に腰掛け愚かな侵入者を……魔王に対して魔王の如く見下す。
 そうしてレフィーお嬢様の偉大さを愚か者共へと知らしめるのです』

 思わず唖然としてしまった私に悠然と微笑みながらそうシルヴィアが言い放った。
 確かにこの大陸を統一する事が目的な訳だし、四魔王よりも上位だと示すのは後々の事を考えれば理解できるけど……

『うふふ、凛々しいレフィーお嬢様のお姿を想像するだけで達してしまいそうです!!』

 って、うっとりしながら呟いてた事は知ってる。
 それはもうバッチリと聞こえた。
 とは言え、やる決めたからには全力でやる!  断じてスイーツで懐柔された訳じゃない。

『それはもう見事に懐柔されてたよね。
 ふふふ、ご褒美を聞いて恥ずかしそうにやるって言い出した悪魔ちゃんはそれはもう可愛かったよ?』

 ……さてと、何はともあれ今は目の前の相手に集中しないと。

「クックック、やはり貴殿は面白いな。
 この大陸に長年君臨した四強の一角であるヴィゴーレを容易く始末した事もだが。
 この我を前にして一切気負う事なく生贄と断ずるとはな」

 当然だ!  何せシルヴィア印のスイーツがかかってるんだからな!!
 ふっふっふ、最近は何かと邪魔されてご無沙汰になってる気がしないでもないスイーツタイム。
 必ずやここを完璧にこなして最上級のスイーツを堪能してやるっ!!

「当然だ。
 いかに最強と名高い竜王グラン、貴様が相手でも……ダンジョン内において私が負ける事は……死ぬ事は有り得ない」

「ほう、言うではないか」

 ニヤリと口角を吊り上げた竜王グランの圧が瞬時にして膨れ上がる。
 流石に最強と謳われるだけの事はある。

 別に魔力を発した訳でも、その身体に秘める魔素量エネルギーを開放した訳でもなく……ただ単に少しだけ戦意を表に出しただけ。
 ただそれだけで、並の者なら死に至っても不思議じゃない程のこの重圧プレッシャー

「化け物め」

「クックック、何を言う。
 貴殿とて我の威圧を受けて臆するどころか眉一つ動かさずに笑みすら浮かべているではないか」 

「……」

 私が笑みを浮かべてる?  
 マジですか、全くの無意識だったわ。
 けどまぁ、今の私は生物としての格で言えば竜王にだって劣らない最上位悪魔だし。
 竜王グランは今の全力を試せるだろう強敵!  楽しみなのは否定しない。

「やはり無駄に多くの兵を連れて来なくて正解だったようだな。
 貴殿とならば全力で殺り合えそうだ」

 おぉ、さらに重圧が跳ね上がった。

「面白い」

 まぁでも、一方的に威圧されてる状況はなんか釈然としない。
 何よりこの圧が鬱陶しい。
 という訳で、覇気開放っと!

「ほう」

 ふっふっふ、なんかグランの配下共が驚愕に目を見開いてるけど、今の私にかかればグランの威圧を押し返す程度造作もないわ!
 互いに拮抗する威圧をぶつけ合いながらの睨み合い……

「クックック、さぁ存分に殺り合おうではないか!」

 フッと威圧が消失すると同時に、グランの姿が掻き消えた。
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