付与って最強だと思いませんか? 悪魔と呼ばれて処刑されたら原初の悪魔に転生しました。とりあえず、理想の国を創るついでに復讐しようと思います!

フウ

文字の大きさ
上 下
36 / 436
第2章 勢力拡大編

36話 この私が騙されただとっ!?

しおりを挟む
「レフィーお嬢様、私の側を離れないでください」

 離れるも何も、現在進行形で髪を整えられてる途中だから動けないんだけど。
 それに、まだまだ焦る必要はない。

 確かに……あのエルダーリッチは例外として、初めての侵入者だけど、侵入者が現在いるのは迷宮のスタート地点である地表階層だし。

「まだ問題ない」

 まぁ、事前に点検できなかったのは悔やまれるけど。
 私が作り上げた自信作が、果たして実戦で通用するのかを試すいい機会だ。

「それよりも、終わった?」

 生まれて数日しか経ってないからか。
 殺される前……冤罪で捕まってから、バッサリと切られた影響なのか。
 今の私の髪は、そんなに長くない。

 元々は美しかった金髪も、捕まってから受けた拷問やら何やらのストレスで色素が抜け落ちて白くなったし。
 あの時は既に精神が死んでたから何も思わなかったけど、今にして思い出すとムカつくわ。

 まぁ、今は白って言うよりは白銀だけども……とまぁ、今はそんな事はどうでもいい。
 とにかく!  多少の寝癖があろうとも、肩口程度までしかない髪をとかすのに時間はあまり掛から無い!!  ハズなんだけど……

「シルヴィアはいつも長過ぎる」

「っ!?  そんな……レフィーお嬢様は、私の楽しみを奪うと仰るのですか……?」

 そ、そんな悲しそうな顔をしても、表情を作ってるって事はわかってるんだからなっ!
 何年一緒にいると思ってんの!?
 私に嘘泣きでの泣き落としは通用しな……

「そう、ですか。
 レフィーお嬢様は、私に御髪を整えられるのは嫌なのですね……」

「べ、別にそんな事は無いけど」

 あ、あれ?
 シルヴィアの声が若干震えて……え?  嘘でしょ?
 マジなの?  嘘泣きじゃなくて??
 や、ヤバイ!  涙を隠すように後ろを向いちゃったから鏡越しから表情は見えないけど、肩が小さく震えてる!!

「あ、あの……シルヴィア?
 別にシルヴィアに髪を整えられるの嫌じゃないよ?」

「ほ、本当ですか?」

「本当だよ!
 シルヴィアなら幾らでも整えてくれていいよ!!」

 テンパって自分でも何言ってんのか意味がわからん。
 何だよ幾らでも髪を整えていいって……けどまぁ、仕方ないな。
 だって、シルヴィアが泣いちゃうなんて予想外過ぎるもん。

「ふふふ、ありがとうございます」

 あれ……?
 ま、まさか……!!

「では、お言葉に甘えて、レフィーお嬢様の御髪を整えさせてもらいます。
 っと、言いたいところですが。
 侵入者がおりますし、お着替え致しましょうか」

 この私が騙されただとっ!?

「シルヴィア~」

「ふふ、申し訳ございません。
 レフィーお嬢様の反応があまりに可愛らしかったので、ついふざけてしまいました」

「うぅ……」

「さて、レフィーお嬢様。
 時間も余りありませんし、そんな目で睨んでいないで、早くこちらにいらしてくださいませ」

 せめてもの抵抗としてジト目で睨んだのに、それすらも軽く受け流すこの余裕。
 おかしい!  シルヴィアはメイドで私は主のハズなのに!!

「はい、終了致しました。
 今日も大変お可愛らしいですよ!」

 むぅ……なんか釈然としない。

『簡単に騙されてテンパる悪魔ちゃん、結構可愛かったよ』

 コノヤロウ。
 文句を言われる前に逃げたと思ってたら、黙ってコソコソ覗いてやがったのか!

