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第19章 神魔大戦編
350話 衝突
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横薙ぎに振るわれるカエデの黒刀。
黒雷を纏って弾けさせるそれは、まさしく神速の一撃。
しかしながら、そんな一撃をコレールは当然の如く躱してみせる。
「流石ですっ!」
コレールが黒刀を避けた先タイミングを合わせてもう一振りの黒刀が振り下ろされる。
黒雷を纏った一撃は大地を斬り裂き、暗雲立ち込める天を割り……
「ふふふ、良い色です!」
ドチャっと音を立て、鮮血を撒き散らしながらソレが地面に落下する。
地面に転がり、尚も鮮血を垂れ流すソレ……コレールの左腕を見てカエデは楽し気に顔を歪めて嗤う。
「私の腕を斬り落とすとは……中々に良い切れ味をしている様ですね」
カエデと対峙するコレールは地面に転がる自身の腕を全く表情を変えずに一瞥し、感心した様に微笑みすら浮かべる。
安全圏まで離脱を果たしたジバルがそんな両者を見てドン引きしているのだが、当事者達は気に留めすらせずに笑みを浮かべて睨み合う。
「あら、お褒め頂き嬉しゅうございます。
ふふふ、おっしゃる通り、私の黒雷を纏った黒雷刀は纏っていない時の比ではありませんよ?」
「その様ですね」
カエデの言葉を頷いて肯定するコレールの左手は既に元通りに再生しており、スゥと目が細められるに連れてコレールから凄まじい魔力と威圧が溢れ出る。
空間を神々しい漆黒に染め上げる様な重圧がカエデへとのし掛かる。
しかしそんな重圧をものともせず、笑みを浮かべてコレールに対抗する様にカエデから魔力と殺意が迸る。
両者の間に緊張感が張り詰め……両者の姿が掻き消える。
「っ!!」
カエデが驚愕に目を見開く。
彼女の目の前で起こっている光景。
同時に地面を蹴って切迫し、正面からコレールの首を貫こうと放った突き。
その軌道上にある全てを貫くそれが、漆黒の鱗を纏うコレールの手によって掴まれていた。
ピチャピチャ……
黒雷を纏う黒刀掴むコレールの掌から血が滴り落ちる。
「くっ!」
唖然と動きが止まったカエデへと放たれる鋭い蹴り。
もう一振りの黒刀を間に挟んでガードするものの、カエデの身体が上空へと打ち上げられる。
「鱗と魔力を纏った私の手をも切るとは流石ですね」
淡々とそう言うコレールだが。
例え鱗や魔力を纏っていなくとも、並の超越者ではコレールの肌に傷一つつける事は敵わない。
それどころか最高位の素材を使用し、コレールの膨大な魔力を浴びて凄まじい防御力を誇る軍服すら破壊する事は不可能。
女もヤベェが、それ程までの……ダブルの神でも斬り裂くだろう攻撃を流石で済ませるあんたもヤベェよ!
と内心で叫びながら、ジバルはコレールの言葉を聞いて顔を引きつらせる。
「それは此方のセリフです!
私の突きを素手で受け止め、蹴り上げるなんて……流石ですね」
上空でコレールを見下ろしながら、カエデが徐に左手に持っていた黒刀を手放す。
手を離れると同時に黒刀は空気に溶ける様にして消滅し、黒刀を手放した左手が天に向けて掲げられる。
それと同時に周囲の空が曇天に染まって雷鳴が鳴り響く。
「魔皇神序列5位のカエデさん。
貴女は本気でお相手しましょう」
今にでも雷が落ちてきそうな空を。
上空に浮遊するカエデを見て、闘志に満ちた微笑みを浮かべ……コレールの身体を神々しい漆黒の魔力が包み込む。
そして、そこから姿を現したのは……
「マジかよ……」
唖然と呟くジバルの視線の先。
全てを破壊する鋭い牙と爪、美しい流線形の身体は漆黒の鱗に覆われ。
スラリと伸びた長い尻尾が僅かに揺れて、打ち付けられた地面が割れる。
「ふふふ、そうですか! 貴方があの黒龍でしたか!!」
10万年前の大戦の後に神となり、凄まじい速度でナンバーズ序列10位まで登り詰めたジバルは知らない。
かつての大戦にて神で無いにも関わらず、フォルクレスを筆頭とする大神達と共にヴィスデロビアと戦い。
その圧倒的とも言える強さから、敵味方共に漆黒の翼と呼ばれて恐れられた黒龍の存在を……
「双方共に、小手調べは必要無いでしょう。
ここから先は貴女のお望み通り、本気で殺り合うとしよう」
本来の姿、黒き漆黒のドラゴンの姿になったコレールは先程までとは比べ物にならない程の魔力を纏う。
その声には自然と平伏してしまいそうになる程の重圧が乗せられ、発せられるプレッシャーで大気が、地面が、空間が震える。
「面白い! 真っ黒な貴方を更に黒いトカゲにして差し上げましょう!!」
嗤うカエデの頭上で黒雷が顔を覗かせ、腹の底に響く様な重厚感を伴った雷鳴が鳴り響く。
天と地にて睨み合う双方のエネルギーが高まり……
