最強幼女は惰眠を求む！ 〜神々のお節介で幼女になったが、悠々自適な自堕落ライフを送りたい〜

第１８章 神魔大戦編・序章

318話 現実逃避、結構！ 責任転嫁、上等！！

　……えっ？  今、コレールは何て？？
　襲撃って聞こえた気がしたんですけど……うん、きっとただの聞き間違いですね。

「まだ様子見程度の奇襲を受けただけで、そこまで緊迫した状況ではない様です。
　敵襲撃部隊は既に討伐され、現在は睨み合いの小康状態との事です」 

　くっ、分かってはいました。
　分かってはいましたけど！  ただの現実逃避ですけど！！
　……聞き間違いであって欲しかったですね。

「分かりました。
　ネルヴィア様からは何か伝言はありますか？」

「今のところございません。
　ただ、本格的な戦闘が始まれば参戦して欲しいとの事です」

　それはまぁ、もとよりそのつもりですし、何の問題もありませんが。

「むぅ……」

「エル、どうしたの？
　嫌な事、あった？」 

　コテンと首を傾げて椅子から浮き上がり、宙に浮いた状態で僕の頭に手を伸ばすフェル。
　こ、これは！  良い！  実に癒されます！！
　今すぐフェルを抱きしめて寝てしまいたいです……まぁ、そう言うわけには行きませんけど。

「いや、ただタイミングがこの上無く悪いなと」

　何故にリーナ達６人が特別任務に出発した瞬間にヴィスデロビアの統一神界襲来が発覚するんですか！？
　どうせなら皆んなが行ってしまう前に発覚しておいて欲しかったですよ！！

「それに……また後手に回ってしまいました……」 

　僕達が地球でゼサータレンと戦っている間のナイトメアへの奇襲も、今回の統一神界への攻撃も……全てにおいて後手後手です。

　ゼサータレンの時は、既に接触済みで、しかも連絡手段まだ確立しているなんて考えていませんでしたし。
　ヴィスデロビアとの戦争は、統一神界が主戦場になるとは思っていましたが。
　まさか、ここまで早いなんて想定外です。

「ん、よしよし、エルは、良くやってる」

「フェル……」

「エルは、何も悪くない。
　ヴィスデロビアが、全部悪い。
　だからエルが、気にする必要無い」

「フェル様の仰る通りです！
　ゼサータレンとの連絡手段を確立したのも、予想以上に早く統一神界に攻め込んだのも。
　全てその様な行動を取ったヴィスデロビアが悪いのです」 

「そうですよ！  お嬢様が気に病む必要はありません！」

「ええ、その通りです！
　私達の尻尾でも触って元気を出して下さい！！」

　メルヴィー……シアとノアも……！

「そうです！
　その上、こうしてルーミエル様を苦しめる何て、万死に値します！！」

「ふふふ、ルーミエルお嬢様が責任を感じられる必要は無いのですよ？」

「おうよ！
　未来なんて誰も分からねぇんだ、誰もお嬢を責める奴なんていねぇよ！」 

　オルグイユにアヴァリス、リュグズールまで！

「そうそう、我が君がそんなに思い詰める必要はないよ」

「そうですとも。
　ナイトメアのみならず、統一神界に主人殿を悪し様に言うものなんてただ１人としているはずがありません！」

　エンヴィーにグラトニーもっ！

「皆の言う通りです。
　全てはヴィスデロビアが招いた事態、お嬢様が思い詰めになる必要はございません」

「そ、そうですか？」

　でも、コレールまでもこう言ってますし！  きっとそうに違いありません！！
　皆んなが慰めてくれているのは分かりますが……うん、そう言う事にしておきましょう！

　じゃないと、やらないとダメな事だらけで、モチベーションを上げていかないとダメなのに落ち込んでしまいますからね。
　現実逃避、結構！  責任転嫁、上等！！  悪いのは全部ヴィスデロビアですっ！！

「そうですね！  悪いのはヴィスデロビア！  打倒ヴィスデロビアです！！
　さぁ、モチベーション上げて頑張っていきましょうかっ！！」