「まぁいい」

 邪神に文句言って、賠償金を毟り取るのは後回しだ。
 なんたって、今は我がダンジョンに侵入者が……初めてのお客様がいる!

 本来ならダンジョンマスターとして、魔王の如く最下層で待ち構えておくべきなんだろうけど。
 相手は記念すべき1人目!!

「じゃあ、ご挨拶に向かうとしよう」

「かしこまりました」

 さぁ、記念すべき最初の侵入者とご対面だー!!
しおりを挟む
感想 22

あなたにおすすめの小説

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

侯爵家の愛されない娘でしたが、前世の記憶を思い出したらお父様がバリ好みのイケメン過ぎて毎日が楽しくなりました

下菊みこと
ファンタジー
前世の記憶を思い出したらなにもかも上手くいったお話。 ご都合主義のSS。 お父様、キャラチェンジが激しくないですか。 小説家になろう様でも投稿しています。 突然ですが長編化します!ごめんなさい!ぜひ見てください!

没落した建築系お嬢様の優雅なスローライフ~地方でモフモフと楽しい仲間とのんびり楽しく生きます~

土偶の友
ファンタジー
優雅な貴族令嬢を目指していたクレア・フィレイア。 しかし、15歳の誕生日を前に両親から没落を宣言されてしまう。 そのショックで日本の知識を思いだし、ブラック企業で働いていた記憶からスローライフをしたいと気付いた。 両親に勧められた場所に逃げ、そこで楽しいモフモフの仲間と家を建てる。 女の子たちと出会い仲良くなって一緒に住む、のんびり緩い異世界生活。

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する

高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。 手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

ペットたちと一緒に異世界へ転生!?魔法を覚えて、皆とのんびり過ごしたい。

千晶もーこ
ファンタジー
疲労で亡くなってしまった和菓。 気付いたら、異世界に転生していた。 なんと、そこには前世で飼っていた犬、猫、インコもいた!? 物語のような魔法も覚えたいけど、一番は皆で楽しくのんびり過ごすのが目標です! ※この話は小説家になろう様へも掲載しています

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

【完結】神様と呼ばれた医師の異世界転生物語 ~胸を張って彼女と再会するために自分磨きの旅へ!~

川原源明
ファンタジー
 秋津直人、85歳。  50年前に彼女の進藤茜を亡くして以来ずっと独身を貫いてきた。彼の傍らには彼女がなくなった日に出会った白い小さな子犬?の、ちび助がいた。  嘗ては、救命救急センターや外科で医師として活動し、多くの命を救って来た直人、人々に神様と呼ばれるようになっていたが、定年を迎えると同時に山を買いプライベートキャンプ場をつくり余生はほとんどここで過ごしていた。  彼女がなくなって50年目の命日の夜ちび助とキャンプを楽しんでいると意識が遠のき、気づけば辺りが真っ白な空間にいた。  白い空間では、創造神を名乗るネアという女性と、今までずっとそばに居たちび助が人の子の姿で土下座していた。ちび助の不注意で茜君が命を落とし、謝罪の意味を込めて、創造神ネアの創る世界に、茜君がすでに転移していることを教えてくれた。そして自分もその世界に転生させてもらえることになった。  胸を張って彼女と再会できるようにと、彼女が降り立つより30年前に転生するように創造神ネアに願った。  そして転生した直人は、新しい家庭でナットという名前を与えられ、ネア様と、阿修羅様から貰った加護と学生時代からやっていた格闘技や、仕事にしていた医術、そして趣味の物作りやサバイバル技術を活かし冒険者兼医師として旅にでるのであった。  まずは最強の称号を得よう!  地球では神様と呼ばれた医師の異世界転生物語 ※元ヤンナース異世界生活 ヒロイン茜ちゃんの彼氏編 ※医療現場の恋物語 馴れ初め編

処理中です...