「焦げなさい!!」
カエデの腕がコレールへと向けて振り下ろされた。
黒雷を纏って弾けさせるそれは、まさしく神速の一撃。
しかしながら、そんな一撃をコレールは当然の如く躱してみせる。
「流石ですっ!」
コレールが黒刀を避けた先タイミングを合わせてもう一振りの黒刀が振り下ろされる。
黒雷を纏った一撃は大地を斬り裂き、暗雲立ち込める天を割り……
「ふふふ、良い色です!」
ドチャっと音を立て、鮮血を撒き散らしながらソレが地面に落下する。
地面に転がり、尚も鮮血を垂れ流すソレ……コレールの左腕を見てカエデは楽し気に顔を歪めて嗤う。
「私の腕を斬り落とすとは……中々に良い切れ味をしている様ですね」
カエデと対峙するコレールは地面に転がる自身の腕を全く表情を変えずに一瞥し、感心した様に微笑みすら浮かべる。
安全圏まで離脱を果たしたジバルがそんな両者を見てドン引きしているのだが、当事者達は気に留めすらせずに笑みを浮かべて睨み合う。
「あら、お褒め頂き嬉しゅうございます。
ふふふ、おっしゃる通り、私の黒雷を纏った黒雷刀は纏っていない時の比ではありませんよ?」
「その様ですね」
カエデの言葉を頷いて肯定するコレールの左手は既に元通りに再生しており、スゥと目が細められるに連れてコレールから凄まじい魔力と威圧が溢れ出る。
空間を神々しい漆黒に染め上げる様な重圧がカエデへとのし掛かる。
しかしそんな重圧をものともせず、笑みを浮かべてコレールに対抗する様にカエデから魔力と殺意が迸る。
両者の間に緊張感が張り詰め……両者の姿が掻き消える。
「っ!!」
カエデが驚愕に目を見開く。
彼女の目の前で起こっている光景。
同時に地面を蹴って切迫し、正面からコレールの首を貫こうと放った突き。
その軌道上にある全てを貫くそれが、漆黒の鱗を纏うコレールの手によって掴まれていた。
ピチャピチャ……
黒雷を纏う黒刀掴むコレールの掌から血が滴り落ちる。
「くっ!」
唖然と動きが止まったカエデへと放たれる鋭い蹴り。
もう一振りの黒刀を間に挟んでガードするものの、カエデの身体が上空へと打ち上げられる。
「鱗と魔力を纏った私の手をも切るとは流石ですね」
淡々とそう言うコレールだが。
例え鱗や魔力を纏っていなくとも、並の超越者ではコレールの肌に傷一つつける事は敵わない。
それどころか最高位の素材を使用し、コレールの膨大な魔力を浴びて凄まじい防御力を誇る軍服すら破壊する事は不可能。
女もヤベェが、それ程までの……ダブルの神でも斬り裂くだろう攻撃を流石で済ませるあんたもヤベェよ!
と内心で叫びながら、ジバルはコレールの言葉を聞いて顔を引きつらせる。
「それは此方のセリフです!
私の突きを素手で受け止め、蹴り上げるなんて……流石ですね」
上空でコレールを見下ろしながら、カエデが徐に左手に持っていた黒刀を手放す。
手を離れると同時に黒刀は空気に溶ける様にして消滅し、黒刀を手放した左手が天に向けて掲げられる。
それと同時に周囲の空が曇天に染まって雷鳴が鳴り響く。
「魔皇神序列5位のカエデさん。
貴女は本気でお相手しましょう」
今にでも雷が落ちてきそうな空を。
上空に浮遊するカエデを見て、闘志に満ちた微笑みを浮かべ……コレールの身体を神々しい漆黒の魔力が包み込む。
そして、そこから姿を現したのは……
「マジかよ……」
唖然と呟くジバルの視線の先。
全てを破壊する鋭い牙と爪、美しい流線形の身体は漆黒の鱗に覆われ。
スラリと伸びた長い尻尾が僅かに揺れて、打ち付けられた地面が割れる。
「ふふふ、そうですか! 貴方があの黒龍でしたか!!」
10万年前の大戦の後に神となり、凄まじい速度でナンバーズ序列10位まで登り詰めたジバルは知らない。
かつての大戦にて神で無いにも関わらず、フォルクレスを筆頭とする大神達と共にヴィスデロビアと戦い。
その圧倒的とも言える強さから、敵味方共に漆黒の翼と呼ばれて恐れられた黒龍の存在を……
「双方共に、小手調べは必要無いでしょう。
ここから先は貴女のお望み通り、本気で殺り合うとしよう」
本来の姿、黒き漆黒のドラゴンの姿になったコレールは先程までとは比べ物にならない程の魔力を纏う。
その声には自然と平伏してしまいそうになる程の重圧が乗せられ、発せられるプレッシャーで大気が、地面が、空間が震える。
「面白い! 真っ黒な貴方を更に黒いトカゲにして差し上げましょう!!」
嗤うカエデの頭上で黒雷が顔を覗かせ、腹の底に響く様な重厚感を伴った雷鳴が鳴り響く。
天と地にて睨み合う双方のエネルギーが高まり……
「焦げなさい!!」
カエデの腕がコレールへと向けて振り下ろされた。
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