最強幼女は惰眠を求む! 〜神々のお節介で幼女になったが、悠々自適な自堕落ライフを送りたい〜

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第17章 地球帰郷編

298話 魔導科学兵器ですっ!!

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「と、突然叫ばないで下さい!」

 ビックリするじゃないですかっ!

「ルーミエル君、キミは自分が何をしたのか分かっているのかな?」

 あれ?  もしかしてフォルクレス、怒って……
 いやいや、それはおかしい。
 だって特に怒られる様な事はしてませんし、どちらかと言うと当然大声を上げたフォルクレスの方に過失があるハズです。

「キミが今押したそのスイッチをきっかけに、これから地球では世界を巻き込んだ大戦が巻き起こる事になる」

「えっ?」

 う、嘘でしょう?
 まさかそんな事が……

「しかも核程度では神に傷一つ付ける事すら不可能。
 つまりキミは全く意味のない事をして、故郷であるこの地球の第三次世界大戦開戦の幕を切って落としたんだ」

「そ、そんな……」

「少しは自分のしでかしか事が分かったかな?」

「ぷっ……ふっふっふ、そんな事って……ふふふ」

「え~と、ルーミエル君?
 何がおかしいのかな?」

 何がおかしいって、これが笑わずにいられる訳ないじゃないですか!
 だって、まさか……

「まさか本当に核を撃ったと思ってるなんて……ぷっふふふ」

「「「「え?」」」」

 おや、この反応を見るにフォルクレスだけじゃなくて、お三方もですか。

「まったく、僕がそんな愚かな事をする訳が無いじゃないですか!」

 普通に考えて、僕がそんな無駄な事をするはずが無いのに。
 フォルクレスの言う通り、神の領域に至った存在には核兵器何て全くの無意味ですからね。

 強いて言えば、核の放射性物質を撒き散らすから後始末が面倒くさいってところでしょうか?
 アニクスならまだしも、地球で核なんて使えば確実に誰かしらが気付きますからね。

 放射性物質を消し去り、周囲を復元して何事もなかった様にする事も可能ですが。
 人目がある中でそんな事をすれば、核兵器の使用以上の大騒ぎになって鎮静化するのは超絶面倒でしょう。

「いや、でもブラック・ボックスを」

「ここは特別指令室ですよ?  そんなの雰囲気に合わせただけに決まってるじゃ無いですか。
 フォルクレスはおバカですね~」

「……」

 ふっ、ふふふ……さっきのフォルクレスを思い出してしまいました。
 必死に大声出しちゃって……ふふふ!  ニヤけてしまいます。

「しかし、偉そうにお嬢様にお説教とは。
 フォルクレスの分際で随分と偉くなったものですね」

「お嬢様が核兵器などと言う無価値な玩具を使うハズもないと言うのに」

「……」

 昨日の事があったからか、いつもよりオルグイユもメルヴィーも刺々しい!
 言葉はいつもと変わらないのに、あのゴミ屑でも見るかの様な冷たい視線!
 後ろでリーリスが羨ましそうな顔でクネクネしちゃってます!!

「ファイアァーとか叫んで、そのスイッチを押しただけで何もしてないって……
 キミ、私を揶揄ったね?」

「え?  別に揶揄った訳じゃありませんよ」

「え?」

 まぁこの前、フォルクレスに悪戯されたから、やり返すつもりですけど。
 今回のこれは本当に攻撃のスイッチですし……うん、別に揶揄ってはいませんね。
 核を撃ってないってだけですからね。

「ふっふっふ!  ご説明しましょう!!
 このスイッチは僕が保有するとある兵器の攻撃スイッチなのです!!」

「ルーミエルさんが保有する兵器ですか?」

「フォルクレス様と貴女は昨日、地球に来たばかりなのでは?」

 フォルクレスは分かった様ですけど。
 天照さん達が困惑するのも無理ないですね。

「確かに僕達が来たのは昨日ですけど、ナイトメアの皆んなはそれより前から地球で拠点を作ってましたので」

 僕が作った兵器を転送して運用しておいて貰う程度は簡単にできます。

「僕が今回用意した兵器。
 それは衛星軌道上に存在し、あらゆるレーダーに映らない完全ステレスの人工衛星。
 魔法と科学を融合させた魔導科学兵器なのですっ!!」

 仮に見つかっても、常時展開されている結界……バリアによって撃墜する事はまず不可能。
 しかもレーダーだけじゃ無くて、魔力を介した探知やスキルでも簡単には探知できない高等仕様!

「内蔵されたタンクには遠隔で魔力を充填する事が可能となっており、充填された魔力を圧縮して放つ。
 感知不能な上空から突如として降り注ぐ魔法攻撃っ!!」

 我ながらエグい兵器を作ってしまったものです……

「その名も!  魔導科学衛星ですっ!!」

「それで、今その魔導科学衛星から放たれる魔法は?」

「当然僕の滅光魔法・滅砲ですよ?
 まぁただ1つだけ欠点がありまして、魔力を圧縮するするのに時間がかかるんですよね。
 って、聞いてますか?」

「……今、滅光魔法って言ったかな?」

「そうですけど?」

 何せ現在、魔導科学衛星に貯蓄されている魔力を注いだのは僕ですからね。
 僕の魔力を使えば、滅光魔法を放つ事が可能って訳です。

「ル、ルーミエル君、それってマズイんじゃ……」
  
「あっ、発射されました」

 真正面のスクリーンに映し出されている映像は、ゼサータレンがあると言うとある国の軍事施設。
 そしてそこに尾を描く白い光の塊が天から到来。

 ……ゴオォォォォオッッ!!

 一瞬の間の後、凄まじい閃光を放ちながら軍事施設を半球状に包み込む白いアーチ。
 一瞬にして軍事施設を呑み込んだ半球がふっと消え失せる。

 土煙すら無く後に残るのは……白いアーチができていた部分の地面がクッキリとくり抜かれたクレーター……

「……ぼっ、ぼぼ僕は悪くないですっ!!」
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