最強幼女は惰眠を求む! 〜神々のお節介で幼女になったが、悠々自適な自堕落ライフを送りたい〜

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第13章 魔教団殲滅編

209話 神の杖です!

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 大陸中央部に位置する2つの大国。
 西のネルウァクス帝国と東のアレサレム王国。
 大陸東部に乱立した数々の小国を属国として従えたアレサレム王国圏の更に東部。

 そこに広がるのは広大な森林。
 古の大戦の激戦地にして、その際に放出された膨大な魔力を吸収した魔窟。

「確かに、魔素の濃度がそれなりに高い気がしますね」

『そう言えるのは、ルーミエル様方だけですよ』

 事実を言っただけなのに、アスティーナに苦笑いされてしまいました。
 解せません。
 深淵の試練に比べれば、別に大した事ないのに……

『その場所は一般人なら死んでも可笑しく無いレベルの魔素濃度です』

 えっ?
 嘘ですよね?   マジですか。
 アスティーナのこの顔はマジですね。

「そっ、そんな事は勿論分かっていますよ?」

『ふふふ、そうですね』

 どうやら、誤魔化せた様ですね。
 危なかった、もう少しで僕の常識人としてのイメージ像が崩壊するところでした。

「そ、それで、そちらの準備はどうですか?」

『ご心配なく。
 ユリウスが張り切っていますので』

 そう言ってから少し体をずらしたアスティーナの奥には、帝国軍を鼓舞するユリウスの姿。
 薄々感じてはいましたが……やはり、ユリウスは戦闘狂の類でしたか。

「分かりました。
 では、そちらは任せましたよ」

「承りました」

 軍隊式の敬礼をする姿を最後に通話を終了する。
 向こうにはリーリス並の敵はいませんし、心配ないでしょう。

「さて、皆んなも準備はいいですか?」

 振り返った先にいるのは眷属家族の皆んな。

 黒龍、コレール。
 霊鳥、フェル。
 始祖吸血鬼、オルグイユ。
 九尾狐、アヴァリス。
 セルケト、リュグズール。
 リヴァイアサン、エンヴィー。
 白虎、グラトニー。
 僕の専属メイドであるメルヴィー、ノア、シアの10人。

 この10人だけで恐らくは大陸を平定出来るだけの大戦力。
 明らかなオーバーキルですが、今回ばかりは容赦はしません。
 完膚なきまでに叩き潰す。

「はい、全て完了済みです」

「では、決戦の幕開けと行きましょうか」

 眼前に聳え立つ、天を突くかの様な巨大な塔。
 八大迷宮の一角である〝暴風の試練〟を中心に栄える城塞都市。
 人の寄り付かない魔窟の奥深くに作られた、魔教団の総本部。

 今いる丘の上から一望出来る城塞都市は堅牢そのもの。
 魔窟と呼ばれるこの場所に、本部を構えているだけはあります。

 対物理結界、対魔法結界は当然。
 様々な感知設備が上空にすら張り巡らされる。
 防衛面のみならば、ネルウァクス帝国の帝都をも遥かに上回る厳重体制と言えるでしょう。

「まぁ……」

 突如として鳴り響く轟音。
 地面は揺れ動き、発生する衝撃波が雲を吹き飛ばす。

にはあまり意味がありませんけどね」

「ヒュー!  お嬢、容赦ねぇな!!」

 コレール達の中でも最硬。
 最も高い防御力を誇るリュグズールですら称賛するこの破壊力!

 それは天より降り注ぐ、魔力を一切含まない純粋な物理攻撃。
 圧倒的な質量と、マッハ9.5にも及ぶ圧倒的な速度。
 地球に於ける超大国、合衆国が保有するとネット上で騒がれる宇宙兵器。

 今や神能の権能と化した〝等価交換〟でポチッとワンクリック。
 そんなお手軽で、核兵器に匹敵すると噂される兵器の名は……

「通称、神の杖」

 立て続けに鳴り響く轟音。
 止まらない地面の激しい揺れ。
 連続して飛来するそれによって、魔教団本部を守っていた結界が遂に……砕け散った。
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