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第3章 大陸統一編
53話 ショータイムだ!
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既に日も陰り、月光が大地を照らす頃。
『喜べ、ヴィゴーレの次は……第二の生贄はお前だ』
何も無い荒野に臨時的に築かれた本陣。
禍々しくも幾多もの骨で構築され、死王を筆頭とした存在が円卓を囲むその場において、幼さを残す可憐な声が響き渡った。
その声に。
その言葉に、円卓を囲む者達の間に一気に緊張が走る。
誰もが息を殺したように黙り込み、のし掛かる重圧に固唾を飲みながら自らの王に視線を向ける。
「……が」
「「「「「「「「っ!!」」」」」」」」
苛立ちと共に発せられる、猛烈な殺気と魔力。
吹き荒れる膨大な魔力の奔流が本陣の天井を吹き飛ばし、顕になった月光が円卓を照らす。
「小娘風情が……ただの遊びを見抜いた程度でこの私を、死王ゲヘディを愚弄するか!
よかろう、ならばその矮小なる身に、我が魔導の真髄を見せてやろう」
その身に纏う禍々しき圧倒的な魔力。
まさしくと魔王と呼ぶに相応しい死王ゲヘディの姿に、この場に居合わせた配下の者達が一斉に膝を着いて頭を垂れる。
「皆の者、遊びは止めだ。
全兵達に通達を」
「「「「「「「「はっ!」」」」」」」」
「今よりヤツらの拠点を攻め滅ぼす!
我が圧倒的な魔力と魔導が真髄の前に、ひれ伏させててやろう」
「へぇ」
王の、死王ゲヘディの言葉に答えるように、突如として響き渡った声。
先程のモノと同様の幼くも可憐な声に、跪いていた全員が弾かれたように顔を上げ。
ゲヘディすらも咄嗟に背後を振り向き……
「魔導の真髄。
それは楽しみ」
月を背に宙に浮かぶ存在に。
白銀の髪を靡かせ、僅かに口角を上げる美しく可憐な少女の姿に、全員が驚愕に目を見開いた。
ーーーーーーーーーー
「魔導の真髄。
それは楽しみ」
この世界に存在する全種族の中でも最も魔力との親和性が高く、魔法の権化とも言える悪魔をひれ伏させる魔導の真髄。
是非とも見せて欲しい……って、なんで全員して間抜けな顔してるんだろう?
「何故貴様がここにいる?
この周囲には強力な結界が張られていたはず……」
強力な結界?
あぁ、そう言えばシルヴィアが、転移魔法を使う時になんか言ってたような……
「あの低レベルな結界なら解除させていただきました」
そうだった、低レベルな結界がどうとか言ってたわ。
てか、シルヴィアにはあの使者殿の後始末と、仕込みを頼んでおいたんだけど……
「全て恙無く完了致しました」
流石はシルヴィア、仕事が早い。
と言ってもまぁ、そんな大した事は頼んで無いけど……じゃあ、いっちょショータイムといきましょうか!!
パチンっ!
指を鳴らした瞬間。
ゲヘディの本陣と軍勢を遮断するように氷の壁が出現し、この本陣を閉じ込めて完全に外部と遮断する。
薄いけど凄まじく強度の高い、ミーシャ特性の氷の障壁のおかげで、鬱陶しい大軍勢とも分離できたし。
薄いから月光が入って十分に明るい。
と言うか、水の中にいるような水色の空間が逆に神秘的で素晴らしい!!
策略には策略を!
まぁ、咄嗟に思いついたから、やってみただけだけど。
取り敢えず! 指を鳴らすのは思いの外良い音が鳴ったし、多分カッコ良かったから非常に満足!
じゃあステージも整った事ですし。
「始めよう」
『喜べ、ヴィゴーレの次は……第二の生贄はお前だ』
何も無い荒野に臨時的に築かれた本陣。
禍々しくも幾多もの骨で構築され、死王を筆頭とした存在が円卓を囲むその場において、幼さを残す可憐な声が響き渡った。
その声に。
その言葉に、円卓を囲む者達の間に一気に緊張が走る。
誰もが息を殺したように黙り込み、のし掛かる重圧に固唾を飲みながら自らの王に視線を向ける。
「……が」
「「「「「「「「っ!!」」」」」」」」
苛立ちと共に発せられる、猛烈な殺気と魔力。
吹き荒れる膨大な魔力の奔流が本陣の天井を吹き飛ばし、顕になった月光が円卓を照らす。
「小娘風情が……ただの遊びを見抜いた程度でこの私を、死王ゲヘディを愚弄するか!
よかろう、ならばその矮小なる身に、我が魔導の真髄を見せてやろう」
その身に纏う禍々しき圧倒的な魔力。
まさしくと魔王と呼ぶに相応しい死王ゲヘディの姿に、この場に居合わせた配下の者達が一斉に膝を着いて頭を垂れる。
「皆の者、遊びは止めだ。
全兵達に通達を」
「「「「「「「「はっ!」」」」」」」」
「今よりヤツらの拠点を攻め滅ぼす!
我が圧倒的な魔力と魔導が真髄の前に、ひれ伏させててやろう」
「へぇ」
王の、死王ゲヘディの言葉に答えるように、突如として響き渡った声。
先程のモノと同様の幼くも可憐な声に、跪いていた全員が弾かれたように顔を上げ。
ゲヘディすらも咄嗟に背後を振り向き……
「魔導の真髄。
それは楽しみ」
月を背に宙に浮かぶ存在に。
白銀の髪を靡かせ、僅かに口角を上げる美しく可憐な少女の姿に、全員が驚愕に目を見開いた。
ーーーーーーーーーー
「魔導の真髄。
それは楽しみ」
この世界に存在する全種族の中でも最も魔力との親和性が高く、魔法の権化とも言える悪魔をひれ伏させる魔導の真髄。
是非とも見せて欲しい……って、なんで全員して間抜けな顔してるんだろう?
「何故貴様がここにいる?
この周囲には強力な結界が張られていたはず……」
強力な結界?
あぁ、そう言えばシルヴィアが、転移魔法を使う時になんか言ってたような……
「あの低レベルな結界なら解除させていただきました」
そうだった、低レベルな結界がどうとか言ってたわ。
てか、シルヴィアにはあの使者殿の後始末と、仕込みを頼んでおいたんだけど……
「全て恙無く完了致しました」
流石はシルヴィア、仕事が早い。
と言ってもまぁ、そんな大した事は頼んで無いけど……じゃあ、いっちょショータイムといきましょうか!!
パチンっ!
指を鳴らした瞬間。
ゲヘディの本陣と軍勢を遮断するように氷の壁が出現し、この本陣を閉じ込めて完全に外部と遮断する。
薄いけど凄まじく強度の高い、ミーシャ特性の氷の障壁のおかげで、鬱陶しい大軍勢とも分離できたし。
薄いから月光が入って十分に明るい。
と言うか、水の中にいるような水色の空間が逆に神秘的で素晴らしい!!
策略には策略を!
まぁ、咄嗟に思いついたから、やってみただけだけど。
取り敢えず! 指を鳴らすのは思いの外良い音が鳴ったし、多分カッコ良かったから非常に満足!
じゃあステージも整った事ですし。
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