最強幼女は惰眠を求む! 〜神々のお節介で幼女になったが、悠々自適な自堕落ライフを送りたい〜

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第13章 魔教団殲滅編

203話 もう……容赦はしません

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「ノア、シア……」

 超キングサイズのベッドに並んで眠る2人。
 呼吸も整ってるし、魔力も殆ど全快してるのに……ぐっすりと眠ってますね。

 こんなにも心配してるのに、気持ちよさそうに寝てるとは……ずるいですっ!
 僕なんて今日はお昼寝抜きなのに……羨ましいですね~。

「お嬢様」

 2人の尻尾を握ったり、耳をモフッたり、頬を突いていると、すぐ後ろで声がしました。
 恐る恐る振り返ると……

「ち、違うのです!
 これには歴とした理由がですね……」

「眠っている怪我人に悪戯は宜しくありませんよ?」

 腰に手を当てて仁王立ちしているメルヴィーの姿。
 咄嗟に出た言い訳も、有無を言わさぬ雰囲気を放つメルヴィーを前に撃沈しました。

「ご、ごめんなさい……」

 脳裏によぎるは、メルヴィーに連行されてボロ雑巾と化して戻ってきたエンヴィーの姿。
 こ、これは非常にマズいです!
 怒ったメルヴィーのお仕置き……怖くてメルヴィーと目を合わせられませんっ!!

「はうっ!!」

 頭上から聞こえる謎の奇声に恐る恐る顔を上げると……恍惚とした様子で何故か悶えていました。
 以前から思ってましたけど、オルグイユとメルヴィー偶に変な奇声を上げたりするんですよね。
 エンヴィーとグラトニーは可哀想な病気って言ってましたけど……

「だ、大丈夫ですか?」

「はっ!?  勿論問題ありません」

 どうやら発作は治った様ですね。
 いつもの凛とした出来るメイドの顔になってます。

「良かったです。
 でも2人がオルグイユとメルヴィーは可哀想な病気だって言ってたので、僕も治す方法を探してみますね!」

 そして、このドサクサに紛れてメルヴィーのお仕置きを回避できれば完璧です!!

「お嬢様、それをお嬢様に教えた2人とは誰でしょうか?」

「えっ?  エンヴィーとグラトニーですけど」

「なるほど、あの2人ですか」

 な、何やら怖い微笑みを浮かべてますね。
 まぁ、怒りの対象が僕から外れた様で何よりです!

「あの、メルヴィー?」

「申し訳ありません。
 お嬢様、準備が整いました」

 まぁだとは思ってました。
 2人が目を覚ますまでここに居たいですけど……仕方ありませんね。

「分かりました。
 じゃあ、行くとしましょう」



 ※



 深淵の試練、第200階層ナイトメア本部の大広場。

「壮観ですね」

 眼前に広がるは綺麗に整列するナイトメアの総戦力。
 召集をかけたのがほんの数時間前なのに……我が組織ながら凄まじいですね。

 今回のこの為だけに作られた真っ白な大理石の特設舞台。
 別にここまでする必要は無かったんですが……まぁ雰囲気と言うのは大事ですしね!

「皆さん、突然の召集すみませんでした」

 今は一応もう夜ですが、ナイトメアが運営する事業は多岐に渡ります。
 ホテルは夜でも忙しいでしょうし、リーヴ商会も他商会との会談だったり滅茶苦茶忙しい。

「今回皆んなに集まって貰ったのは、今後の方針を伝える為です。
 現在までは対魔教団同盟が主体となって魔教団と戦っていました……ですが、奴らは僕の逆鱗に触れた」

 苛つきから自然と魔力が溢れ出る。
 この場所にはイヴァル王達も当然居ますが、野外で魔力も霧散するので大丈夫でしょう。

 あっ、コレールが気を利かせて結界を展開してくれました。
 これで気にする事は無くなりました。

「魔教団はノアとシアを……僕の家族に手を出しました」

 その言葉に広場に騒めきが満ちる。
 ノアとシアはナイトメアの中でも頂点に近い実力者。
 幹部であるコレール達とメルヴィーを省けば文句無しの頂点に立つ2人です。

 彼等が驚くのも仕方無いでしょう。
 しかし、こうなってしまっては収拾のつけようがありませんね。

「もう……」

 解き放たれた魔力が夜の闇を白く染め上げる。
 空間を圧迫するかの様な魔力と重圧に、整列していた全員が自然と膝を折り跪く。

「容赦はしません。
 魔教団だろうが、国家だろうが、魔神だろうが、僕の邪魔をし、僕の家族を傷つけるのなら全力で潰します」

 フッと圧倒的な魔力と重圧が消失した事により、静寂が訪れ、全員が顔を伏せて言葉を待つ。

「これまでは極力表舞台に立たない様にしてきましたが……ナイトメアの総力を上げて魔教団を潰します!!」

 舞い戻った夜空に浮かぶ月を背負った僕の言葉に、空気を震わす雄叫びが鳴り響いた。
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