付与って最強だと思いませんか? 悪魔と呼ばれて処刑されたら原初の悪魔に転生しました。とりあえず、理想の国を創るついでに復讐しようと思います!

フウ

文字の大きさ
上 下
59 / 436
第3章 大陸統一編

59話 第三の生贄

しおりを挟む
 竜王グラン。
 この終焉の大地に君臨している四魔王……いや、もう2人が欠けてるから君臨してたかな?
 とにかく! 四魔王の中で最強と謳われる存在。

 事実……事前に行った調査、シルヴィア調べでも、竜王の力は他の魔王達と比べても圧倒的。
 たとえ他の魔王3名を同時に敵に回したとしても、負ける事は無いといえる程の実力を誇る。

 まさに名実ともに、この大陸における最強の存在!
 そんな正真正銘の化け物が、我がダンジョンに侵攻を開始したって情報自体は、ゲヘディについて報告を受けた時に一緒に聞いたから知ってたけど……

「3時間……」

 ゲヘディが降伏を申し出てから……つまり、竜王グランが動きを見せてから……!
 4回目の進化で私が進化の眠りから目覚めるまでで約1時間、そこにゲヘディ戦を合計しても、グランがこのダンジョンに侵攻を開始してからまだたったの3時間!!

 たったこれだけの短時間で!  僅か3時間で、私のダンジョンが15階層も……この私が、寝食も忘れる程に没頭して作り上げたダンジョンなのに!!
 めちゃくちゃ自信のあった自信作なのにっ!!

 ま、まぁ、確かに中層の入り口たる15階層までは、特に難しい問題も設置してないし。
 罠で死にさえしなければ、誰でも割と簡単に辿り着けるようにはなってるけども……それにしたって3時間って!!

「むぅ~!」

 なんか凄まじく屈辱だわ。
 決して自信作である迷宮が、こうも簡単に突破されて悔しいとかじゃないけど! とにかく、ムカつくっ!!

「あぁ! 悔しがっておられるレフィーお嬢様もまた……!
 ぐふふ、ご馳走様です!
 これでまた! 私のおかずコレクションに、新たな一ページが刻まれました!!」

「た、確かに可愛らしいお顔になっておられますね……」

 誰が悔しがってるじゃ!!
 確かに何でもないみたいに、軽々とダンジョンを攻略されてイライラしてるけど……これは決して悔しがってる訳じゃない!

 そもそも! この程度の事で一々悔しがる程、私は子供じゃない。
 えっと……そう! これは思った以上にグランの侵攻速度が早いせいで、スイーツタイムができなくなった事に対する苛立ちであって……

『言い訳はそのくらいにして……そろそろ、来るよ』

 言い訳? ふっ、バカめ。
 これは歴とした事実であって、言い訳などでは断じてないわ!
 とは言え……

「お嬢様」

「ん、わかってる」

 竜王一派はもう予定地点まで来ちゃってるわけだし、とりあえずこっちが優先!
 ホームグラウンドたるダンジョンの15階層、その最奥に存在する広い空間。

 俗に言うボス部屋だけど。
 今は本来ならこの階層から導入してる問題も設置してないし、ボス部屋の内部空間の拡張もした。
 この時のために仕立てた特別舞台!

「来ました」

「ミーシャ」

「お任せください!」

 竜王グラン達がボス部屋に入ったと同時に、ミーシャがボス部屋の入り口を塞ぐ!
 まぁ自動的にボス部屋自体の扉は閉まり、設定された条件を満たさない限り開かない。

 さらには扉には結界が展開されていて、無理やり脱出する事はまず不可能……なハズなんだけど。
 ぶっちゃけ、それだけだと物理的に破壊される可能性は十分にあった。

 なんと言っても、相手は四魔王の中で最強と名高い竜王グランな訳だし。
 しかし!  扉の上からミーシャが本気で氷の障壁を展開した今、流石の竜王でもこの二重の守りはそう簡単には突破できない!!

