付与って最強だと思いませんか? 悪魔と呼ばれて処刑されたら原初の悪魔に転生しました。とりあえず、理想の国を創るついでに復讐しようと思います!

フウ

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第2章 勢力拡大編

19話 付与は世界を制す!

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 なるほどね。
 地球の記憶が戻ってから、なんで付与がハズレなんて呼ばれてたのか不思議だったけど……そう言う事ね。

 確かに初期の状態であれば付与の効果は低い。
 スキルを鍛えればその限りではないんだけど……ハズレって呼ばれて冷遇されてるスキルをわざわざ鍛える者は誰もいない。
 だから、この事実に気づく者がいなかったと。

 確かに私も付与のスキルは全くと言っていいほど使ってなかったな。
 まぁ、そもそも公爵令嬢にして第一王子の婚約者であった私がスキルを使う機会なんて殆ど無かったんだけど。
 それにしても……

「おかしい」

 明らかにおかしい。
 いくらハズレスキル筆頭の付与でも、流石に今まで誰も鍛えないなんて事は流石に不自然すぎる。

『あはは、まさか新しいスキルを定着させちゃうなんて!  想像以上だよ!!』

「なるほど、お前の仕業か」

 仮にも神を名乗ってるんだし、邪神ならそのくらいできても不思議じゃない。

『いや、本当に私は何もしてないよ?』

 じゃあ、付与スキルを鍛えた者はいるけど、誰もその事実を明かさなかったとかかな?
 まぁ、何でもいいや。

 前世では殆ど出番がなかった付与スキルが、なんでユニークスキルになってるのかは謎だけど……
 今重要なのはそんな事じゃ無くて、私が付与のスキルを持っているって言う事実のみ!

「鑑定」



 名称:付与者
 名も無き原初の悪魔が保有するユニークスキル。
 あらゆるモノ・事象へと干渉する。



 説明文は短いけど、何でこのユニークスキルを獲得できたのかはわかった。
 恐らくは、地球の記憶が戻ったから。

 正確には、前世の記憶が戻った事で、もともと保有してた付与のスキルがユニークスキルに進化したってところかな?
 そして記憶が戻ったのは殺される直前だから……悪魔に転生した時には既に付与者を保有していたって訳ね。

「ふふふ」

『随分と機嫌が良さそうだね』

 だって、このユニークスキルだよ?  そりゃあ、機嫌も良くなるわ。
 付与は意味のないバフやデバフ効果を与えるだけのハズレスキルって言ったのは誰だったかな?
 クズ勇者?  ゴミ国王?  それともクソビッチ聖女だったっけ?

 冤罪で捕まって、地下牢に繋がれ、様々な酷い仕打ちを受けてた私の前に来た誰かが見下したように言ってたけど……
 ふふふ、付与の力がそんなモノのハズないのに。

「バカで愚かな人間共め」

 付与の力の本質は〝干渉〟する事!

『まさか……』

 そのまさか。
 ステータススキルをこうも簡単に獲得できたのは、私がそうなるように干渉した結果。
 何に干渉したのかは知らないけど……干渉はできた。
 そこで、今考えられるのは可能性としては2つ。

 天の声システムみたいな特殊なシステムが存在する可能性と、もともとそう言う世界だって可能性だけど。
 今重要なのはそこじゃない。
 大事なのは、私がそこに干渉する事ができると言う事!!

『いやはや、本当にキミは私の想像以上だよ。
 勇者達も恐ろしい存在を敵に回したモノだ……』

「?」

 何やらぶつぶつ言ってるけど、小さくて聞き取れなかった。
 ふっふっふ、まぁいい!  付与は世界を制す可能性すら秘めた力!!
 愚かで醜い人間共め!  首を洗って待ってろよ……必ず徹底的に復讐してやるっ!!

『けど、悪魔ちゃん』

 ちっ、人がせっかくいい気分に浸ってるのに邪魔しやがって。
 アホでバカでウザい邪神めっ!

『はいはい。
 それで、今更だけど名前はどうするつもりなのかな?』

「名前?」

『キミねぇ……自分の名前がまだ無いって事、忘れてないよね?』

「……」

 まさか……まさか、この私が邪神に指摘されるなんて……何か屈辱だわ。
 しっかし名前か。
 考えようと思ってたけど、エルダーリッチに襲われてすっかり忘れてた……

「どうしよう?」

 う~ん、まっ!  名前の事はシルヴィアが帰ってきたら相談するとして。
 それまではなんか知らんけどいつの間にか獲得してた魔力体スキルをとりあえず調べて……ちょっと実践してみよう!
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