 これでもう竜王グランは、そう簡単にあのボス部屋から逃げられないし、逃がさない。
 さてと、舞台も整った事ですし!  ショータイムと洒落込もうか!!

『ようこそ、竜王グラン』

 私の声がボス部屋の中に響き渡る。
 決まった!  姿は見えないけど、その声だけが何処かから響いてくるこの演出……キョロキョロと周囲を見渡す竜王御一行。
 むふふっ、もっと驚け!!

 マイルームにいるから、いくら辺りを見渡しても見つかるハズないのに……ぷぷ、間抜けだわ。
 本当ならもっと間抜けな竜王達を、ここから観てたいところだけど……いつまでもこうして遊んでるわけにもいかない!

「シルヴィア」

「かしこまりました」

 綺麗に一礼したシルヴィアの転移によって、一瞬にして視界が切り替わり……

「私はレフィー。
 我がダンジョンに、侵攻せし愚か者共……おめでとう、お前達は、第三の生贄に選ばれた」
しおりを挟む
感想 22

あなたにおすすめの小説

はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~

緋色優希
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。

荷物持ちだけど最強です、空間魔法でラクラク発明

まったりー
ファンタジー
主人公はダンジョンに向かう冒険者の荷物を持つポーターと言う職業、その職業に必須の収納魔法を持っていないことで悲惨な毎日を過ごしていました。 そんなある時仕事中に前世の記憶がよみがえり、ステータスを確認するとユニークスキルを持っていました。 その中に前世で好きだったゲームに似た空間魔法があり街づくりを始めます、そしてそこから人生が思わぬ方向に変わります。

アイテムボックス無双 ~何でも収納! 奥義・首狩りアイテムボックス!~

明治サブ🍆スニーカー大賞【金賞】受賞作家
ファンタジー
※大・大・大どんでん返し回まで投稿済です!! 『第1回 次世代ファンタジーカップ ~最強「進化系ざまぁ」決定戦!』投稿作品。  無限収納機能を持つ『マジックバッグ』が巷にあふれる街で、収納魔法【アイテムボックス】しか使えない主人公・クリスは冒険者たちから無能扱いされ続け、ついに100パーティー目から追放されてしまう。  破れかぶれになって単騎で魔物討伐に向かい、あわや死にかけたところに謎の美しき旅の魔女が現れ、クリスに告げる。 「【アイテムボックス】は最強の魔法なんだよ。儂が使い方を教えてやろう」 【アイテムボックス】で魔物の首を、家屋を、オークの集落を丸ごと収納!? 【アイテムボックス】で道を作り、川を作り、街を作る!? ただの収納魔法と侮るなかれ。知覚できるものなら疫病だろうが敵の軍勢だろうが何だって除去する超能力! 主人公・クリスの成り上がりと「進化系ざまぁ」展開、そして最後に待ち受ける極上のどんでん返しを、とくとご覧あれ! 随所に散りばめられた大小さまざまな伏線を、あなたは見抜けるか!?

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?

はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、 強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。 母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、 その少年に、突然の困難が立ちはだかる。 理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。 一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。 それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。 そんな少年の物語。

婚約破棄された上に国外追放された聖女はチート級冒険者として生きていきます~私を追放した王国が大変なことになっている?へぇ、そうですか~

夏芽空
ファンタジー
無茶な仕事量を押し付けられる日々に、聖女マリアはすっかり嫌気が指していた。 「聖女なんてやってられないわよ!」 勢いで聖女の杖を叩きつけるが、跳ね返ってきた杖の先端がマリアの顎にクリーンヒット。 そのまま意識を失う。 意識を失ったマリアは、暗闇の中で前世の記憶を思い出した。 そのことがきっかけで、マリアは強い相手との戦いを望むようになる。 そしてさらには、チート級の力を手に入れる。 目を覚ましたマリアは、婚約者である第一王子から婚約破棄&国外追放を命じられた。 その言葉に、マリアは大歓喜。 (国外追放されれば、聖女という辛いだけの役目から解放されるわ!) そんな訳で、大はしゃぎで国を出ていくのだった。 外の世界で冒険者という存在を知ったマリアは、『強い相手と戦いたい』という前世の自分の願いを叶えるべく自らも冒険者となり、チート級の力を使って、順調にのし上がっていく。 一方、マリアを追放した王国は、その軽率な行いのせいで異常事態が発生していた……。

転生令嬢の食いしん坊万罪!

ねこたま本店
ファンタジー
   訳も分からないまま命を落とし、訳の分からない神様の手によって、別の世界の公爵令嬢・プリムローズとして転生した、美味しい物好きな元ヤンアラサー女は、自分に無関心なバカ父が後妻に迎えた、典型的なシンデレラ系継母と、我が儘で性格の悪い妹にイビられたり、事故物件王太子の中継ぎ婚約者にされたりつつも、しぶとく図太く生きていた。  そんなある日、プリムローズは王侯貴族の子女が6~10歳の間に受ける『スキル鑑定の儀』の際、邪悪とされる大罪系スキルの所有者であると判定されてしまう。  プリムローズはその日のうちに、同じ判定を受けた唯一の友人、美少女と見まごうばかりの気弱な第二王子・リトス共々捕えられた挙句、国境近くの山中に捨てられてしまうのだった。  しかし、中身が元ヤンアラサー女の図太い少女は諦めない。  プリムローズは時に気弱な友の手を引き、時に引いたその手を勢い余ってブン回しながらも、邪悪と断じられたスキルを駆使して生き残りを図っていく。  これは、図太くて口の悪い、ちょっと(?)食いしん坊な転生令嬢が、自分なりの幸せを自分の力で掴み取るまでの物語。  こちらの作品は、2023年12月28日から、カクヨム様でも掲載を開始しました。  今後、カクヨム様掲載用にほんのちょっとだけ内容を手直しし、1話ごとの文章量を増やす事でトータルの話数を減らした改訂版を、1日に2回のペースで投稿していく予定です。多量の加筆修正はしておりませんが、もしよろしければ、カクヨム版の方もご笑覧下さい。 ※作者が適当にでっち上げた、完全ご都合主義的世界です。細かいツッコミはご遠慮頂ければ幸いです。もし、目に余るような誤字脱字を発見された際には、コメント欄などで優しく教えてやって下さい。 ※検討の結果、「ざまぁ要素あり」タグを追加しました。

47歳のおじさんが異世界に召喚されたら不動明王に化身して感謝力で無双しまくっちゃう件!

のんたろう
ファンタジー
異世界マーラに召喚された凝流(しこる)は、 ハサンと名を変えて異世界で 聖騎士として生きることを決める。 ここでの世界では 感謝の力が有効と知る。 魔王スマターを倒せ! 不動明王へと化身せよ! 聖騎士ハサン伝説の伝承! 略称は「しなおじ」! 年内書籍化予定!

異世界に転生したら?(改)

まさ
ファンタジー
事故で死んでしまった主人公のマサムネ(奥田 政宗)は41歳、独身、彼女無し、最近の楽しみと言えば、従兄弟から借りて読んだラノベにハマり、今ではアパートの部屋に数十冊の『転生』系小説、通称『ラノベ』がところ狭しと重なっていた。 そして今日も残業の帰り道、脳内で転生したら、あーしよ、こーしよと現実逃避よろしくで想像しながら歩いていた。 物語はまさに、その時に起きる! 横断歩道を歩き目的他のアパートまで、もうすぐ、、、だったのに居眠り運転のトラックに轢かれ、意識を失った。 そして再び意識を取り戻した時、目の前に女神がいた。 ◇ 5年前の作品の改稿板になります。 少し(?)年数があって文章がおかしい所があるかもですが、素人の作品。 生暖かい目で見て下されば幸いです。

処理中です...